一眼レフを持っている方なら1本は持っておきたい「望遠レンズ」。野鳥や鉄道など、カメラマンから遠くに離れた被写体を撮影する時に役立つアイテムです。ただし、製品ラインナップが豊富で購入する際に迷ってしまう方も多いはず。

そこで今回は、キヤノンやニコンをはじめ、各メーカーのおすすめ望遠レンズをご紹介します。選び方も合わせて解説するので、購入を検討している方はチェックしてみてください。

望遠レンズとは?

「望遠レンズ」とはカメラレンズのひとつで、望遠鏡のように遠くを撮影したり、近距離にある被写体を大きく撮影したりするときに使うモノです。画角が狭いので、映り込む背景の範囲も狭くなり、より被写体を強調した撮影ができます。

遠近感が喪失する現象「圧縮効果」を起こせるのも望遠レンズの特徴。近くの被写体と遠くの被写体の距離感を圧縮することで、遠くの被写体が大きく映り、よりインパクトのある写真が撮れます。

また、ピントの合う範囲「被写界深度」が浅いため、被写体の距離が同じ場合は広角レンズよりも望遠レンズの方がボケやすいのもポイント。被写体にしっかりピントを当て、それ以外の背景を幻想的に撮りたい場合は活用しましょう。

一方、写真がブレやすくなるのがデメリット。思い通りの1枚を撮影するためには、「三脚」や「一脚」などを使ってカメラをしっかり固定するのがおすすめです。なお、手ブレ補正機構を採用した望遠レンズもあるので、手ブレが気になる方は製品選定をする際にしっかりとチェックしましょう。

望遠レンズの選び方

焦点距離で選ぶ

望遠レンズは、一般的に焦点距離が135mmまでのタイプを「中望遠レンズ」、300mmまでのタイプを「望遠レンズ」、400mm以上のタイプを「超望遠レンズ」と分類しています。何を撮影するのか、そして被写体までの距離は大体どれくらいなのかを把握することが大切です。

スポーツシーンの場合

室内でのスポーツシーンを撮影する場合は、焦点距離70〜300mの望遠レンズで対応可能。サッカーなど屋外のスポーツで、客席から撮影したい場合は300mm以上が目安です。選手の顔をハッキリと映したいのであれば、500mm程度の望遠レンズがあるとよいでしょう。

ポートレートの場合

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ポートレート撮影など、比較的近距離の被写体を撮るときは焦点距離が短い中望遠レンズがおすすめ。中でも、焦点距離85mmのレンズは適度なボケ感を出すことができます。

風景写真の場合

風景写真を撮影する場合は、焦点距離70〜300mm程度の望遠レンズを選ぶのがおすすめ。初心者の方は、フレーミングがしやすい望遠ズームレンズを選んでおくと、あちこち移動する必要がないので便利です。

F値をチェックしよう

F値とはレンズに取り込む光量を調整する絞りの大きさを示す数値。F値が小さいほど取り込める光量が増えるので、高速シャッターが切れるようになり動体撮影が有利になるほか、背景や前景を大きくぼかせるようになります。逆にF値が大きくなるほど光量が減るので、低速シャッターで動きの軌跡を表現できるなど、広い範囲でピントの合った写真が撮影可能です。

なお、そのレンズで使える最も小さいF値を開放F値と呼びます。運動会や旅行などの一般的な用途や携帯性を重視する場合は、F4.5-5.6など開放F値が大きめで焦点距離によって変わる望遠レンズでも十分。しかし、ボケ表現を活用するポートレートや暗所での撮影、高速シャッターが必要な動体撮影では、開放F値がF2.8以下の大口径望遠レンズがおすすめです。

サイズや重量もチェック

望遠レンズは焦点距離の短いレンズと比べてサイズや重量が大きくなります。特にフルサイズ用の望遠レンズともなると望遠鏡並みに重量級のものが多いのが難点です。

自家用車などを利用できる場合は別ですが、徒歩や公共交通機関が主な移動手段となる場合や運動会などフットワークを重視しつつ手持ちで撮影したい場合は最高でも1.5kgまで、できれば1kg以下の望遠レンズがおすすめ。それ以上になると疲労を早く感じやすくなるので手持ちで長時間の撮影は難しくなります。

また、サイズが大きすぎるとかさばるのでカメラバッグへの収納が難しくなり持ち運びもひと苦労。携帯性を重視する場合はできれば全長が20cm以下の望遠レンズを選ぶのがおすすめです。

望遠レンズのおすすめメーカー

ニコン(Nikon)

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ニコンは、業界大手のカメラメーカー。カメラレンズも多く手掛けており、これまでに累計1.1億本以上のレンズを販売した実績を持っています。

ニコンの一眼レフカメラ用レンズは種類が豊富なのが特徴で、現行の望遠レンズだけでも25本以上のモデルを展開しています。廉価な望遠ズームからプロ向けの高価な大口径望遠レンズまで満遍なく揃えられているので、予算や撮影目的に合わせて最適な望遠レンズを選べるのが魅力です。

また、ニコンは高級レンズだけではなく比較的廉価なレンズにも最新技術を搭載しています。小型軽量なのに高画質・高性能なレンズやコスパの高いレンズが用意されているのも特徴。純正のマウントアダプターを介せばフルサイズミラーレスカメラのZシリーズでも機能制限なく使用できます。

キヤノン(Canon)

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キヤノンはカメラ市場の総合シェアで業界トップを誇るカメラメーカー。一眼レフカメラ用のレンズも多く手掛けており、これまでに累計1.3億本以上のレンズを販売した実績を持っています。

キヤノンも一眼レフカメラ用レンズのラインナップが充実しており、望遠レンズだけでも30本以上のレンズを展開。一般向けからプロ向けまでさまざまなレンズがあるので、豊富な選択肢のなかから自分に合う望遠レンズを選べます。

キヤノンの望遠レンズは廉価モデルと高級モデルとでは性能差が大きいので、性能重視の方は「Lレンズ」を選ぶのがおすすめです。純正のマウントアダプターを介せばフルサイズミラーレスカメラでも機能制限なく使用できます。

シグマ(SIGMA)

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シグマは日本随一の高度な光学技術を持つ高性能レンズメーカーで、古くは安い互換レンズを開発していました。2012年にレンズラインアップを3つのプロダクト・ラインに再編する新コンセプトを採用。純正レンズを凌駕する高画質を持ちながらもコスパの高いレンズを手掛けており、その性能の高さは海外でも定評があります。

また、シグマの望遠レンズは高画質なのはもちろん、120-300mm F2.8や150-600mmなど純正レンズには見られない独特な焦点域を備えているのが特徴。その一方で、純正レンズよりも価格がリーズナブルなので入手しやすいのも魅力です。

有料サービスにはなりますが、購入後でも使用するカメラに合わせてレンズのマウントを交換できるのもポイント。将来的に別のマウントに乗り換えても、気に入ったレンズを使い続けられます。

望遠レンズのおすすめ

望遠レンズのおすすめモデル|ニコン

ニコン(Nikon) AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR

ニコン(Nikon) AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR

焦点距離70-300mm、開放F4.5-5.6となる、旅行や運動会におすすめの望遠ズームレンズ。フルサイズ用の望遠レンズにも関わらず重量約680g・全長14.6cmの小型軽量ボディを実現し、携行性に優れているのが特徴です。

本レンズはAFモーターにステッピングモーターを採用しているので、高速かつ静粛なピント合わせが可能。さらに、電気信号によって絞りの制御が行われ全焦点域で安定した露出の制御ができるので、露出が転びやすい望遠域での撮影にも有利です。

価格は8万円前後とリーズナブル。望遠撮影は標準域や広角域の撮影に比べて難易度が高めですが、最高4.5段分の手ぶれ補正効果もあるので初心者でも安心して撮影が楽しめます。

ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

焦点距離70-200mm、開放F2.8通しとなる、風景やポートレート、室内スポーツの撮影におすすめの大口径望遠ズームレンズ。ニコンを代表する大三元ズームの1本で価格は高価ですが、明るい開放F値によって大きなボケ味が得られるほか、室内や夜間の撮影でも高画質が実現できます。また、「ナノクリスタルコート」により優れた逆光耐性を持つのも特徴です。

手ぶれ補正の性能は最高4段分で、動く被写体を追いやすいように補正の効き具合が最適化された「SPORTモード」を搭載。さらに、電気信号による絞り制御に対応したことで高速連写時でも安定した露出の制御が可能です。スポーツはもちろん、ポーズ変化の激しいポートレートの撮影でも重宝します。

ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

焦点距離80-400mm、開放F4.5-5.6となる、屋外スポーツや鉄道、野生動物の撮影におすすめの望遠ズームレンズ。5倍の高いズーム倍率と最高4段分の手ぶれ補正性能を持ち、本レンズ1本で柔軟な対応が可能です。

重量は約1.57kgとやや重めですが、かろうじて手持ちが可能なので機動力を重視した撮影に重宝します。 AF速度も速いので動体撮影にも最適です。

また、廉価な望遠ズームレンズと違って画質が高いのも特徴。ゴーストやフレアを抑えてクリアな描写を実現する「ナノクリスタルコート」や、高いレベルで色のずれを低減する「スーパーEDレンズ」など、プロ品質の高画質が得られる技術が盛り込まれています。

ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

焦点距離200-500mm、開放F5.6通しとなる、鉄道や飛行機、野生動物、野鳥の撮影におすすめの望遠ズームレンズ。フルサイズで500mmという望遠域に対応しているにも関わらず、約14万円という安い価格で購入できるコスパの高さが魅力です。

高い光学性能を持つのが特徴。ニコンで高級レンズの代名詞「ナノクリスタルコート」は非搭載ですが、EDレンズの採用で色ずれが抑えられ、画像の隅々まで高画質で撮影できます。

最高4.5段分の強力な手ぶれ補正効果を持ち、動体撮影に適した「SPORTモード」も搭載。電磁絞り機構の採用によって高速連写時でも露出が安定します。重量は約2.3kgと重いですが、低予算で本格的な超望遠撮影を楽しみたい方におすすめです。

望遠レンズのおすすめモデル|キヤノン

キヤノン(Canon) EF70-300mm F4-5.6 IS II USM

キヤノン(Canon) EF70-300mm F4-5.6 IS II USM

焦点距離70-300mm、開放F4-5.6となる、旅行や運動会におすすめの望遠ズームレンズ。重量約710g・全長14.5cmの小型軽量ボディが特徴で、持ち運びが楽にできるため、初めての望遠ズームとしてフルサイズ一眼レフユーザーにぴったりです。

本レンズはAFモーターに新開発のナノUSMを搭載。軽量化を重視した小型・薄型のチップにも関わらず、上位レンズと同等クラスの高速かつ静粛でスムーズなAF動作が可能なので、写真でも動画でも快適な望遠撮影が楽しめます。

手ぶれ補正の効果は最高4段分。初心者の望遠撮影にありがちな手ぶれによる失敗の防止に効果的です。レンズ上面には撮影距離や焦点距離などの撮影情報を表示するディスプレイを搭載しています。

キヤノン(Canon) EF70-200mm F2.8L IS III USM

キヤノン(Canon) EF70-200mm F2.8L IS III USM

焦点距離70-200mm、開放F2.8通しとなる、風景やポートレート、室内スポーツの撮影におすすめの大口径望遠ズームレンズ。キヤノンで多くのプロカメラマンに愛用されている人気レンズの第3世代モデルで、明るい開放F値や高い描写性能はそのままに、逆光耐性や耐候性が強化されています。

最新のレンズコーティングである「ASC」の採用により、フレアやゴーストをより効果的に抑えた抜けのいい描写を実現。また、防塵防滴構造に加えて、レンズ表面に付着した汚れを簡単に除去できる防汚コーティングも搭載しているので、過酷な環境での撮影にも対応します。

重量は約1.48kgとやや重め。しかし、価格が大口径ズームにも関わらず約24万円とリーズナブルなのは魅力です。

キヤノン(Canon) EF70-200mm F4L IS II USM

キヤノン(Canon) EF70-200mm F4L IS II USM

焦点距離70-200mm、開放F4通しとなる、機動力を重視したい旅行やスナップ、風景の撮影におすすめの望遠ズームレンズ。廉価な望遠ズームレンズと違って全焦点域で開放F値が一定なので、高速シャッター撮影や暗所撮影でも高画質が維持できます。

携帯性や機動力の高さが本レンズの特徴。重量約780g、全長17.6cmという小型軽量ボディを実現しているので、本レンズを持って街中を朝から夕方まで散策していても疲れにくいです。フットワークも軽くなるのでスナップ撮影も軽快に楽しめます。

手ぶれ補正の効果は最高5段分。三脚が設置できない観光地でも効果的に手ぶれを抑えられます。また、「Lレンズ」に相応しい高品質な描写が味わえるのも魅力です。

キヤノン(Canon) EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

キヤノン(Canon) EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

焦点距離100-400mm、開放F4.5-5.6となる、屋外スポーツや鉄道、野生動物の撮影におすすめの望遠ズームレンズの第2世代モデル。前モデルでも好評だった4倍の広いズームレンジと高い機動力はそのままに、逆光耐性や操作性が改善されています。

レンズのコーティングには最新技術の「ASC」を採用。垂直に入る光の反射防止に効果を発揮し、クリアで抜けのいい描写を実現しています。また、ズーム方式を直進式から回転式に変更したほか、レンズをカメラに装着したまま着脱が可能な独立構造の三脚座など、操作性が向上しているのもポイントです。

最高4段分の手ぶれ補正性能を持ち、不規則な動きの動体撮影に最適な補正モードを新たに搭載。本レンズ1本で幅広い望遠域でハイレベルな動体撮影が楽しめます。

望遠レンズのおすすめモデル|シグマ

シグマ(SIGMA) Sports 120-300mm F2.8 DG OS HSM

シグマ(SIGMA) Sports 120-300mm F2.8 DG OS HSM

焦点距離120-300mm、開放F2.8通しとなる、スポーツ全般や鉄道の撮影におすすめの大口径望遠ズームレンズ。描写のよさと開放F値の明るさにより「サンニッパ」の通称で多くのプロカメラマンに愛用される300m F2.8をズームレンズ化したものです。全焦点域で単焦点レンズ並みの明るさと高画質が得られます。

操作性が秀逸なのも特徴。フォーカシングやズーミングによる全長の変化がないインナー機構や、円偏光フィルターの使用時に便利な無回転のフロント部など、瞬間の判断が重要な動体撮影の局面で重宝する機能が充実しています。

通常「サンニッパ」は100万円以上する高価なレンズですが、本レンズは実売価格で約28万円と安いのが魅力。100万円クラスのレンズに引けを取らない高性能を持っています。

シグマ(SIGMA) Contemporary 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

シグマ(SIGMA) Contemporary 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

焦点距離150-600mm、開放F5-6.3となる、鉄道や飛行機、野生動物、野鳥の撮影におすすめの望遠ズームレンズ。500mmを超える望遠レンズは野鳥や飛行機の撮影で必需品ですが、望遠鏡並みに巨大なことに加えて価格も重量級で手が届きにくいのが難点でした。

本レンズは小型軽量を重視した設計のため、フルサイズで最長600mmの焦点距離に対応するにも関わらず、本体重量が100-400mmクラスに近い1.83kgに抑えられています。手持ちでの撮影が可能で、持ち運びもあまり苦になりません。

価格も約11万円と性能の高さの割に安いのも魅力。マウント部には簡易的な防塵防滴機構、レンズ前面には撥水・防汚コーティングが搭載されているので、耐候性も充実しています。

シグマ(SIGMA) Art 85mm F1.4 DG HSM

シグマ(SIGMA) Art 85mm F1.4 DG HSM

焦点距離85mm、開放F1.4となる、ポートレートやインテリアの撮影におすすめの大口径中望遠単焦点レンズ。85mm F1.4はモデルと程よい距離感を保って撮影できることから人気のレンズですが、本レンズは「究極のポートレートレンズ」の呼び声が高い一品です。

特殊低分散ガラスをふんだんに使用した設計により色収差が極限まで補正されているのが特徴。これにより5000万画素以上の超高画素カメラに対応する高い解像力と立体感のある美しいボケ味を両立した比類ない描写を実現しています。

コスパの秀逸さも本レンズの魅力。ドイツ・カールツァイス社が誇る最高級レンズOtusと同等以上の高画質を実現しているにも関わらず、その3分の1にも満たない低価格の約12万円で購入できます。

シグマ(SIGMA) Art 135mm F1.8 DG HSM

シグマ(SIGMA) Art 135mm F1.8 DG HSM

焦点距離135mm、開放F1.8となる、ポートレートやスナップの撮影におすすめの大口径望遠単焦点レンズです。大きなボケ味と圧縮効果が得られるのが特徴。少し離れた位置からモデルの全身を撮影したり、被写体に気付かれず自然な表情をスナップしたりするのに重宝する焦点距離です。

本レンズはArt 85mm F1.4と共通した設計思想で開発されており、色収差が徹底的に抑えられているのがポイント。絞り開放から画面全域に渡ってクリアで解像力の高い描写を実現するとともに、豊かで大きなボケ味が得られます。

最高レベルの性能を持つにも関わらず、望遠レンズとしては約12万円と破格の安さ。描写性能を最重視した設計のため本体重量が1.13kgと重量級ですが、ポートレート撮影を極めたい方に必須の一品です。