鹿児島県の奄美大島のみで造られている「黒糖焼酎」。黒糖と米麹から造られており、ほんのり甘くきりっとした後口が魅力です。

そこで今回は、黒糖焼酎のおすすめ銘柄をご紹介。麹の種類や酒蔵によって味や香りが違ってくるので、この機会にぜひ飲み比べてみてください。

黒糖焼酎とは?

黒糖焼酎の原料と産地

黒糖焼酎は、酒税法によって奄美大島でしか造ることが許されていません。そのため、生産量が少なく、焼酎のなかでも黒糖焼酎が占める割合は2%という貴重なお酒です。

原料には、米麹とサトウキビの搾り汁を煮詰めて作られる黒糖が用いられています。海と山に囲まれた奄美大島の広大な自然のなかで生まれた黒糖焼酎は、黒糖を感じさせる甘みとすっきりとした後口が特徴です。古くから地元の人に愛され、最近では全国的に人気が広まっています。

黒糖焼酎の魅力

黒糖焼酎は米麹で1次仕込みを、その後に黒糖を混ぜて2次仕込みをし、発酵させたもろみを蒸留して造られています。複雑な発酵によって生まれる旨みとやさしい口当たりが最大の魅力です。

また、奄美大島で黒糖焼酎を造っている蔵元はいくつかありますが、家族経営のような小規模の蔵元もあります。造り手のこだわりや熱い思いが詰まっており、蔵元によってそれぞれ個性があるのも魅力のひとつです。さまざまな銘柄を飲み比べて、お気に入りの銘柄を見つけてみてください。

黒糖焼酎とほかの焼酎の違い

黒糖焼酎とほかの焼酎との違いは、材料にサトウキビから作られる黒糖が使われている点です。本来、焼酎で使える材料はデンプンを含む「穀類」や「芋類」などで、「糖」を含んだ材料は使用できないと酒税法で定められています。

本来であれば、サトウキビを用いて造られる蒸留酒はラムというお酒に分類されるため、黒糖を用いた蒸留酒は焼酎を名乗れません。しかし、黒糖焼酎は米麹で一次発酵を行うことなどを条件に、焼酎を名乗ることを例外的に認められています。

ちなみに、黒糖を使っているので糖分が高いと勘違いされやすいですが、蒸留しているため糖分は一切含まれていません。ほかの焼酎と同様に、カロリーを気にしている方にもおすすめです。

黒糖焼酎の選び方

麹で選ぶ

黄麹

日本酒造りに使われるのが黄麹です。雑菌に弱く、暑い地域での焼酎造りには不向きでしたが、製造技術の発展により黒糖焼酎にも使われることが多くなりました。

黄麹は、フルーティーな香りと味わいが最大の特徴。3種類の麹のなかでも1番軽い口当たりなので、焼酎が苦手な方や初心者におすすめの種類です。

黒麹

昔から沖縄の泡盛に使われていた黒麹ですが、深みのある味わいが生まれることから、現在では焼酎にも使われています。黒麹を使った黒糖焼酎は、どっしりとしたコクのある味わいになり、水やお湯で割って飲んでも長く余韻が残ります。

甘みが少なくキレがよい半面、独特の苦みも感じられるため、焼酎の上級者におすすめです。

白麹

白麹を用いた焼酎は、まろやかでやさしい味わいが特徴です。重厚な味を生み出す黒麹の焼酎とは、違いがはっきりとわかるのでぜひ飲み比べてみてください。

白麹を用いた黒糖焼酎は、クセがなくライトな口当たり。ストレートやロック、お湯割りでも飲みやすく、初心者やアルコールに弱い方にもおすすめです。

蒸留方法で選ぶ

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常圧蒸留方式

伝統的な蒸留方法である常圧蒸留方式は、圧力を操作することなく通常の気圧下で蒸留を行います。焼酎のもとであるもろみが100℃前後まで上がるので、香味成分がたくさん焼酎のなかに入るのがポイント。

常圧蒸留方式で造られた焼酎は、香りが強く複雑でコクのある味わいの焼酎に仕上がるのが特徴です。

減圧蒸留方式

減圧蒸留方式とは、その名の通り蒸留機内の空気を抜き、真空に近い状態にして蒸留を行う方式です。最近では減圧蒸留方式を採用する銘柄も増えています。

アルコールの沸点が40~50℃まで下がることにより、もろみ由来の香味成分が焼酎にあまり入らず、雑味のないすっきりとした味わいに。蒸留方式によって味も変わってくるので、購入の際にはチェックしてみましょう。

黒糖焼酎のおすすめ銘柄

奄美大島開運酒造 れんと

黒糖焼酎のなかでも知名度が高い本製品は、黄麹を用いて減圧蒸留方式で造られており、すっきりしたライトな口当たりに仕上がっています。

本製品は、「音響熟成」という独自の製造方法で造られていることで有名です。もろみが入っているタンクに専用のスピーカーをつけクラシック音楽を流すことにより、タンクが細かく振動。この音響振動が熟成を促し、よりまろやかな風味を生み出すといわれています。地元だけでなく、全国に根強いファンを持つ銘柄です。

喜界島酒造 喜界島

喜界島酒造は創業100年以上の歴史を誇り、伝統的な常圧蒸留によってこだわりの焼酎造りを続けています。代表銘柄でもある本製品は、1年以上長期熟成させるため、芳醇でコクのある風味が特徴です。

オーソドックスな味わいなので、はじめての1本としておすすめの銘柄。黒糖焼酎にチャレンジしてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。

富田酒造場 龍宮

波照間・多良間島でとれた黒糖を使い、常圧蒸留方式で造られた黒糖焼酎。仕込みにかめつぼを使う伝統的な手法で丁寧に製造されています。かめつぼで造ることから生産できる量も限られており、なかなか入手できない希少な銘柄です。

どっしりとしたコクのある味わいに、一度知ったらやみつきになるクセの強さ。黒糖焼酎の本来の味を堪能できるストレートやロックで飲むのがおすすめです。

富田酒造場 龍宮 かめ仕込み

富田酒造場 龍宮 かめ仕込み

濃厚な旨みを堪能できる黒糖焼酎。その名の通り、1次、2次の熟成をかめで仕込んでおり、手間暇かけて丁寧に醸造されているのが特徴です。

仕込み水には奄美大島の原生林「金作原」を源流とする天然水を使用。麹には米黒麹を、米には国産米を用いており、原材料もこだわっています。シャープでキレがあり、それでいて味わいに膨らみが感じられるのも魅力。ストレートやロックなどで、ゆっくりと飲むのがおすすめです。

また、本製品は年に一度だけ極めて少量を出荷する限定酒。黒糖焼酎が好きで、まだ試したことがない方はぜひチェックしておきましょう。

奄美大島酒造 高倉

常圧蒸留で3年以上熟成させた本製品は、フルーティーな香りと味わい、まろやかなコクが特徴的な一本です。

もともと国産の黒糖を使用していましたが、2007年から地元奄美大島産の黒糖のみに限定しています。また、仕込み水も奄美大島で一番美味しいとされる「じょうごの川」を地下120mから汲み上げて利用するというこだわりよう。焼酎初心者から飲み慣れている上級者までおすすめできる銘柄です。

朝日酒造 朝日

1916年に創業した朝日酒造は100年以上の歴史を誇り、奄美諸島のなかで最も古い酒蔵です。自社農園で農薬や化学肥料を使わずに栽培したサトウキビを原料に用い、黒糖焼酎を製造しています。

黒糖を感じさせるコクと、ふくよかな味わいが特徴。コストパフォーマンスにも優れているので、普段飲みにおすすめの銘柄です。

弥生焼酎醸造所 まんこい

弥生焼酎醸造所 まんこい

1922年創業の弥生焼酎醸造所の黒糖焼酎。奄美大島で最も歴史のある蔵元のひとつとして知られ、数多くの黒糖焼酎をラインナップしています。なかでも本製品は定番の一本です。

「まんこい」という名称は手招きが由来となっており、「招き入れる」や「迎え入れる」「千客万来」という意味。樫樽で熟成させているのが特徴で、黒糖の甘みだけでなくスモーキーな香りが感じられます。飲み方としてはロックや水割りが王道ですが、最近はレモンサワーにして飲むのも人気です。興味がある方はぜひ試してみてください。

山田酒造 長雲 30度

山田酒造 長雲 30度

家族経営の蔵元として知られる山田酒造の黒糖焼酎。芳醇な味わいと香りのよさ、飲み切った後に残る余韻をしっかりと感じられるのが特徴です。

原材料には、南国で育まれた高品質の黒糖や山脈から湧き出る天然水を使用。熟成の一次仕込みはかめを用いた昔ながら製法で、丁寧に醸造しています。

どんな飲み方でも楽しめますが、特に香りが楽しめるお湯割りがおすすめ。なお、本製品はアルコール度数が30%ですが、25%の銘柄もラインナップしています。気になる方は併せてチェックしてみてください。

山田酒造 長雲 一番橋

山田酒造 長雲 一番橋

黒糖の甘い香りだけでなく、プラムやタンカンなどの柑橘系の香りも感じられる一本。原料の黒糖を丁寧に溶かすことに注力しており、黒蜜のような濃厚なテイストに仕上がっているのが特徴です。

味わいは芳醇で、口に含むと旨みやコクがしっかりと感じられるのもポイント。飲み方は黒糖のポテンシャルを堪能できるロックがおすすめです。

山田酒造 長雲 大古酒

山田酒造 長雲 大古酒

山田酒造の黒糖焼酎の長雲シリーズにおける限定品。熟成を重ねた古酒として知られており、至高の逸品ともいわれる一本です。

従来の「長雲」を原酒とし、約20年の歳月をかけて丹念に貯蔵しています。口当たりはまろやかで、舌触りは繊細。それでいて黒糖の甘い香りが感じられ、喉を通ってからは心地よい余韻が続きます。

価格帯としては高めですが、その分しっかりと原材料のポテンシャルが感じられるので、満足度の高い黒糖焼酎を求めている方はぜひおさえておきましょう。

番外編:黒糖焼酎のおすすめの飲み方

ストレート

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氷や水を加えずにそのまま飲む「ストレート」は、焼酎の味わいがガツンと来るのが特徴。保存する温度によって味わいに変化が感じられ、18~20℃の常温であれば焼酎の香りをしっかりと堪能でき、5~15℃であれば焼酎の味がより引き締まります。

なお、ストレートは最もアルコール度数が高い状態で飲むので、当然酔いの回りは早め。混じり気のない焼酎の旨みを追求したい方は、味わいを堪能しつつも飲み過ぎには注意しましょう。

ロック

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「ロック」はグラスや陶器にロックアイスを入れる飲み方で、焼酎本来の味わいを感じつつも、飲みやすさにも配慮したスタイルです。お酒と氷の配分を考えて、浅すぎず深すぎない器を用意するのがコツ。香りが感じられるよう飲み口が広いタイプがおすすめです。

序盤は焼酎本来の味わいがしっかりと感じられるのがポイント。中盤から終盤にかけては徐々に氷が溶け出し、変化が楽しめるのも魅力です。

水割り

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最もポピュラーな飲み方が水割りです。黒糖焼酎本来のコクとまろやかさを味わえる飲み方なので、初心者の方は水割りからチャレンジしてみてください。

また、飲む直前に水で割るのではなく、あらかじめ黒糖焼酎と水を割っておき、冷蔵庫で一晩寝かせておく「前割り」という飲み方もあります。よく味が馴染んでまろやかな風味になるので、ひと手間かけて、黒糖焼酎の美味しさを堪能しましょう。

お湯割り

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お湯割りもスタンダードな焼酎の飲み方です。焼酎が好きな方は夏でもお湯割りで飲むほど、焼酎本来の甘みや旨みが生かされる飲み方です。

先にお湯を注ぐのがポイントで、黒糖焼酎を少しずつ加え温度が40℃前後になるのが理想。銘柄によってアルコール度数も違うので、お好みで黒糖焼酎の量を調節してみてください。

カクテル

黒糖焼酎はさまざまな飲み物との相性がよく、バラエティに富んだ飲み方ができるのも魅力です。炭酸やジンジャエールで割るのはもちろん、牛乳やオレンジジュースを合わせる飲み方もあります。また、プラムやパッションフルーツなどを半分に切って、そのまま黒糖焼酎に入れてデザート感覚で飲むのも楽しい飲み方です。

親子飲み

黒糖焼酎をロックやストレートで用意して、奄美大島産の黒糖をつまみながら飲むのも面白い飲み方。奄美大島の大自然がつまった黒糖焼酎を存分に楽しめます。