恐怖感にあおられ、ページをめくる手が止まらない「ホラー小説」。ひとくちにホラー小説といっても、幽霊などの怪奇現象を題材にしたものや、ミステリー要素のある事件ものなど、さまざまな作品が存在します。

そこで今回は、ホラー小説のおすすめ作品をご紹介。多くの読者を魅了している、さまざまなジャンルの名作をピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。

名作ホラー小説のおすすめ作品

黒い家

KADOKAWA 著者:貴志祐介

日本ホラー小説大賞を受賞した、ホラーサスペンスの名作。累計発行部数は130万部を突破したミリオンセラー作品です。日本と韓国で映画化されました。

主人公は、生命保険会社の京都支社に勤める若槻慎二。保険金の支払い査定で忙しく働いていたある日、顧客の家に呼び出され訪れると、子供の首吊り死体があり、若槻は第1発見者になってしまいます。

ほどなくして、死亡保険金が請求されますが、顧客の不審な態度により他殺を確信していた若槻。彼は独自調査に乗り出しますが、信じられない悪夢が待ち構えていたのです…。

連続して恐怖が襲ってくる、戦慄のホラー小説。恐ろしい内容ながら、読む手が止まらないおすすめの1冊です。

リング

KADOKAWA 著者:鈴木光司

ジャパニーズホラーの最高傑作ともいわれる作品で、「リングシリーズ」の第1作目。過去には何度も映画やドラマなどで映像化された、有名なオカルトホラー小説です。

1本の呪いのビデオテープをめぐる物語。ビデオテープを観た少年少女たちが、同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情で死亡します。死亡した姪の死に不信を抱き、調査を始めたのは雑誌記者・浅川。忌まわしいビデオには、一体どんなメッセージが隠されているのでしょうか…。

本作品には、忘れがたい怖さがあるだけでなく、謎解きのミステリー要素があるのもポイント。映画を観た方はもちろん、日本ホラーの金字塔に触れたい方におすすめです。

リアル鬼ごっこ

幻冬舎 著者:山田悠介

山田悠介氏のデビュー作にして、累計発行部数200万部を突破したベストセラー作品。映画化やドラマ化もされており、知名度の高いホラー小説です。

西暦3000年、国王は全国に500万人いる佐藤姓を皆殺しにする計画「リアル鬼ごっこ」を実行します。ルールは、7日間鬼から逃げ切らなければ殺されるというもの。主人公・佐藤翼は妹を救うため、「死の競争路」を疾走するというあらすじです。

若い世代を熱狂させた、スリルあふれる1冊。読みやすい文体なので、小学生くらいの年代の方や普段あまり本を読まない方にもおすすめの作品です。

夜市

KADOKAWA 著者:恒川光太郎

日本ホラー小説大賞を受賞し、直木賞候補にもなった作品です。哀しみを含んだファンタジーホラー小説。表題作のほか、『風の古道』も収録された、2作品からなる短編集です。

表題作は、この世ならぬ不思議な「夜市」をテーマにした物語。裕司は小学生のときに弟とともに夜市に迷い込みます。彼は弟と引き換えに「野球の才能」を購入。その後、裕司は甲子園にも出場しますが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けていました。そして、弟を買い戻すために、再び夜市に訪れたのですが…。

おとぎ話のように展開する物語で、不思議な世界観に惹き込まれ、読み進めやすいのが魅力。ホラー初心者にもおすすめの小説です。

墓地を見おろす家

KADOKAWA 著者:小池真理子

直木賞作家である、小池真理子氏による名作モダンホラー小説。初版から30年以上経ちますが、今なお愛されている作品です。

物語の舞台は、新築で都心に位置しながらも格安なマンション。哲平一家は、抜群な条件のおしゃれなマンションに移り住みます。しかし、その家は広大な墓地に囲まれていました。そして、一家には恐怖が次々と襲いかかるのです…。

得体の知れない恐怖感に、ドキドキハラハラする1冊。怪奇現象ものが好きな方や、衝撃と戦慄の王道ホラー小説を読みたい方におすすめです。

天使の囀り

KADOKAWA 著者:貴志祐介

1998年初版で、今なお多くの人に読まれているSF要素のあるホラー小説です。グロテスクな表現も多く、おぞましいドキドキ感を味わえるのが特徴。マンガ化もされている人気作品です。

主人公は終末期医療に携わる精神科医・北島早苗。彼女の恋人・高梨はある日、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加しました。病的な死恐怖症の高梨でしたが、調査から戻ると人格が異様に変容しており、恐れていたはずの「死」に魅せられたように自殺してしまいます。

そして、ほかの調査隊メンバーも、次々と異常な方法で自殺したことが判明。アマゾンでは一体何が起きたのでしょうか。

500ページ超えの大ボリュームながら、ページをめくる手が止まらない1冊。前人未踏といわれる、ゾッとする恐怖感を味わいたい方におすすめのホラー小説です。

クリムゾンの迷宮

KADOKAWA 著者:貴志祐介

日本ホラー界の新しい地平を切り拓くといわれる、傑作の長編ホラー小説。マンガ化もされた、貴志祐介氏の数ある人気作品のうちの1冊です。

主人公・藤木芳彦が全く見覚えのない場所で目を覚ますところから、物語が始まります。目を覚ました場所は、雨に濡れ、あたり一面が鮮やかな深紅色に染まった異様な世界でした。

手元にあるのは、そばに置いてあったポーチと、中に入っていた携帯用ゲーム機のみ。電源を入れてみると“火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された。”という文字が映し出されます。

携帯ゲーム機に導かれて、生き残りをかけたゼロサムゲームがスタート。藤木含め、ゲームの参加者9人は凄惨な世界へいざなわれるのです…。本作品では、人間の怖さを感じられます。SFホラーやサバイバルホラーが好きな方におすすめです。

祝山

光文社 著者:加門七海

加門七海氏自らの実体験を下敷きにしているという、リアルな長編ホラー小説です。物語は、ホラー作家・鹿角南に、旧友からメールが届くところから始まります。

メールの内容は、「廃墟で肝試しをしてから、奇妙な出来事が続いている」というものでした。鹿角は小説のネタが拾えれば、という軽い気持ちで肝試しのメンバーに会います。しかし、それが彼女自身も巻き込んだ、戦慄の日々の始まりだったのです…。

肝試しメンバーの1人が突然死してしまい、ほかの人も狂気へ駆り立てられていく恐怖感が描かれています。実体験をもとにした、リアルな作品を読みたい方におすすめです。

映画化されたホラー小説のおすすめ作品

らせん

KADOKAWA 著者:鈴木光司

『リング』から続く、オカルトホラー小説。「リングシリーズ」の第2作目にして、吉川英治文学賞を受賞した作品です。1998年に映画化されたほか、ドラマ化・マンガ化もされています。

主人公は、幼い息子を海難事故で亡くした監察医・安藤満男。ある日彼は、謎の死を遂げた友人・高山竜司の解剖を担当します。すると、冠動脈から正体不明の肉腫を発見。そして、縫合した遺体からは新聞がはみ出しており、そこに書かれていた数字は「リング」という言葉を暗示していたのです…。

ミステリーや科学的な要素もあるのがポイント。『リング』に触れたことがある方はもちろん、「リングシリーズ」が初めての方でも楽しめるおすすめの1冊です。

リカ

幻冬舎 著者:五十嵐貴久

ホラーサスペンス大賞を受賞したサイコスリラー小説。「リカシリーズ」の第1作品目です。映画化・マンガ化されたほか、2回ドラマ化され、累計発行部数は65万部を突破しました。

本作品は、出会い系サイトから始まる物語です。妻子を愛する平凡な42歳のサラリーマン・本間隆雄は、軽い気持ちでインターネットの出会い系サイトを始めます。

サイト上で知り合ったのは、リカと名乗る女性。メールでやり取りするうちに、徐々に常軌を逸した言動をしていくリカに怯えた本間は、彼女との連絡を絶ちます。

しかし、エスカレートしていくリカの狂気。本間はリカから逃れられるのでしょうか…。不気味な恐ろしさのある1冊。殺人鬼を題材にしたホラー小説に興味がある方におすすめです。

シライサン

KADOKAWA 著者:乙一

乙一氏自らが、本名の安達寛高名義で初監督・脚本を手掛けたことで話題を呼んだ映画『シライサン』の原作ホラー小説です。

親友の変死を目撃した女子大生・瑞紀。彼女の前に現れたのは、同様に弟を亡くした青年・春男でした。何かに怯え、眼球破裂で亡くなった2人の共通点は、とある温泉旅館で怪談を聞いたということ。瑞紀と春男は調査のために、富田詠子という女性を訪ねるのです…。

怪異が次々と襲いかかるノンストップ・ホラー。ライトで読みやすいため、本をあまり読まない方や中高生にもおすすめの作品です。

パラサイト・イヴ

新潮社 著者:瀬名秀明

日本ホラー小説大賞を受賞し、映画化やゲーム化などもされた大ベストセラー作品です。発表時は研究者だった瀬名秀明氏のデビュー作にして、バイオ・ホラーの傑作ともいわれる1冊。医学的根拠にもとづき独自の理論を組み込んだ、奇抜かつ斬新なストーリーが特徴です。

物語の主人公は生化学者・利明。彼は事故で亡くなった愛妻の肝細胞に「Eve1」と名づけ、密かに培養していました。しかし、「Eve1」は恐ろしい未知の生命体へ変貌し、利明を求めて暴走を始めるのです…。

斬新なアイデアと、物語の圧倒的迫力で多くの人々を魅了した作品。科学ものやSFものが好きな方におすすめのホラー小説です。

ぼぎわんが、来る

KADOKAWA 著者:澤村伊智

日本ホラー小説大賞を受賞した、「比嘉姉妹シリーズ」の第1作品目。『来る』として映画化されたほか、マンガ化もされた話題作です。

主人公は、幸せな新婚生活を営む田原秀樹。ある日彼の会社に、来訪者があったことをきっかけに、秀樹の周囲では部下が原因不明のケガをしたり、不気味な電話がかかってきたりと怪異が起こります。

一連の現象は、秀樹の亡き祖父が恐れていた「ぼぎわん」という化け物の仕業なのでしょうか。彼は愛する家族を守るため、女性霊能者・比嘉真琴を頼りますが…。

巧妙な語り口や物語構成で、貴志祐介氏・綾辻行人氏・宮部みゆき氏らホラー小説大賞の全選考委員が絶賛した1冊。怪談や都市伝説、民俗学などのさまざまな要素を含んだ、おすすめのホラー小説です。

残穢

新潮社 著者:小野不由美

山本周五郎賞を受賞した、ドキュメンタリー風のホラー長編小説。小野不由美氏初の映画化作品です。物語は、作家である主人公のもとに、読者の久保さんから手紙が届くところから始まります。

手紙の内容は、転居したばかりの部屋で、何かがいるような気がするというものでした。畳をこする音が聞こえ、背後には気配がするといいます。何の変哲もないマンションで起こる怪奇現象を調べていると、ある因縁が浮かび上がるのです…。

怨みを伴う死が「穢れ」となって、感染していく恐怖を描いています。リアリティーのあるジャパニーズホラーを読みたい方におすすめの1冊です。

十三番目の人格 ISOLA

KADOKAWA 著者:貴志祐介

日本ホラー小説大賞の長編部門で佳作として選ばれた作品。多重人格を題材にしており、ミステリー要素もあるサイコホラー小説です。2000年に『ISOLA 多重人格少女』として映画化されました。

主人公は、人の強い感情を読み取れるエンパス・賀茂由香里。彼女は阪神大震災後にその能力を活かし、ボランティアで被災者の心のケアをしていました。そこで出会ったのは、西宮の病院に長期入院中の少女・森谷千尋。由香里は、彼女の中に複数人格が同居しているのを目の当たりにします。

次第に2人は打ち解け、千尋のいくつかの人格と言葉を交わす由香里ですが、やがて13番目の人格「ISOLA」が出現したのです…。貴志祐介氏の作品が好きな方や、身も凍るようなゾッとする怖さのホラー小説を読みたい方におすすめです。

海外ホラー小説のおすすめ作品

シャイニング 上

文藝春秋 著者:スティーヴン・キング

モダンホラーブームをけん引し、「ホラー小説の帝王」とも評されるスティーヴン・キング氏のベストセラー小説。映画化やドラマ化もされ、世界的にも有名な作品です。

舞台は、コロラド山中にある美しいたたずまいの「オーバールックホテル」。冬季には-25℃の酷寒と積雪に閉ざされ、下界からは完全に隔離される立地にありました。

そのホテルに作家とその妻、5歳の息子がひと冬の間、管理人として住み込みます。そして、雪に閉ざされたホテルに棲む悪霊が、一家を襲うのです…。20世紀ホラー小説の金字塔とも呼ばれる海外ホラー。名作に触れたい方や、幽霊屋敷ものに興味がある方におすすめです。

ジキル博士とハイド氏

東京創元社 著者:ロバート・ルイス・スティーヴンスン

1886年に刊行された、ロバート・ルイス・スティーヴンスンによる古典ホラー作品。ドラマ化や舞台化されたほか、何度も映画化されています。二重人格を扱った作品の代名詞ともいわれ、時代を超えて愛される中編怪奇小説です。

物語の舞台は1884年、冬のロンドン。奇怪な男・ハイドは十字路で平然と少女を踏みつけた後、人々に尊敬されている医師・ジキル博士の屋敷に入っていきます。

そして、ジキル博士の友人で弁護士・アタスンが彼に抱いた疑念を裏づけるように、博士の身の周りでは異常な事件が発生します。ハイドとは何者で、ジキル博士とはどんな関係があるのでしょうか。人間の善と悪について考えさせられる1冊。ホラーの古典的名作に触れたい方におすすめです。

隣の家の少女

扶桑社 著者: ジャック・ケッチャム

人間の心の闇を描き、狂気・暴力などを極限まで追求する、ジャック・ケッチャムによる衝撃のホラー小説。スティーヴン・キング氏が絶賛した「伝説の名作」といわれています。

実際に起きた少女監禁事件がモチーフです。1958年の夏、当時12歳だったデイヴィッドは、隣の家に引っ越してきた美少女・メグに心を奪われます。彼女と彼女の妹・スーザンは交通事故で両親を亡くし、隣のルースに引き取られてきました。

しかしある日、デイヴィッドはメグがルースから暴力を受けているところを目撃してしまうのです…。描写が細かく描かれているため、リアリティーがあります。異例の頻度で版を重ねており、41刷を突破しているおすすめの人気作品です。

ずっとお城で暮らしてる

東京創元社 著者:シャーリイ・ジャクスン

「魔女」といわれた作家である、シャーリイ・ジャクスンによる少女恐怖小説の名編。映画化もされており、長年愛され続けているロングセラー作品です。

メアリ・キャサリン・ブラックウッドの語り口調で物語は始まります。ほかの家族が殺された屋敷で、姉・コニーと暮らす彼女。悪意に満ちた下界からは目を背け、空想が彩る屋敷で幸せな日々を送っていました。しかし、従兄・チャールズが来訪し、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていたのです…。

少女の視点から、人間の心理に潜む「悪」を描いた傑作。不気味な恐ろしさのある、サスペンスホラーを読みたい方におすすめです。

丘の屋敷

東京創元社 著者:シャーリイ・ジャクスン

恐怖小説の古典的傑作といわれ、映画化もされた作品。初刊時のタイトル『たたり』を改題したもので、幽霊屋敷を舞台に繰り広げられる物語です。

心霊学研究者・モンタギュー博士は、幽霊屋敷と恐れられている「丘の屋敷」に3人の協力者を招集。すると、屋敷では意思を持つかのように次々と怪異が繰り広げられます。そして、協力者の1人・セレーナは怪異の起こる屋敷に次第に魅了されていくのです…。

シャーリイ・ジャクスンの巧みな心理描写に、惹き込まれる方も多い1冊。美しく、静かな恐怖が描かれたおすすめのホラー小説です。

黒衣の女 ある亡霊の物語

早川書房 著者:スーザン・ヒル

大英帝国勲章を受賞したスーザン・ヒル氏によるゴシックホラー小説。イギリス伝統のゴースト・ストーリーに、新たな光を当てたといわれる作品です。『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』として映画化されたほか、日本で舞台化もされました。

舞台は、広大な沼地と河口に面し、冷たく光りながらそそり立つ孤立した館。わずかに水上に出ている土手道で村とつながるだけでした。その館に弁護士・キップスは、亡くなった老婦人の遺産整理のために1晩泊まり込みます。

しかし、霧が立ち込めてあたりを覆うと、想像もつかないような怪奇がキップスに襲いかかるのです…。館にじわじわと忍び寄る恐怖を丁寧に描いた作品。幽霊を題材にした、正統派ホラー小説を読みたい方におすすめです。

中学生から読めるホラー小説のおすすめ作品

夏と花火と私の死体

集英社 著者:乙一

数々のベストセラーを生み出している乙一氏のデビュー作。斬新な語り口で恐ろしい子供たちを描き、ホラー界を驚愕させたとされる作品です。ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しました。

“9歳の夏休み、私は殺されてしまったのです…。”といった具合に、殺された「私」自身が語り手なのが特徴。殺された少女の死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような4日間の冒険を描いています。

彼らには次々と危機が訪れ、ハラハラするスリリングな展開がポイント。ホラー初心者でも楽しめる、おすすめの1冊です。

Another 上

KADOKAWA 著者:綾辻行人

中学校を舞台にした、長編ミステリーホラー小説。学園ものならではの、哀しい青春小説の要素があるのも特徴。マンガ化やアニメ化もされた人気作品です。

物語の舞台は地方都市の夜見山という町。1998年の春に東京から、夜見山北中学校の3年3組に転校してきた少年・榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの様子に違和感を抱きます。

そして、周囲の人間とかかわらない、不思議な美少女・見崎鳴の存在。恒一は彼女に惹かれ接触を試みますが、友達に“いないものの相手をするのはよせ”と警告され、謎は深まります。そんななか、クラスの委員長・桜木が凄惨な死を遂げたのです…。3年3組には一体何が起きているのでしょうか。

得体の知れない恐怖や謎に興味をそそられる方も多く、読み進めやすい1冊。中学生ごろから大人まで楽しめるおすすめのホラー小説です。

ゴーストハント1 旧校舎怪談

KADOKAWA 著者:小野不由美

シリーズ累計で110万部を突破した、大人気のミステリーホラーシリーズ第1作品目。小野不由美氏の原点ともされる傑作で、マンガ化・アニメ化もされました。

主人公・麻衣を含め、17歳の美青年・ナルこと渋谷一也が所長の、心霊現象を調査する研究所「渋谷サイキックリサーチ」の活躍を描いています。

本作品の舞台は、麻衣の高校にある木造の旧校舎。取り壊すと必ず事故が起こる、夜になると窓に幽霊の姿が浮かぶなどと噂されていました。麻衣はひょんなことから、校長から旧校舎の調査依頼を受けた、渋谷サイキックリサーチの仕事を手伝うことになります。

麻衣の視点で謎を解いていくため、読みながら一緒に謎解きを楽しめるのがポイント。中高生やあまり本を読まない大人にもおすすめのホラー小説です。

暗黒童話

集英社 著者:乙一

乙一氏初の長編ホラー小説。ブラックなファンタジー要素やミステリー要素もあります。刊行から20年以上経ちますが、今なお愛されている作品です。

事故で記憶と左目を失った女子高生の「私」が主人公。彼女は臓器移植で死者の眼球提供を受けますが、その左目がある映像を再生し始めるのです…。死者が呼び覚ます「悪魔の記憶」とは、何なのでしょうか。グロテスクながら、美しい表現が魅力の1冊。中高生や、乙一氏の作品が好きな方におすすめです。

親指さがし

幻冬舎 著者:山田悠介

呪いをテーマにした、スリルあふれるノンストップ・ホラー小説。映画化やマンガ化もされており、知名度の高い作品です。

由美が聞きつけた噂話をもとに、小学生の武たち5人が死のゲーム「親指さがし」を遊び半分で始めます。しかし、ゲームの終了後、そこに由美の姿はありませんでした。それから7年が経ち、武たち4人は過去を清算するため、そして事件の真相を知るために再び「親指さがし」を行いますが…。

中高生や、普段あまり本を読まない方でも読みやすいのがポイント。ゾッとするような怖さを味わいたい方におすすめです。

異端の祝祭

KADOKAWA 著者:芦花公園

民俗学を扱ったオカルトホラー小説。SNS上で大反響を呼んだ『ほねがらみ』の作者・芦花公園氏による作品です。

主人公は就職浪人中の23歳・島本笑美。彼女には生きているものとそれ以外の区別がつきません。街にあふれかえっている異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かると、彼女にまとわりついてきます。

ある日、大手食品会社「モリヤ食品」の面接で笑美は青年社長・ヤンと出会い、就職を決めました。しかし、「研修」という名のもとにヤンに伴われ笑美が見たのは、奇声をあげながらはい回る人々だったのです…。

多くの人々を恐怖の底に叩き起こしたといわれる衝撃的な1冊。ポップな文体のため読みやすい一方で、不気味な恐ろしさが味わえるおすすめの作品です。

短編ホラー小説のおすすめ作品

ぼっけえ、きょうてえ

KADOKAWA 著者:岩井志麻子

日本ホラー小説大賞と山本周五郎賞を受賞した、日本ホラーの短編集。累計発行部数は40万部を突破した、怪奇文学の新古典といわれる作品です。世界のホラー映画監督が集結して製作された、「マスターズ・オブ・ホラーシリーズ」のうちの1作品として映像化もされました。

「ぼっけえ、きょうてえ」とは岡山の方言で“とても、怖い”という意味を指します。舞台は明治時代の岡山の遊郭。醜い女郎が寝つけない客に、身の上話を始めます。残酷かつ孤独な彼女の人生に隠された秘密が語られるのです…。

表題作のほか、『密告函』『あまぞわい』『依って件の如し』の計4編を収録。妖しく恐ろしい物語を読みたい方におすすめのホラー小説です。

KADOKAWA 著者:曽根圭介

日本ホラー小説大賞の短編賞を受賞した作品。表題作のほか、『暴落』『受難』の計3編を収録しています。

表題作は、人間たちが「テング」と「ブタ」に二分されているという設定。外科医の「私」は、鼻を持つテングがブタに殺され続けている現状からテングを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意します。

一方で、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、2人の少女行方不明事件を捜査していました。そのさなか、因縁の男と再開することになりますが…。2人の物語が交差するときに分かる、衝撃的な結末がポイント。3編とも読み応えがある、おすすめの短編ホラー小説です。

玩具修理者

KADOKAWA 著者:小林泰三

日本ホラー小説大賞の短編部門を受賞した作品。小林泰三のデビュー作にして、「国内ホラー史に残る不朽の短編名作」といわれるホラー小説です。

表題作は、独楽・凧だけでなく、死んだ猫まで何でも直してくれる玩具修理者がテーマ。壊れたモノを一旦バラバラにして、奇妙な叫び声とともに組み立てるのです。

ある日、子供の私は弟を過って死なせてしまいます。“親に知られずにどうにかしなくては。”と思った私は、玩具修理者のもとへ弟を持っていきますが…。

妄想か現実か分からなくなるような奇妙さがポイント。SF要素のあるホラー小説や、短編ホラーの名作に触れたい方におすすめです。

霧が晴れた時 自選恐怖小説集

KADOKAWA 著者:小松左京

日本を代表するSF作家・小松左京による、ホラー短編の金字塔ともいわれる作品。日本恐怖小説界に大きな影響を与え続けています。

小松左京のホラーでも最高傑作とされる『くだんのはは』を収録しているのがポイントです。物語の時代は太平洋戦争末期。空襲で家を焼かれた「僕」は家族とともに、裕福そうな屋敷に住み込ませてもらうところから始まります。

屋敷に住んでいるのは、上品そうな女主人と病気の娘の2人のみ。夜になるとどこからともなく、悲しげにすすり泣く声が聞こえてくるのです….。時代の狂気を背景にして、驚くべき恐ろしい事実が明かされます。

ほかにも表題作や『すぐそこ』『まめつま』など、短編ながら1編1編に厚みがあり、読みごたえがある物語を計15編収録。SF要素のあるホラー小説の短編を読みたい方におすすめです。

怪談狩り 市朗百物語

KADOKAWA 著者:中山市朗

オカルト研究家であり、作家でもある中山市朗氏による、100編の収録した短編集。「怪談狩りシリーズ」の第1作品目で、実話をもとにした本当に怖い怪談話です。

六甲山の取材中にテレビのロケ隊が見たモノ、演劇部に伝わる黒い子供、遺体に肩を叩かれたという納棺師などの話を収録。現実世界のゆがみから湧き出るという、ふとした恐怖やぬぐえない違和感を描いています。ホラー初心者や、さくっと読みたい方におすすめです。

異形のものたち

KADOKAWA 著者:小池真理子

小池真理子氏による、ファンタジックな怪奇小説の短編集。甘美で冷たく、心の奥をくすぐるような恐怖がある6編の物語を収録しています。「この世のものではないもの」が隣り合わせでそこにいるという恐怖を描いているのが特徴です。

最初の作品『面』の主人公は、母の遺品整理で実家に戻った邦彦。農道を歩いていると、和服姿で般若の面をつけた女とすれ違います…。哀しさのある幻想的なホラーに興味がある方におすすめの小説です。

かにみそ

KADOKAWA 著者:倉狩聡

日本ホラー小説大賞の優秀賞を受賞し、「泣けるホラー」として話題になった作品。表題作と、『百合の火葬』2編が収録されています。

表題作は、すべてに無気力な20代無職の「私」が、流星群の翌朝に海岸で小さな蟹を拾うところから始まります。なんとその蟹は、人の言葉を話し小さな体で何でも食べるのです。

奇妙で楽しい暮らしのなか、私は蟹の食事代のために働き始めます。そんなある日、私は職場でできた彼女を本能的に殺してしまいますが…。ホラーでありながら切ない友情物語でもある、一風変わったおすすめのホラー小説です。

よもつひらさか

集英社 著者:今邑彩

推理作家・今邑彩による、奇妙な味わいのある12編のホラー短編集です。表題作の舞台は、古事記で現世から冥界へ下っていく道「黄泉比良坂」と同名の坂。1人でこの坂を歩くと、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えのある坂です。

なだらかな坂を歩く私に、登山姿の青年が声をかけてきます。立ちくらみを起こした私は、青年が差し出してきたなまぬるい水を飲み干しますが…。ゾッとする話やミステリー要素のある話、不思議な話などさまざまなテイストの短編を読める、おすすめのホラー小説です。

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