読むことで物語の世界に没頭できる「小説」。しかし、ひとくちに小説といっても、世に出ている作品はごまんとあります。ジャンルも恋愛・ミステリー・ホラー・SF・ファンタジーなどさまざま。一体どんな作品を選んだらよいか、悩む方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、小説のおすすめ人気作品をジャンル別にご紹介します。何度も重版されている人気作品もピックアップしているので、ぜひチェックしてみてください。

新刊小説のおすすめ作品

マスカレード・ゲーム

集英社 著者:東野圭吾

東野圭吾氏待望の新刊ミステリー小説。映画化もされ、累計480万部を突破した人気の「マスカレードシリーズ」第4作品目です。

解決の糸口すらつかめない3つの事件をめぐる物語。捜査で判明した共通点は殺害方法と、被害者が全員過去に人を死なせた人間であることだったのです…。

そして、刑事・新田は再びホテル・コルテシアへ向かいます。東野圭吾氏が“ホテルマンと刑事、これほど相性がいいとは!”と発言している、おすすめの小説です。

燕は戻ってこない

集英社 著者:桐野夏生

女性たちの困窮や憤怒を描き続けている作家・桐野夏生氏による予言的ディストピア小説。本作品では、地方出身の非正規労働者で29歳の独身女性を通して、女性の貧困や生殖の問題を描いています。

北海道で介護職を辞して、あこがれの東京で病院事務の仕事に就いたものの、非正規雇用で困窮を極めるリキ。ある日、“いい副収入になる”と同僚のテルに卵子提供を勧められます。

リキはためらいながらも、アメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部を訪問。すると、国内では認められていない「代理母出産」を持ちかけられ…。

重く考えさせられるテーマの物語です。リキの苦悩や戸惑いなどがリアルに描かれており、感情移入しやすいのが魅力。社会問題を扱った小説を読みたい方におすすめです。

密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック

宝島社 著者:鴨崎暖炉

密室づくしの6編の短編集で、ド直球といわれる本格ミステリー小説。このミステリーがすごい!大賞の文庫グランプリ受賞作です。

物語の舞台は“密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある”という判例により、現場が密室である限り無罪が担保された日本。そこでは、密室殺人事件が激増していました。

そんななかで、著名なミステリー小説家が遺したホテル「雪白館」で密室殺人が起きます。さらに館に通じる橋は落とされ孤立。そして、凶行がいずれも密室で繰り返され、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていたのです…。

密室トリックの分かりやすい解説があり、遊び心にあふれているのが魅力。ミステリー小説初心者にもおすすめです。

ひまわりは恋の形

小学館 著者:宇山圭佑

恋愛小説『桜のような僕の恋人』で人気を博した、宇山圭佑氏期待の新刊小説。世界一美しいという究極の遠距離恋愛を描いた物語です。

大学4年生の春、就職試験に全滅した日向は友人から不思議なアルバイトを紹介されます。怪しいと思いながら、彼はバイト先で出会った依頼主・雫に一目ぼれしました。

彼女からの“ありがとう”という言葉は、希望をなくしていた日向の心を鮮やかに染めます。そして、自分も誰かに“ありがとう”と言われる仕事をしたい、彼女に振り向いてもらいたいと新しい一歩を踏み出しました。しかし、雫には大きな秘密があったのです…。

切ないものの悲しくはなく、泣けるものの読後は爽快などの魅力があります。編集者が“控えめに言っても、宇山さんの最高傑作”と発言している、おすすめの恋愛小説です。

幸村を討て

中央公論新社 著者:今村翔吾

直木賞受賞作家・今村翔吾氏の新刊歴史巨編。真田幸村と、兄・真田信之をめぐるミステリアス戦国ドラマです。連載時から大反響を呼び、発売前の重版が決定しています。

大坂冬の陣で、豊臣秀吉が築いた巨城の弱点に築かれた出城。その将を問う徳川家康に側近は“真田です”と答えます。知将・真田昌幸は既にいません。では、何者が築いたのでしょうか。謎多き武将・真田幸村と織田有楽斎・南条元忠・後藤又兵衛・伊達政宗・毛利勝永たちの思惑が交錯していきます。

熱いストーリーで臨場感にあふれ、巨編ながら一気読みしやすい魅力があります。注目作家の傑作歴史小説に触れたい方におすすめです。

聖女の魔力は万能です 8

KADOKAWA 著者:橘由華

Webサイト「小説家になろう」発で、「聖女」として異世界に召喚されたOL・セイが活躍するライトノベル。マンガ化されたほか、アニメは2期の制作も決定している人気作品です。

本作品では「聖女」の仕事が一段落したセイが、王都へ帰還し、本業の薬用植物研究所の仕事に戻ります。しかし、苗や薬草など育てたい植物が多すぎて畑が足りません。それを相談したところ、研究所の分室ができて…。

セイの活躍が見どころのシリーズです。読みやすいため、読書初心者にも向いている小説。異世界ファンタジーやスローライフが好きな方におすすめです。

恋愛小説のおすすめ作品

世界の中心で、愛をさけぶ

小学館 著者:片山恭一

ドラマ化や映画化もされ、「セカチューブーム」という社会現象を巻き起こしたベストセラー小説。多くの人々を涙させた、珠玉のラブストーリーです。

高校2年生である朔太郎の恋人、アキの死から物語がスタート。2人の出会いから無人島への旅行、アキが発病して入院し、お別れするところまでも描いています。

最愛の人を失うことや、生と死についてなども考えさせられる内容。大切な存在がいる方や、感動する恋愛小説を読みたい方におすすめです。

君の膵臓をたべたい

双葉社 著者:住野よる

アニメ・実写で映画化された青春恋愛小説。住野よる氏のデビュー作でありながら、発行部数は280万部を突破した大ベストセラー作品です。物語はある日、高校生の僕が病院で「共病文庫」と書かれた1冊の文庫本を拾うところから始まります。

文庫本の持ち主はクラスメイトの山内桜良。日記には彼女が膵臓の病気で、余命が少ないという内容が書かれていました。クラスメイトのなかで唯一、山内桜良が病気であるという秘密を知った僕と、彼女との心の交流を描いています。

主人公である僕が成長していく様子や、想像がつかない衝撃的なラストも見どころ。読後、タイトルの意味に感動する方も多いおすすめの小説です。

いま、会いにゆきます

小学館 著者:市川拓司

映画化・ドラマ化され、海外でもリメイクされているベストセラー小説。主な登場人物は、身体にさまざまな不具合を抱えながら司法書士事務所で働く父・巧と、6歳になる1人息子の佑司。巧の最愛の妻・澪が亡くなって1年経った雨の季節、週末に散歩に出かけた町はずれの森で父と子に奇跡が起こる話です。

“おはよう”や“おやすみ”などを言える、ささやかな日常に幸福がある、“愛してる”をいえる人がいるだけで幸福になれるということが、ストーリー仕立てで書かれています。

シンプルな真実を描きながら、ファンタジックな要素があるのもポイント。「感涙度100%」とも評されており、泣ける恋愛小説を求める方におすすめです。

ノルウェイの森 上

講談社 著者:村上春樹

日本を代表するベストセラー作家・村上春樹氏による、100%の長編恋愛小説。世界中で親しまれており、上下巻累計1000万部を突破している不朽の名作です。2010年には映画化もされました。

暗く重い雨雲をくぐり抜けて、主人公・ワタナベが乗った飛行機がハンブルク空港に着陸。すると、天井のスピーカーから小さい音でビートルズの曲『ノルウェイの森』が流れ出します。それを聴いたワタナベは、1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋の出来事を思い出して激しく動揺、混乱していました。

愛することや生きることの意味を、静かな一方で激しく、美しく描いています。愛や性、生死、男女、動と静などさまざまなテーマにあふれているのもポイント。恋愛小説に興味のある方は必読のおすすめ作品です。

マチネの終わりに

文藝春秋 著者:平野啓一郎

大人の切なく美しい恋の物語を描いた、ロングセラー恋愛小説。映画化もされ、累計発行部数は50万部を突破しています。

天才ギタリスト・蒔野聡史と、国際ジャーナリスト・小峰洋子。2人は40代という「人生の暗い森」を前に出会います。初めて出会ったときから強く惹かれ合っていた2人ですが、洋子には婚約者がいました。

やがて、彼女と蒔野との間にはすれ違いが生まれ、関係が途絶えてしまいます。お互いへの思いを断ち切れないまま、別の道を歩く2人の運命が再び交わる日は来るのでしょうか。

文明・文化、生と死、喧噪と静寂など、さまざまなテーマが折り重なった重層的な作りの小説。20~40代の大人におすすめです。

センセイの鞄

文藝春秋 著者:川上弘美

谷崎潤一郎賞を受賞した名作恋愛小説。ドラマや舞台など、さまざまなメディアミックス展開がされています。年齢が離れた男女の恋愛事情が描かれた小説です。

主人公で37歳のツキコさんは、ひとり通いの居酒屋で、たまたま学生時代の国語教師・センセイと隣り合います。カウンターで交わした世間話から始まった彼との日々。露店巡りや花見、ときにはケンカもはさみながら四季をめぐっていきます。

切なさや、おかしさ、哀しさもあり、穏やかであたたかい気持ちになれる1冊。恋愛の純文学に触れたい方におすすめの小説です。

図書館戦争 図書館戦争シリーズ 1

KADOKAWA 著者:有川浩

「図書館戦争シリーズ」の第1作目。映画化やアニメ化もしており、シリーズ累計640万部を突破したベストセラー小説です。恋愛小説ながら、SF小説の要素もあります。

舞台は、公序良俗を乱す表現を過剰に取り締まる「メディア良化法」が成立している架空の日本。行き過ぎた検閲から本を守るための組織「図書隊」に入隊した女の子・笠原郁が主人公の話です。本作品では、郁が新設の図書特殊部隊に配属され、成長していく様子や恋愛模様を描いています。

登場人物のたちの個性が際立っているのも魅力です。また、郁と上官・堂上篤とのおもしろい掛け合いもポイント。2人の関係に目が離せない、おすすめの恋愛小説です。

植物図鑑

幻冬舎 著者:有川浩

映画化もされた恋愛小説です。主人公は会社員をしているさやか。ある日家の近くで行き倒れているイケメンに“よかったら俺を拾ってくれませんか。”とお願いされ、思わず拾ってしまうところから話は始まります。

イケメンの男・イツキは家事が万能な植物オタクでした。週末には一緒に近所で野草の「狩り」をする、さやかとイツキのほのぼのとした同居生活を描いています。

また、さやかとイツキの恋愛事情はもちろん、イツキの作るおいしそうな野草料理の数々もポイント。野草料理を使ったレシピもついています。心がほっこりする恋愛小説が好きな方におすすめの作品です。

阪急電車

幻冬舎 著者:有川浩

2011年に映画化もされた長編恋愛小説で、累計100万部と突破したベストセラー。阪急電車の中で偶然居合わせた人たちの人生が交差し、希望へと変わっていく様子を丁寧に描いている作品です。

恋の始まりや分かれの兆しなど、阪急電車に乗車した人々のさまざまなドラマが見られるのがポイント。読後はあたたかい気持ちになり、ほっこりする方も多いおすすめの恋愛小説です。

恋愛中毒

KADOKAWA 著者:山本文緒

第20回吉川英治文学新人賞を受賞した、ベストセラーの恋愛小説です。2000年にはテレビドラマ化もされました。

主人公・水無月は“どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。”と、心を堅く閉ざしていました。しかし、強引に踏み込んできたのが小説家・創路。水無月は創路にどんどんのめり込んでいった結果、恋が水無月の全てをしばりつけ、狂わせていきます。

恋愛感情の極限をえぐり出すような作品です。“ラスト40ページで世界が暗転する”とされているのもポイント。衝撃的な恋愛小説を読みたい方におすすめです。

時をかける少女 新装版

KADOKAWA 著者:筒井康隆

世代を超えて愛される、不朽のSF恋愛小説。映画やアニメなどで何度も映像化され、マンガ・絵本などにもなっている人気作品です。

主人公は思春期の少女・芳山和子。放課後の誰もいない理科実験室で、ガラスの割れる音がします。すると、壊れた試験管の液体からただよう甘い香り。“このにおいを私は知っている”と感じたとき、和子は意識を失い、床に倒れてしまいます。

そして、目を覚ました和子の周囲で次々と起こる、時間と記憶をめぐる奇妙な出来事を描いた物語。小学生ごろから大人まで読みやすく、多くの方をときめかせてきたおすすめの小説です。

小説 君の名は。

KADOKAWA 著者:新海誠

大ヒットを記録した映画「君の名は。」の原作で、新海誠監督自らが執筆した作品。累計発行部数が170万部を突破しているベストセラー小説です。

主な登場人物は、山深い田舎町に住む女子高校生・宮水三葉と、東京で暮らす男子高校生・立花瀧。2人は何度も見る夢の中で、お互いが入れ替わっていることに気づきます。

出会うはずのない2人の出会いから、運命の歯車が動き出す物語。映画化作品の原作が読みたい方や、ファンタジックな世界観の恋愛小説を読みたい方におすすめです。

夜は短し歩けよ乙女

KADOKAWA 著者:森見登美彦

恋愛ファンタジーの大傑作ともいわれる小説。山本周五郎賞を受賞し、映画化やアニメ化もされている作品です。

「黒髪の乙女」に想いを寄せる先輩は、京都のさまざまな場所で彼女の目に止まるよう心がけており、「偶然の」出逢いが頻発します。2人を待ち受ける珍事件の数々や、運命の「大転回」が見どころです。

本作品は、ポップで華やかな雰囲気があるのもポイント。奇想的な世界観にのめり込む方も多く、中学生ごろから大人まで楽しめるおすすめの恋愛小説です。

桜のような僕の恋人

集英社 著者:宇山佳佑

SNSで話題を呼び、累計発行部数が70万部を突破した人気の恋愛小説。儚くも美しい感動作です。2022年にはNetflixで映像化されました。

人の何十倍も早く老いてしまう難病を発症したヒロイン・美咲と、カメラマン見習い・晴人の恋の物語。2人の出会いから、愛し合い、駆け抜けた季節を描いています。1人だけ老婆になっていく姿を、晴人に見せたくないと悩む美咲はどうするのでしょうか。

愛することの喜びや痛み、強さなどが伝わってくる1冊。多くの人々が感涙したといわれ、泣ける恋愛小説を求める方におすすめです。

ツ、イ、ラ、ク

KADOKAWA 著者:姫野カオルコ

直木賞作家・姫野カオルコ氏が恋の極みを描き切り、恋愛小説の金字塔ともされる作品。直木賞候補にもなりました。児童文学・青春小説・恋愛小説ともとらえられる小説です。

14歳の中学生・森本隼子が、地方の小さい町で国語教師・河村と恋に落ちるというあらすじ。少女の早熟な体験が生き生きと描かれています。

本作品は、恋愛小説に笑いを持ち込んだとされるのもポイント。消し去れない痛みを抱えた大人におすすめのピュアロマン小説です。

サヨナライツカ

幻冬舎 著者:辻仁成

切なくはかない、大人の恋愛を描いた感動の小説。映画化・マンガ化もされ、100万部を突破した人気作品です。

主人公は“好青年”と呼ばれ、仕事でバンコクに赴任してきた豊。結婚を控えた婚約者もいる彼ですが、バンコクで謎の美女・沓子と出会い、燃えるような恋をします。その後、2人は別れを選択し、25年後に再会しますが…。

愛し合いながらも別れなければならなかった2人の切なく熱い想いに、多くの読者の心を震わせた1冊。本気の恋をしたことがある方や、してみたい方におすすめです。

百瀬、こっちを向いて。

祥伝社 著者:中田永一

ビターでみずみずしさのある恋愛小説。乙一名義が有名な安達寛高氏が、中田永一名義で描き、映画化・舞台化された人気作品です。

主人公は「人間レベル2」で、クラス内で薄暗い電球のような存在の相原ノボル。ある日、野良猫のような鋭い目つきの美少女・百瀬陽が彼女になったことから、ノボルは変わっていきます。しかし、その裏には彼にとって残酷すぎる仕掛けがあったのです…。

“こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!”というノボルの切ない想いが伝わってくる1冊。思春期の恋愛にノスタルジーも感じられるおすすめの小説です。

試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。

幻冬舎 著者:尾形真理子

コピーライター・尾形真理子氏による短編恋愛小説です。表題作のほか、『脱皮したら、春。』『悪い女ほど、清楚な服がよく似合う。』など、ルミネの広告キャッチコピーをタイトルにした5編を収録。20万部のロングセラー作品となっています。

普段はキャッチコピー1行に凝縮している女性たちの物語を、凝縮せずにそのまま再現した本作品。年下に片思いする文系女子や、不倫に悩む美容マニアなど、恋愛下手な女性たちが主人公です。

彼女たちは路地裏のセレクトショップに入り、不思議な魅力があるオーナーと自分を変える運命の一着を探すうちに、自分の素直な気持ちと向き合っていきます。

服を通じたかわいらしい恋の物語で、爽やかな読後感を味わえるのが魅力。また、尾形真理子氏の秀逸なコピーライティング術も垣間見えます。気軽に読める短編小説を求める方におすすめです。

恋愛小説をもっと読みたい方はこちら

ミステリー小説のおすすめ作品

容疑者Xの献身

文藝春秋 著者:東野圭吾

人気ミステリー作家・東野圭吾氏による、直木賞受賞の最高傑作。命がけの純愛が生んでしまった犯罪を描いたミステリー小説です。ドラマ化・映画化で人気を博し、シリーズ累計1400万部を突破している「ガリレオシリーズ」の第3作品目です。

天才数学者でありながらも不遇の日々を送っていた高校教師・石神。彼は一人娘・美里と暮らす隣人の花岡靖子に、密かに思いを寄せていました。ある日、石神は彼女たちが靖子の元夫を殺害したことを知り、2人を救うための完全犯罪を企てます。

皮肉にもその謎に挑むことになったのは、石神のかつての親友で、帝都大学理工学部物理学科の准教授・湯川学だったのです…。

秀逸なトリックや大どんでん返しの結末に、東野圭吾氏の手腕を感じられます。切なく、涙する方も多いおすすめの恋愛ミステリー小説です。

十角館の殺人

講談社 著者:綾辻行人

現代本格ミステリー小説の金字塔ともいわれる「館シリーズ」の長編ミステリー第1作目。推理小説家・綾辻行人氏のデビュー作です。建築家の中村青司が建てた館で起こる惨劇を描いています。

本作品は、十角形の奇妙な館が舞台。館が建つ孤島・角島に大学ミステリ研究会の7人が訪れますが、メンバーは次々と殺されていきます。

見どころは作者自身も発言している、終盤近くの“あの1行”。1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与えて続けています。どんでん返しや本格派ミステリーが好きな方におすすめの小説です。

そして誰もいなくなった

早川書房 著者:アガサ・クリスティー

海外ミステリーの女王として知られる、アガサ・クリスティーの代表作の1つ。初版は1939年ですが、今なお世界各国で愛され続けています。見立て殺人や、外部との接触ができない状態で起こる「クローズドサークル」など、さまざまなミステリー要素が含まれる作品です。

あらすじは「兵隊島」という孤島に集められた10人の男女が、マザーグースの童謡の歌詞にある通り、1人1人殺されていくというもの。登場人物たちは生存者のなかに殺人犯がいて、再び攻撃する準備をしていることに気づき、緊張感が高まります。

本作品は、自分も登場人物の1人になったかのような没入体験できるのが魅力。小学生からでも読みやすく、初めてミステリーに触れる方にもおすすめの小説です。

アクロイド殺し

早川書房 著者:アガサ・クリスティー

1926年に出版された、「名探偵エルキュール・ポアロシリーズ」の内の古典的名作。タイトル通り、村の名士であるロジャー・アクロイドの刺殺体が発見されるところから話は始まります。

事件は迷宮化するかと思われましたが、村に住む変わった男が名探偵ポアロであることが判明。ポアロの活躍により、事件は新たな展開を見せます。

また、本作品は先入観を利用して読者をミスリードする「叙述トリック」もポイント。海外ミステリー小説にある程度慣れた方におすすめの作品です。

告白

双葉社 著者:湊かなえ

「イヤミスの女王」と呼ばれる湊かなえ氏のデビュー作であり、ベストセラーのミステリー小説。イヤミスとは読後「嫌な気持ちになるミステリー小説」のことを指し、本作品もイヤミスです。

S中学校のあるクラスの担任・森口悠子が、娘の愛美をクラスの誰かに殺されたと告白するところから始まる復讐劇。後味の悪さがありながらも、読者を惹きつけます。

また、本作品は全6章構成で、章ごとに登場人物の視点が変わるのもポイント。さまざまな視点で物語を読み解けます。飽きずに読みやすく、ミステリー小説を初めて読む方にもおすすめです。

氷菓

KADOKAWA 著者:米澤穂信

本格学園ミステリー小説である、「古典部シリーズ」の第1作目。映画化・アニメ化・マンガ化されている人気小説です。

省エネ主義の少年・折木奉太郎が、姉・供恵の命令で部員0の古典部に入部させられるところから話が始まります。そして、出会った古典部の仲間・千反田えるに依頼されて、33年前の事件の真相を解き明かしていくという話です。

“やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に”という省エネ主義な奉太郎と、好奇心旺盛で気になることには猪突猛進してしまう、えるのやり取りも見どころ。中学生ごろから大人まで、さまざまな世代が楽しめるおすすめの小説です。

イニシエーション・ラブ

文藝春秋 著者:乾くるみ

“必ず2回読みたくなる”と評され、最後でどんでん返しが起きる驚愕のミステリー小説。2015年には映画化もされ、累計発行部数は180万部を超えている人気作品です。

大学生の鈴木は代打で出た合コンでマユと出会い、やがて2人は恋に落ちていきます。甘く、ほろ苦い恋愛小説の要素もありますが、最後から2行目で異なる物語に変貌するのが見どころ。叙述トリックが好きな方や、普段小説をあまり読まない方にもおすすめです。

火車

新潮社 著者:宮部みゆき

現代ミステリーの金字塔TOP3に入り、ミステリー史に残る傑作小説。カード社会の犠牲ともいわれる、自己破産者の悲惨な現実を描いています。山本周五郎賞を受賞したほか、ドラマ化・映画化もされました。

休職中の刑事・本間俊介は、遠縁の男性に頼まれて、彼の婚約者・関根彰子の行方を捜すことになります。しかし、彼女は自ら失踪し、徹底的に足取りまで消していたのです。なぜ、彼女は自分の存在を消さねばならなかったのでしょうか。そして、彼女は何者なのでしょうか。

徐々に明らかになっていく人間ドラマに、読む手が止まらない魅力があります。考えさせられる、社会派ミステリー小説に触れたい方におすすめです。

悪の教典 上

文藝春秋 著者:貴志祐介

「究極の超問題作」ともいわれるミステリー小説。映画化・マンガ化もされたほか、このミステリーがすごい!1位や、山田風太郎賞など、数々のランキングに入ったり文学賞を受賞したりしています。

主人公は生徒からも人気で、保護者や職員などでの間でも評判のよい英語科教師・蓮実聖司。しかし、生まれながら他者への共感能力がなく、自らの目的のためなら簡単に殺人を犯す「サイコパス」だったのです。

蓮実は、学校で抱えるトラブルの解決や、目的を妨げる者をなくすことを目的に犯行を重ねていきます。サイコキラー作品が気になる方や、ゾクゾクするミステリー小説を読みたい方におすすめの作品です。

GOTH 夜の章

KADOKAWA 著者:乙一

本格ミステリ大賞を受賞し、乙一氏の出世作ともいわれるミステリー小説。人の残酷な面を覗きたがる「GOTH」という者を描いている作品です。

話はクラスメイト・森野夜が連続殺人犯の日記を拾い、中に書いてある未発見の死体を見に行こうと「僕」を誘うところから始まります。

描写は恐ろしいものの、短編なので読みやすいのがポイント。ほかにも、「夜」をめぐる短編作品を3編収録しています。ライトなダークミステリーが好きな方におすすめの作品です。

かがみの孤城

ポプラ社 著者:辻村深月

ファンタジーミステリーの最高傑作といわれる小説。本屋大賞を受賞したほか、ブクログ大賞の小説部門や、王様のブランチブック大賞などで8冠を獲得した作品です。2022年冬には劇場アニメ化も決定しており、累計120万部を突破しています。

主人公は、学校で居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた少女・こころ。ある日突然、彼女の部屋の鏡が光り出します。鏡をくぐり抜けていくと先には不思議な城があり、こころと似た境遇の7人が集められていたのです…。

なぜこの場所にこの7人が集められたのか、すべてが明らかになるときに、驚きとともに大きな感動を味わえるのがポイント。生きにくさを感じている方に贈るといわれている、おすすめの小説です。

屍人荘の殺人

東京創元社 著者:今村昌弘

今村昌弘氏のデビュー作であり、「屍人荘の殺人シリーズ」の第1作目です。鮎川哲也賞と本格ミステリ大賞を受賞しているほか、数々のミステリーランキングで1位を獲得。2019年には映画化もされています。

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長・明智恭介は、同じ大学の名探偵・剣崎比留子といわくつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション「紫湛荘」を訪問。しかし、初日の夜に想定外の事態に見舞われ、籠城を余儀なくされます。それは、連続殺人の幕開けに過ぎなかったのです。

本作品は、多くのミステリー作家が大絶賛しているのもポイント。クローズドサークル小説が好きな方や、本格ミステリー小説を楽しみたい方におすすめです。

八つ墓村

KADOKAWA 著者:横溝正史

「金田一耕助シリーズ」の長編ミステリー小説。過去には何度も映画化・ドラマ化・漫画化されている名作です。

戦国時代、鳥取と岡山の県境の村に大金を抱えた8人の武士が落ちのびてきました。しかし、欲に目がくらんだ村人たちが8人を惨殺。以来、村は「八つ墓村」と呼ばれるようになります。怪奇が相次ぐ村で巻き起こる、おどろおどろしいストーリーです。

ただ恐ろしいだけでなく、冒険要素もあり一気に読み進めやすい1冊。活字慣れしている方や、「金田一耕助シリーズ」に興味がある方におすすめの小説です。

硝子の塔の殺人

実業之日本社 著者:知念実希人

小説家であり医師でもある、知念実希人氏の本格ミステリー長編小説です。2022年本屋大賞にノミネートされました。

物語の舞台は地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な硝子の塔。ミステリーを愛する大富豪の呼びかけで、刑事・霊能力者・小説家・料理人など癖のあるゲストが招かれます。

しかし、館の主人が毒殺。ダイニングでは血濡れの遺体が発見されます。塔の中で次々と巻き起こる悲劇。さまざまな謎を解決するのは名探偵の碧月夜と、医師の一条遊馬です。

伏線が散りばめられているうえ、読者への挑戦状もあるため、読む側も一緒に楽しめます。驚愕のラストも待ち構えており、最初から最後まで読み応えのあるおすすめの小説です。

謎解きはディナーのあとで

小学館 著者:東川篤哉

2011年に本屋大賞を受賞し、同年のベストセラーで第1位を獲得したミステリー小説。ドラマ化もされ、シリーズ累計420万部を突破した人気作品です。国立署の新米刑事で「宝生グループ」の令嬢・宝生麗子と、毒舌な執事兼運転手・影山のコンビが事件の謎解きをする、全6編の短編が収録されています。

仕事で難事件に直面するたびに、影山に一部始終を相談。彼は“お嬢様の目は節穴でございますか?”などと麗子を指摘しつつ、鮮やかに事件を解き明かしていきます。

麗子と影山のかけ合いなどユーモアが含まれており、おもしろく読みやすい作品。読みやすく、小学生から普段本を読まない方にまでおすすめの小説です。

護られなかった者たちへ

宝島社 著者:中山七里

ヒットメーカー・中山七里氏による社会派ヒューマンミステリー小説。2021年には映画化もされました。生活保護や震災などを絡め、日本の社会福祉制度の限界を描いた作品です。

物語は、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、餓死死体として発見されるところからスタート。怨恨や物盗りによる犯行の可能性は低く、捜査は難航します。

しかし、事件の数日前に模範囚が1人出所しており、彼は過去に起きた事件の関係者を追っているというのです。そして、第2の被害者が発見されます。三雲はなぜ殺されたのか、男の目的は何なのでしょうか。

国の制度に翻弄される者たちの怒りや悲しみ、正義などがぶつかり合うさまに胸を打たれる読者も多い1冊。日本の社会問題に触れたミステリー小説を読みたい方におすすめです。

変な家

飛鳥新社 著者:雨穴

オカルト専門のフリーライター・雨穴氏による小説です。Webサイトでは166万PVを記録し、YouTubeでは1000万回以上再生された『変な家』を小説化した不動産ミステリー。出版から約3ヶ月で20万部を突破したベストセラーです。

ストーリーは、雨穴氏の知人が購入しようとしている、都内の中古一軒家の間取りに“謎の空間がある”と相談されたところから始まります。

そして、家の間取りを設計士の知り合いに見せると、そこかしこに奇妙な違和感がある間取りであることが判明。謎をたどったその先に見える事実に、思わず背筋が凍ります。オカルトホラーが好きな方におすすめの小説です。

元彼の遺言状

宝島社 著者:新川帆立

遺産相続をめぐるミステリー小説です。このミステリーがすごい!大賞を受賞したほか、テレビやラジオなどで話題を呼び、シリーズ累計60万部を突破。2022年にドラマ化も決定しています。

主人公は弁護士の剣持麗子。彼女は“僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る”と、元彼・森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、「犯人選考会」に代理人として参加することになります。

数百億ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るため、麗子は自分の依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走。しかし、その最中に次々と事件が起きるのです…。

受賞当時、現役弁護士だった新川帆立氏による、法律を熟知しているからこそ描ける緻密なシナリオが魅力。法律に興味がある方や、話題のミステリー小説に触れたい方におすすめです。

ミステリー小説をもっと読みたい方はこちら

ホラー小説のおすすめ作品

天使の囀り

KADOKAWA 著者:貴志祐介

グロテスクな描写も多く、前人未踏といわれる恐怖感のドキドキを味わいたい方におすすめのホラー小説です。

精神科医・北島早苗の恋人・高梨は新聞社主催のアマゾン調査隊に参加。その後、死恐怖症だったはずの彼は「死」に魅せられたように自殺してしまいます。

また、ほかの調査隊メンバーも、異様な方法で次々と自殺していることが判明。アマゾンで一体何が起きたのか、高梨が死の直前に残した“天使の囀りが聞こえる”という言葉の意味は何なのか、謎が徐々に解き明かされていくのが見どころです。

Another 上

KADOKAWA 著者:綾辻行人

アニメ化もされた人気の長編ホラー小説です。物語の主人公は、東京から夜見山北中学校3年3組に転入してきた榊原恒一。しかし、クラスメイトが何かにおびえていることから、恒一は違和感に気づきます。

また、クラスメイトからいないものとして扱われている美少女・見崎鳴の存在など、謎は深まるばかり…。実は、3年3組は26年前の事件をきっかけに呪われ、生徒や関係者が相次いで亡くなっているクラスだったのです。そして、恒一たちのクラスにも悲劇が襲いかかります。

本作品は、独創的なアイデアやリアリティのある設定がポイント。物語に恐怖やサスペンス性をもたらしています。また、中学生活最後の生徒たちの姿を繊細に描いており、哀切な青春小説の要素があるのも魅力。学園モノや推理モノが好きな方におすすめの小説です。

残穢

新潮社 著者:小野不由美

山本周五郎賞を受賞した、ドキュメント・ホラー小説。2016年には映画化もされました。引っ越してきたばかりのマンションで、次々と起こる怪異現象を調べるうちに、ある因縁が浮かび上がってくる話です。

かつてこの地で最期を迎えた人の怨みを伴う死が「穢れ」となり、感染が拡大していく恐怖がリアルに感じられる作品。本から染み出してくるような、じっとりとした怖さが描かれています。リアリティを感じられるようなホラー小説が好きな方におすすめです。

黒い家

KADOKAWA 著者:貴志祐介

日本ホラー小説大賞を受賞し、ミリオンセラーも達成しているホラー小説です。主人公は生命保険会社で働いている若槻慎二。物語は、岩槻が顧客の家に呼び出された際に、子供の首吊り死体の第1発見者になってしまうところから始まります。

その後、死亡保険金の請求をされますが、顧客の不審な態度に他殺を確信する若槻。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らず、独自調査に乗り出します。

恐怖が何度も襲いかかり、読者を戦慄させる衝撃作。ホラーの名作を読みたい方や、サスペンス要素のあるホラー小説を読みたい方におすすめです。

禁じられた楽園 新装版

徳間書店 著者:恩田陸

直木賞受賞作家・恩田陸氏による幻想ホラー小説です。建築学部に通い平凡な生活を送る大学生・平口捷の前に現れた、若き天才美術家・烏山響一。ある日、捷は烏山から熊野の大自然のなかに作られた野外美術館へと招待を受けます。

訪れるとそこには奇妙な芸術作品や、得体のしれない恐怖に満ちていました。奇怪な芸術作品が見る者を悪夢に引きずり込みます。

本作品は、烏山の仕掛けた罠が何なのかも見どころ。ダークファンタジー要素のあるホラー小説が好きな方におすすめの作品です。

シャイニング 上

文藝春秋 著者:スティーヴン・キング

20世紀ホラー小説の金字塔ともいわれる名作です。上下巻で1つの物語になっています。スタンリー・キューブリック監督が映画化したことでも有名になりました。

物語の舞台は、コロラド山中にあり、美しいたたずまいのリゾートホテル「オーバールックホテル」です。しかし、冬季は-25℃の極寒と積雪により、外から完全に隔離される場所。冬のオーバールックホテルに管理人として住み込む作家と妻、息子を、ホテルに住む悪霊が襲う話です。

本作品は、スティーヴン・キングの圧倒的筆力で描き出された恐怖に引き込まれるのがポイント。幽霊屋敷ものが好きな方におすすめの小説です。

ぼっけえ、きょうてえ

KADOKAWA 著者:岩井志麻子

日本ホラー小説大賞を受賞し、日本屈指のレジェントホラー小説ともいわれる作品。2006年には「マスターズ・オブ・ホラー」の1作品として、映像化されました。

タイトルの意味は岡山弁で“とても、怖い”。本作は明治時代、岡山の遊郭で醜い女郎が自分の身の上を語る話です。妖しく、おぞましい物語が4編収録されています。じっとりとした、和風のホラー小説が好きな方におすすめの作品です。

リング

KADOKAWA 著者:鈴木光司

オカルトホラーの金字塔であり、ジャパニーズホラーの傑作ともされる小説。「リングシリーズ」の第1作品目で、日本や海外で映画化・ドラマ化・ゲーム化・漫画化されている大ヒット作品です。

観ると死んでしまうという、1本の呪いのビデオテープをめぐる話。ビデオテープを観た少年少女が、同日同時刻に亡くなります。忌まわしいビデオテープに、どんな謎があるのかが見どころ。忘れがたい怖さのホラー小説を求める方や、映画などでリングを観たことがある方におすすめの作品です。

夜市

KADOKAWA 著者:恒川光太郎

日本ホラー小説大賞を受賞した作品です。夜市とは何でも手に入る、この世のモノならぬ不思議な市場のこと。話は大学生のいずみが高校の同級生・裕司から誘われ、夜市に訪れるところから始まります。

幼いころ夜市に迷い込んだ裕司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れました。しかし、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いており、今回の夜市への訪問は、弟を買い戻すためだといいます。

本作品には夜市のほか、『風の古道』も収録。短編の2本立てなので、読みやすいのがポイントです。和風ホラーでありながら、ファンタジー要素もあります。怖さと哀しみ両方をたたえた、おすすめの小説です。

パラサイト・イヴ

新潮社 著者:瀬名秀明

バイオ・ホラー小説の傑作といわれ、第2回日本ホラー小説大賞を受賞した作品。映画化やゲーム化もされた名作です。

科学者・利明は、事故で亡くなった妻の肝細胞に「Eve1」と名づけ密かに培養します。しかし、「Eve1」は恐ろしい未知の生命体へと変わり、利明を求めて暴走を始めるという話です。

話は恐ろしい内容ですが、迫力ある描写でどんどん惹きつけられるのがポイント。ホラーが好きな方はもちろん、バイオサスペンスが好きな方にもおすすめの小説です。

殺戮にいたる病

講談社 著者:我孫子武丸

叙述ミステリーの極致ともいわれるサイコホラー小説。1992年に刊行され、30年近く読まれ続けている作品です。

主人公は、東京の繁華街で猟奇的殺人を重ねてきたサイコキラー・蒲生稔。凌辱の果てに殺人を繰り返した彼が、逮捕されるところから物語は始まります。

物語のスタートからラストまで、恐ろしい殺人者の行動や魂の軌跡をたどった衝撃的な内容。サイコパスを題材にした小説や、グロテスクなホラー小説を読みたい方におすすめです。

夏と花火と私の死体

集英社 著者:乙一

乙一氏のデビュー作で、少女の死体をめぐる物語のホラー小説。ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しています。

“九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです…。”と、少女の死体目線という斬新な語り口で、ホラー界を驚愕させた本作品。幼い兄妹の悪夢のような、4日間の冒険が描かれています。

次々と兄妹に襲いかかる出来事に、ハラハラドキドキしながら読めるスリリングな1冊。中高生ごろから、大人までおすすめのホラー小説です。

夜行

小学館 著者:森見登美彦

直木賞と本屋大賞にWノミネートされ、累計32万部を突破した話題の小説。10年前の失踪事件の鍵を握る、謎の絵画連作『夜行』をめぐる物語です。

私たち6人は、京都で学生時代を過ごした仲間でした。しかし、皆で訪れた鞍馬の火祭のなか、仲間の1人である長谷川さんが突然姿を消します。それから10年経ち、残された5人は祭で再会。夜が更けていくなか、それぞれが旅先で出会った謎の銅版画について語り出します。

怪談・青春・ファンタジーとさまざまな要素が詰まっているのが魅力。静かで不気味な雰囲気がただよう、おすすめのホラー小説です。

ぼぎわんが、来る

KADOKAWA 著者:澤村伊智

日本ホラー小説大賞受賞作で、新人デビュー作としては異例のヒットを記録したホラー小説。映画化・マンガ化もされました。霊媒師の姉妹がさまざまな怪異に立ち向かう「比嘉姉妹シリーズ」の第1作品目です。

主人公・田原秀樹は幸せな結婚生活を営んでいました。しかし、ある日彼の会社に、生誕を目前にした娘・知紗のことで用があるという客が来訪。その客を取り次ぎ、謎の噛み傷を負った後輩は入院先で憔悴していきます。

その後も、秀樹の周囲では不審なメールが来たり電話がかかってきたりと怪異が発生。一連の出来事は、秀樹の亡き父が恐れていた化け物・ぼぎわんの仕業なのでしょうか。そして、彼は家族を守るために女性霊能者・比嘉真琴を頼ります。

本作品は、怪談・都市伝説・民俗学などさまざまな要素を含んでいるのがポイント。ホラー小説大賞の全選考委員が絶賛したというおすすめの作品です。

クリムゾンの迷宮

KADOKAWA 著者:貴志祐介

凄惨なゼロサム・ゲームを描いた傑作ホラー小説です。綿密な取材や斬新な着想から、日本ホラー界の新しい地平を切り拓くといわれる作品。マンガ化もされました。

主人公・藤木芳彦が、この世のものとは思えない異様な場所で目を覚ますところから、物語が始まります。そこは、雨に濡れ、視界一面が鮮やかな深紅色に染まった世界でした。

彼のそばに置いてあった携帯ゲーム機の電源を入れてみると“火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された。”という文字が映し出されます。藤木含めゲームの参加者9人は、携帯ゲーム機に導かれ、生き残りをかけた凄惨な世界へいざなわれるのです…。

人間の恐さを感じられ、ハラハラドキドキ感からページをめくる手が止まらない1冊。ゲーム・SFホラー・サバイバルホラーが好きな方におすすめです。

墓地を見おろす家

KADOKAWA 著者:小池真理子

直木賞作家・小池真理子氏による、衝撃と戦慄の名作モダンホラー小説。タイトル通り、墓地に囲まれた家に次々と襲いかかる恐怖を描いています。

都心に位置する新築で格安マンションという、抜群な条件のしゃれたマンションに移り住んだ哲平一家。しかし、そこは広大な墓地に囲まれていたのです…。

全身が凍り付くような、ゾッとする得体の知れない恐怖が次々と襲いかかります。怪異ものが好きな方や、とにかく恐ろしい王道ホラー小説を読みたい方におすすめです。

よもつひらさか

集英社 著者:今邑彩

奇妙な味わいのある全12編の短編ホラー小説。戦慄・恐怖の異世界を繊細に描いた1冊です。ミステリーやサスペンス要素もあります。

表題の『よもつひらさか』とは、1人で歩くと死者に会うことがあると言い伝えられている不気味な坂。なだらかな坂を登る私に、青年が声をかけてきます。ちょうど立ちくらみを起こした私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干しますが…。

人間の怖さや怪奇現象など、ゾワゾワ感のあるさまざまな恐怖を味わえるのがポイント。サクッと読める短編ホラー小説を読みたい方におすすめです。

異端の祝祭

KADOKAWA 著者:芦花公園

民俗学を扱ったオカルトホラー小説。ポップでありながら、ねっとりした不気味な物語が癖になるといわれている話題作です。マンガ化もされています。

主人公は、失敗続きの就職浪人生・島本笑美。就職できない原因は、彼女は物心がついたときから、人間とそうでないものの区別がつかないことでした。

ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、青年社長・ヤンと出会います。出会った瞬間から自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はモリヤ食品への就職を決定。しかし、「研修」といわれ、ヤンに伴われた笑美が見たのは、奇声を上げながら這いまわる人々だったのです…。

モリヤ食品の謎が解けた瞬間、かつてない戦慄が訪れるのが見どころ。不気味なゾワゾワ感や、異様で独特な世界観により、読む手が止まらない魅力のあるおすすめ小説です。

ホラー小説をもっと読みたい方はこちら

SF・ファンタジー小説のおすすめ作品

新世界より

講談社 著者:貴志祐介

日本SF大賞で第1位に輝き、マンガ化・アニメ化もされたSFファンタジー小説。「21世紀SF最高傑作」とも評されています。

舞台は1000年後の日本、豊かな自然に囲まれた集落・神栖66町です。神の力である念動力を得た人類は平和に暮らしていました。野心と希望に燃えている、念動力の技を磨く子供たち。しかし、隠された先史文明の一端を知ってしまいます。

本作品は、上・中・下の3冊で構成されている物語なので、まとめて読むのがおすすめ。ダークファンタジーが好きな方に向いている小説です。

われはロボット 決定版

早川書房 著者:アイザック・アシモフ

1940年代の「SF黄金時代」の立役者の1人である巨匠アイザック・アシモフのSF小説。1950年に刊行されてから、今なおロボットSFの古典として親しまれている名作です。2004年公開のSF映画『アイ,ロボット』の原典でもあります。

“ロボットは人間に危害を加えてはならない”という、ロボット工学三原則の第1条を改変した事件に、ロボット心理学者・キャルヴィンが挑む『迷子のロボット』をはじめ、さまざまなロボット開発史が描かれた連作短編集です。

本作品は、SF小説のなかに推理小説の要素もあるのがポイント。ロボット工学に興味のある方はもちろん、推理小説が好きな方にもおすすめの小説です。

三体

早川書房 著者:劉慈欣

全世界でシリーズ累計2900万部を突破しており、現代中国最大のヒット作ともいわれるSF小説。3部作の第1作品目です。本作品は、SF界で名誉ある賞とされているヒューゴー賞の長編小説部門を、アジア人で初めて受賞しました。

主人公は中国人のエリート科学者・葉文潔。尊敬していた物理化学者の父・哲泰を「文化大革命」で亡くし、人類に絶望します。そして、彼女は宇宙に向けて、秘密裏に電波を発信。電波は惑星「三体」の異星人に届き、驚くべき結果をもたらします。

本作品は壮大なスケールで話が繰り広げられるのがポイント。宇宙をテーマにしたSFに興味がある方におすすめの小説です。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

早川書房 著者:フィリップ・K・ディック

現代SFの旗手ともいわれる、フィリップ・K・ディックのSF小説。斬新な着想で「悪夢の未来世界」を描いている作品です。名作映画『ブレードランナー』の原作としても知られています。

物語の舞台は第三次大戦後の世界。放射能灰で汚れた地球では、生きた動物を持っているかが地位の象徴になっていました。人工の電気羊しか持っていないリックは、火星から逃亡した「奴隷」つまりアンドロイド8人の首にかかった賞金を目当てに、狩りを始めます。

アンドロイドが持つ「人間らしさ」を通して、人間とは何なのかを考えさせられる1冊。SFが初めての方にもおすすめの小説です。

ボッコちゃん

新潮社 著者:星新一

日本のSF作家の第一人者である、星新一の王道SF小説。作者が傑作50編を自選した作品集です。ショートショートで読みやすいのがポイント。舞台化やテレビ化もされています。

表題の『ボッコちゃん』はバーで人気の美人店員。そんな彼女には大きな秘密があったのです…。ほかにも、『おーい でてこーい』『殺し屋ですのよ』『月の光』『暑さ』など、楽しくスリリングな物語を楽しめます。

着想がユニークでユーモアがあったり、シャープな風刺があったりと、さまざまな表現にあふれているのがポイント。SF小説の初心者や、星新一作品を初めて読む方におすすめの小説です。

アルジャーノンに花束を 新版

早川書房 著者:ダニエル・キイス

1959年に刊行されて以来、全世界に感動を与えてきた不朽のSF小説。日本だけで300万部を超える名作です。各国で映画化され、日本では2度ドラマ化されています。

32歳になっても幼児並みの知能しかない、パン屋の青年チャーリイ・ゴードンが主人公。そんな彼に、大学の先生が頭をよくしてくれるという夢のような話が舞い込んできました。

チャーリイは話に飛びつき、白ネズミ・アルジャーノンを競争相手に検査を受けます。やがて、手術によって彼の知能は向上。天才に変貌した彼が愛や憎しみ、喜び、孤独などを通じて人の心の真実を知っていく物語です。

チャーリイを通して描かれた、人間の本質や心理描写が秀逸な1冊。世界の名作に触れたい方や、感動する小説を読みたい方におすすめです。

一九八四年 新訳版

早川書房 著者:ジョージ・オーウェル

20世紀世界文学の最高傑作といわれ、初版以来の発行部数は3000万部超えのディストピア小説。2021年には大学入学共通テストで本作品が取り上げられました。世代を超えて愛され続けている名作です。

1949年に発表され、監視社会や絶対的統治の恐怖を描いています。物語の舞台は、1984年「ビッグ・ブラザー」が率いる党が支配する、全体主義的な近未来。党員のウィンストン・スミスは、完璧な服従を強いる政治体制に、不満を抱いていました。

あるとき、彼は奔放な美女のジュリアと恋に落ちたことをきっかけに、反政府地下活動に惹かれるようになっていきますが…。

芸術・思想など各分野に、大きな影響を与えた作品。世界の今を予言し“この本が現実になる”とも評されています。世界的名作に触れたい方におすすめの小説です。

夏への扉 新版

早川書房 著者:ロバート・A・ハインライン

1956年にアメリカで刊行された古典SF小説。世界中で半世紀以上愛され続けている名作で、タイムトラベルものという小説のジャンルを確立させた作品ともいわれています。日本では2021年に映画化もされました。

主人公は天才発明家・ダニエルと、彼の愛猫・ピート。冬になるとピートは、家のドアのうちの1つが夏に通じていると信じて「夏への扉」を探し始めます。親友と恋人に裏切られたダニエルも同様でした。

その後、彼は冷凍睡眠で1970年から、30年後の2000年に送り込まれてしまいます。ダニエルは失ったものを取り戻せるのでしょうか。

1956年当時から見た近未来表現の鮮やかさや、ダンの愛くるしさが魅力。中学生・高校生頃の年代の方にも読みやすく、SFファンから恋愛小説好きの方にまでさまざまな層におすすめです。

星を継ぐもの

東京創元社 著者:ジェイムズ・P・ホーガン

宇宙を舞台にした、本格ミステリーの要素もあるSF小説。ハードSFの巨星ともいわれるジェイムズ・P・ホーガンのデビュー作で、星雲賞を受賞しました。日本ではマンガ化もされています。

月で月面調査員が、深紅の服をまとった死体を発見するところから物語はスタート。調査の結果、死体は死後5万年が経過していることが判明します。果たして、現生人類とはつながりがあるのでしょうか。一方で、木星の衛星・ガニメデでは地球のモノではない、宇宙船の残骸が発見されたのです…。

謎が謎を呼ぶ展開や、宇宙かつ5万年という壮大な規模のアリバイ崩しや謎解きにより、読み応えがある1冊。推理小説やミステリー小説が好きな方にもおすすめです。

同志少女よ、敵を撃て

早川書房 著者:逢坂冬馬

アガサ・クリスティー賞を受賞したSF小説です。逢坂冬馬氏のデビュー作ながら筆力が高く、史上初めて選考委員全員が5点満点を付けたという作品。発売前からSNS上で話題になっていた小説で、直木賞にもノミネートされました。

本作品の舞台は1942年の独ソ戦。女性のみの狙撃小隊を描いた物語です。モスクワ近郊の農村に暮らす少女・セラフィマの日常は、ドイツ軍の急襲によって奪われます。彼女の母親・エカチェリーナや村人たちが惨殺。セラフィマも射殺の寸前で、赤軍の女性兵士・イリーナに救われます。

そして、彼女は日常と家族を奪った敵に復讐をすべく、訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意。やがて、訓練を重ねたセラフィマはスターリングラードの前線に向かいます。おびただしい死の果てに、彼女が目にした「真の敵」とは誰なのでしょうか。

アクションの臨場感や緊迫感、巧みな構成など完成度の高い1冊。戦争を描いた衝撃的な話題作に触れたい方におすすめの小説です。

星の王子さま

新潮社 著者:サン=テグジュペリ

一度読んだら宝物にしたくなるといわれる名作小説です。ファンタジックで詩情にあふれているのが特徴。300以上の国と地域で訳され、総販売部数が2億部を超えた、時代を超えて愛されるロングベストセラー作品です。

砂漠に飛行機で不時着した僕は、ある男の子に出会います。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐったのち、7番目の星・地球にたどり着いた王子さまだったのです…。

王子さまが、行く先々で出会った人々の会話から「本当に大切なこと」を見つけていきます。子供から大人まで、普段あまり本を読んだことがない方にもおすすめの小説です。

モモ

岩波書店 著者:ミヒャエル・エンデ

ドイツの作家であるミヒャエル・エンデのファンタジー小説。日本だけで341万部を突破した名作です。本作品は、町外れの円形劇場跡に迷い込んだ少女・モモの不思議な物語。モモは「時間どろぼう」から、盗まれた時間を人間に取り返そうとします。

人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に、時間の「真の意味」を教えてくれるのがポイント。メッセージ性があるため、児童書ながら大人にもおすすめの小説です。

はてしない物語

岩波書店 著者:ミヒャエル・エンデ

児童向けの名作大長編ファンタジー小説です。『ネバーエンディング・ストーリー』として映画化もされました。10歳の少年・バスチアンが国の滅亡と再生を体験する壮大な物語です。

バスチアンはあかがね色の本を読んでいました。物語のなかのファンタージエン国は、正体不明の「虚無」に侵されて滅亡寸前。国を救うには人間界から子供を連れてくるほかありません。

そして、物語からの呼びかけに応えて本の世界に入ったバスチアンは、ファンタージエン国の将来を担うことになりますが…。

彼の体験を通して、友情や愛など大切なものについて考えさせられる1冊。子供から大人までおすすめの小説です。

指輪物語1 旅の仲間 上1

評論社 著者:J.R.R.トールキン

全世界に1億人のファンを持つといわれる、不朽のハイファンタジー小説。三部作からなる「指輪物語シリーズ」の第1作品目です。『ロード・オブ・ザ・リング』として映画化され、全世界で1億5000万部を突破。小説と映画ともに世界的大ヒットを記録しました。

ホビット族・フロドと仲間たちの冒険や、友情を描いた物語です。遠い昔、冥府の魔王・サウロンは自分の持つ悪しき力をすべて注ぎ込んで、指輪を作りました。そして、5000年後フロドが偶然指輪の持ち主になったことから物語は始まります。

魔法使い・ガンダルフから恐ろしい指輪の正体を知らされたフロド。仲間とともに、指輪を火の山に棄てるための旅に出ます。一体、彼らにはどんな危機が待ち構えているのでしょうか。

綿密に構成された壮大な世界観や、細かい描写が魅力。冒険ファンタジーを読みたい方や、歴史的な大ヒット小説に触れたい方におすすめです。

ハリー・ポッターと賢者の石

静山社 著者:J.K.ローリング

全世界で大ヒットを記録し、映画化もされた名作ファンタジー小説の第1作品目。主人公ハリー・ポッターと暗黒の魔法使いであるヴォルデモートとの因縁をめぐる物語です。

赤ん坊のころにヴォルデモートに両親を奪われたハリーは、何も知らずに平凡な家庭のおじとおばに育てられます。11歳の誕生日、ハリーに突然届いたのは「ホグワーツ魔法魔術学校」への入学許可証。ハリーは、キングズ・クロス駅の「9と4分の3番線」から出ている汽車でホグワーツに行き、さまざまな冒険を繰り広げます。

本作品ではハリーが学園生活で友情をはぐくむ様子や生い立ち、バトルシーンなどを描いており、読みごたえがあるのがポイント。「ハリー・ポッターシリーズ」の映画を観たことがある方や、ファンタジー小説が初めての方などにもおすすめの小説です。

精霊の守り人

新潮社 著者:上橋菜穂子

文化人類学者でもある作家・上橋菜穂子氏の長編ファンタジー小説。数々の賞を受賞したロングセラー作品です。舞台は人の世と精霊の世が混在する世界。女用心棒・バルサの活躍を描いた「守り人シリーズ」の第1作品目です。

物語は、異界の精霊の卵を体に宿したことで、王である父から命を狙われている「新ヨゴ皇国」の第2皇子・チャグムが川に転落し、バルサに救われるところから始まります。2人がほかの人々の助けを借りながら、さまざまな困難に立ち向かう話。チャグムが成長していく様子が見どころです。

本作品は、物語の世界観をリアルに情景描写しており、本の世界に引き込まれやすいのもポイント。大規模な冒険ファンタジー小説に興味がある方におすすめです。

鹿の王 1

KADOKAWA 著者:上橋菜穂子

綿密な医療サスペンスにして、壮大な冒険ファンタジー小説。本屋大賞や日本医療小説大賞を受賞し、2022年には映画化もされ、シリーズ累計230万部を突破しました。

強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るために戦う戦士団「独角」。妻と子を病で失い、絶望の底にあった独角の頭・ヴァンは戦いますが、奴隷に落とされて岩塩鉱に囚われていました。

ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲ったことにより、謎の病が発生。そこから生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子に、ユナと名付け育てますが…。2人生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かっていきます。

ファンタジーでありながら優れた描写力があり、物語に引き込まれるのが魅力。壮大でリアルな医療ファンタジー小説に触れたい方におすすめです。

月の影 影の海 上 十二国記

新潮社 著者:小野不由美

異世界「十二国」で繰り広げられる、壮大なファンタジー小説です。小野不由美氏の代表作であり、シリーズ累計1280万部を突破している「十二国記シリーズ」の第1作品目。上下巻で構成されています。過去にはアニメ化やゲーム化などもされている人気作です。

平凡な毎日を過ごしていた女子高生・陽子はある日突然、金髪の髪の男・ケイキに異界へ連れ去られます。ケイキとはぐれ、異界で裏切りや飢餓、帰れない恐怖など試練の数々が陽子に待ち受けていますが、過酷な世界のなかでも気高く生きていく物語です。

細かく作りこまれた世界観や、陽子が成長していく様子を見られるのがポイント。本作品は吉川英治文庫賞も受賞しています。中学生ごろから大人までおすすめの小説です。

ナミヤ雑貨店の奇蹟

KADOKAWA 著者:東野圭吾

タイムトラベル・ファンタジー小説であり、伏線を回収していくミステリー小説でもある作品。東野圭吾氏の作品史上、もっとも泣けるといわれています。中央公論文芸賞受賞作で、映画化や舞台化もされ、世界累計1300万部を突破したベストセラーです。

舞台は、あらゆる悩み相談を請け負っていた「ナミヤ雑貨店」。廃業しているその雑貨店に、悪事を働いた3人の若者が逃げ込みます。すると、突然シャッターの郵便口から店内に、悩み相談の手紙が落ちてきました。

時空を超えて過去から手紙が投函されたのでしょうか。3人は戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書きますが…。

次第に明らかになる雑貨店の秘密や、ある児童養護施設との関係が見どころ。心あたたまる感動のファンタジーを読みたい方におすすめです。

空色勾玉

徳間書店 著者:荻原規子

地上に神が歩いていた時代である古代日本の「豊葦原」が舞台のファンタジー小説。荻原規子氏のデビュー作で、1998年の初版から今なお親しまれている「勾玉シリーズ」3部作の第1作品目です。

空色勾玉を持ち、光に憧れる少女・狭也と、大蛇の剣を持ち、闇を夢見る少年・稚羽矢。2人の出会いが、豊葦原の世界を変えていく物語です。狭也の冒険のほか、恋愛要素もあります。

学生から大人まで読みやすい作品。日本を舞台にしたファンタジー小説が好きな方や、神話が好きな方などにおすすめです。

SF・ファンタジー小説をもっと読みたい方はこちら


小説のAmazon・楽天市場ランキングをチェック

小説のAmazon・楽天市場の売れ筋ランキングもチェックしたい方はこちら。