日本を代表するベストセラー作家「村上春樹」。『ノルウェイの森』や『1Q84』など社会現象を巻き起こした小説もあり、国内外を問わず多くのファンがいます。名作も数多いため、どこから手を付けたらよいか悩む方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、村上春樹作品のおすすめをランキング形式でご紹介。最高傑作とも称される名作や初心者にもおすすめの作品を厳選したので、ぜひ参考にしてみてください。

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村上春樹とは?

村上春樹は1949年に京都市で生まれ、兵庫県で育った小説家です。早稲田大学第一文学部演劇科を卒業し、1974年にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開店。働きながら夜中に執筆した処女作『風の歌を聴け』で、1979年群像新人文学賞を受賞し、デビューしました。

ほかにも、谷崎潤一郎賞を受賞した『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、世界的大ヒットを記録した『ノルウェイの森』、毎日出版文化賞を受賞した『1Q84』を含めた小説・エッセイ・紀行文・翻訳書など、数々の名著を世に送り出しています。

また、村上春樹作品は世界的評価も高く、2006年にはフランツ・カフカ賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞などさまざまな賞を受賞しました。

2021年10月には早稲田大学の国際文学館に「村上春樹ライブラリー」がオープン。同施設は、村上春樹作品を研究するほか、国際文学・翻訳文学の研究拠点として交流や発信をする施設で、一般の方も展示やイベントなどを楽しめます。

村上春樹作品の特徴や人気の理由

村上春樹は世界でも高く評価されており、日本を代表する小説家の1人。同氏の新刊が出るニュースは毎回話題になり、毎年ノーベル文学賞候補にも名前が挙がります。村上春樹作品には独特で不思議な世界観があり、奇抜な比喩表現が多い点などが特徴です。同氏のファンも多く、”ハルキスト”と呼ばれています。

喪失や邪悪な存在、戦争など内省するテーマの作品が多いのもポイント。また、同氏は音楽への造詣も深く、愛聴しているビートルズやウィルコなどの楽曲を作品のモチーフとしたり、音楽関連作品などが刊行されたりしています。

また、村上春樹作品には、読者の心にイメージが直接入り込んでくるような魅力があります。ストーリーのおもしろさはもちろん、自由かつ大胆で、想像力をかきたてられる作品も多く刊行。ほかにも、病みつきになる読後感や個性豊かな登場人物など、さまざまな魅力があります。

村上春樹のおすすめ作品ランキング

第1位 ダンス・ダンス・ダンス 上

講談社 著者:村上春樹

ダンス・ダンス・ダンス 上

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「鼠三部作」から続く村上春樹作品。発行部数は229万部を突破している人気作です。1980年代の僕の新しい冒険の物語で、光と闇の交錯を鮮やかに描いています。

舞台は激しく雪の降る札幌から始まり、東京・ハワイへと変わります。タイトル通り、主人公の僕が奇妙かつ複雑なダンスステップを踏みながら、暗く危険な迷路をすり抜けている物語です。

散りばめられた隠喩表現や、ミステリーやファンタジーの要素も楽しめます。ムラカミワールドを味わいたい方や、「鼠三部作」の続きが気になる方におすすめです。

第2位 風の歌を聴け

講談社 著者:村上春樹

風の歌を聴け

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ある夏のほろ苦い青春を描写した、村上春樹のデビュー作です。群像新人賞を受賞した作品。1981年には、映画化もされました。

海辺の街で生まれ育った主人公は、1970年の夏に帰省します。友人の鼠と酒を飲み過ごしていた彼は、1人の女の子を介抱し仲良くなりました。そして、それぞれの愛を受け止めるなかで、主人公の夏は少しずつほろ苦く色を変えていきます。

処女作でありながら、独特でおしゃれな村上春樹の世界観がしっかりと表現されているのがポイント。大人な青春を描いたおすすめの作品です。

第3位 アフターダーク

講談社 著者:村上春樹

アフターダーク

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村上春樹の転換点を示すとされる長編小説。真夜中から空が白むまでの間に活動する人々の物語です。4人の男女がそれぞれの場所で、夜の闇で1番深い部分をくぐり抜けていきます。

深夜0時より少し前、都会のファミレスで熱心に本を読む女性がいました。彼女のもとに男性が近づいて声をかけるところから話は始まります。そして、同時刻にある視線がもう1人の若い女性をとらえるのです……。

俯瞰で進む、ほかの村上春樹作品とは一風変わった作風が特徴。物語の登場人物と一緒に、一晩を経験しているかのような没入感を味わえます。新しいテイストの村上春樹作品に触れたい方におすすめです。

第4位 アンダーグラウンド

講談社 著者:村上春樹

アンダーグラウンド

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1995年3月20日に発生し、日本中を震撼させた地下鉄サリン事件がテーマのノンフィクション小説。村上春樹自らが、事件の被害者本人や被害者の関係者へインタビューした内容を基に書き下ろした1冊です。

本作品では、メディアなどであまり取り上げられない、事件関係者の心の傷やトラウマなどがつづられています。ひとりひとりの人となりや人生について、丁寧に描かれているのがポイント。普段は自分の著書で泣くことはない村上春樹が泣いたと発言している、衝撃的な作品です。

第5位 1Q84 BOOK1 4月-6月 前編

新潮社 著者:村上春樹

1Q84 BOOK1 4月-6月 前編

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毎日出版文化賞の文学・芸術部門受賞作で、村上春樹の最高傑作ともいわれる作品。BOOK3まで続く長編大作で、文庫版は全6冊から構成されます。日本ではシリーズ累計発行部数が860万部を突破、ベストセラーを記録しました。

10歳のときに出会った青豆と天吾の不思議な物語が、ヤナーチェックの音楽「シンフォニエッタ」に導かれるかのように、交互に繰り広げられるのが特徴。1Q84年とは、青豆が決めた新しい世界の呼び名で、Qはquestion markのQを指します。果たして、2人は1Q84年の世界で巡り会えるのでしょうか。

独特なキーワードや不思議な世界観が謎を呼び、読む手が止まらない作品。平成を代表する文学作品に触れたい方におすすめです。

第6位 ノルウェイの森 上

講談社 著者:村上春樹

ノルウェイの森 上

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上下巻の累計発行部数は1000万部を突破し、世界的に大ベストセラーとなった村上春樹作品です。主人公・ワタナベの若いころの限りない喪失と再生を描き、新境地を拓いたとされる長編恋愛小説。2010年には映画化もされました。

飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーからビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出します。ワタナベは曲を聴き、1969年、もうすぐ20歳になる秋の出来事を思い出して、激しく混乱し、動揺していたのです……。

1960年代から1970年始めにかけて、ワタナベが経験した、激しい一方で物静かで悲しい物語。村上春樹作品を初めて読む方や、切なく悲しい大人の恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第7位 海辺のカフカ 上

新潮社 著者:村上春樹

海辺のカフカ 上

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世界中で愛されている、村上春樹の傑作長編小説です。2002年に新潮社から発売された作品。演出家・蜷川幸雄によって、2度の舞台化もされています。世界中で翻訳されており、アメリカ、イギリスでもベストセラーになりました。

15歳の誕生日を迎えた少年は、1人で夜行バスに乗り旅に出ます。生き延びるために出た旅に持ちだしたのは、現金・ライター・折りたたみ式のナイフ、そして小さい頃の姉と2人で撮った写真でした。

進んでいる物語は現実なのか、もしくは夢なのか。そんな、不思議な読み味が特徴で、時間さえも行き来する展開にページをめくる手が止まらないという声もあります。哲学的な魅力もある、おすすめの村上春樹作品です。

第8位 ねじまき鳥クロニクル ー第1部 泥棒かささぎ編ー

新潮社 著者:村上春樹

ねじまき鳥クロニクル ー第1部 泥棒かささぎ編ー

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妻の失踪をきっかけに未知の世界に足を踏み入れる長編小説です。1994年に発売された作品で、3部作の1作目。2020年と2023年に舞台化されるなど、現在でも愛されている名作です。第47回読売文学賞の小説賞を受賞しています。

男はねじまき鳥に導かれ、謎の迷宮に旅立ちます。姿を消した猫や水のない井戸、出口が存在しない路地。世田谷にある普通の住宅街から満蒙国境まで続く、探索の年代記です。

夫婦の関係や世代間交流、戦争の凄惨さなど要素が多い作品で、厚い物語を存分に楽しめると話題。先が予想できない名作ファンタジーに、興味がある方におすすめです。

第9位 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上 新装版

新潮社 著者:村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上 新装版

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2つの物語が同時に進行する、パラレルワールドを描いた村上春樹作品です。幻想的な物語と冒険活劇が、1冊のなかで進んでいきます。第21回谷崎潤一郎賞を受賞しました。

「世界の終り」の主人公は、高い壁に囲まれ隔離された世界で、一角獣の頭骨から夢を読み暮らす男。「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公は、意識の回路の核にある謎を追う男です。

それぞれの物語に独立した魅力があり、世界の関係性がわかる展開も面白いと評判。全体的に陰鬱とした空気感が漂うファンタジーで、世界観の作り込みに定評があります。長編小説に興味がある方におすすめです。

第10位 国境の南、太陽の西

講談社 著者:村上春樹

国境の南、太陽の西

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ある理由から欠落感を感じている男が、時を経て激しい恋に落ちる恋愛小説。日常に潜む不安をみずみずしく描いた作品です。

一人っ子として欠落感を感じていた小学生の始は、同じ一人っ子の少女と友達になります。疎遠になり25年後、ジャズバーを経営していた始は、子宝にも恵まれ幸せを手に入れていました。しかし、そんな彼の前に、かつての想い人が現れ……。

3人の女性との人生を、主人公視点で描いた1作。人間らしい欠落感に共感しながら、物語に没頭したい方におすすめの村上春樹作品です。

第11位 羊をめぐる冒険

講談社 著者:村上春樹

羊をめぐる冒険

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羊を探すため、北海道に旅に出る男を描いた村上春樹の代表作の1つです。1982年に発売された作品で、野間文芸新人賞を受賞しています。

“あなたのことは今でも好きよ”と言葉を残されて、妻に出て行かれた男。彼は仕事を通して、耳専門のモデルとして活動している21歳の女性と付き合い始めます。そんな彼の羊を探す冒険は、北海道にいる鼠の手紙から幕を開けるのです。

人の孤独さと弱さをリアルに表現しています。非現実的な世界観をリアルに描いたおすすめの小説です。

第12位 1973年のピンボール

講談社 著者:村上春樹

1973年のピンボール

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瑞々しくも鬱々とした雰囲気が流れる、青春のほろ苦さを描いた村上春樹の青春小説です。村上春樹の青春3部作の2作目としても知られています。

双子の姉妹と共に暮らす、主人公の日常。女性の温もりに溺れる、鼠の人生。異なる2人の人物を中心に、青春の彷徨いの最後を刻々と綴っています。

鼠が登場する3部作の2作目で、物事を前向きに考えられない鼠に共感しながら読めるという声も。別れをテーマにしたおすすめの作品です。

第13位 騎士団長殺し ー第1部 顕れるイデア編 上ー

新潮社 著者:村上春樹

騎士団長殺し ー第1部 顕れるイデア編 上ー

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想像力と暗喩が世界観を広げる、村上春樹のおすすめ小説です。2017年に発売された作品で、文庫版は4巻まで出版されています。物語は1枚の絵から動き始めます。

妻と別れた36歳の画家は、薄暗い森の中の山荘で静かに生活していました。しかし、谷の向かいに住む謎の紳士が現れたことをきっかけに、主人公に奇妙な出来事が起こり始めるのです。

ミステリアスな雰囲気の世界観が、ストーリーに夢中にさせてくれる本作品。男の孤独、そして再生への旅を情緒ある筆致で描写しています。

第14位 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

文藝春秋 著者:村上春樹

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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友達たちとのグループから追放された理由を尋ねに行く、1人の男の人生を追うヒューマンドラマ作品です。2013年に発売されて以降、全米第1位にも輝いたベストセラー小説で、2015年に文庫化されました。

高校生だった頃の多崎つくるは、4人の男女といつも行動を共にしていました。しかし、東京で大学生になったある日、彼は4人から突如絶縁されてしまいます。死さえ意識して生きていた多崎つくるは、年上の恋人に促され、数年の時を経て絶縁の理由を聞きに行く旅に出ます。

4人がなぜ1人の親友を追放したのか、その真相がわかったときに主人公の人間性や友達の気持ちが一気に明かされる小説。人と人とのつながりを考えさせられるおすすめの村上春樹作品です。

第15位 レキシントンの幽霊

文藝春秋 著者:村上春樹

レキシントンの幽霊

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ホラーテイストのある、おすすめの短編集です。全部で7つの物語が収録されており、加筆によって倍の長さになった作品もあると謳われています。

氷男と結婚した女は、なぜ南極に行こうと思ったのか。獣は音もなく忍び込み、幽霊はパーティを開催します。不思議な世界観に包まれた、短い物語を楽しめる作品です。

恐怖感のあるストーリーが多く、自分なりの解釈で想像を膨らませられると高い評価を得ています。村上春樹の数少ないホラー小説が気になる方は、チェックしてみてください。

第16位 神の子どもたちはみな踊る

新潮社 著者:村上春樹

神の子どもたちはみな踊る

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1995年1月に発生した阪神大震災を中心に、災害に関わる人々の心のうちに迫る連作短編小説集です。2010年に映画化、2019年には舞台化もされています。

地震が発生してから約1ヶ月。大地震は、すべてを一瞬で崩壊させました。冬の海岸で小箱を持った男が向かう釧路で、かえるとみみずが地底で戦う東京で、世界は静かに共振を始めるのでした。

村上春樹らしい作品が多く掲載された短編集。社会的出来事に興味がある方におすすめの小説です。

第17位 東京奇譚集

新潮社 著者:村上春樹

東京奇譚集

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東京で静かに暮らす人々の周りで起こる、不思議な物語を描いた連作短編小説集です。2018年には、収録作「ハナレイ・ベイ」が映画化。また、2024年には、「品川猿」が日英国際共同制作で舞台化も予定されています。

偶然によって人生を導かれる孤独なピアノ調律師を追う「偶然の旅人」や、一人息子を事故で失った母のその後を描く「ハナレイ・ベイ」などを収録。大切なモノを突如として失った人々が、驚きに満ちた世界に迷い込む姿を描写します。

5つの不思議な世界観を楽しめる1冊です。人々が悲しみを味わいながらも、再び前を向いていくおすすめの作品です。

第18位 カンガルー日和

講談社 著者:村上春樹

カンガルー日和

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教育的な観点からも評価されている短編小説集です。1986年に文庫が発売された作品で、メルヘンチックな物語を楽しめます。

主人公とその彼女は、動物園にカンガルーの赤ん坊が生まれたことを新聞で知ります。2人は赤ちゃんカンガルーを見に行く日を毎日調べ、ついに1ヶ月後に動物園に行くことに。しかし、生まれてから1ヶ月が経過した赤ちゃんカンガルーは、思ったよりも大きくなっていて……。

表題作「カンガルー日和」を筆頭に、「鏡」「タクシーに乗った吸血鬼」など不思議な雰囲気が漂う短編を収録。気を張らずにゆったりと読める、村上春樹作品を探している方におすすめです。

第19位 スプートニクの恋人

講談社 著者:村上春樹

スプートニクの恋人

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竜巻のような激しい恋を描く、現実とは思えない至極のラブストーリーです。22歳の女性を中心に、ミステリアスな恋の行方を追います。

22歳の春に、すみれは生まれて初めての恋を経験します。その恋は、行手にあるモノをすべて薙ぎ倒し、片端から空に巻き上げるような強烈な感情。その相手は、17歳年上の既婚者で、さらに性別は女性でした。

人を好きになりながらもどうしようもないという感情が伝わり、切なさに共感できると高い評価を得ている本作品。普遍的なテーマを扱いながらも、しっかりと村上春樹の世界観を感じさせてくれる1作です。

第20位 女のいない男たち

文藝春秋 著者:村上春樹

女のいない男たち

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村上春樹が2014年に発表した、累計100万部突破のベストセラー短編小説集です。2021年には収録作「ドライブ・マイ・カー」が映画化され、第94回アカデミー賞国際長編映画賞や第56回全米映画批評家協会賞作品賞などを受賞し、90冠以上を達成する話題作になりました。

亡き妻の記憶を追う舞台俳優を描いた「ドライブ・マイ・カー」、開店したバーを舞台に奇妙な謎に直面する男を描写する「木野」など、全6作を収録しています。

6つの物語で共通して、男性の視点から女性の跡を追う姿が描かれます。さまざまな形で愛した女性を失った男性たちを描いた、おすすめの1作です。

第21位 図書館奇譚

新潮社 著者:村上春樹

図書館奇譚

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村上春樹ワールドを多元的に味わえるアートブックです。イラストは、ドイツの画家・カット・メンシックが担当しています。

図書館に本を探しに来た男は、読書室に案内されます。そこは、読書室とは名ばかりの地下独房でした。監禁された彼は、”君はのこぎりで頭を切られ、脳味噌をちゅうちゅうと吸われるんだよ”と告げられるのです。

幻想的で残酷な冒険活劇として、高く評価されている本作品。短時間で読みやすい、おすすめの村上春樹作品です。

第22位 象の消滅 ー短篇選集1980-1991ー

新潮社 著者:村上春樹

象の消滅 ー短篇選集1980-1991ー

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アメリカで出版されたロングセラー作品を、日本語に翻訳した短編小説集です。収録作「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は、村上春樹が原作の初アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』でも取り扱われ話題になりました。

「レーダーホーゼン」や「象の消滅」など、村上春樹の初期短編を17作品収録。また、短編作品だけでなく、書き下ろしエッセイも掲載されています。

国際的にも評価された村上春樹の人気短編集。少しずつ読み進められるモノを探している方におすすめです。

第23位 街とその不確かな壁

新潮社 著者:村上春樹

街とその不確かな壁

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2023年に発売された、村上春樹の長編小説です。現実と非現実を行き来するように、”秘密の場所”へと誘う物語が描かれています。

風が川面を静かに揺らす、夏の夕暮れ。彼女の細い指が、男の指に何かを語りかけます。それは言葉にできない、何か大事なことでした。自分の居場所は一体どこなのかを追い求める物語です。

読書しながら夢をみていたような読後感という声もある1作。SF要素も感じられるおすすめの村上春樹作品です。

第24位 一人称単数

文藝春秋 著者:村上春樹

一人称単数

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人生にある大きな分岐点に立たされた人々の人生を描く短編小説集です。「石のまくらに」や「品川猿の告白」など全8篇で構成されています。

温泉宿で背中を流してくれた猿の驚きの告白を聞く「品川猿の告白」。鏡で見た、スーツを着た自分に違和感を感じる「一人称単数」など、驚きと謎のあるストーリーを収録した1冊です。

不思議で独特な物語を、ゆったりと楽しめると評判。小説でありエッセイでもあるような雰囲気があると高い評価を得ています。幻想的な小説が好きな方におすすめの村上春樹作品です。

第25位 村上ラヂオ

新潮社 著者:村上春樹

村上ラヂオ

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村上春樹が自身の日常で起こる小さな問題について綴った、人気のエッセイ作品です。本作品は2003年に刊行され、複数シリーズ展開されています。村上春樹のエッセイが、50作楽しめる1冊です。

公園のベンチで食べるコロッケパンや、冬になるとスキー場になるゴルフコースを駆け抜ける楽しさ。ほかにも、レストランでの事件や柿ピー問題など、思わず笑ってしまうような日常を描写しています。

独特な文体が特徴で不思議な魅力を醸す村上春樹に、親近感を感じられると話題になった作品。村上春樹の私生活も垣間見える、おすすめの1作です。

第26位 中国行きのスロウ・ボート

中央公論新社 著者:村上春樹

中国行きのスロウ・ボート

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村上春樹が初めて描いた短編小説集です。表題作を含め、7つの物語が収録。そのうちの5作品が海外で英訳されています。

表題作「中国行きのスロウ・ボート」では、ある中国人との出会いをきっかけに、青春の追憶と魂の旅に出る様子を描写しています。

村上春樹の初々しいストーリーが楽しめると話題。著者の初期作品に興味がある方はチェックしてみてください。

第27位 羊男のクリスマス

講談社 著者:村上春樹

羊男のクリスマス

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村上春樹が文を担当した、人気絵本の文庫版です。佐々木マキとの合作で制作された絵本「羊男のクリスマス」を原作に、1989年に発売されました。クリスマスを舞台に、素敵なパーティに誘われる1作です。

聖羊祭日にドーナツを食べた羊男は、呪いによってクリスマスソングの作曲ができなくなってしまいます。穴が開いていないドーナツを手に、秘密の穴の底に降りていく彼。暗い穴を抜けた先には……。

村上春樹らしい世界観をしっかりと楽しみながら、優しい満足感も感じられる作品です。過去作のキャラクターたちが、登場しているのもポイントです。

第28位 パン屋再襲撃

文藝春秋 著者:村上春樹

パン屋再襲撃

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深海のイメージで描かれる、初期の傑作短編集。6つの短編が収録されており、表題作「パン屋再襲撃」は、村上春樹の初期の代表作です。

学生時代にパン屋を襲撃した男は、呪いによってある晩に耐え難い空腹に襲われます。その呪いを解くため、妻は”もう一度パン屋を襲うのよ”と口にします。2人は中古のカローラに乗り込み、午前2時30分の東京の街に出るのでした。

難解でありながらページをめくる手が止まらない、不思議な中毒性があると評されています。予想できない展開が魅力の短編集です。

第29位 めくらやなぎと眠る女

新潮社 著者:村上春樹

めくらやなぎと眠る女

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アメリカのニューヨークで編集され日本語に翻訳された短編小説集です。日本では2009年に発売された作品で、粒揃いの24作を収録しています。「めくらやなぎと、眠る女」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」の3作は、2024年公開のアニメ映画の原作にもなりました。

発表小説のなかの架空作品を実際に描いた「蟹」などを多数収録。また、短編と長編の楽しみを語った、イントロダクションも掲載されています。

作品数が多いため、さまざまなジャンルの村上春樹作品を読んでみたい方におすすめです。村上春樹の独特な世界観を楽しみたい方もチェックしてみてください。

第30位 夢で会いましょう

講談社 著者:村上春樹・糸井重里

夢で会いましょう

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2人の作家が競作する形で構成されているショートショート集。村上春樹と糸井重里が描いた短編を複数収録した1冊です。

強烈な個性を持つ2人のぶつかりあいが狙いとされている本作品。カタカナの外来語をテーマに、それぞれが素敵な世界観を表現しています。

村上春樹と糸井重里がお互いの個性を発揮しており、想像力を働かせて読む不思議なストーリーを楽しめると評判。2人の作家の独特な世界観がおすすめの作品です。

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