人々の恋愛模様や恋心を描く恋愛小説。ひとくちに恋愛小説といっても、胸キュンや感動などさまざまなテイストの小説があり、ロングセラーの名作からメディア化された話題作まで多種多様です。

そこで、今回は恋愛小説のおすすめタイトルをご紹介。名作といわれる小説、中高生向け作品、泣ける感動作、ドラマ化・映画化作品と大きく4つに分けて人気作品をピックアップしました。

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名作恋愛小説のおすすめランキング

第1位 世界の中心で、愛をさけぶ

小学館 著者:片山恭一

世界の中心で、愛をさけぶ

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ドラマ化や映画化もされ、累計発行部数は320万部超えのベストセラー恋愛小説。「セカチューブーム」という社会現象を巻き起こした名作です。

高校2年生の朔太郎と恋人のアキのラブストーリー。アキの死から物語は始まり、2人の出会いから無人島への旅行、アキの発病、入院が描かれています。

病気で日に日に弱っていくアキを見守るしかできない朔太郎は、アキの17歳の誕生日にオーストラリアに一緒に行こうと決意しますが……。

最愛の人を失うとはどういうことかを考えさせられる1冊。多くの人々に感動を与えた、おすすめの恋愛小説です。

第2位 いま、会いにゆきます

小学館 著者:市川拓司

いま、会いにゆきます

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数々のベストセラーを生み出してきた、純愛を得意とする恋愛小説家・市川拓司の作品です。”感涙度100%”と評された恋愛小説の傑作。恋愛小説ですが、ファンタジー要素もあるのが特徴です。

主人公は、身体に不具合を抱えながら、町の小さな司法書士事務所に勤める巧。6歳の1人息子・佑司とともに、ひっそりと暮らしていました。

妻・澪が亡くなって1年が経ち、再びめぐってきた雨の季節。週末、巧と佑司がいつも通り散歩に出かけると、街はずれの森で2人に奇跡が訪れます。

“おはよう”や”おやすみ”などの挨拶ができる、ささやかな日常に幸福があるという、シンプルな真実がファンタジックに描かれているのがポイント。ドラマ化・映画化もされている、おすすめの恋愛小説です。

第3位 マチネの終わりに

文藝春秋 著者:平野啓一郎

マチネの終わりに

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芥川賞作家・平野啓一郎の代表作。2019年には映画化もされた、ロングセラー長編恋愛小説です。切なく美しい大人の恋物語で、多くの著名人が絶賛しています。

物語はクラシックギタリスト・蒔野と、国際ジャーナリスト・洋子が出会うところからスタート。2人の切ない恋の行方が描かれています。

ラブストーリーながら、芸術と生活、生と死、人生の苦悩などさまざまなテーマが重層的に描かれているのがポイントです。

本作品には、いつまでも物語の世界に浸っていたくなるような魅力があります。”40代をどう生きるか?”を読者に問いかけるといわれており、20~40代の大人におすすめの恋愛小説です。

第4位 ノルウェイの森 上

講談社 著者:村上春樹

ノルウェイの森 上

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日本を代表する小説家・村上春樹による、激しく物静かで哀しさもある恋愛小説です。上下巻で構成されている長編で、上下巻の累計発行部数は1000万部を突破した世界的大ベストセラー作品。2010年には映画化もされました。

物語は、飛行機がハンブルク空港に到着すると、天井のスピーカーからビートルズの曲『ノルウェイの森』が流れ出すところから始まります。僕は曲を聴き、1969年もうすぐ20歳になる秋の出来事を思い出して、激しく混乱・動揺していたのです……。

主人公・ワタナベの若い頃に起こった限りない喪失や再生を描いた作品。哀しみや切なさのある恋愛小説に興味がある方におすすめです。

第5位 阪急電車

幻冬舎 著者:有川浩

阪急電車

片道わずか15分のローカル線を舞台に、乗り合わせた人々の人生が交差する連作短編小説。2007年に幻冬舎の文芸雑誌「papyrus」で連載され、2008年に単行本として刊行されました。2011年には映画化もされた人気作品です。

舞台は兵庫県の阪急今津線、宝塚駅から西宮北口駅まで。婚約者に裏切られた女性・翔子の復讐劇から物語は始まり、恋の始まりや別れ、DVに悩む大学生、図書館で見かける気になる人など、さまざまな登場人物の日常が描かれます。各章の主人公が変わりながらも、人々の人生が少しずつつながっていく構成が特徴です。

たまたま同じ車両に乗り合わせただけの縁が、誰かの心を救ったり新しい一歩を踏み出すきっかけになったりと、電車という公共空間で生まれる小さな奇跡があたたかく綴られています。ほっこりとした物語を楽しみたい方におすすめです。

第6位 九月の恋と出会うまで

双葉社 著者:松尾由美

九月の恋と出会うまで

時空を超えた不思議な交流から始まる、奇跡のラブストーリー。全国のTSUTAYA書店員が選ぶ「もう一度読みたい恋愛文庫」部門で第1位を獲得し、2019年には映画化もされた人気作品です。恋愛要素と時間ミステリーが融合した独特の世界観を堪能できます。

主人公の北村詩織は、引っ越したばかりのマンションで怪奇現象に遭遇します。自室の壁の穴から聞こえてきたのは、「一年後の今日」を生きているという隣人・平野の声でした。小説家志望の平野は未来から詩織に助言を与え、2人は時を超えた交流を重ねていきます。しかし、平野にはある目的があり……。

ハヤカワSFコンテスト入選実績を持つ著者が描く、現実と非現実が交じり合う物語。時間の壁を越えた、切なくもあたたかい展開に引き込まれます。時間ミステリーと恋愛小説が好きな方におすすめの1冊です。

第7位 ありふれた愛じゃない

文藝春秋 著者:村山由佳

ありふれた愛じゃない

誠実な年下彼氏と官能的な元彼の狭間で揺れる女性の恋心を描いた長編小説。南国タヒチの生命力あふれる土地の力が、主人公の心とからだのリミッターを外していく様子が綴られます。すべての大人の女性に贈る激しく切実なラブストーリーです。

主人公の藤沢真奈は32歳。銀座の老舗真珠店でチーフマネージャーを務め、穏やかな年下の恋人と半同棲生活を送っています。しかし、タヒチへの出張で偶然再会した元彼は、今の彼とは正反対の奔放で情熱的な男性。抑えようとしても揺れてしまう真奈の心が、リアルに描き出されています。

地上の楽園と称されるタヒチの神話的エネルギーが、物語を引き立てる魅力のひとつ。真珠と女性をオーバーラップさせた想定デザインも印象的です。恋愛と仕事の間で迷う大人の女性に共感できる、おすすめの一作です。

第8位 ホテルローヤル

集英社 著者:桜木紫乃

ホテルローヤル

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ラブホテルに訪れた人々の人間模様を、オムニバス形式で描いた連作短編小説です。桜木紫乃の実家で経営していたラブホテルをモデルにした自伝的作品で、2013年に直木賞を受賞。2020年には映画化もされ、累計発行部数は100万部を超えています。

北海道の東部の小さな町にあるラブホテル「ホテル・ローヤル」。このホテルに訪れる客や経営者家族、従業員はそれぞれ問題を抱えていました。

閉塞感のある日常で、男女が心まで裸になり、互いを求める一瞬のかけがえのなさを瑞々しく描いています。

ホテルの歴史をさかのぼる形で物語が進んでいき、つながりを感じられるのがポイント。情緒的で切ないながらも心あたたまる、大人におすすめの恋愛小説です。

第9位 サヨナライツカ

幻冬舎 著者:辻仁成

サヨナライツカ

結婚を前に揺れ動く男の心と、25年の時を超えて再び燃え上がる情熱を描いた恋愛小説。堅実な人生を歩む主人公が異国で出会った女性との危険な恋に引き込まれていく姿を綴ります。2010年に映画化もされた作品です。

好青年と呼ばれる東垣内豊は、婚約者がいる身でありながら、バンコクで謎めいた美女・真中沓子と出会います。激しく狂おしい性愛の日々が始まり、豊は光子と沓子という対照的な2人の女性の間で心を揺らすことに。やがて別れを選んだ2人でしたが、25年後に再会を果たし……。

人は「愛したこと」と「愛されたこと」のどちらを記憶するのか。運命的な愛の形を問いかける物語が魅力です。複雑な恋愛模様や人間の感情の機微を深く味わいたい方におすすめの一作です。

第10位 図書館戦争 図書館戦争シリーズ1

KADOKAWA 著者:有川浩

図書館戦争 図書館戦争シリーズ1

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国家によってメディアの検閲が横行している世界を舞台に、良書を守る組織「図書隊」に所属する主人公たちの戦いや恋を描いたSF恋愛小説。2巻の番外編を含め、計6巻のシリーズです。アニメや実写映画など、さまざまなメディアミックス作品が展開され、シリーズ累計640万部を超えています。

公序良俗を乱す表現を取り締まるための法律「メディア良化法」が施行されて30年経った正化31年。武力さえも行使する行き過ぎた検閲から本を守る図書隊に入隊した、1人の少女・笠原郁がいました。

彼女は高校時代、図書隊員を名乗る男性助けてもらった過去があり、その「王子様」を図書隊に追い求めに来たのです。彼女は不器用ながら、ひたむきに頑張る情熱が認められ、精鋭部隊「図書特殊部隊」に配属されることになりますが……。

世界観が作り込まれており、リアルに感じられます。また、純粋で真っ直ぐな郁と、不器用ながら優しい堂上とのおもしろいやり取りや、胸キュンの展開が魅力。甘い恋愛や激しい戦闘などさまざまな要素を楽しめる、おすすめの作品です。

第11位 おいしいコーヒーのいれ方 1 キスまでの距離

集英社 著者:村山由佳

おいしいコーヒーのいれ方 1 キスまでの距離

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主人公・和泉勝利と年上のいとこ・花村かれんの、切なくピュアな恋愛模様を描いた傑作小説。1994~2020年まで続いたご長寿シリーズもので、累計550万部を突破した村山由佳の代表作です。ラジオドラマ化や漫画化もされています。

高校3年生の春、父の転勤が理由で、年上のいとこ・かれんと同居することになった勝利。ひとつ屋根の下で暮らすうちに、彼はかれんの秘密を知り、強く惹かれていくようになっていくのです……。

勝利とかれんの甘酸っぱい恋愛に加え、個性的な登場人物が彩る物語が、幅広い世代に支持を受けました。青春を感じたりキュンキュンしたりする読者も多い、王道の恋愛小説。中高生ごろの年代の方から大人までおすすめです。

第12位 東京タワー

新潮社 著者:江國香織

東京タワー

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2001年に刊行され、江國香織の「伝説の恋愛小説」とも評される名作。2005年に映画化され、2014年には韓国でドラマ化、2024年4月には日本で連続ドラマ化もされています。

21歳の大学生・透は、20歳以上年上の人妻・詩史は甘く緩やかなときを過ごし、満ち足りています。彼は”恋は落ちるもの”だと詩史に教わりました。

一方で、透の親友・耕二は、女子大学生の恋人がいますが、専業主婦のとの肉体関係に夢中になっており……。既婚者である年上女性と大学生の少年、2組の対極的な恋愛を描いています。

江國香織作品の特徴でもある、美しい筆致や繊細な心情描写が魅力のおすすめ恋愛小説。人を好きになることの美しさ、人間の欲望や弱さなどが存分に感じられます。

第13位 すべて真夜中の恋人たち

講談社 著者:川上未映子

すべて真夜中の恋人たち

芥川賞作家として知られる川上未映子による、渾身の長編恋愛小説。世界で最も権威ある文学賞のひとつ「全米批評家協会賞」の小説部門で最終候補にノミネートされました。

34歳でフリーの校閲者である入江冬子は、人付き合いが苦手で、孤独を当たり前のように生きてきました。彼女の唯一の趣味は、誕生日に世の中の街を散歩すること。そして、そんな彼女にとって友人といえるのは、仕事で付き合いがあり、大手出版社校閲局に社員として勤める、同い年で同じ県出身の石川聖のみです。

冬子はある日、カルチャーセンターで高校の物理教師だという、58歳の男性・三束さんと知り合います。彼の”今度は、光の話をしましょう”という言葉に惹かれ、冬子は彼の行きつけの喫茶店に通うようになりました。2人の距離は少しずつ縮まっていくかに見えましたが、冬子には高校時代のある記憶があり……。

恋愛とは、孤独とは何かという人間の根源を描いた傑作。少し寂しさのあるなかでも、かけがえのない「光」を教えてくれる、大人の恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第14位 グレート・ギャツビー

中央公論新社 著者:スコット・フィツジェラルド

グレート・ギャツビー

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1920年代アメリカで富を築いた男が、愛を求めて破滅していく姿を描いた海外恋愛小説。”20世紀アメリカ文学の最高峰”といわれる名作です。映画化や宝塚歌劇団による舞台化など、メディアミックス作品も展開されています。村上春樹が翻訳を手掛けているのもポイントです。

ノースダコタの貧しい農家の家に生まれたジェイ・ギャツビー。今では巨万の富を築き、毎晩ロングアイランドの大邸宅で盛大なパーティーを行っています。彼の邸宅の隣に引っ越してきたばかりのニックは、なぜギャツビーは連日パーティーを開くのか、どうやって金を儲けたのか、いぶかしげに思っていました。

しかし、パーティーに招待されたとき、彼はギャツビーに交際を求められて親交を深めていきます。そのなかで、ギャツビーが5年もの間、元恋人のデイジーへの想いを断ち切れずにいることを知り……。

高貴な悲喜劇が描かれており、アメリカ東部の上流階級の精神的な荒廃を批判しているといわれています。前半の華やかな物語とは一転した、衝撃的なラストが見どころ。異常な執念のある愛や人生の儚さなどについて考えさせられる、おすすめの1冊です。

第15位 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A

新潮社 著者:本多孝好

真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A

5分遅れた時計が紡ぐ切ない運命を描いた恋愛小説。2007年に発表され、〈side-A〉〈side-B〉の2巻構成で展開されているのが特徴です。登場人物たちの時間のズレが運命を大きく変えていく様子が描かれます。

大学生の僕が新歓コンパで出会った秋月水穂には、時計を5分だけ遅らせる習慣がありました。彼女を交通事故で失った後も、僕の時間は5分ズレたまま。小さな広告代理店に勤めるそんな僕の前に、ある日突然現れたのは一卵性双生児の姉妹でした。

姉のかすみと恋に落ちる僕ですが、新たな幸せも長くは続きません。過去の恋に縛られた主人公と、運命に翻弄される登場人物たちの関係性が魅力。〈side-B〉へと続く物語で、時間という概念を通じて愛と喪失を問いかけます。恋愛小説にミステリー要素を求める方におすすめの作品です。

第16位 イニシエーション・ラブ

文藝春秋 著者:乾くるみ

イニシエーション・ラブ

必ず二度読みたくなる仕掛けが施された青春ミステリー小説。1980年代の静岡を舞台に、甘美でほろ苦い恋愛を瑞々しく描いた作品です。2015年には松田翔太さんと前田敦子さん主演で映画化もされています。

代打で呼ばれた合コンで、理系学生の僕はマユという女性に出会います。不器用ながらもマユと連絡を取り合い、徐々に距離を縮めていく2人。当時のJ-POPのヒット曲を章タイトルに用いるなど、時代の雰囲気を巧みに再現しています。しかし、物語が進むにつれて状況は変化していき……。

青春小説として読み進めていくと、終盤で全く異なる展開が明らかになる構成が特徴。伏線回収の巧みさや、二度目に読んだときに気づく細部の描写が魅力です。恋愛小説とミステリーの両方を楽しみたい方におすすめの作品です。

10代の中学生・高校生におすすめの恋愛小説ランキング

第1位 夜は短し歩けよ乙女

KADOKAWA 著者:森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女

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山本周五郎賞を受賞し、映画化・舞台化もされているファンタジー恋愛小説。大学生同士の純愛に中心をすえた、ドタバタ劇が描かれています。”恋愛ファンタジーの大傑作”とも評されている作品です。

主な登場人物は、「黒髪の乙女」と、彼女に密かに思いを寄せる先輩。彼は京都の町のいたるところで、彼女の姿を追い求めていました。2人を待ち受ける珍事件の数々や、運命の「大転回」とは何なのかがポイントです。

独特な文体や、奇想的な世界観にのめり込む方も多い作品。コメディタッチで描かれており、中高生から大人まで多くの方をキュンキュンさせてきた、おすすめの恋愛小説です。

第2位 小説 君の名は。

KADOKAWA 著者:新海誠

小説 君の名は。

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大ヒットを記録した長編アニメーション映画の原作で、新海誠監督自らが執筆した恋愛小説。シリーズの累計発行部数は全世界で320万部を突破しているベストセラーです。

山奥の田舎町で暮らす女子高校生・三葉は、東京に住む男の子になる夢を見ます。一方で、東京で暮らす男子高校生・瀧が見たのは、山奥の田舎町で自分が女の子になる夢。やがて2人は夢の中でお互いの中身が入れ替わっていることに気づきますが……。

キャッチコピーは”まだ会ったことのない君を、探している”。入れ替わりものが好きな方や、読みやすい恋愛小説を探している方におすすめです。

第3位 君は月夜に光り輝く

KADOKAWA 著者:佐野徹夜

君は月夜に光り輝く

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佐野徹夜のデビュー作で、第23回電撃小説大賞を受賞した恋愛小説。2019年には映画化もされ、多くの方の心を震わせた人気作品です。

主な登場人物は姉を亡くして以来、投げやりに生きている高校1年生・岡田卓也と、不治の病にかかり、余命わずかの少女・渡良瀬まみず。卓也はまみずが死ぬまでにしたいことがあると知ります。

そして、”それ、僕に手伝わせてくれないかな?””本当に?”という約束から、止まっていた卓也の時間が動き始めるというあらすじです。生きていく力を読者にプレゼントしてくれると評判の1冊。感動の恋愛小説を読みたい中高生におすすめです。

第4位 汝、星のごとく

講談社 著者:凪良ゆう

汝、星のごとく

親の恋愛に振り回されてきた2人の高校生が、島で出会い支え合う切ない愛の物語。第20回本屋大賞を受賞し、シリーズ累計100万部を突破した人気作です。著者は『流浪の月』に続いて2度目の本屋大賞受賞となり、高い評価を得ています。

瀬戸内の島に暮らす少女・暁海。父の不倫で家庭は崩壊し、母は次第に心を病んでいきます。そこへ、母の恋愛問題で島に転校してきた少年・櫂が現れ、孤独と欠落を抱えた2人は惹かれ合うように。島の狭い人間関係のなかで偏見にさらされながらも、互いを支えに生きていきます。

17歳から32歳までの年月が描かれ、2人の視点が交互に語られるのが特徴。生きることの自由さと不自由さ、ひとつではない愛のかたちが丁寧に紡がれています。心に響く恋愛小説を読みたい方におすすめの一作です。

第5位 きみの色

宝島社 著者:佐野晶

きみの色

人の「色」が見える特殊な感覚を持つ少女と2人の仲間がバンドを組み、青春を駆け抜けていくノベライズ作品。山田尚子監督によるアニメ映画の完全ノベライズとして刊行され、映画では描ききれなかった登場人物たちの内面や秘密がより詳細に綴られています。

主人公の日暮トツ子は、人の「色」が視える能力を持つ女子高生。同級生の美しい色を放つ少女・きみと、音楽好きの少年・ルイと離島の古教会でバンドを組むことに。3人はそれぞれ秘密や悩みを抱えながらも、音楽を通じて心を通わせていきます。学園祭での初ライブに向け、互いの「色」を理解し合う過程が丁寧に描かれています。

シンプルながらもあたたかみのある物語展開が特徴。思春期の葛藤や自立、ほのかな恋模様を繊細に描いた青春群像劇です。ほろ苦さと透明感のある青春ストーリーを味わいたい方におすすめの一作です。

第6位 きみはポラリス

新潮社 著者:三浦しをん

きみはポラリス

多様な恋愛の形を11編の物語で紡ぐ短編集。三角関係・同性愛・片想い・禁断の愛など、言葉で定義しきれない多彩な関係性を描き、「すべての恋愛は普通じゃない」ことを問いかけます。2人にしか見えない特別な光を北極星になぞらえた恋愛小説です。

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのか。ひとくくりにできない恋の形が、じんわりと心に染み込む短編の数々。甘い恋愛とは異なる、かたわらにいる人を思う複雑でリアルな感情が繊細に描かれています。最終話「永遠に完成しない二通の手紙」は最初の話とつながり、読後に深い余韻を残す構成も魅力です。

恋愛の多様性と深さを味わえる、直木賞作家による珠玉の作品集。感傷的な気持ちに浸りたいときや、恋愛小説の新たな側面を発見したい方におすすめです。

第7位 放課後の音符

新潮社 著者:山田詠美

放課後の音符

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大人でも子供でもない、17歳の女子高校生たちの恋愛や心象を描いた、8編の短編小説。『ぼくは勉強ができない』『A2Z』などで有名な直木賞作家・山田詠美の作品です。

幼馴染に自分の恋を悟られないようにする少女の物語や、年上女性に彼氏を奪われた少女の物語など、喜び、悲しみ、怒りの感じられる十人十色のリアルな恋愛模様が詰め込まれています。

思春期の少女たちの心情が、秀逸な表現で瑞々しく表現されているのがポイント。同年代の方や、1話1話が短いので初心者にもおすすめのタイトルです。

第8位 朝起きて、君に会えたら

KADOKAWA 著者:映瑠

朝起きて、君に会えたら

朝が怖い女の子と、太陽のような男の子が紡ぐ切ない青春恋愛小説。魔法のiらんど大賞2022恋愛文芸部門部門賞を受賞した作品で、著者のデビュー作です。

ある事情から昼夜逆転生活を送る主人公である高校生のすずは、深夜の散歩中に公園で号泣する男の子・環と偶然出会います。同じ学校に通う環は、すずにとって憧れであり対極の存在。「今日命日なんだよな、好きだったやつの」と語る環は恋にトラウマを抱え、すずは身体にタイムリミットを抱えていました。

正反対な2人が夜の街で秘密の交流を重ね、愛おしい時間を積み重ねていきます。それぞれの事情を抱えながら惹かれ合う2人の初々しいやりとりや、タイムリミットが迫るなかで深まる関係性が魅力。冬の寒さのなかで繰り広げられるあたたかくも切ない恋模様を味わいたい方におすすめです。

第9位 クジラの彼

角川書店 著者:有川浩

クジラの彼

潜水艦乗りの海上自衛官を彼に持つ女性たちの恋を描いた連作短編集。潜水艦を巨大なクジラに例えたタイトルが印象的な作品です。『空の中』『海の底』といった自衛隊三部作の登場人物の番外編も収録されています。

表題作では、2か月ぶりに送られてきた彼からのメール「浮上したら漁火がきれいだったので送ります」から物語が始まります。会えない時間の長さや、自衛官という特殊な職業ならではの恋愛の苦労が丁寧に描写されているのがポイント。全6編の短編はそれぞれ独立しながらも、自衛隊員の仕事の厳しさを背景に胸キュンの展開が繰り広げられるのが特徴です。

ベタ甘ながら自然で心地よい恋愛描写が魅力。職業の制約があるなかで惹かれ合う2人の姿や、男前でかわいい彼女たちの健気な姿が印象に残ります。自衛隊の恋愛事情に興味がある方や、甘くも切ないラブストーリーを読みたい方におすすめです。

第10位 わたしの幸せな結婚

KADOKAWA 著者:顎木あくみ

わたしの幸せな結婚

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“和風シンデレラストーリー”といわれる恋愛小説。実家で使用人として生活している少女が、冷酷無慈悲といわれる軍人のもとへ嫁入りをして、幸せになるまでの物語です。漫画化・アニメ化・実写映画化されている人気作品で、シリーズ累計700万部を突破しています。

名家に生まれながらも、実母が早くに亡くなったことで、継母と義母妹に虐げられて育った美世。嫁入りを命ぜられた先は、冷酷無慈悲で、数多の婚約者たちが3日持たずに逃げ出したという噂の軍人・久堂清霞のもとでした。

斬り捨てられることを覚悟し、久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美しい男性。美世は初対面で清霞に辛く当たられたものの、日々料理を作るうち、少しずつ彼と心を通わせていくのです……。

大正ロマンを感じられる作風で、心あたたまるシーンやキュンキュンするシーンも楽しめます。また、表紙の美しい絵も魅力。恋愛小説だけでなく歴史ファンタジーが好きな方も楽しめる、おすすめの小説です。

第11位 あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

スターツ出版 著者:汐見夏衛

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

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戦争をテーマに描かれた恋愛小説。主に10代の中高生を中心に人気を博している小説家・汐見夏衛のデビュー作です。TikTokをはじめとしたSNSで”大号泣する”と話題になり、漫画化もされたほか、2023年には実写映画化もされています。

親や学校など、すべてにイライラした毎日を送っている中学2年生の加納百合。ある日、母親とケンカして家を飛び出した彼女が寝床を探していると、防空壕を見つけます。そして、防空壕の中で眠り、目を覚ますと、そこは70年前戦時中の日本でした。

のども乾き、途方に暮れていたところ、偶然通りかかった青年・彰に助けられます。彼と日々を過ごすうち、彰に惹かれていく百合。しかし、彼は特攻隊員でほどなく命を懸け、戦地に飛び立つ運命にあったのです……。

涙なくしては読めないといわれる、怒涛のラストが見どころ。戦争というものを見つめ直すきっかけにもなる、おすすめの1冊です。

第12位 黄色い目の魚

新潮社 著者:佐藤多佳子

黄色い目の魚

友情でも恋愛でもない、名づけようのない想いを描いた青春小説。湘南の海辺にある高校を舞台に、絵を通じて惹かれ合う2人の高校生の心の成長を繊細に綴ります。

周囲と溶け合えず、イラストレーターの叔父だけに心を許す村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でみのりをデッサンして以来、気づくと彼女の表情を追うように。それぞれに悩みを抱えた2人は、互いの存在を少しずつ心の中に広げていきます。

16歳のもどかしく切ない季節を、波音がさらってゆく感覚が得られる本作。登場人物の心の機微や内面の葛藤を丁寧に描いた世界観が魅力です。青春時代の揺れ動く感情や繊細な心情を味わいたい方におすすめの一冊です。

第13位 夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

スターツ出版 著者:汐見夏衛

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正反対の2人のラブストーリーで、汐見夏衛の大ヒット青春恋愛小説。野いちご大賞の大賞を受賞しています。漫画化もされ、累計発行部数は20万部を突破している話題作です。

高校2年生の丹羽茜は、ある事情から優等生を演じており、誰からも信頼されていました。しかし、そんな彼女を見抜くように、隣の席の深川青磁にだけ”嫌いだ”と言われます。

自分とは正反対で自分の気持ちをはっきり言う、自由奔放な彼を茜も嫌っていましたが、孤独や窮屈さから茜を救ってくれたのは青磁でした。彼の隣で過ごす時間は茜の気持ちをゆっくり溶かしていきますが……。

“少年の秘密とタイトルの意味を知ったとき、涙が止まらない”ともされる感動小説。中高生ごろの年代の方や、読みやすく泣ける恋愛小説を求める方におすすめです。

第14位 君に恋をするなんて、ありえないはずだった

宝島社 著者:筏田かつら

君に恋をするなんて、ありえないはずだった

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地味なメガネ男子と派手であまのじゃくな女子の恋愛を描いた「すれ違い青春ラブストーリー」。「君恋シリーズ」の第1作品目で、ネット小説大賞を受賞しました。SNSを中心に人気を博している人気作です。

物語の舞台は千葉県南総にある県立高校。理系クラスの冴えない男子・飯島靖貴は、灰色の青春を過ごしていました。しかし、夏休み直前に行われた勉強合宿の夜、クラスメイトで学年1の美少女・北岡恵麻がケガをしたところを助けたところから、彼の日常は変わっていきます。

そして、なぜか彼女から気に入られてしまった靖貴。ところが、彼女が話しかけてくるのはいつも学校外で、教室の中では知らんぷりです。恵麻は何を考えているのでしょうか。

登場人物の感情が詳細に描かれており、共感しやすいのが魅力。”切なさと甘さが心地よく、2人を応援したくなる!”と心を掴まれた読者も大勢います。中高生はもちろん、甘酸っぱい青春を味わいたい大人にもおすすめの恋愛小説です。

第15位 初恋素描帖

メディアファクトリー 著者:豊島ミホ

初恋素描帖

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20人の中学生のありのままの想いを描いた短編恋愛小説。中学2年生の1クラス内での物語で、読み進めるとクラス内の人間関係が見えてくるのがポイントです。巻末には20人の想いの方向が図解された「恋の相関図」が付属しています。

ひとくちに「片思い」といってもその思い方はさまざまです。そして、カップルでもお互いの気持ちにすれ違いが生じていることもあります。

10代特有の不器用なアプローチに、胸が熱くなること必至といわれている作品です。掌編のため、サクサクと読み進められるのがポイント。中学生ごろの年代の方はもちろん、思春期の甘酸っぱい気持ちを思い出したい方におすすめです。

第16位 すべての恋が終わるとしても―140字の恋の話―

スターツ出版 著者:冬野夜空

すべての恋が終わるとしても―140字の恋の話―

恋の始まりと終わりをテーマに、140字で心を揺さぶる短編小説集です。著者がTwitter(現:X)で投稿したのが始まり。TikTokの紹介動画で瞬く間に拡散され”30秒で泣ける”と評判を呼びました。累計発行部数はシリーズで50万部を突破している話題作です。

著者の実体験や人から聞いた話を盛り込み、恋の切なさやほろ苦さ、甘酸っぱさを感じられます。感情の機微を捉えた言葉の数々が読む人の心に寄り添うのがポイントです。

著者の紡ぐ言葉は短くても濃密で、何度も読み返したくなる魅力があります。ネット上では足りない部分の解釈や考察を楽しむ読者も多数。普段あまり本を読まない方でもサクッと読める、おすすめの作品です。

第17位 陽だまりの彼女

新潮社 著者:越谷オサム

陽だまりの彼女

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中学時代の初恋相手と10年ぶりに再会する男性の心あたたまるラブストーリー。かつていじめられっ子だった彼女が、信じられないほど魅力的な女性へと変貌していたことから始まる奇跡の恋を描きます。映画化もされ、松本潤と上野樹里が主演を務めた人気作品です。

広告会社に勤める奥田浩介は、営業先で中学時代の同級生・渡来真緒と再会。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれていた彼女は、優秀でモテ系のできる女性へと大変身を遂げていました。浩介は勉強を教えてあげたことで真緒から好意を寄せられていたものの、中学3年の夏に転校してしまっていたのです……。

ファンタジー要素も盛り込まれた、一風変わった純愛物語。2人の切なくあたたかな絆が丁寧に紡がれています。ほろ苦くも心あたたまる恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第18位 若きウェルテルの悩み

新潮社 著者:ゲーテ

若きウェルテルの悩み

報われぬ恋に苦しむ青年の心情を手紙で綴った書簡体小説。18世紀ドイツの文豪・ゲーテが自身の失恋体験をもとに執筆し、ヨーロッパ全土で熱狂的に支持された古典的名作です。ナポレオンも愛読していたといわれ、世界文学史に残る恋愛小説として知られています。

ある村を訪れた感受性豊かな青年・ウェルテルは、舞踏会でロッテという美しい女性と出会い恋に落ちます。しかし、彼女には誠実な婚約者・アルベルトがいました。ウェルテルはロッテへの想いを断ち切れず、友人・ヴィルヘルムへの手紙で心の内を吐露していきます。やがて苦悩は深まり、絶望の果てに悲劇的な結末を迎えることに……。

書簡という形式で主人公の内面が生々しく描かれているのが特徴。青春期特有の激しい感情や葛藤が繊細に表現されています。恋愛の喜びと苦しみを味わえる、ドイツ文学を代表するおすすめの一作です。

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泣ける恋愛小説のおすすめランキング

第1位 桜のような僕の恋人

集英社 著者:宇山佳佑

桜のような僕の恋人

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2022年にNetflixで映画化された、泣ける恋愛小説です。SNSで”泣ける小説””感動”などと話題になり、発行部数は70万部を突破。ベストセラーとなりました。

写真家見習い・晴人と、人の何十倍もの早さで老いてしまう難病を発症した美容師・美咲の恋の物語。2人が出会い、愛し合い、駆け抜けた季節を儚く美しく描いています。

恋人と同じように歳を重ねられないという事実を前に、晴人と美咲がどう歩んでいくのかが見どころ。人を愛することの喜びや痛み、強さが感じられるおすすめの恋愛小説です。

第2位 余命10年

文芸社 著者:小坂流加

余命10年

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2017年に難病で亡くなった小坂流加が、余命宣告を受けながら執筆した恋愛小説。2022年には小松菜奈と坂口健太郎主演で映画化もされ、発行部数は80万部を突破しているベストセラー作品です。

主人公は数万人に1人という、不治の病にかかった20歳の少女・茉莉。彼女は自分が余命10年であることを知ります。何かを初めても途中で諦めなくてはならないという、未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々と日々を過ごしていました。

茉莉は生きることに執着しないように恋はしないと決めていましたが、地元の同窓会で和人と出会ったことで、彼女の人生は大きく動いていきます……。

著者自身も生前に抱いていた「生きる」という思いにあふれた傑作。涙が止まらない読者も続出している、おすすめの恋愛小説です。

第3位 ぼくは明日、昨日の君とデートする

宝島社 著者:七月隆文

ぼくは明日、昨日の君とデートする

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口コミで広がり、映画化もされたことにより、累計160万部を突破した人気の恋愛小説です。奇跡の運命で結ばれた、2人の恋愛を描いています。

物語は、京都の美大に通う南山高寿が、通学電車の中で福寿愛美に一目惚れするところからスタート。高寿は意を決して彼女に話しかけ、交際にこぎつけます。しかし、気配り上手で寂しがりやな愛美には、想像もつかない大きな秘密が隠されていたのです……。

“彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる”というのがポイント。甘く切ないおすすめの恋愛小説です。

第4位 100回泣くこと

小学館 著者:中村航

100回泣くこと

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2007年に刊行され、発行部数は85万部を記録しているロングセラー恋愛小説。2013年には映画化もされた、切ないラブストーリーです。

物語は僕が実家で買っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けるところからスタート。彼女からは”バイクで帰ってあげなよ”と言われ、4年近く乗っていなかったバイクを彼女と修理します。

そこで僕はプロポーズをしました。彼女からは”1年間結婚の練習をしよう”という返事をもらえます。愛犬も回復し、バイクが直り、プロポーズもした僕。幸せの連続線はどこまでも続くと思っていましたが……。物語が淡々ときれいに描かれている、おすすめの恋愛小説です。

第5位 恋愛寫眞 もうひとつの物語

小学館 著者:市川拓司

恋愛寫眞 もうひとつの物語

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市川拓司の『いま、会いにゆきます』と並び、”もう1つの名作”といわれる恋愛小説です。堤幸彦監督の映画『恋愛寫眞』の競作として刊行された作品。その後、『ただ、君を愛している』というタイトルで再度映画化されました。

写真家志望の大学生・瀬川誠人と、嘘つきで謎めいた女の子・里中静流を中心とした物語。物語のラストの名ゼリフ”別れはいつだって思いよりも先に来る。それでもみんな微笑みながら言うの。さよなら、またいつか会いましょう。さよなら、またどこかで、って。”という言葉の意味がポイントです。

恋の切なさや美しさを、叙情的に描いているのが特徴。映画を知らない方でも楽しめる、おすすめの恋愛小説です。

第6位 三日間の幸福

KADOKAWA 著者:三秋縋

三日間の幸福

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Webサイト上で人気を博したショートストーリー『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』を、三秋縋が自ら文庫化した恋愛小説です。

主人公は将来を悲観して、寿命を3か月だけ残して売り払った青年・クスノキ。わずかな余生で幸せを掴もうとしますが、何をしても裏目に出てしまいます。

そんなクスノキを冷めた目で見つめるのは「監視員」のミヤギ。クスノキが、彼女のために生きることが1番の幸せだと気づく頃には、寿命が残り2か月を切っていたのです……。

多くの若いネットユーザーたちの心を癒してきた作品。走り続ける人生に疲れてしまった方や、切ない恋愛小説を求める方におすすめです。

第7位 流れ星が消えないうちに

新潮社 著者:橋本紡

流れ星が消えないうちに

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“切なさあふれる、恋愛小説の新しい名作”と謳われている小説です。恋人を亡くした深い悲しみの後に訪れる、静かな愛とゆるしの物語。2015年には映画化もされています。

加地君と巧君と奈緒子は高校のときに出会いました。しかし、突然の事故により永遠に引き離された、恋人同士の奈緒子と加地君。

それから1年半、奈緒子は加地君の親友だった巧君と新しい恋をして、日常を徐々に取り戻していきます。奈緒子が玄関でしか眠れなくなってしまったことを除いては……。

奈緒子が巧君や家族など周りの人々と交流し、ゆっくり前に進んでいく姿に心が震える傑作。忘れられない大切な存在がいる方や、ヒューマンドラマが好きな方におすすめの恋愛小説です。

第8位 君と会えたから

ディスカヴァー・トゥエンティワン 著者:喜多川泰

君と会えたから

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各地で講演やセミナーを行い、”出会った人の人生を変える講師”として評判の、喜多川泰による恋愛小説。ファンタジー仕立てで描かれた感動のストーリーとともに、「人生を変える7つの教え」が読める自己啓発本でもあります。

主人公は将来に漠とした不安を抱えながらも、自分のやるべきことや、やりたいことを見つけられず、何もせず無気力に過ごしている平凡な高校生・僕。ある夏の日、彼の前に美しい女の子がやってきます。そして、彼女からその後の僕の人生に対する教えを聞くことになるのです。

いつしか女の子に恋心を募らせる僕。次第に明らかになっていく彼女の秘密も見どころです。短いので、本をあまり読まない方でも読みやすい作品。恋愛小説だけでなく、自己啓発本が好きな方にもおすすめです。

第9位 カフーを待ちわびて

宝島社 著者:原田マハ

カフーを待ちわびて

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日本ラブストーリー大賞の大賞を受賞した恋愛小説で、原田マハのデビュー作。沖縄の小さな島を舞台にした、ピュアで切ないラブストーリーです。2008年には漫画化、2009年には映画化されています。

沖縄の離島・与那喜島で、雑貨商を営む友寄明青。ある日、彼のもとに”幸”と名乗る女性から手紙が来ます。明青が旅先の神社で、遊び心で残した”嫁に来ないか”という絵馬を見て”私をお嫁さんにしてください”と言ってきたのです。

半信半疑の彼の前に現れたのは、見たこともないような美女。偶然に見えた2人の出会いは、思いもよらない運命的な愛の結末へと向かっていきます。

ミステリー仕立てで描かれ、ドキドキしながら読み進められるのがポイント。心があたたまり泣ける、爽やかな恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第10位 余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話

ポプラ社 著者:森田碧

余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話

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余命わずかな男女2人の、期限付きの恋愛を描いた小説。SNSを中心に話題を呼び、漫画化もされ、2024年にはNetflixで映画化もされている話題作です。

早坂秋人は高校1年生の冬に心臓病を患い、余命宣告を受けました。絶望のなかで、彼は通院先に入院している少女・桜井春奈と出会います。彼女もまた、重い病気を患っており、余命半年とわずかな命だったのです。

秋人は自分の病気を隠して春奈と話し、”死ぬのが怖くない”と言う彼女に興味を持ちます。”自分はまた恋をしてもよいのだろうか?”と自問しながらすぎる日々に、変化が訪れて……。

丁寧に描かれた心理描写に定評がある作品。恋愛模様はもちろん、生きることの意味を教えてくれるような魅力があります。儚くも美しい純愛小説を読みたい方におすすめです。

第11位 光のとこにいてね

文藝春秋 著者:一穂ミチ

光のとこにいてね

7歳で出会った2人の少女が織りなす、約20年にわたる奇跡の物語。第168回直木賞候補、2023年本屋大賞第3位、第30回島清恋愛文学賞を受賞した話題作です。友情と愛情の境界を繊細に描いた純度の高い長編として、読者から絶賛の声が寄せられています。

裕福な医師の娘・結珠(ゆず)と、団地で暮らす果遠(かのん)。古びた団地の片隅で偶然出会った2人は、正反対の境遇ながら魂で惹かれ合います。しかし、大人の事情で何度も引き裂かれる運命に……。7歳・15歳・29歳と、年齢を重ねながら2人の関係性が変化していく様子が丁寧に綴られています。

友情を超えた深い愛情や、誰にも理解されない孤独な絆が心に響く本作。繊細な心理描写と美しい文章が魅力です。人と人との特別なつながりを感じられる感動的な物語を読みたい方におすすめです。

第12位 号泣する準備はできていた

新潮社 著者:江國香織

号泣する準備はできていた

恋の終わりと喪失の悲しみを繊細に描いた短編集。2004年に第130回直木賞を受賞した江國香織の代表作です。全12編を収録し、恋愛の機微を描写した作品として知られています。

身も心も満たされていた濃密な恋に突然訪れた破局。表題作では、淋しさのあまり心がねじ切れてしまいそうな主人公が、悲しみを乗り越えるよすがを探す姿が甘美に表現されています。17歳の初デートのほろ苦い思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など、さまざまな恋愛模様を収録。「人生は恋愛の敵よ」といったフレーズが、読者の心に響きます。

複雑な感情を鋭く切り取る文体や、日常のなかに潜む非日常感の表現が魅力。恋愛をテーマにした小説を深く味わいたい方や、切なさを感じながら心が揺さぶられる物語を求める20〜50代の方におすすめです。

第13位 君の話

早川書房 著者:三秋縋

記憶改変技術〈義憶〉が実現した世界で、架空の幼馴染との出会いから始まる切ない恋を描いた青春恋愛小説。孤独な青年が記憶のなかにいるはずの少女と現実で再会し、虚と実が交錯する不思議な物語が展開されます。

親しい友人も家族もなく孤独に暮らす19歳の天谷千尋は、誤って架空の幼馴染・夏凪灯花との思い出を自分の記憶に埋め込んでしまいます。実在しないはずの灯花ですが、千尋は現実で彼女と出会い、次第に心を通わせていくことに。しかし、灯花の記憶は消えゆく運命にあり……。

前半は主人公視点、後半は灯花視点が描かれる構成で、物語の全体像が少しずつ明らかになる仕掛けが魅力。記憶と恋の儚さを丁寧に紡いだ、切なくも美しいSF恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第14位 ボクたちはみんな大人になれなかった

新潮社 著者:燃え殻

ボクたちはみんな大人になれなかった

1990年代の渋谷を舞台に、初恋の甘く切ない記憶を描いた青春恋愛小説。2016年の発表以来話題を呼び、Netflixで映画化もされた作品です。著者のデビュー作として、大人が泣けるラブストーリーと評価されています。

46歳になった主人公のボクは、Facebookで初恋の彼女・かおりの名前を見つけます。「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」という彼女の言葉に支えられながら働いた日々。1999年、ノストラダムスの大予言が外れても世界は終わらず、ただ彼女だけがさよならも言わずに去っていきました。

小説家という夢は叶わず、テレビ業界で働き続けるボクが、人生で唯一自分より好きになった人との日々を回想する構成が特徴。また、1990年代のカルチャーやJ-POPを織り交ぜた切ない青春物語が胸に響きます。かつての恋愛や夢に思いを馳せたい40代、50代の方におすすめの一作です。

第15位 センセイの鞄

新潮社 著者:川上弘美

センセイの鞄

30歳の年齢差を超えた2人の静かな恋を描く長編小説。第37回谷崎潤一郎賞を受賞し、映画化もされた注目作です。居酒屋での再会をきっかけに、元教師と教え子が緩やかに心を通わせていく様子を繊細に綴ります。

37歳の独身女性・ツキコは、行きつけの居酒屋で高校時代の国語教師・センセイと偶然再会。30歳年上のセンセイと肴をつつき、酒を酌み交わす日々が始まります。露店めぐり、キノコ狩り、お花見など、四季折々の時間を共有するなかで、ツキコはセンセイへの想いが恋心であることに気づいていきます。

激しさとは無縁の慈愛のような恋愛が魅力。淡々とした語り口と美しい文体で、年齢を超えた人と人との結びつきを丁寧に描きます。静かで切ない大人の恋愛小説を味わいたい方におすすめの一冊です。

ドラマ化・映画化した恋愛小説のおすすめランキング

第1位 傲慢と善良

朝日新聞出版 著者:辻村深月

傲慢と善良

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人気のミステリー作家・辻村深月の作家生活15周年記念作品で、恋愛や人間を描き切ったとされる恋愛ミステリー小説。”恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる”と読者から支持を受けました。累計発行部数は100万部を突破し、2024年にKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔と、女優の奈緒主演で映画化もされた話題作です。

ある日、西澤架は仕事で飲みに行き、家に帰るとマッチングアプリで出会った婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消していました。

架は彼女の居場所を探すなかで、真美の過去と向き合うことになります。架の視点で描かれた第1部と、真美の視点で描かれた2部で構成されているのがポイントです。

婚活を通じて描かれる一見善良な人間の傲慢さ、人間の心の光と闇などがリアルに描かれ、心がえぐられるような体験をする読者も大勢います。結婚や恋愛に悩む方におすすめ。現代に即したテーマで描かれた、新たな名作です。

第2位 君の膵臓をたべたい

双葉社 著者:住野よる

君の膵臓をたべたい

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住野よるのデビュー作で、代表作でもある青春恋愛小説。高校生の主人公と、重病を抱えて余命わずかな少女の交流を描いた物語。映画・アニメ・朗読劇などさまざまなメディアミックス作品が展開されており、発行部数は300万部を突破した大ベストセラー作品です。

物語は高校生の僕が病院で、1冊の文庫本を拾うところから始まります。「共病文庫」と書かれた文庫本の持ち主は、クラスメイトの山内桜良。日記には彼女が膵臓の病気で、余命がいくばくもないという内容が綴られていました。

そして、僕は桜良にとって、「ただのクラスメイト」から「秘密を知るクラスメイト」になったのです。2人の心の交流を描き、主人公である僕が成長していく様子や、衝撃的なラストも見どころの作品。読後、タイトルの意味に感動する方も多い、おすすめの恋愛小説です。

第3位 時をかける少女 新装版

角川書店 著者:筒井康隆

時をかける少女 新装版

ラベンダーの香りがもたらす不思議な時間跳躍体験を描いた名作SF小説。1967年の発表以来、映画・ドラマ・アニメと何度も映像化され、世代を超えて愛され続けています。青春小説とSFの要素を巧みに融合させた作品です。

中学3年生の芳山和子は、放課後の理科室で割れた試験管から漂う甘いラベンダーの香りを嗅ぎ、気を失います。和子はそれ以来、時間を跳び越えたり戻ったりする不思議な能力を得てしまいました。同級生の深町一夫や浅倉吾朗とともに謎を追ううち、能力の秘密が少しずつ明らかになっていきます。

思春期の甘酸っぱい感情と、時間の不可逆性を巧みに織り交ぜた構成が魅力。理科室で起きた不思議な出来事と、青春の輝きが重なる独特の世界観が印象に残ります。SFと青春小説を両方楽しみたい方におすすめの作品です。

第4位 四月になれば彼女は

文藝春秋 著者:川村元気

四月になれば彼女は

映画プロデューサーでもあり、『世界から猫が消えたなら』や『億男』など話題作を手掛ける小説家としても活躍する、川村元気による渾身の恋愛小説。2024年には佐藤健主演で映画化され、45万部超えのベストセラーです。

主人公は精神科医の藤代俊。4月になったある日、彼にとって初めての恋人・ハルから手紙が届きました。”天空の鏡”ともいわれるウユニ塩湖からの手紙には、瑞々しい恋の記憶が描かれていたのです。

しかし、彼には1年後に結婚する予定であるものの、愛しているのか分からない婚約者・弥生がいました。こうして、藤代の失った恋に翻弄される12か月が始まるのです……。

川村元気が美しい文章で真っ向から恋愛に挑み、胸に刺さるような言葉が多数。「愛」とは何かをさまざまな視点から語っており、哲学的な要素もあります。青春の懐かしさも感じられる、情景描写の美しさも魅力おすすめ作品です。

第5位 ナラタージュ

角川書店 著者:島本理生

ナラタージュ

高校時代の恩師と再会した大学生が、禁断の恋に揺れ動く切ない恋愛小説。角川文庫版として刊行され、2017年には映画化もされた話題作です。若き日の島本理生が放つ、鮮烈な痛みに満ちた純愛を描いた代表作として知られています。

大学2年生の工藤泉は、高校の演劇部顧問だった葉山先生から突然電話を受けます。片思いしていた先生からの連絡に心が揺れる泉。高校卒業前に告白された先生の秘密を思い出しながら、後輩の指導を手伝うため再び演劇部に通うことになります。教師と元教え子という立場を超えて、2人の関係は深まっていくのです……。

繊細な心理描写と透明感のある表現が魅力のひとつ。純粋で不器用な恋愛小説を読みたい20代の方におすすめです。

第6位 愛がなんだ

KADOKAWA 著者:角田光代

愛がなんだ

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直木賞受賞作家・角田光代が片思いをテーマに、濃密な筆致で描き切った恋愛小説です。人を本気で好きになることの幸せや孤独、喜びや切なさなどを思い出させてくれる物語。2019年に映画化されています。

OLのテルコはマモちゃんに出会い、恋に落ちました。彼から電話があれば仕事中でも長電話をし、食事に誘われればさっさと退勤するなどすべてがマモちゃん優先の生活になり、会社もクビ寸前です。

しかし、そんな彼はテルコのことが好きなわけではありません。そして、テルコの片思いはエスカレートしていき……。

不毛な恋にすべてをささげるテルコを、応援したくなるような魅力があります。また、彼女を含む登場人物に共感する読者も多数。現在片思いをしている方や、共感性の高い恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第7位 パラレルワールド・ラブストーリー

講談社 著者:東野圭吾

パラレルワールド・ラブストーリー

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大人気ミステリー作家・東野圭吾の作品のなかでも異色の本格恋愛ミステリー小説。パラレルワールドを行き交う男女3人の恋愛を描いています。2018年にKis-My-Ft2の玉森裕太主演で映画化され、累計150万部を突破しました。

主人公・敦賀崇史の親友の恋人は、かつて自分が一目惚れした女性。崇史は嫉妬に苦しんでいましたが、ある日の朝、目を覚ますと彼女は自分の恋人として隣にいました。

一体どちらが現実なのでしょうか。存在する2つの世界と消えない2つの記憶。交わらない世界のなかで、恋や友情が翻弄されていきます。

謎が謎を呼ぶ展開や精巧な伏線、驚愕の真実など、東野圭吾の手腕を堪能できる傑作。エンターテインメント性が高く、SF・ミステリー・恋愛とさまざまな要素を楽しめるおすすめ作品です。

第8位 新装版 恋空 切ナイ恋物語 上

スターツ出版 著者:美嘉

新装版 恋空 切ナイ恋物語 上

社会現象を巻き起こした携帯小説の金字塔。シリーズ累計730万部を超えるベストセラーとなり、映画化・ドラマ化された青春恋愛小説です。リアルで切ない描写が若者世代を中心に圧倒的な共感を呼びました。

高校1年生の美嘉は、ひょんなことから弘樹(ヒロ)と偶然知り合います。見た目は派手ながら心優しいヒロに惹かれ、2人は恋人同士に。しかし、美嘉は想像を超える悲劇に見舞われ……。

若者の等身大の恋愛と、過酷な運命に翻弄される主人公たちの姿が描かれます。携帯小説ならではのリアルな文体と、圧倒的な感情表現が魅力。切ない青春ラブストーリーを求める方に10代の方におすすめの作品です。

第9位 今夜、世界からこの恋が消えても

KADOKAWA 著者:一条岬

今夜、世界からこの恋が消えても

眠ると一日の記憶が消える少女との恋を描いた感動の青春恋愛小説。第26回電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」を受賞した作品です。映画化もされ、切ないストーリーが多くの読者の心を揺さぶっています。

クラスメイトのいじめを阻止するため、神谷透は日野真織に嘘の告白をします。真織は「本気で好きにならないこと」を条件に受け入れ、2人は交際を開始。しかし真織は前向性健忘という病を抱え、眠ると一日の記憶が失われてしまいます。透は彼女の日記に楽しい記憶を残そうと毎日を大切に過ごしますが……。

記憶をつなぎとめるために奮闘する主人公の献身的な姿や、限られた時間のなかで育まれる純粋な恋愛が魅力。一日ごとにリセットされる記憶との闘いを通じて描かれる、切なくも美しいラブストーリーです。感動的な恋愛小説を読みたい高校生や10代の方におすすめの一作です。

第10位 レインツリーの国

KADOKAWA 著者:有川浩

レインツリーの国

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有川浩の完結した人気作品「図書館戦争シリーズ」の第2巻、『図書館内乱』の作中に出てくる架空の恋愛小説を、有川浩自らの手で実際に作品化。2015年には映画化もされており、「図書館戦争シリーズ」を知らない方でも楽しめます。

「忘れられない本」をきっかけに、メールから始まった2人のラブストーリー。メールをやり取りするなかで、僕はあっという間に、彼女に会いたいと思うようになっていました。しかし、彼女はどうしても会えないと言います。彼女には頑なに会うのを拒む理由があったのです……。

不器用で真っ直ぐな2人の恋愛事情が描かれている珠玉の作品。心あたたまる恋愛小説を読みたい方におすすめです。

第11位 勝手にふるえてろ

文藝春秋 著者:綿矢りさ

勝手にふるえてろ

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最年少で芥川賞を受賞した作家・綿矢りさによる恋愛小説です。26歳の女性が、2つの恋に悩み暴走する姿を描いた作品。2017年に映画化されています。

26歳まで恋愛経験ゼロでおたく系女子の良香は、「脳内片思い」と「リアル恋愛」2つの恋を同時進行中です。

中学時代からの不毛な片思い相手と、突然告白してきた何とも思っていない同期。良香は当然頭のなかでは結婚を意識しますが、戸惑いと葛藤が連続して……。

良香が悩んで傷付き、ときにはあり得ない嘘をつき暴走する姿が、多くの共感を呼びました。理想と現実の恋愛で葛藤している方や「こじらせ女子」のリアルな恋愛を覗きたい方におすすめです。

第12位 娼年

集英社 著者:石田衣良

娼年

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「娼夫」の仕事をする青年を主人公に、ひと夏の光と影を鮮烈に描いた、直木賞候補の長編恋愛小説。2017年に映画化され、話題になりました。現代の性愛がテーマで、『逝年』『爽年』へと続く三部作の最初の物語です。

20歳のリョウは、恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていました。しかし、ある日バイト先のバーに現れた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香に誘われ、戸惑いながらも「娼夫」の仕事を始めます。やがて、リョウはさまざまな女性が抱く、欲望の不思議に魅せられていき……。

リョウとさまざまな女性たちの「性」を美しく描いています。また、女性の欲望や心の傷などを肯定する物語で支持を得ました。性や欲望について考えさせられる、大人におすすめの恋愛小説です。

第13位 アナログ

集英社 著者:ビートたけし

アナログ

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お笑い芸人・映画監督・俳優など幅広く活躍するビートたけしが、初めて書き下ろした恋愛小説。現代では成立しがたいような男女の関係を描き”誰かを大切にするとは何か”を問いかけた作品です。2023年に二宮和也主演で映画化されています。

デザイナー・水島悟は、自分が内装を手掛けた喫茶店「ピアノ」で、ミステリアスな女性・みゆきと出会いました。彼女と似たような価値観を持っており、徐々に惹かれていく悟。意を決して連絡先を聞きますが”お互いに、会いたい気持ちがあれば会えますよ”といわれてしまします。

その代わりに毎週木曜日にピアノで会う約束を交わし、多忙な日々のなかでゆっくりと関係を深めていく2人。しかし、彼女は突然ピアノに来なくなってしまい……。

ところどころに漫才などが出てくるため、ビートたけし作品らしさを感じられます。ロマンティックな純愛ストーリーを読みたい方におすすめです。

第14位 君の名前で僕を呼んで

オークラ出版 著者:アンドレ・アシマン

君の名前で僕を呼んで

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1980年代のイタリアが舞台で、青年2人のひと夏の恋を描いた青春恋愛小説。第90回アカデミー賞脚色賞をはじめとして、さまざまな映画賞を受賞した、2018年公開の映画の原作です。

主人公・エリオの父親は大学教授で、いつも夏休みに、若い研究者を自宅に泊めていました。彼にとってその研究者のうちの1人でしかなかった、大学院生のオリヴァー。エリオにとって彼は、好きになるかもしれず、大嫌いになるかもしれない男性でした。

しかし、一緒に時を過ごすうち、すぐにエリオはオリヴァーから目を離せなくなります。やがて激しい恋に落ちていく2人ですが、夏の終わりとともにオリヴァーが街を去る日が近づいてきて……。

エリオがオリヴァーに惹かれていく過程が瑞々しく描かれています。少年の葛藤などの心情、情熱的で儚く美しい描写があるのがポイント。官能的な表現も含まれています。映画と合わせて読むのもおすすめです。

第15位 エゴイスト

小学館 著者:高山真

エゴイスト

同性愛者である自分を隠して生きてきた男性が、運命的な出会いを通じて愛とエゴを見つめ直す自伝的長編小説。母の死、恋人の死、そして贖罪のような愛を描き、2023年には映画化もされた注目作です。

14歳で母を亡くした浩輔は、同性愛者である自分を押し殺して過ごした思春期を経て、東京で開放的な日々を送っていました。30代半ばになり、年下のパーソナルトレーナー・龍太と出会い恋人に。しかし、龍太は病弱な母を支えるため風俗で働いており、浩輔は複雑な想いを抱えながら彼を支えようとします。

やがて龍太が突然この世を去り、浩輔は龍太の母との交流を続けるなかで、愛なのかエゴなのか、自問自答を繰り返していきます。愛の本質を問う物語が魅力。同性愛や人間の葛藤をリアルに描いた作品を読みたい方におすすめです。

第16位 劇場

新潮社 著者:又吉直樹

劇場

演劇と恋愛に揺れる不器用な男女の苦悩を描いた長編恋愛小説。芥川賞受賞作『火花』より先に書き始められていたという作家の原点的な一作です。2020年には行定勲監督により映画化もされています。

大阪から上京し劇団「おろか」を旗揚げした永田は、ままならない現実のなかで苦しみながら演劇にのめり込む日々。女優を志す大学生の沙希と出会い、2人は支え合いながら夢を追い続けます。しかし、公演は酷評の嵐で劇団員にも見放される永田。才能のなさに苦しみ、沙希との関係も揺らぎ始めます……。

恋愛感情と依存の境界線や、理想と現実の狭間でもがく若者の姿が克明に綴られた世界観が魅力。純粋で不器用な人間の心理を深く掘り下げた恋愛小説を読みたい方におすすめです。

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