透き通った琥珀色と、小麦による甘さが魅力の「白醤油」。醤油のなかで最も色が薄いため、彩りを大切にしたい料理に適した調味料です。高級料亭などで使うイメージの白醤油ですが、食卓で使える小瓶の商品も販売されており、さまざまな白醤油を手軽に楽しめるようになりました。
そこで今回は、おすすめの白醤油とレシピをあわせてご紹介します。和食から洋食まで幅広く使えるので、いつもの醤油の代わりにぜひ使ってみてください。
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白醤油とは?
白醤油とは、小麦を主原料とした醤油のこと。色合いは薄口醤油よりも薄く透明感のある琥珀色で、茶碗蒸しや漬物など、醤油の色を付けたくない料理に適した調味料です。
白醤油は江戸時代末期に現在の愛知県碧南市で誕生し、今も愛知県で主に作られています。全国の醤油生産のうち、白醤油は1%弱とごくわずかしか生産されていないのも特徴です。
戦前まで高価だった白醤油は、高級料亭などで使われてきましたが、現在は安い価格で手軽に購入できるようになり、一般家庭にも普及しています。酸化予防のため瓶詰めの商品が多く、少量タイプから大容量タイプまで、使用頻度や家族構成にあわせて選べます。
白醤油と普通の醤油の違い
白醤油は見た目だけでなく、原料・製法・味も普通の醤油と異なります。普通の醤油は、小麦と大豆が主原料ですが、白醤油は小麦を8~9割使っており、ほとんど小麦でできているのが特徴です。普通の醤油では感じられない、小麦の独特な香りと味を楽しめます。
また、白醤油は短期間の製法がポイント。普通の醤油は、醤油のもとである「もろみ」を1~2年熟成させますが、白醤油は約3ヶ月と短い熟成期間で作ります。醤油は熟成期間が長いと色が濃くなる傾向があるため、熟成期間を短くすることで淡い色合いの白醤油ができあがります。
さらに、小麦でできた白醤油は糖分が多いため甘みがあるのが魅力。ほんのりとした上品な味わいなので、食材本来の味を引き立てたいときに役立ちます。ただし、ほかの醤油に比べて塩分濃度も高めなので使いすぎには注意が必要です。
白醤油のおすすめ
盛田 白醤油特級
1665年創業の盛田の白醤油。小麦の独特の香ばしさとほんのりとした甘みが特徴で、アミノ酸などの調味料が入っていないため、白醤油本来の風味を感じられます。
卵焼きやとろろなど、食材本来の色や味わいを活かしたい料理ぴったり。丼物や麺類に使えば、濃口醤油とは違った味わいに仕上がります。
ほかの白醤油に比べて価格が安く、300mlと少量で使い切りやすいため、はじめて白醤油を試してみたい方におすすめです。
・1本
・2本セット
ヤマシン醸造 金完熟白醤油 特級
深い味わいを堪能できる白醤油。ヤマシン醸造はさまざまな白醤油関連の商品を販売しています。なかでも「金完熟白醤油」は、醸造技術の研究を積み重ねたことにより誕生した、ほどよい上品な味わいが特徴です。
大豆や小麦を厳選して使用しているのもポイント。JAS特級の品質基準に合格した、くせがなくしつこすぎない上品な味わいは、白醤油初心者の方にもおすすめです。
・1本
・6本セット
湯浅醤油 蔵匠 白搾り
高級料亭のような味を楽しめる白醤油。旨み成分が多く含まれており、コクのある上品な味わいが魅力です。食材本来の色をそのままに、彩り豊かな料理に仕上げられます。
和食はもちろんのこと、ドレッシングやカルパッチョなどの洋食とも好相性。パスタや塩ラーメンなどにもおすすめです。
・1本
七福醸造 有機白しょうゆ
有機JAS認定の小麦と大豆を使ったこだわりの白醤油。七福醸造は、食の安全・安心に配慮した商品を販売しています。なかでも「有機白しょうゆ」は、長時間の熟成と自然抽出の製法による、香り豊かで旨みのある味わいが魅力です。
卵かけごはんにかければ、卵の旨みが引き立ち、ほどよい甘みや塩味を感じられます。また、冷奴や白身魚などの繊細な味を活かしたい料理にもマッチし、ワンランク上の味わいに仕上がるのがおすすめポイントです。
・1本
日東醸造 足助仕込三河しろたまり
愛知県の豊かな山間で作る天然醸造の商品。大豆不使用なので、法律上は白醤油とは表記できませんが、大豆を使用しないことと小麦麹を他商品の2倍使用することを除けば、白醤油と同じ製法で作られています。先代社長の「究極の白醤油を作ってみたい」という思いから生まれた商品です。
原料は、愛知県産の小麦と伊豆大島の海塩「海の精」。化学調味料や保存料を使っていないため、自然な生の醤油の味わいを楽しめます。また、水にもこだわり、現地で採れるミネラル豊富な天然水を使用。昔ながらの木桶の製法で、火を使わずに丁寧に作り上げています。
おでんや茶碗蒸し、お吸い物などの料理にマッチし、おもてなし料理におすすめの商品です。
・1本
・3本セット
白醤油のおすすめレシピ
お吸い物
白醤油を使ったお吸い物は、食材の色鮮やかさが引き立ちきれいな仕上がりに。白醤油の甘みとコクにより、やさしい味わいになります。
作り方は、だしに白醤油を適量加えて煮詰め、豆腐やチンゲン菜などの好みの具材を入れるだけ。素材の色をそのまま活かしたい方は試してみてください。
卵焼き
弁当のおかずとしても人気の卵焼き。濃口醤油や薄口醤油を入れると少し茶色くなってしまいますが、白醤油を使えばきれいな黄色い卵焼きを作れます。
レシピは簡単で、卵に砂糖を加えて混ぜ合わせ、白醤油を入れてやさしくかき混ぜるだけ。あたためたフライパンに少量ずつ流し込み、巻いてととのえていけば完成です。
ほうれん草などの具材を入れれば卵焼きに彩りが加わります。具材のバリエーションを増やして、さまざまな卵焼きを楽しんでみてください。
ホワイトシチュー
隠し味に白醤油を入れれば、ホワイトシチューの白さを保ったまま、旨みとコクのある味わいに仕上がります。
まず、カットした野菜と鶏肉をバターで炒め、火が通ったら小麦粉を加えて炒めましょう。水とコンソメを入れて沸騰させ、牛乳を加えて弱火で煮込み、仕上げに塩・こしょう・白醤油で味をととのえて完成です。
白醤油といえば和食の調味料のイメージがありますが、洋食にもマッチするのでぜひ使ってみてください。
小麦が主原料の甘みとコクのある白醤油。透き通った琥珀色の白醤油は、食材の彩りや味を大切にしたい料理におすすめです。白醤油が一本あれば和食から洋食までさまざまな調理で使え、料理の味わいが上品に仕上がります。普段何となく醤油を使っている方は、見た目も味もひと味違う白醤油をぜひ使ってみてください。