食材の味を引き立てる調味料として欠かせない塩。なかでも天日塩は、天然のミネラルが豊富で、甘みのある深い味わいが特徴です。国産から海外産までさまざまな商品があり、原料や製法も異なるのでそれぞれ違った風味を楽しめます。
そこで今回は、さまざまな産地の天日塩をご紹介。天日塩の魅力や調理での使い方もあわせて解説するので、選ぶ際の参考にしてみてください。
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天日塩とは?
天日塩とは、海水を太陽と風の力で蒸発させながら、結晶化させてつくる塩のことです。
おもな産地は、メキシコやオーストラリアの沿岸部などの雨が少ない乾燥した地域。平らな土地に塩田をつくり、1~2年の歳月をかけて海水をじっくり乾燥させてつくります。
ちなみに、雨や湿気が多い日本は天日塩づくりには適していないため、海水を煮詰める釜炊き塩が主流です。あたたかい一部の地域では、タワーや温室などの施設を使って天日塩を製造する会社もあります。
ひと口に天日塩といっても、使用する海水や製法もさまざま。マグネシウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルバランスにも違いがあり、味わいも多種多様です。いろいろな天日塩を試しながら、好みの商品を探してみるのもおすすめです。
天日塩の特徴とほかの塩との違い
自然の力でゆっくりつくりあげる天日塩は、熱を加える釜炊き塩よりも海水のミネラルが壊れにくいので、健康志向の高い方に人気です。
また、塩づくりは高温であるほど塩辛さが増す傾向にありますが、天日塩は低温でつくるため、釜炊き塩よりも辛さが抑えられた味わいになります。海水本来の塩味を豊かに感じつつ、甘みやコクのある深い味を堪能できます。
和食・洋食を問わずさまざまな料理にマッチし、調理の下味から仕上げの味付けまで幅広く使用できるのも魅力です。
天日塩のおすすめの使い方
天日塩はさまざまな料理に合いますが、とくに、食材の味を引き立てたいときに使うのがおすすめです。
焼き魚やステーキなどの素材を生かしたシンプルな料理のほか、天ぷらや刺身のつけ塩にも向いています。野菜の甘みも引き立つので、トマトやサラダにもぴったりです。お米を炊くときに入れれば、甘みのあるふっくらとしたご飯が炊きあがります。
また、粒の粗い天日塩は飾り塩としても使用可能。塩の食感を楽しみたい方は、粒の大きさに注目して選んでみてください。
天日塩のおすすめ商品
海の精 ほししお
伊豆大島の豊かな自然の中でつくられる国産の天日塩。黒潮の海流を原料に、塩田とガラス温室で海水を結晶化させます。
「かくはん」という、手で塩をかきまわす作業を繰り返すことで、マグネシウムやカリウムなどのにがり成分を調節。ミネラル成分を4%以上と多く含み、とくにカルシウムが多いのが特徴です。
塩辛いだけでなく、ほのかな甘さや旨み、コクのある味わいが魅力。磯の風味も堪能でき、味をまろやかに整えます。とくにお吸いものなどのあっさりとした味付けの料理におすすめ。ザラメ状で粒が粗いため、飾り塩として使えばカリカリとした食感も楽しめます。
寿司や天ぷらのつけ塩、日本酒のつまみ塩としてもぴったりなので、和食を楽しみたい方におすすめです。
粟国の塩 天日塩
沖縄県粟国村でつくられる国産の天日塩。粟国島近海で取れる海水を、タワーで循環させながら1週間以上かけて濃縮し、温室で数十日間天日干しすることで結晶化させます。釜焚き塩とは違った風味を楽しめると人気の商品です。
梅干し・味噌・醤油などの加工食品をはじめ、さまざまな料理とも相性がよく、使用の幅が広いのも魅力。容量は100gで使い切りやすく、手軽に天日塩を楽しめます。
土佐の海の天日塩 あまみ
塩の甘みを追求した国産の天日塩。高知県黒潮町の海水を使用し、火を使わない完全天日塩にこだわった商品です。自然結晶によってミネラルを壊すことなく、海水の旨みや栄養分をそのまま閉じ込めているので、甘みを感じられます。
1袋500gと大容量なのも魅力。賞味期限のない天日塩は長期保存が可能なため、まとめてお得に購入できます。
お店などでも使われる、少し高級な天日塩を使ってみたい方におすすめです。
南の極み 天日塩
オーストラリアで古くから親しまれている天日塩。製造するチータムソルト社は、120年以上の歴史を持つオーストラリア最大の塩メーカーです。南オーストラリアの海流を原料に、塩田で18ヶ月もの長い時間をかけて塩をつくります。
まろやかな味わいが特徴で、食材を茹でるときや、肉や魚の下味を付けるときにぴったり。また粒の大きさが1mmと大きいので、塩の食感を楽しみたい料理にもおすすめです。容量は500gなのでたっぷりと使えるうえ、価格が安いのも魅力。
なお、0.5mmの「さらさら小粒タイプ」もあり、おむすびや天ぷらなどにかけたいときに便利です。
インカ天日塩
アンデス高地でつくられるペルー原産の天日塩。地下に眠る太古の海水が塩水として地上に湧き出て、広大な棚田に流れ込むことで形成されたマラス塩田でつくられています。マラス塩田は「天空の塩田」としても有名です。
ミネラルをバランスよく含んでいるので、口に含むとふわっと旨みが広がります。トマトやモッツァレラチーズにかければワンランク上の味わいに。ドライフルーツにもマッチし、酸味や甘み、塩味を堪能できます。洋食との相性がよいおすすめの天日塩です。
また、環境汚染のない塩水を使っているので、バスソルトとしても使用可能。エッセンシャルオイルと一緒に楽しんでみてください。
天然塩 あまび
沖縄県の海水100%でつくった天日塩です。海水だけを原料としていることに加えて、機械を使わない自然由来の方法でつくられているのがポイント。途中で漂白などの処理も加えていないため、生産するタイミングによっては塩の色に差ができることがあります。
濃縮した海水を、職人の厳しい眼と手を使って丁寧に仕上げた商品。塩の形が粗めの小粒になることで、食感も楽しめるのが魅力です。塩味を感じる時間も長くなるため、通常の塩より量が少なくてもしっかりと味付けができます。減塩を考えている方にもおすすめの塩です。
ポラニーテ(Polanite) 天日塩 塩こまち
シンプルで奥深い味わいを持つ、天日塩です。中国の福建省恵安地区で2000年間続いた王室専用の塩とされる商品。加熱処理を加えておらず、遠赤外線と太陽光の力で自然に結晶させ、1年間熟成することで完成します。
天然塩ならではの、やや粗目の粒が特徴。もし使いにくいと感じる場合は、ミルなどで細かくすると扱いやすくなります。塩味のなかに、まろやかさと甘みを感じられる味わいがポイント。上質な塩を使ってみたい方には、とくにおすすめの商品です。
天日海塩 土佐の塩丸
土佐の雄大な太平洋から汲み上げた海水を元につくられた天日塩です。汲んだ海水を繰り返し風と太陽にあてることで少しずつ水分を蒸発させ、濃縮したモノを撹拌する作業を繰り返しながら、塩として成長させていきます。
火を使った炊き上げは一切行っていないため、塩の状態になるまで夏場は約1カ月、冬場は約2カ月以上かかることもあるのが特徴。手間暇をかけながら、丁寧につくられています。自然の力でつくられた、天然の塩を使いたい方におすすめの塩です。
さまざまな調理に幅広く使える天日塩。体に必要なミネラル成分が豊富で、甘みのある深い味わいが特徴です。とくに食材の本来の味を引き立てたいと原きに使うのがおすすめ。産地や料、製法によって味の特徴が異なるので、用途に合わせながらさまざまな天日塩を楽しんでみてください。