おいしい紅茶を入れるために知っておくべき作法が「ゴールデンルール」。お湯の温度や分量、茶葉を蒸らす時間など、細かく決まっているのですが、これと深く関わってくるのが茶器です。

特に「ティーポット」はとても重要な役目を担っており、素材や形状によって、紅茶の風味が大きく変わってしまいます。そこで今回は、ティーポットのおすすめブランドをご紹介。種類や選び方も踏まえて、解説します。

ティーポットにはいろんな種類が存在する


ティーポットにはいくつか種類があります。明確に区別されているわけではありませんが、最も代表的なのは「素材」による違い。それぞれにメリットとデメリットが存在します。また、「形状」によってボール型・スクエア型・筒型、そして特殊型などに分けることも可能です。

同じ茶葉を使用した場合でも、ティーポットを変えるだけで、異なるテイストに仕上げります。紅茶をもっと楽しみたいという方は、ぜひ注目してください。

ティーポットの選び方

素材で選ぶ


紅茶の風味を左右するのがティーポットに使われている「素材」です。大きく分けると陶磁器・ガラス・金属の3種類に分けられます。総合的にみると陶磁器がおすすめです。しかし、ライフスタイルによっては、ほかの素材の方が向いている場合あります。それぞれの長所・短所を見てみましょう。

(1)陶磁器

陶磁器製ティーポットの魅力は「保温性が高い」ところ。おいしい紅茶を入れるのに最も重要なのは蒸らしの工程と言われています。陶磁器はガラスや金属と比べて温度が下がりにくいので、じっくりと茶葉を蒸すことができるのです。

また、「アートが楽しめる」のも大きなメリット。表面に花や模様などのイラストが描かれていたり、染色されていたり、陶磁器製のティーカップはデザインが豊富です。無地のものにもシンプルで深い魅力があります。芸術性を重視したい方におすすめです。

さらに、陶磁器のティーポットを使うと「お茶の渋みが減る」というメリットがあります。ただし、ダージリンのような渋みがポイントの紅茶を入れる場合は注意してください。

陶磁器のデメリットとしては「耐久性が低い」「価格が高め」「紅茶の匂いが移りやすい」などがあります。特にアールグレイなどフレーバー系の紅茶は香りが移りやすいので、専用のティーポットを用意した方がよいでしょう。

(2)ガラス

ガラスのティーポットの特長は「紅茶の香りが移りにくい」ところです。陶磁器製の場合は水分を吸いこんでしまうため、フレーバーティーやハーブティーなど香りが強い紅茶を飲む場合は特に注意が必要です。しかし、ガラス製ならば香りが移りにくいので、そのような心配もありません。さまざまな種類の紅茶を楽しみたい方におすすめです。

また、ガラス製は「透明」という大きなメリットがあります。紅茶は熱対流によって茶葉が浮き沈みする「ジャンピング」という現象によって、おいしくなると言われています。透明なガラス製のティーポットならば、ジャンピングの様子が観察しやすいので便利です。紅茶がどれくらい抽出できているのかが、わかりやすいのもポイントです。

デメリットとしては「保温性が低い」「耐久性が低い」という点が挙げられます。春や夏に使うならば特に問題はないのですが、冬場など寒い季節になると紅茶が冷めやすくなってしまいます。その場合は、ポットを保温するための布製のカバー「ティーコージー」があると安心です。

(3)金属

金属製のティーポットは大きく分けるとシルバーとステンレスがあります。共通するメリットは「耐久性が高い」という点です。陶磁器製やガラス製のものは衝撃を受けると傷ついたり、割れてしまったりするのですが、金属製のタイプはとても丈夫にできています。

一般的に金属製のティーポットは保温性が低いと言われています。確かに金属は熱伝導率が高いので熱がすぐに伝わりますが、熱が逃げやすいわけではありません。魔法瓶のように、長い時間にわたって熱を逃がさないタイプのティーポットもあります。

金属製の特徴として「紅茶の風味が強調される」という点が挙げられます。短時間で濃い紅茶を抽出したい方におすすめです。ただし、雑味や渋味なども強調されてしまうので、紅茶の種類によってはデメリットになるケースもあります。また、鉄を多く含むポットは、風味を損なうだけでなく紅茶の色が黒っぽくなってしまうので注意しましょう。

形状で選ぶ



ティーポットの形状によっても風味が変わってきます。最もおすすめなのは胴の部分が球状になっている「ボール型」です。ボール型のポットは茶葉がジャンピングしやすいのが特長。味や色に深みが出るだけでなく、香りも豊かになります。

上から見ると四角形をしているのが「スクエア型」。ボール型と比べると熱対流は控えめです。しかし、内容量が多いので1度にたくさんの紅茶を入れたいときにはおすすめ。また、場所を取らないので収納も簡単です。お湯に入れると乾燥したバラが花開くような工芸茶にも向いています。

「筒型」のポットで、縦に細長いのはフレンチプレスまたはメリオールなどと呼ばれるタイプ。上から金属製のフィルターを沈めて、お茶と茶葉を分離します。日本では紅茶用として用いられていますが、もともとはコーヒー用のポットです。ボール型と比べると茶葉がジャンピングしづらい構造であるため、風味はやや劣ります。

ほかには「特殊型」があります。たとえばキャラクターの形をしていたり、アートな形をしていたり、個性的な形状をしたティーポットです。おいしい紅茶を入れたい場合には不向きですが、テーブルを華やかにするという点では優れています。デザイン性を重視している方にはおすすめです。

注ぎ口で選ぶ


ティーポットの形状でもうひとつ気を付けたいのが「注ぎ口」。コーヒーポットは、湯量を調節するために細く長い注ぎ口が好まれますが、ティーポットの場合は太く短い注ぎ口がおすすめです。

紅茶はポットの中で抽出するため、細く長い注ぎ口のポットを使用すると茶渋や茶葉などが溜まってしまいます。味や香りを損なうだけでなく、衛生的にもよくありません。太く短い注ぎ口ならば掃除も簡単。長く使いたい方は注ぎ口にも注目してください。

サイズで選ぶ


ティーポットは、紅茶を飲む人数に合わせてサイズを変える必要があります。一人で飲む場合は一人用の小さなポット、お茶会をするときは人数に対応できる大きなポットがおすすめです。大きなポットで一人分の紅茶を入れようとすると、茶葉が十分に蒸れずに、風味が損なわれてしまいます。ティーポットにおいては、大は小を兼ねないので注意しましょう。

デザインで選ぶ


ティーポットは食卓を飾るグッズでもあるので、デザインも重要です。おいしい紅茶を入れる場合はボール型がおすすめと前述しましたが、見た目が気に入ったのならば、スクエア型や円柱型のティーポットを候補とするのもアリです。

デザインで選ぶ場合ですが、ティーポットやマグカップ、ソーサーなどがセットになった製品もおすすめです。カラーやイラストなどに統一感があるので、紅茶を目で楽しむこともできます。ゲストを招く機会が多い方は、セットのものを中心に探してみてください。

ティーポットのおすすめブランド
陶磁器

ウェッジウッド (WEDGEWOOD)

英国王室御用達の「ウェッジウッド」。世界で最も有名な陶磁器ブランドのひとつで、品質と芸術性を兼ね備えているのが特徴です。紅茶を愛するイギリスのメーカーだけあって、ティーポットをはじめ、カップ&ソーサーも充実しています。日常使いとしてはもちろん、来客用、贈答用としてもおすすめのブランドです。

ウェッジウッド(WEDGWOOD) ワイルドストロベリー ティーポット


ウェッジウッドを代表する図案「ワイルドストロベリー」が描かれたティーポット。18世紀後半にはすでに使われていた伝統的なデザインです。素材はボーンチャイナ。イギリスで生み出された焼き物のことで、耐久性に優れています。

ル・クルーゼ(Le Creuset)

ル・クルーゼは、1925年にフランスで誕生したキッチン用品メーカー。ホーロー鍋で有名ですが、シリコン製や木製のキッチン用品も数多くリリースしています。その性能やデザイン性の高さから、プロの料理人からも愛用されている人気ブランドです。カラーリングも豊富で、インテリアと合わせやすいのもポイント。おしゃれを楽しみたい方におすすめです。

ルクルーゼ(Le Creuset) ストーンウェア ティーポット&マグ 2個セット


ティーポットとマグカップのセットです。素材はストーンウェア。ドイツで生まれた焼き物のことで、水分を吸いにくいのが特徴です。フレーバーティーのような、香りが強い紅茶を入れる方におすすめ。また、ストーンウェアには、汚れを落としやすいというメリットがあります。茶渋によって汚れやすいティーカップには最適の素材といえるでしょう。

ノリタケ(Noritake)

ノリタケは、1932年に日本で初めてボーンチャイナの開発に成功した高級洋食器メーカーです。和のエッセンスが加わった洋食器は、国内だけではなく、ヨーロッパやアメリカでも高く評価されています。特に明治後期から第二次世界大戦終了後までに輸出されたものは「オールドノリタケ」と呼ばれ、プレミア価格で取引されているほどの人気ブランドです。

ノリタケ(Noritake) ファインポーセレン レースウッドゴールド ティーポット(小)


優しい色調が印象的なティーポット。ゴールドをワンポイントとして使用することで、シンプルながらも上品なデザインに仕上がっています。素材はファインポーセレン。海外では「ノリタケチャイナ」とも呼ばれており、ボーンチャイナとはまた違った美しさがあります。ティータイムを華やかに彩る逸品です。

ティーポットのおすすめブランド
ガラス

ハリオ(HARIO)

ハリオは、キッチン用品を取り扱っているガラスメーカー。コーヒー分野で有名ですが、紅茶や日本茶といったティー関係の関連器具も数多くリリースしています。近年は海外のカフェでもハリオの製品を見かける機会が多くなってきました。安心の日本製でありながら、価格はリーズナブル。グッドデザイン賞を受賞している製品も少なくありません。コスパ重視の方におすすめです。

ハリオ(HARIO) フィルターイン ボトル 750ml


ワインボトルのような形状をしたティーポットです。中に茶葉と水を入れるだけで、簡単に水出し紅茶を作れます。ポットの中にお好みのフルーツを入れれば、フルーツティーを作ることも可能です。注ぎ口にはフィルターが付いているので、そのまま注げます。冷蔵庫に保管しやすいのもポイント。アイスティー派の方におすすめです。

カリタ(Kalita)

カリタは、1958年に東京日本橋で創業した企業。コーヒー機器で有名なメーカーですが、ティーポットもリリースしています。同社は業務用器具も販売。喫茶店やカフェなどでもよく使われています。カリタのブランド製品は素材にこだわりつつ、見た目もおしゃれ。ハイクオリティな製品を探している方におすすめのブランドです。

カリタ(Kalita) ティーバッグサーバーN 300ml


ふっくらとしたボディが特徴的なティーポットです。注ぎ口にはステンレスメッシュが付いているため、茶こしが不要。また、底面には台が付いているのでテーブルに直接置けます。大きな取っ手が付いているので注ぎやすいのもポイントです。本体は耐熱ガラス製。フタを外せば電子レンジにも対応できます。お茶が冷めたときも温め直せるのもおすすめポイントです。

イワキ(iwaki)

イワキは、1883年、日本で最初の民間ガラス工場として生まれたメーカー。耐熱ガラス食器に強みがあり、ティーポットをはじめ、レンジ調理器具、キッチン用品など、さまざまなアイテムを製造しています。日本を代表する老舗ガラスメーカーですが、価格はリーズナブル。デザインもカラフルで可愛らしいものが多く、ファミリー世帯にもおすすめです。

イワキ(iwaki) レンジのポット 400ml


コンパクトサイズで扱いやすいティーポット。口が広いので洗いやすいのがポイントです。また、茶葉がジャンピングしやすいように、大きな茶こしが採用されています。底の部分はプラスチックで補強されており、テーブルに直接置いても割れにくい安心感があります。容量は400ml。1~2人分の紅茶を入れたいときに便利なアイテムです。

ティーポットのおすすめブランド
金属

アレッシィ(ALESSI)

アレッシィは、1921年にイタリアで誕生したブランドです。高級ステンレスを用いた生活用品で知られています。70か国以上に展開しているトップブランドで、シンプルながらユーモアを感じさせるデザインが特徴。世界中のホテル・レストラン・カフェなど、多くのシーンで利用されています。

アレッシィ(ALESSI) Ottagonale ティーポット


かつてアレッシィの社長を務めたカルロ・アレッシィによってデザインされたティーポットです。八角形のボディと、角張った取っ手がとてもユニーク。鏡面仕上げのステンレスもスタイリッシュです。容量は900mlで、ティーカップ6杯分の紅茶を入れられます。ファミリー世帯はもちろん、ゲストを招いてお茶会をする方におすすめのサイズです。

仔犬印(KOINU)

仔犬印は、ステンレス加工で有名な新潟県燕市にある本間製作所のブランド。レストランの厨房や食品工場など、ハードユースを想定して作られている製品です。利便性はもちろん、デザイン性、耐久性にも優れているため、こだわりのキッチン用品を探している一般の方からも高く評価されています。

仔犬印(KOINU) エルム ティーポット


仔犬印のロングセラー商品。持ちやすさを考慮して、取っ手は大きめにデザインされています。注ぎ口は水キレも良好。マットな光沢が上品さを演出しています。和風のお部屋から北欧風のおしゃれなキッチンまで、さまざまなシーンに使えるおすすめのティーポットです。

ロイヤルセランゴール(Royal Selangor)

ロイヤルセランゴールは、マレーシアにある世界最大のピューターメーカーです。ピューターとは、スズを主成分とした合金のことで、中世ヨーロッパでは高級食器として用いられていました。欧米を中心として、年間100万個近いアイテムを出荷している国際的な老舗企業です。

ロイヤルセランゴール(Royal Selangor) ピューター メロン ティーポット


12枚の金属シートを張り合わせて製作するメロンティーポット。ロイヤルセランゴールでは最も有名なデザインです。ゆるやかな流線形を描くボディは世界的に高く評価されており、高級ダイニングやレストランでも利用されています。スズ合金のピューターは保温性が高く、紅茶を蒸らすのに最適。特別なゲストを招くときに使いたい逸品です。