バードウォッチングや天体観測など、遠くのモノをじっくり観察する時に便利なフィールドスコープ。10倍ほどが主流の双眼鏡に比べて、フィールドスコープの倍率は20~90倍と高いのが魅力です。

今回は、初心者にもわかりやすくフィールドスコープを選ぶ際のポイントを解説。さらに、信頼性の高い光学メーカーの人気モデルをご紹介します。

フィールドスコープとは?

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遠くのモノを拡大して観察できる望遠鏡は、大きく天体望遠鏡と地上望遠鏡に分けられます。天体望遠鏡が基本的に像の上下左右が逆転して見える「倒立像」であるのに対して、地上望遠鏡は肉眼で見た時と同様の「正立像」であることがメリットです。

地上望遠鏡はさらにフィールドスコープと双眼鏡に分類されます。フィールドスコープは片目で観察する望遠鏡。双眼鏡より口径や焦点距離が大きい対物レンズを搭載できるので倍率も高いのが特徴です。

そのため基本的には三脚に装備して使用します。また、接眼レンズを替えることで倍率を変更可能。主としてバードウォッチングや天体観測などで、じっくり観察したい時に用いられます。

それに対して、双眼鏡は両目で観測する望遠鏡です。倍率が高い場合は三脚を使用しますが、手持ちで使うのが一般的。対象を見つけやすい機動性の高さと持ち運びしやすいのがポイントです。

フィールドスコープの選び方

フィールドスコープの倍率をチェック

双眼鏡に比べて高い倍率で観測できるのがフィールドスコープの魅力。双眼鏡の倍率は6~10倍が主流ですが、フィールドスコープでは20~90倍といった倍率のモデルがラインナップしています。

倍率が高いと視野が狭くなるとともに像が暗くなりやすいのがデメリットです。そのため、いたずらに高倍率を求めるのは避けたほうが無難。一般にバードウォッチングでは20~40倍、天体観測の場合は10~30倍のフィールドスコープが使いやすく人気です。30倍前後を目安として、観察対象や用途に応じて選ぶとよいでしょう。

また、フィールドスコープは接眼レンズを取り替えることによって倍率を変更可能。さらに、倍率を変えられるズーム式のフィールドスコープもラインナップしています。

フィールドスコープの対物レンズ性能をチェック

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フィールドスコープの対物レンズ性能で、まずチェックしたいのが「対物レンズ有効径」。有効径が大きいモデルほど像が明るく解像度も高いので、倍率を上げても見やすいのがメリットです。ただし、価格が高価になるとともに重量も増加します。

現在フィールドスコープの対物レンズ有効径で主流なのが、50・60・80mm前後の3つのクラスです。予算と利用シーンに合わせて選びましょう。

次にチェックしたいのが「最短合焦距離」。ピントを合わせられる最も短い距離を表します。バードウォッチングの際に、野鳥が近くに飛んできた時など、近くのモノにもピントが合わせられると便利です。

また、像の品質を重視する方はEDレンズ(特殊低分散レンズ)を選ぶと快適。光の波長の違いによって像を結ぶ位置が異なることにより発生する色のにじみ「色収差」を軽減します。

フィールドスコープの接眼レンズをチェック

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フィールドスコープには接眼レンズがセットになったモデルと別売のモデルがあります。ニコンやペンタックスなどは接眼レンズの別売が基本で、ユーザーがニーズに応じて選べるのが特徴です。

接眼レンズは、固定倍率の単焦点モデルとズーム式があるのもうれしいポイント。ズーム式接眼レンズなら無段階で倍率を変更できます。フィールドスコープ初心者の方には、いろいろなシーンに対応しやすいズーム式がおすすめです。

ただし、同じ倍率で比較すると固定倍率の方が視野は広く像の質も高くなります。デジタルカメラを使ったデジスコ撮影をする際に画質を重視される方は、固定倍率の接眼レンズをチェックするとよいでしょう。

また、メガネをかける方や女性には「ハイアイポイント」仕様がおすすめ。接眼レンズから目を離しても像の視野全体を確認できます。メガネをかけたまま、アイメイクをしたまま観察できるのがメリットです。

フィールドスコープの形状をチェック

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フィールドスコープは直視型(ストレートタイプ)と傾斜型(アングルタイプ)の2タイプがあります。直視型は対物レンズと接眼レンズが一直線または平行に配置されているのが特徴。傾斜型は接眼レンズ部の付け根から45°ほど上方に傾斜しています。

直視型は対象物の方向が目視と同じなので、直感的に観察対象を捉えやすいのがメリット。観察対象に応じて三脚の高さを調整するのが基本です。ただしバードウォッチングや天体観測などで高い位置のモノを観察する場合、上を仰ぎ見る姿勢になり首などが疲れやすくなります。

それに対して、傾斜型は高い位置の野鳥や天体を観察する場合でも自然な姿勢で観察できます。三脚を伸ばして高くする必要がないので、アウトドアチェアに座っての観測がしやすいのもメリット。

さらに、三脚の高さを調整することなく小さな子どもでも大人と同様にそのまま観察できます。ただし目視とは角度が異なるので、慣れないうちは観察対象を捉えにくいのがデメリットです。

フィールドスコープの防水性と堅牢性をチェック

一般的には、フィールドスコープの各接合部にパッキンを使用して防水性を高めています。また、急激な温度変化によりレンズが曇ることを防ぐために窒素ガスを充填してあるフィールドスコープも多数ラインナップ。接眼レンズ交換の際にホコリや水滴が入らないように、接眼レンズの付け根に防塵ガラスを設置したモデルもあります。

また、堅牢性を高めるために、多くのフィールドスコープはボディ素材にアルミニウム合金やマグネシウム合金を使用しているのが一般的。いずれも堅牢性と軽量化が図れるのがメリットです。さらに、ボディ表面にラバーコーティング加工したモデルは、衝撃を吸収するとともにグリップしやすいという特徴があります。

フィールドスコープのデジスコ対応をチェック

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フィールドスコープをデジタル一眼カメラやデジタルビデオの超望遠レンズとして使用することを「デジスコ」といいます。デジタル一眼カメラなどの超望遠レンズは高価なことが多いので、フィールドスコープを使って超望遠撮影できるのがメリットです。

フィールドスコープとカメラを接続するためには「アダプター」あるいは「アタッチメント」といわれるパーツが必要。ビクセンなどのメーカーにはスマホを装着して撮影できるアダプターもラインナップしています。

ただしフィールドスコープメーカーによってはアダプターが用意されていない場合があるので、事前に確認しておくと安心です。

フィールドスコープのおすすめ人気モデル

ペンタックス(PENTAX) スポッティングスコープ ボディ PF-100ED

色にじみを軽減するEDレンズを使用したペンタックスの直視型フィールドスコープ。最短合焦距離は約8.5mあります。一番のポイントは最大級クラスの明るい有効径100mm対物レンズを装備している点です。

ボディは堅牢なマグネシウム合金にラバーコート加工を施し、耐衝撃性が高いのがポイント。防水性が高いボディに窒素ガスを封入してレンズの曇りを防いでいます。サイズは長さ510×高さ134×幅117と大型で、重量は約2.6kgです。

別売の接眼レンズはズーム式2種をはじめ合計8種類と充実しています。最大倍率は97.5倍。さらに、オプションのカメラ取付け用のアダプターを使用してデジタル一眼カメラを接続すると、焦点距離1910mmという圧倒的な望遠レンズとして利用できるのも魅力です。観察および撮影で、ハイクオリティなフィールドスコープを探している方におすすめします。

ペンタックス(PENTAX) 傾斜型スポッティングスコープ ボディ PF-65EDAII

高い位置にある対象物の観測に最適なペンタックスの傾斜型フィールドスコープです。対物レンズ有効径はコンパクトタイプでは大きめの65mmレンズを搭載しています。採用しているレンズは、色収差を補正してクリアな視界が魅力のEDレンズです。

接眼レンズ取り付け部に防塵ガラスを採用した防水性能の高さもポイント。さらに雨やホコリからレンズを守る引き出し式のレンズフードには照準線も装備しています。目標をキャッチしやすい機能です。

オプションの接眼レンズは、65mmスコープ用に新設計した「XFシリーズ」や天体望遠鏡用の「XWシリーズ」など8種類。ズーム式もラインナップしています。

ニコン(NIKON) フィールドスコープ フィールドスコープ モナーク 60ED-S

ニコンの対物レンズ有効径60mmのフィールドスコープ。初心者でも対象を視野に捉えやすい直視型のフィールドスコープです。最短合焦距離は3.3mなので、近くのモノにもピントを合わせられます。

光学系にはEDガラス製の「アドバンスト・アポクロマート」レンズを搭載。赤・青・緑に加えて紫の色収差を補正して、色にじみが少ない自然な色味が魅力です。

さらにクリアでシャープな像を実現する「フィールドフラットナーレンズシステム」を採用しているのもポイント。像周辺部がボケてしまう像面湾曲を補正しています。

Oリングやパッキンなどで防水加工された気密性が高いボディには窒素ガスを充填。気温差の激しい時に起こりやすいレンズの結露や曇りを防いでいます。ボディは頑丈なアルミ合金製を使用、初心者にもおすすめのバランスのよいフィールドスコープです。

ビクセン(Vixen) フィールドスコープ ジオマII ED82-Sセット

大口径82mm対物レンズを装備したビクセンの直視型フィールドスコープ。EDレンズを採用することで色にじみを大幅に軽減したコントラストに優れた像が魅力のモデルです。

注目の機能は2つのピント調整ができる「デュアルフォーカス」。まず「粗動」でスピーディにピントを合わせ、さらに「微動」で微妙なフォーカシングができます。標準装備の接眼レンズは倍率27倍です。

ボディには「素通しファインダー」を搭載。対象を素早く視野に入れる際に役立ちます。また、接眼部はアイレリーフ18mmのハイアイポイント仕様。メガネをかけたままでも見やすく、長時間の観察でも疲れにくいのがメリットです。

ボディは軽量で衝撃に強いファイバープラスチック製で、窒素ガスを封入した本格的防水設計。デジタルカメラでの撮影用フィールドスコープとしてもおすすめです。

ビクセン(Vixen) フィールドスコープ コールマン NS25×52キット

ビクセンがアウトドアブランドのコールマンとコラボした直視型のフィールドスコープです。対物レンズ有効径はコンパクトな52mm。接眼レンズが付属して倍率は25倍の固定倍率です。

サイズは長さ20×高さ10×幅7cmとコンパクトで、重量0.47kgの軽量モデル。付属の三脚は、質の高いカメラ用三脚で有名なベルボン製である点も大きなメリットです。

さらにiPhone5・iPhone5S用カメラアダプターも付属しています。軽量コンパクトでキャンプなどのアウトドアシーンで使いやすい、初心者におすすめのフィールドスコープです。

ビクセン(Vixen) フィールドスコープ アロマ52-A

伸縮性ボディを採用し、収納性に優れたビクセンのコンパクトな傾斜型フィールドスコープです。対物レンズ有効径は52mm。レンズやプリズムは多層膜コーティング済です。光の損失や反射を抑えて高いコントラストの像を実現しています。最短合焦距離が3mと短いのもメリットです。

付属の接眼レンズは固定倍率25倍。初心者でも対象物を捉えやすく、さまざまなシーンで利用しやすい倍率です。別売の接眼レンズで倍率変更も可能。さらにオプションにはカメラアダプターもラインナップしているので、写真撮影もできます。

リーズナブルな価格も魅力なファミリーのアウトドアレジャーにおすすめのフィールドスコープです。

コーワ(Kowa) 傾斜型スポッティングスコープ TSN-501

フィールドスコープで人気が高いコーワの軽量コンパクトな傾斜型モデルです。最大の特徴は全長239mmの小型ボディ、そしてボディにポリカーボネートを採用して重量約400gと軽いのが特徴です。

対物レンズ有効径は50mm。外側レンズにはマルチコーティングを施しています。最短合焦距離は2.5mで、標準装備の接眼レンズは20~40倍のズーム式。野鳥や天体の観察などで利用しやすい倍率をカバーしているのがメリットです。

指1本で微妙なピント調整ができるフォーカスノブや、対象を視野に捉えやすい照準線も装備しています。リーズナブルでコンパクト、そして操作性の高さを備えた初心者におすすめのフィールドスコープです。

コーワ(Kowa) 直視型スポッティングスコープ TSN-664M PROMINAR XDレンズ

口径66mmと大きめの対物レンズを搭載していながら、コンパクトなボディが魅力のコーワ直視型フィールドスコープです。すべてのレンズとプリズムはマルチコート済。対物レンズには色にじみの原因である色収差を抑えるEDレンズを採用しています。全長312mmで重量は約1kg。接眼レンズは別売です。

窒素ガスを封入した完全防水仕様。対物レンズには水や油をはじく独自の「KRコーティング」を施して汚れがつきにくいのもメリットです。さらに、スライド式フードを採用して、不要な光や水滴の侵入を防いでいます。

三脚マウントは回転式。フィールドスコープを三脚に固定したまま360°回転できる便利なマウントです。コンパクトでも高い光学性能のフィールドスコープを探している方におすすめします。

ケンコー(Kenko) フィールドスコープ 200mm F4レンズキット

パーツを組み合わせることによって天体望遠鏡や望遠撮影にも利用できる拡張性に優れた、ケンコーのミルトルシリーズ。本モデルは焦点距離22mmの接眼レンズを標準装備しているので倍率22倍のフィールドスコープとして利用できます。

対物レンズ有効径は50mm、最短合焦距離が2mと短いのがポイント。近くのモノでもしっかり観察できるおすすめのフィールドスコープです。

ケンコー(Kenko) ズーム式フィールドスコープ ユーコン 50mm

ケンコーのリーズナブルなズームタイプの直視型フィールドスコープです。倍率は20~50倍の範囲で調整できます。対物レンズ有効径50mmのコンパクトタイプ。サイズは長さ24×高さ11×幅8cmで重量0.7kgです。

対物レンズと接眼レンズの全面にコーティングしたフーリーコート仕様なのがメリットです。光の損失と反射を抑制しています。カメラ用三脚にも取付可能。倍率が高めなので三脚に装着しての使用をおすすめします。