フランスはイタリアに次いで第二位のワイン生産量を誇る、ワイン大国のひとつ。安値で手軽に楽しめるテーブルワインからプレゼントや特別な日に最適な高級ワインまで、さまざまな種類があります。
今回は、フランスワインを選び方からおすすめの製品までをご紹介。フランスワイン初心者の方もぜひ参考にしてみてください。
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フランスは国をあげてワインの生産に取り組んでいます。赤ワインと白ワインだけでなく、日本ではシャンパンとも呼ばれるスパークリングワイン・シャンパーニュなど、ワインの種類も豊富です。
フランスワインは生産地の土壌や気候に合わせて育てたブドウを使用して造られています。そのため、土地によって味わいの違うワインができあがるのが特徴です。
フランスワインの選び方
原産地呼称(AOC)をチェック
フランスワインは原産地呼称統制「AOC」という基準によって産地や製法、ブドウの品種が決められています。これはそれぞれの産地特有の個性を活かしたワイン造りを保護し、管理するため規制です。
ブドウの産地・品種・栽培方法・アルコール度数などの厳しい基準を満たしたものだけがフランスワイン市場に出回ります。AOCの基準をクリアしたワインはラベルに「Appellation」と「Contorolee」という文字が記載されており、産地と格付けも書かれているので、しっかりと確認しましょう。
ただし、2009年からはEUによって規定が変更され、「原産地呼称保護ワイン(AOP)」になりました。こちらもワインの品質の基準で、ラベルには「Appellation d’origine protegee」と記載されます。2009年以降のヴィンテージワインにのみ適用されるため、まだ見かけることはほとんどありません。
産地で選ぶ
ボルドー
ボルドーはフランス南西部にある街です。長期熟成型の赤ワインが有名なエリアで、ボルドー産のワインは風格のあるいかり肩のボトルに入れられています。
ボルドーワインの特徴は、数種類のブドウ品種をブレンドしていること。渋みが強くはっきりとした味わいですが、時間をかけて熟成することで渋みがまろやかになり、香りにも華やかさが増します。
ブルゴーニュ
パリ東南部にあるブルゴーニュ。ブルゴーニュのワインは、丸みのあるなで肩のボトルに入っています。畑ごとに格付けが行われるのが特徴です。ブルゴーニュの格付けは「グラン・クリュ(特級畑)」「プルミエ・クリュ(一級畑)」などと呼称されます。
ブルゴーニュのワインはブドウ品種が単一で、ブレンドされません。基本的に赤ワインにはピノ・ノワール。白ワインにはシャルドネを使用しています。赤ワインではジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネ、白ワインならムルソーなどの銘柄が特に有名です。
シャンパーニュ
シャンパーニュはシャンパンの産地として有名なフランスワインの最北産地。冷涼な気候と石灰質の土壌という厳しい気候のなかで栽培されたブドウが使用されます。生産量の95%は辛口の白ワインです。
シャンパーニュで造られたスパークリングワインすべてをシャンパンと呼ぶわけではなく、規定された品種のブドウのみを使用するなど、厳しい条件をクリアしたワインだけが「シャンパン」と呼ばれます。ドン・ペリニヨンが特に有名です。
プロヴァンス
フランスの南東部、地中海沿岸地域にあるリゾート地・プロヴァンス。ブイヤベースなど、地中海の魚介料理に合うワインが多く生産されています。
なかでも、特に人気があるのは辛口でフルーティーな味わいのロゼワインです。熟成タイプの赤ワインや、白ワインも多く生産されています。赤ワイン、白ワインともに辛口のものが多いのが特徴です。
生産者で選ぶ
ブドウ畑を持ち、栽培から瓶詰めまでを行う生産者のことを、ボルドーでは「シャトー」、ブルゴーニュでは「ドメーヌ」と呼びます。ワインの銘柄の前につけられることの多い言葉です。
シャトーはフランス語で「城」を意味します。シャトーと名の付くワインは城のような大邸宅を醸造所にした大規模設備を構えたワイナリーで造られます。
対するドメーヌは、「所有者」という意味です。こちらは家族経営のワイナリーが多く、規模も小さめ。そのため生産量はシャトーに比べると少ないのが特徴です。シャトーもドメーヌも「自社畑でワインを生産している生産者」を意味しますが、ニュアンスが少し異なり、ワインの種類や味わいも変わってきます。
価格で選ぶ
フランスワインといえば高級なイメージがありますが、実は日常的に飲まれるテーブルワインから特別な日のための高級ワインまで、幅広い価格のワインがあります。
2000円前後のものはテーブルワインとして飲むのに最適。2000円から5000円程度のワインはちょっとしたプレゼントにぴったりです。それ以上のワインは高級ワインに分類され、特別な日のプレゼントやパーティーに向いています。
ブドウの品種で選ぶ
フランスワインに使用されている主なブドウ品種の数は、赤白それぞれ5種類ずつ。赤ワイン用の品種は、渋みが多いカベルネ・ソーヴィニヨンや、酸味が少なく繊細な味わいが特徴のカベルネ・フランなど、多様な環境に適応できるブドウが広い地域で栽培されています。
渋みが少ないピノ・ノワールは、育つ場所を非常に選ぶブルゴーニュ原産の品種です。シラーは、フランス南部の代表的なブドウ品種で、コクのある長期熟成に向いているタイプ。ボルドー原産のメルローは香りがまろやかで、しなやかな味わいが特徴です。
白ワイン用の品種で最もニュートラルな品種はシャルドネ。芳香が非常に豊かなのが特徴です。また、セミヨンはフランスのボルドーを代表する品種。繊細で酸味も少なく、まろやかな味わいです。
リースリングは甘口にも辛口にも仕上げられる品種で、ソーヴィニヨン・ブランはしなやかで爽やかな酸味が特徴。シュナン・ブランは豊かで蜂蜜のような香りのする品種で、フルーティーですっきりした甘みがあります。
フランスワインのおすすめ銘柄|赤
シャトー・マルゴー 1998
シャトー・マルゴーは、1998年にボルドーのベストワインに選ばれた高級ワイン。今でも熱狂的なファンを持つワインで、ボルドーの女王とも呼ばれています。ボルドー産の王道な高級赤ワインを飲んでみたい方におすすめです。
ブドウの品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、メルローの4種類。タンニンを多く含んでおり、時間の経過により個性が出る長期熟成型のワインです。
華やかで濃いルビー色をしており、ブラックベリーやアカシアの花の甘い香りがします。発酵と熟成に使用したオークの香ばしさが融合し、芳醇な味わいが人気です。
シャトー・ダルマイヤック 2013
濃厚な味わいが特徴であるフルボディのボルドー産赤ワイン。ブドウの品種は水はけのよい砂利質土壌で栽培されたカベルネ・ソーヴィニヨンを使用しています。
柔らかな舌触りが特徴です。香りは非常に芳醇で、力強く華やかな味わい。すぐに飲んでも長期熟成してもおいしいため、プレゼントやお祝いの品にもおすすめのフランスワインです。
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール ヴォーヌ ロマネ
フルボディのブルゴーニュ産高級フランスワイン。「ヴォーヌ ロマネ」とは、ブルゴーニュで最も優れたブドウ畑を持つ村の名前です。ピノ・ノワールを100%使用しているため香りが高く、辛口でドライな味がします。
凝縮された果実味が非常に豊かで、滑らかなタンニンと気品ある味わいが特徴。熟したラズベリーとスパイスの香りがタンニンとうまく調和しています。
ジュヴレ・シャンベルタン
ピノ・ノワールを100%使用したフランスワイン。ブルゴーニュにあるジュヴレ・シャンベルタンという村の老舗ドメーヌが製造しているため、非常に高い品質を誇ります。
ジュヴレ・シャンベルタンのワインは、パワフルで男性的な風味が特徴。香りはバニラとフローラルな香りがうまく調和しており、タンニンは柔らかくしなやかです。芯が太いですが、口当たりの滑らかな辛口に仕上がっています。
シャトー・ド・ロムラード キュヴェ・マリー・クリスティーヌ プロヴァンス ロゼ
プロヴァンス産の辛口ロゼワイン。パーティーやお祝いなどにおすすめです。由緒あるシャトーのロゼワインで、フランス王室でも飲まれていました。ブドウ品種はグルナッシュが44%、シラーが38%、サンソーが18%のブレンドです。
「シャトー・ド・ロムラード」は非常に質の高いワインを造る、プロヴァンス地方のワイナリー。プロヴァンス地方のなかでも特に上質なワインを造るワイナリーに与えられる格付け、クリュ・クラッセ認定が与えられています。
シャトー・ラフィット・ロートシルト
ボルドー地方のポイヤックで造られているフランスワインです。ブドウの品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルドの3種のブレンド。格付けは第1級で、左岸の王者とも呼ばれる高級ワインです。
若いヴィンテージでも手に入りにくい稀少価値のあるシャトーで、非常にエレガンスな風味が特徴。タンニンの強いフルボディのワインですが、酸味と渋みのバランスがよいので品があります。特別なパーティーや高級なプレゼントにおすすめです。
フランスワインのおすすめ銘柄|白
ルイ・ジャド シャサーニュ モンラッシェ ブラン
力強い香りと、しっかりとした厚みのある果実の味わいが特徴的なフランスワイン。辛口の白ワインなので仔牛のブランケットなどのフランス料理におすすめです。ブルゴーニュ産で、ブドウの品種はシャルドネ。
華やかなフローラルのなかに、あんずの実を思わせる少しスモーキーな香りが混じり、ほどよい酸味が絶妙に調和しています。
ルイ・ジャド ムルソー
ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌ地区産の辛口フランスワイン。ブドウ品種はシャルドネを100%使用しています。色は濃いめの黄金色で、しっかりとした果実味を感じる風味が特徴。柔らかな酸味と果実のバランスがよく、爽やかで上品な味わいです。
ブルゴーニュのムルソー村で醸造されていますが、ムルソーのブドウ畑はコート・ド・ボーヌ地区内で最も広大な面積を持っています。畑の3割が第1級の格付けを得ているため、醸造されるワインも高品質です。
シャトー・トゥール・ド・ミランボー レゼルヴ ブラン
250年間もの間、代々ワインを醸造してきたデスパーニュ家のフランスワイン。由緒ある辛口の白ワインで、AOCの認証を受けています。2000円程度と安いのでテーブルワインとして気軽に楽しめます。
ボルドー産で、使用されているブドウ品種はソーヴィニョン・ブランが70%、セミヨンが27%、ミュスカデルが3%です。3種類のブドウがバランスよくブレンドされており、フレッシュで繊細な味がします。
柑橘類や洋ナシのようなフルーティーな風味が特徴。フランスワイン初心者の方にもおすすめです。
テュルクハイム・アルザス・リースリング 2017
アルザス地方の三ツ星醸造所、ティルクハイムで醸造されたフランスワイン。使用されているブドウの品種はリースリングのみです。辛口リースリングのお手本といわれる優れたワインで、著名なレストランで多く取り扱われているため、非常に人気があります。
ミディアムボディで、バランスのよい香りと豊かな果実味が特徴。エレガンスでよく熟しており、フルーティーでありながらもキリッとした飲み口が多くのリースリングファンを虜にしています。辛口リースリングの王道を楽しみたい方におすすめです。
ギィ・サジェコトー・デュ・レイヨン
ロワール地区で醸造されている甘口の白ワイン。AOC「アペラシオン・コトー・デュ・レイヨン」の格付けを所持しており、使用されているブドウの品種はシュナン・ブランのみです。
アカシアやイチジク、蜂蜜といった甘いアロマが特徴で、フルーティーでミネラルをしっかり感じさせる味がします。たっぷりと余韻の残る味わいなのでデザートやチーズとの相性が抜群です。フォアグラなどとも合います。食前・食後酒としてもおすすめです。
フランスワインのおすすめ銘柄|スパークリング
モエ・エ・シャンドン ドン・ペリニヨン
ドン・ペリニヨンはシャンパーニュ地方で醸造されているシャンパンの王様。世界的に有名な最高級シャンパンです。ホストクラブなどの高級クラブで、積み上げたグラスの頂上から注ぐ「シャンパンタワー」に使用されることでよく知られています。
できのよいブドウが穫れた年にしか仕込みが行われないため、年によっては醸造が行われません。透明に近い黄金色をしている辛口のスパークリングで、みずみずしさとしっかりと熟成した味わいが特徴。比較的リーズナブルなので、シャンパン初心者にもおすすめです。
高級なイメージのあるフランスワイン。国全体がワインの醸造に力を入れているため、さまざまな種類があります。そのため、高級なワインだけでなく安く手に入るテーブルワインも豊富です。味や色だけでなく、地域や格付け、ブドウ品種などさまざまな角度からフランスワインを選び、お気に入りを見つけてみてください。