原音通り正確に再生する「モニタースピーカー」。DTM(デスクトップミュージック)や楽器演奏、コーラスを録音して出来栄えをチェックする時に欠かせないオーディオ機器です。しかし、各メーカーからさまざまなモデルがラインナップされているので選び方が難しく、高価というイメージを持つ方も少なくありません。

そこで今回は、モニタースピーカーのおすすめモデルをご紹介します。選び方も解説するので、本格的に作曲したい方や、これから始めたいと考えている方はチェックしてみてください。

モニタースピーカーとは?

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モニタースピーカーとは原音を忠実に再現し、細かい音までバランスよく聞くことができるオーディオ機器です。

これに対してCDを鑑賞する時などに使われるスピーカーは、リスニングスピーカーあるいはオーディオスピーカーと呼ばれます。リスニングスピーカーの場合、メーカーやモデルによっては低音を強調する、高音を伸びやかに再現するなどの調整が加えられることもあり必ずしも原音通りとは限りません。

DTMなどで音楽アレンジやサウンドイフェクトを行う時に、原音と違った音を元にして作業を行うと、意図したモノとは違った音になってしまいます。そのようなことを防ぐためにモニタースピーカーが便利です。DTMはもちろん、リマスター作業でも必須のアイテムといえます。

モニタースピーカーの選び方

サイズで選ぶ

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スピーカーはサイズや形状によって、「ブックシェルフ型」「トールボーイ型」「フロア型」に分けられます。

ブックシェルフ型は「本棚に置ける大きさ」という名前の由来どおり小型のスピーカー。設置位置の自由度が高くモニタースピーカーでは主流のサイズです。最近では幅や高さが20cm程度でデスクの上にも置ける卓上タイプもあります。パソコンを使ってDTMを行う際も邪魔にならず便利です。

トールボーイ型は幅や奥行きなどの接地面積はブックシェルフ型とほぼ同程度で、背を高くして低音域を強調したスリムタイプのスピーカー。設置のしやすさからホームシアターなどで使われることが多く、モニタースピーカーではあまり採用されていません。

フロア型は大きなスピーカーユニットを搭載した大型のスピーカー。トールボーイ型同様に、モニタースピーカーでは採用されていないサイズです。

ウーファー(ウーハー)の大きさで選ぶ

低音域を出力するスピーカーユニットがウーファー。低音の再生能力は振動させる空気の量に比例するのが特徴です。そのためウーファーの大きさが、スピーカーの低音再生能力の目安。ウーファーの口径を確認しておきましょう。また、大きな音量で聴くことが多い方はスピーカーの許容入力を表すワット数も併せて確認しておくと安心です。

入力端子の種類で選ぶ

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アンプなどと接続してスピーカーへ入力するケーブル端子にはいくつかの種類があります。最も一般的なのが「RCAプラグ」。赤と白2本のケーブルそれぞれで左右の音声を入力するのが特徴です。

「フォーンプラグ」は1本のケーブルで接続します。RCAプラグよりノイズに強いのがメリット。ヘッドホンやカラオケマイクなどでも使われているプラグです。

「XLR(キャノン)プラグ」は高音質でノイズに強いのが特徴。そのためケーブルが長いステージマイクといったハイクオリティなマイクなどで主流の端子です。

エンクロージャーの方式で選ぶ

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スピーカーの箱の部分をエンクロージャーもしくはキャビネットといいます。エンクロージャーの構造によってさまざまなタイプがあり、主流なのは「バスレフ型」と「密閉型」です。

バスレフ型は、エンクロージャーにダクトまたはポートと呼ばれる穴が設けられているのが特徴。低音域の特定周波数を搭載したダクトから放射するので、スピーカーユニットからの音と合わせて小型スピーカーでも量感のある低音を出力できるのがメリットです。

密閉型は、エンクロージャーが完全に密閉されたスピーカー。低音のボリュームはバスレフ型に劣りますが、シンプルな構造なのでバランスよく音を出力できるのが魅力です。

DTM向けのモニタースピーカーおすすめモデル

ヤマハ(YAMAHA) モニタースピーカー MSP5

ヤマハ(YAMAHA) モニタースピーカー MSP5

モニタースピーカーの業界標準機と言われるモデルです。ヤマハは1980年代に小型スピーカー「NS-10M」を開発。その精密な音により、世界の録音現場で使われるスタンダードになりました。 その流れを汲むのがMSPシリーズです。

本機は12cmウーファーと2.5cmチタンドームツイーターによる2ウェイ構成を採用。179×279×208mmの程よいサイズで設置場所の自由度が高いのが魅力です。

音は、原音を忠実に再現されているので、フラットに聞こえるのが特徴。凝ったサウンドエフェクトを掛けたDTM作品のミックスをする時に活躍します。入力はXLRとフォーン入力のみと、プロ用機器に多いパターンなのでRCA入力が必要な方は注意しましょう。

ヤマハ(YAMAHA) パワードスタジオモニター HS5 ペア

ヤマハ(YAMAHA) パワードスタジオモニター HS5 ペア

リーズナブルな価格が魅力のモニタースピーカー。70W大出力の高品位パワーアンプと、厳選されたユニットを組み合わせることにより、54Hzから30kHzというワイドレンジ再生を実現しています。170×285×222mmの本体サイズも標準的です。

音は情報量や立体感などに「MSP5」との違いがありますが、モニターに必要な原音忠実性を高度に備えています。一方、「ROOM CONTROL」「HIGH TRIM」機能で、部屋や用途に合わせた音質に調整できる高い自由度もポイント。価格と音質のバランスに優れた、おすすめのモニタースピーカーです。

アダムオーディオ(ADAM AUDIO) パワードスタジオモニター A5X ペア

アダムオーディオ(ADAM AUDIO) パワードスタジオモニター A5X ペア

モニタースピーカーの世界的な人気メーカーによる定番モデルです。 広帯域で豊富な情報量を再生できる独自の「X-ARTツイーター」による高域再生力の高さが特徴。これにより、50kHzもの超高域の音域も再生可能です。

繊細な音の表現力に加え、14.5cm径のウーファーによる余裕の低音再生能力も魅力。入力はXLRに加えRCA対応なので初心者の方でも扱いやすいのがポイント。高さ280mmとやや大きめなのと価格も高めなので、場所と予算に余裕のある方におすすめです。

フォステクス(FOSTEX) アクティブスピーカー PM0.4c ペア

フォステクス(FOSTEX) アクティブスピーカー PM0.4c ペア

フォステクスはオーディオ機器を幅広く製造している人気のメーカー。業務用の大型機も手がけているほどスピーカーに特化しているのが特徴です。

本モデルは自社開発による10cm径ウーファーと、高性能なシルク振動板を採用したツイーターによるコンパクトな2ウェイ・バスレフ型。高効率D級方式による30W+30Wの大出力アンプを搭載しています。 クリアな音質を基本に、幅広いジャンルの音楽に対応する再生能力が魅力です。

電源スイッチ、ボリュームコントロールを一括操作できるのも便利。本モデルとの音質マッチングが図られたUSB-DACやサブウーファーとのセット製品も用意されているので、システム拡大も一貫した音質で実現できるのもメリットです。

ジェイビーエル(JBL) パワードモニタースピーカー PROFESSIONAL 305P MkII ペア

ジェイビーエル(JBL) パワードモニタースピーカー PROFESSIONAL 305P MkII ペア

JBLのDTM向けモニタースピーカー。業務用での長年のノウハウを投入した人気の高い実力モデルです。 ツイーターの周囲に独自の「イメージコントロールウェーブガイド」を搭載。各楽器の存在感を高めるとともに、広がりのある音を再生します。JBL伝統のホーン型スピーカーを思わせるデザインも魅力です。

内蔵アンプ出力も82Wと強力。圧倒的な迫力をデスクトップで体感できるので、ロックやフュージョンといったジャンルのモニターにも最適です。鮮烈でリアルなサウンドは楽器やDJ用にもおすすめ。プロ向けらしく、入力はアナログXLR・フォーンのみです。

100時間フルパワーテストにより、大音量への対応力と長年の信頼性が確保されています。耐久性に優れたモデルを探している方におすすめのスピーカーです。

ローランド(Roland) Bluetooth対応モニタースピーカー MA-22BT ペア

ローランド(Roland) Bluetooth対応モニタースピーカー MA-22BT ペア

キーボードやシンセサイザーなど電子楽器メーカーとして知られるローランドのモニタースピーカー。電子楽器を多用した音源との相性のよさが魅力です。

幅約11cmとコンパクトなので卓上で場所も取りません。20Wの内蔵アンプと低音を増強できるバスレフ型採用により、迫力のサウンドでモニターが可能です。

RCA・ステレオミニに加え、モニタースピーカーとしては珍しくBluetooth入力にも対応します。スマホやポータブルプレーヤーなどからも音声入力できて便利。DTMはもちろん、楽器用、音楽鑑賞用と幅広く使える点でもおすすめです。

コスパ最強のモニタースピーカーおすすめモデル

ベリンガー(BEHRINGER) スタジオモニター MS16 ペア

ベリンガー(BEHRINGER) スタジオモニター MS16 ペア

ベリンガーはハイコスパで人気なドイツの音響メーカー。本機はコンパクトなボディに16Wの内蔵アンプを備えた、10cm径ウーファー採用の2ウェイ機です。

2系統のステレオ入力のほかにマイク入力まで備えた多機能もポイントで、カラオケにも使える汎用性も魅力。価格重視の方におすすめのモニタースピーカーです。

アレシス(Alesis) アクティブスピーカー・システム ELEVATE3 MKII ペア

アレシス(Alesis) アクティブスピーカー・システム ELEVATE3 MKII ペア

豊富な入出力端子が魅力のモニタースピーカーです。入力はRCA2系統、出力にヘッドホン・サブウーファー端子を装備。低音の増強に役立つ単体サブウーファーを簡単に増設できるのがポイントです。

安価ながらもコストのかかるオリジナル木製キャビネットと、高低音それぞれに専用ドライバーを採用。これにより、モニターに適したクリーンでパワフルな再生音を鳴らします。7.5cmウーファーによる小型設計で本体幅も127mmと置き場所にも困りません。サブ機にもおすすめです。

マッキー(MACKIE) モニタースピーカー CR3 ペア

マッキー(MACKIE) モニタースピーカー CR3 ペア

ハイパワーをハイコスパに実現したモニタースピーカー。内蔵アンプ出力は50Wと、1万円台の価格としてはハイスペックです。大音量でのモニターから少し広めの空間でのリスニングも余裕。 明瞭でメリハリのある音質もポイントで、楽器を分離して聴き分ける用途に向いています。

独自の「スムースウェーブガイドデザイン」により小音量でも音の明確さを維持しているのもポイント。幅広い音量で作業したい方にもおすすめです。

また、木製キャビネットを採用しており、自然な響きが得られるほか落ち着いたデザインが魅力。フォーン・RCA・ステレオミニと入力も豊富なので、複数機器を同時に接続して使う用途にもおすすめです。

フォステクス(FOSTEX) アクティブスピーカー PM0.3H ペア

フォステクス(FOSTEX) アクティブスピーカー PM0.3H ペア

185×100×130mmとコンパクトな卓上サイズが魅力のハイコスパスピーカー。7.5cm径ウーファーと1.9cmソフトドームツイーターによる2ウェイのバスレフ型を採用しています。

一般的に小型では弱くなりがちな低音の再現性を、自然な響きと厚みのある音を鳴らせる木製エンクロージャーにより向上。また、後部のバスレフポートを壁に近づけることで、さらなる低音増強も可能です。さらに、小型でも高出力を実現できるD級アンプを採用。このサイズにして左右で15W+15Wの出力と迫力も十分です。

40kHz再生をクリアしたハイレゾ対応により、高音質な音源もしっかり聴きとれます。入力端子はRCAとステレオミニを装備しているので、DTM機器のほかスマホやポータブルオーディオ機器との使用にもおすすめです。

タンノイ(TANNOY) スタジオモニター Reveal 402 ペア

タンノイ(TANNOY) スタジオモニター Reveal 402 ペア

モニター用とリスニング用の両方に適したハイコスパなモニタースピーカー。英国の老舗スピーカーブランドのタンノイは、おもにクラシックに合う大型家具調スピーカーと、業務用モニターの双方を手掛けてきました。

本モデルではそれらのノウハウを活かした音作りにより、モニターに必要な正確な再現性と、音楽鑑賞に適した聴きやすく美しいサウンドを両立させています。幅147mmとコンパクトながら、バスレフ型構造を活かして低音が充実しているのも特徴。汎用性の高いモニタースピーカーを探している方におすすめです。

ヤマハ(YAMAHA) スピーカーシステム NX-N500 ペア

ヤマハ(YAMAHA) スピーカーシステム NX-N500 ペア

豊富な入力とハイスペックを備えたハイコスパモデル。モニタースピーカーの定番機である「HS5」をベースに、別途用意すると費用も場所も取るネットワークオーディオプレーヤーを内蔵しているのがポイントです。

これにより、USB入力で192kHz/24bitまでのPCMに加えて、DSD 5.6MHzまでの再生に本機のみで対応。さらに、Wi-Fi・Bluetoothにも対応。光デジタルとアナログ入力も備えています。

スピーカーは、再生周波数帯域54Hz-40kHzのハイレゾ対応広帯域。また、44W+44Wの大出力でモニター用途にしっかり応えます。リモコンが付属するのも便利。ハイレゾ音源のモニターを卓上で簡単に実現できる、おすすめのモデルです。

小型のモニタースピーカーおすすめモデル

アイケーマルチメディア(IK Multimedia) iLoud Micro Monitor ペア

アイケーマルチメディア(IK Multimedia) iLoud Micro Monitor ペア

世界最小クラスのモニタースピーカーです。7.5cm径ウーファーと1.9cm径ツイーターを搭載していながら、90×180×135mmの本体サイズ、ペアで1.7kgにまとめています。小さいながらも内蔵アンプは50Wと強力。高精度な56bit DSPにより、設置環境にあわせてサウンドを最適化する機能も特徴です。

コンパクトなだけのスピーカーはほかにもありますが、プロ用途も含めたモニターに耐えられる原音忠実でフラットな音質を備えていることが大きなポイントです。

RCAとステレオミニ入力に加え、Bluetoothにも対応しているのでワイヤレススピーカーにもなります。小さいだけでなく、多機能なスピーカーとしてもおすすめです。

ジェネレック(GENELEC) モニタースピーカー 8020DPM ペア

ジェネレック(GENELEC) モニタースピーカー 8020DPM ペア

151×242×142mmとコンパクトサイズながら高音質なのが特徴のモニタースピーカー。低域の周波数特性を拡張する独自の「レフポート・デザイン」により、充実した低音を鳴らせるのが魅力です。

独自の「MDE」筐体と「DCW」技術による正確な音再現と、乱れの少ない音域バランスもモニターに適したポイント。高効率なD級増幅による、片側50W+50Wもの強力なバイアンプ駆動で大音量再生も余裕でこなします。

音質を微調整できる「ルーム・レスポンス補正」も搭載。常にクリアな音でのチェックが可能です。なお、XLR入力のみに本体ボリューム非搭載と、やや一般ユーザーには扱いにくい仕様。外部プリアンプとの併用がおすすめです。

ヤマハ(YAMAHA)モニタースピーカー MSP3 ペア

ヤマハ(YAMAHA)モニタースピーカー MSP3 ペア

モニタースピーカーの標準的存在であるMSPシリーズ最小機です。10cm径ウーファーと2.2cmツイーターの組み合わせにより、幅144mmのコンパクトさを実現。上位機同様の原音を忠実に再現したフラットなサウンドが魅力です。

一方、上位機よりもやや低音が減り、スケール感はコンパクトになります。ボーカルを中心としたミックスにおすすめ。入力はXLRとフォーンに加えRCAを搭載し、汎用性が高いのも特徴。また、別売りのブラケットと組み合わせれば、天井や壁に吊ることが可能なのもポイント。手軽に設置できる、コンパクトなモニタースピーカーを探している方におすすめです。

タスカム(TASCAM) パワードモニタースピーカー VL-S3 ペア

タスカム(TASCAM) パワードモニタースピーカー VL-S3 ペア

110×170×138mmとコンパクトサイズのモニタースピーカー。7.6cm径ウーファーと1.3cmツイーターによる2ウェイ・バスレフ型を採用しています。

小型スピーカーは、一般にボリュームを下げると音痩せしてしまいます。しかし、本製品は小音量再生に注力しているため、小型ながら音質劣化を抑えてられているのがポイント。ボリュームを下げてもバランスのよいサウンドを維持します。

入力がRCA・ステレオミニと汎用性が高い上、価格がリーズナブルなので初めてモニタースピーカーを購入する方におすすめです。

フォステクス(FOSTEX) アクティブスピーカー PM0.1E ペア

フォステクス(FOSTEX) アクティブスピーカー PM0.1E ペア

サイズが86×175×152mmとコンパクトなモニタースピーカー。左右合わせて約1.4kgの軽量もポイントです。入力はRCA1系統とシンプル。傾斜をつけたフロントにより音の広がりと明瞭度を向上させ、モニターとしての実力を高めています。

アンプ出力が5W+5W、再生周波数は80Hzから35kHzと、迫力と低音の面ではやや小ぶり。卓上で近づいて聴く、サブ機として使うのもおすすめです。付属のゴム足を使えば横置きもできるので、テレビ用として使えます。

イブオーディオ(EVE AUDIO) モニタースピーカー SC203 ペア

イブオーディオ(EVE AUDIO) モニタースピーカー SC203 ペア

高い機能性を備えた小型モニタースピーカー。116×190×134のサイズに7.5cm径ウーファーを搭載した2ウェイ・バスレフ型構成です。

低音を効果的に増強できる「パッシブ・ラジエーター」を背面に装備することで、小型ながら62Hzからの高い低音再生能力を備えます。低音を正確に再現できる強力なボイスコイルの搭載もポイント。ベース楽器のモニターもしっかり可能です。

また、高解像度DSP回路を内蔵。これにより、楽器の位置やボーカルの距離感を精密かつ自然に表現します。

作業や設置環境に合わせたさまざまな音質調整が可能なのも魅力。また、光デジタルとUSBの2つのデジタル入力を搭載。PCやBDプレーヤーなどと直結してハイレゾ音源を再生できます。

サイズからすると高価な印象ですが、小さくてもクオリティーに妥協したくない方におすすめのモデルです。