きりっとした爽やかで上品な酸味と、香り豊かでフルーティーな風味が魅力の「リースリングワイン」。ドイツが原産の白ブドウ品種ですが、現在は世界のさまざまな地域で造られ、愛飲されています。
そこで今回は、おすすめのリースリングワインもご紹介。リースリングワインについての詳しい知識や、おいしいリースリングワインを選ぶポイントも解説するので、興味のある方はチェックしてみてください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
リースリングとは?

リースリングは、ドイツ原産のブドウ品種のことです。現在は世界中で栽培されていますが、今でもドイツが栽培面積の半分を占めており、栽培が盛んな品種。小粒で寒さに強いため、冷涼な地域での栽培に適しています。
味わいは、きりっとしたシャープな酸味と引き締まった果実味が特徴。そのため、甘口のワインでも軽やかで繊細な味わいが楽しめます。透明感のある味わいなので、クセの少ない白身魚や豚肉料理との相性がぴったり。軽やかな風味と、芳醇な後味が料理の味わいをより引き立ててくれます。
リースリングの歴史

リースリングの発祥地はドイツのライン川流域とされており、9世紀には既に栽培されていたといわれています。15世紀頃にはドイツからフランスのアルザス地方にリースリングが伝わり、リースリングワインがフランスでも盛んに作られるようになりました。
その後、18世紀頃にラインガウ地方やハネスベルクの畑にリースリングの苗木が渡るなかで、低品質の品種はリースリングの苗に植え替えされ、遅摘み収穫法が試されるなどワイン造りの改革が行われます。18世紀末には、果皮に貴腐菌を繁殖させて糖度を高めるトロッケンベーレンアウスレーゼが誕生。現在では幅広い国と地域で造られるブドウ品種として広まりました。
リースリングの選び方
産地で選ぶ
ドイツ

ドイツは、世界のリースリング栽培面積において6割以上を占める、リースリングの一大産地です。なかでも2大産地といわれるのがモーゼルとラインガウ地方。どちらもミネラルが豊富な土壌が特徴で、土の温度と水はけのよさがあり、バランスの取れた酸味をもつブドウが収穫可能です。モーゼルはドイツのなかでは温暖で葡萄の栽培に適しており、クオリティの高いワインが醸造できる土地として評価を受けています。
また、ラインガウはドイツ南西部に位置し、栽培面積の90%がリースリングです。保水性が高い土壌なので、酸味と果実味のバランスが取れたブドウが収穫できます。なお、ラインガウ産のトロッケンベーレンアウスレーゼは、世界三大貴腐ワインのひとつとしても有名です。
フランス

フランスのリースリングで有名なのがアルザス地方。あたたかな気候で粘土石灰質の土壌を有するため、ブドウの酸味が強いのが特徴です。ワインは辛口の味わいに仕上がり、強みのあるミネラル感とアロマが見事に融合しています。さっぱりとした辛口が好みの方におすすめの地方です。
ドイツ産のリースリングに比べるとコクがあり、アロマとスパイスの香りのバランスが絶妙。ステンレスタンクや樽を使用するなど、多様性に富んだ製法も特徴で、さまざまなスタイルのリースリングを試せます。
オーストリア

ドイツとフランスの次に、リースリングの産地として知られるのがオーストリア。南オーストリアのヴァッハウ地方やクレムスタール地方、イーデン・ヴァレーなどで栽培されています。土壌の性質がドイツに似ているため、高品質なリースリングワインを醸造可能な地域です。
ドナウ川沿いに日照を最大限に得るよう、傾斜面にブドウが栽培されており、ドイツやフランスに比べると小規模ながら高品質のリースリングを生産しています。味わいの傾向としては、ミネラルの強い風味を楽しめるきりっとした辛口が特徴です。
ニューワールド

リースリングは、ヨーロッパ以外の地域でも生産され、人気を集めています。オーストラリアでは南オーストラリア州のクレア・ヴァレーが有名で、フルーティーな味わいが魅力。デリケートな味わいのタスマニア産やイーデン・ヴァレー産もおすすめです。
また、ニューワールドで高い評価を受けているのがアメリカのニューヨーク州。シャープな飲み口で豊かな酸味を楽しめます。アメリカでは、ワシントン州やオレゴン州でもリースリングが造られており、どちらも辛口の味わいが特徴です。
そのほか、透明感のあるニュージーランド産や果実味豊かなカナダ産などがあり、その国独特の特徴を楽しめます。
味わいの傾向で選ぶ
甘口

By: rakuten.co.jp
リースリングを味わうにあたって、特におすすめなのが甘口のワインです。リースリングのもつ爽やかな酸味が甘みと合わさることで、絶妙なバランスを有しているのが特徴。軽やかで品のある味わいが楽しめます。
甘口のワインはアルコール度数が6~8%と低めなので、ワイン初心者の方が飲みやすいのも魅力のひとつ。食事時だけでなく、ちょっとしたおつまみと共に気軽に楽しめるほか、食前酒にもおすすめのワインです。
ドイツの品質等級では、シュペートレーゼのほか、十分に熟した選りすぐりのブドウを使って造られるアウスレーゼが甘口にあたります。
極甘口

By: rakuten.co.jp
まろやかで濃く、非常に甘みが強いのが極甘口のワイン。食事には合わせにくいですが、フルーツやナッツ、ビターチョコレートなどとの相性がよく、デザートワインとして楽しむのがおすすめです。
チーズともよく合いますが、おすすめはチーズケーキとのマリアージュ。チーズケーキのとろけるような甘みと、まろやかなワインの味わいとの組み合わせが楽しめます。
ドイツの品質等級では、ドイツワインの最高峰ともいわれる貴腐ワイン「トロッケンベーレンアウスレーゼ」が有名です。そのほか、超完熟のブドウを一粒一粒摘み取って造られるベーレンアウスレーゼや、冬季までわざと摘み取りを遅らせ、凍ったブドウを使って造られるアイスワインなどが極甘口にあたります。
辛口

By: amazon.co.jp
最近、人気が高まっている辛口のリースリング。キレのある酸味とすっきりとした後味で、食事と合わせるのにぴったりです。ドイツの品質等級では、カビネットと呼ばれる熟したブドウから造られるワインや、シュペートレーゼという遅積みのブドウで造られたワインの一部が辛口にあたります。
リースリングのおすすめ|甘口
デンホフ ノルハイマー キルッシュヘック リースリング シュペートレーゼ 2018
ラインヘッセンとモーゼルに挟まれたドイツの隠れた銘醸地ナーエ産のリースリングワインです。遅摘みの完熟リースリングを100%使っているのが特徴。ブドウの出来に合わせて丁寧に仕込むこだわりの甘口ワインです。
白桃・洋梨・ドライレーズンを想わせる甘い果実香に、白い花や貝殻のニュアンスが重なる複層的なアロマが魅力。舌の上で転がせば、果実のふくよかな甘みとフレッシュな酸が心地よく溶け合います。甘美でリッチな香味は、特別な記念日などに飲む食中酒にもおすすめです。
シュタッフェルター・ホフ クレフ・シュテッフェンスベルク・リースリング・シュペトレーゼ 2021
ドイツ最古のワイン産地として知られていモーゼル地方のリースリングワインです。ドイツのオーガニック認定を取得したリースリングを100%使用。低温でじっくりと発酵させて果実本来の個性を引き出した甘口ワインです。
グラスに注ぐと立ち上がるのは、白桃やピンクグレープフルーツの華やかな果実香と、ほのかなスパイスの香り。口に含めば、甘くジューシーな果実味とまろやかな酸味がバランスよく広がります。
塩気のきいたチーズやフルーツをたっぷり使った甘酸っぱいスイーツなどと一緒に楽しむのがおすすめ。また、アルコール度数7.5%と低めの仕上がりで、比較的飲みやすいため、リースリングワインの入門としても適しています。
グリューバー ローシッツ リースリング アイスワイン 2021
樹上で自然に凍結したリースリングを凍ったまま仕込んだ甘口アイスワインです。果実の甘みと酸味をバランスよく味わえる飲み心地のよい1本。食後酒として、フルーツタルトなどの甘いスイーツと一緒に楽しむのがおすすめです。
パイナップル・アプリコット・ハチミツなどが溶け合う甘美なアロマが好印象。やわらかな舌触りで、アプリコットのコンポートを想わせるふくよかな甘みが広がり、フィニッシュでほんのりスパイシーな余韻も堪能できます。
エイ・トゥー・ゼット・ワインワークス エイ・トゥー・ゼット・リースリング
アメリカ・オレゴン州のリースリングを100%使用したアメリカ産のワイン。アプリコット・白桃・グーズベリー・オレンジなどの果実が次々と重なり高らかに香る、アロマティックな1本です。
やや甘口タイプの白ワインで、口中に広がるのはハチミツ様の上品な甘みと、りんご・ライチ・黄桃などを連想させるナチュラルな果実味。フレッシュな酸味と豊かなミネラルも感じられ、フィニッシュまで爽やかに堪能できます。
黄色い花とミツバチを描いた、華やかでおしゃれなボトルデザインも魅力のひとつ。プレゼント用のワインを探している方におすすめです。
リースリングのおすすめ|極甘口
ノーブルレイトハーベスト リースリング 2017
南アフリカ産の貴腐ワインで、ケープタウンにあるワイナリーで造られています。葡萄そのものの甘さと果実味を感じられる味わいで、アプリコットなど、果実のアロマが感じられるのも特徴。リースリング特有のミネラル感と酸味の余韻が絶妙で、甘さの後に酸味が来るのですっきりとした飲み口に仕上がっています。
甘いようで甘くない貴腐ワインを探している方におすすめ。リッチでフルーティーななめらかさと、上品な甘さと酸味の余韻が長く残ります。食事の後に飲むデザートワインとして最適で、完成度の高い一品です。
ドクター・ローゼン リースリング アイスヴァイン 2020
リースリングのピュアな甘みがふくよかに広がる、極甘口タイプのアイスワインです。造り手は、リースリングワインの名手として知られているドイツ・モーゼル地方の名門「ドクター・ローゼン」。大切な記念日用としてもおすすめです。
グラスに注ぐと白桃や柑橘果実のコンポートを想わせる甘く芳醇なアロマを感じられるのも魅力。濃厚でとろけるような甘みがありながらも、ブドウ由来の豊かな酸が全体を支えるため、バランスのよいすっきりとした味わいを楽しめます。
ルドルフ ファウスウーデンハイマー キルヒベルク リースリング アイスヴァイン
ドイツのラインヘッセン地方で造られた、リースリング種100%を使用したアイスワイン。レーズンのような見た目の乾燥した実を厳選し、ステンレスタンクで発酵と熟成を行っています。一口飲むと、ピーチやアプリコットなどの香味を楽しめる一本。甘さだけなく酸味をしっかりと感じる味わいで、すっきりとした飲み口が特徴です。
フルーティーさと共にアイスワインらしい酸味がありながら、コストパフォーマンスが高いのも魅力のひとつ。食後にデザートと一緒に楽しめるワインを探している方にもおすすめの銘柄です。
ペガサス・ベイ アンコール 貴腐 リースリング 2017
ニュージーランドを代表するトップワイナリー「ペガサス・ベイ」が手がけるリースリングワインです。収穫を遅らせて貴腐化したリースリングを100%使用。低温発酵でじっくりと丁寧に造り上げています。
深い琥珀の液色と、レモン・ライム・メロン・ハチミツなどに甘いスパイスが重なる独特な香りが特徴。果実の豊かな甘みと力強い酸味が幾重にも重なり合ってクリーミーに広がり、長くエレガントな余韻を残します。
シュロス・フォルラーツ ラインガウ・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ 2011
ドイツ・ラインガウの歴史あるワイナリー「シュロス・フォルラーツ」が造るリースリングワインです。ゴールドの美しい液色に、オレンジリキュール・アカシア・ナッツなどが織りなす甘く複雑な香りが魅力。口中には、ハチミツ様の甘みがとろりと濃厚に広がります。
食事と一緒に楽しむなら、ブルーチーズやフォアグラなどを用いたコクのある料理がぴったり。食後酒として、ジューシーなフレッシュフルーツや、甘いスイーツと合わせても優雅なマリアージュを堪能できます。
リースリングのおすすめ|辛口
アルザス リースリング ヒューゲル クラシック
フランスのアルザス地方にある、1639年創業の老舗ワイナリーが造るワイン。リースリング100%を使った辛口の味わいが特徴で、きっちりとしたシャープな飲み口と酸味が見事です。辛口ながら白桃や蜂蜜などのほんのりとした甘みがあり、スパイシーさと甘さが絶妙なバランスを保っています。
レモンなどの柑橘系とユリを思わせる上品な芳香が感じられ、一口飲むとほどよい酸味が後を引き、余韻に浸れる一本。シーフード料理と相性がよく、辛口のリースリングワインを探している方におすすめです。
トリンバック リースリング
トリンバックはフランスのアルザス地方に位置し、1626年から12代にわたって続く老舗ワイナリー。本銘柄は、ほんのりグリーンがかった黄色が美しく、柑橘類系のアロマと爽やかな口当たりが特徴です。
一口飲むと、レモンやグレープフルーツのような香りがふわっと広がります。和食やシーフード料理に合わせやすく、主張しすぎないバランスのよさが料理を引き立てる一品。リースリング特有のミネラル感と酸味が後を引き、毎日飲みたくなるワインです。
ドメーヌ・ゴベルスブルグ リースリング シュロス・ゴベルスブルク
オーストリア産のリースリング100%ワイン。1138年に設立されたシトー派の修道僧が造ったワインが起源になっており、伝統を受け継いだ老舗の味わいを楽しめます。シャープな飲み口にリースリングらしいミネラル感のバランスがよく、さっぱりと飲める銘柄です。
辛口ながら、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類系アロマが、やさしいフルーティーさを添えています。コストパフォーマンスが高く、高級感のあるワインを探している方にぴったり。毎日食事と一緒に楽しめるデイリーワインとしておすすめです。
ザ・ロッジ・ヒル・リースリング
ドイツのモーゼルやライン地方と似ており、リースリングの栽培に適した南オーストラリアのクレア・ヴァレーで造られたワインです。夜は涼しくなるためライムのようなアロマの酸を作り出し、シャープでドライな飲み口に仕上がるのが特徴。レモンピールやライムなどの柑橘系のすっきりとした味わいに、かすかに花のアロマを感じます。
辛口タイプの白ワインが好きな方におすすめで、酸味のバランスがよく飲んだあとも余韻を楽しめる一本。チキン料理やシーフードなど、さっぱりした料理にぴったりです。
ラッツェンベルガー バッハラッハー・リースリング・ゼクト・ブリュット 2018
ドイツのワイン生産地ミッテルラインのリースリングで仕立てたスパークリングワインです。淡く艶めくゴールドの液色と、グラスの底から立ち上がる繊細な泡が魅力。果実と白い花、豊かなミネラルが織りなす奥行きのあるアロマが心地よく弾けます。
食中酒として活躍する爽やかなリースリングワインを求めている方におすすめ。また、長期熟成によって生み出されたクリーミーな口当たりに、キリっとドライな味わいを実現しています。
シャープな酸味とミネラル感のある味わいが特徴のリースリング。きりっとした酸味と甘みのバランスが絶妙なリースリングワインは、多くの方に愛飲されています。味わいは辛口から極甘口まで多岐にわたりますが、好みの味わいのワインを選ぶ際は、ドイツの品質等級をチェックしてみましょう。