釣り道具のなかには、特定の魚種を釣るために開発された専門性の高いアイテムがありますが、他ジャンルに転用することで功を奏することもあります。今回ご紹介する「マス針」もそのひとつ。もともとは渓流釣りで使われていた針ですが、最近はバスフィッシングのワームとして多用されています。
そこで今回はマス針のおすすめ製品をご紹介。カード付き、カードなしはもちろん、普及している通常の黒針とは異なる「赤針」もピックアップしたので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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「マス針」とはその名の通り、ニジマスなどのマス系の魚を釣るために生まれたフック。小さな口でもしっかりと掛かるようにシャンク部分は長く、ハリの太さも細軸となっているのが特徴です。
マス針は、1990年代後半にバスフィッシングのダウンショットリグで用いられたことで注目度が上がりました。直接的な要因としては村上晴彦氏が命名した「常吉リグ」が話題となり、そこでマス針が使用されていたことがきっかけです。
当時はバス釣りブームの真っ只中で、アングラー増加によるハイプレッシャー化が徐々に進んでいた時代。特にメジャーフィールドでは一筋縄でいかない状況が続いていたため、よりライトなタックルと軽量なリグを用いた「喰わせ重視のセッティング」が広まったという経緯があります。
なお、マス針はダウンショットのほか、同氏が考案した「ネコリグ」、ちょん掛けする「ワッキーリグ」でも用いられており、さらに需要がアップ。ちなみに、もともとのマス針には糸を通すラインアイがありませんが、バス釣り用のマス針には用意されており、使い勝手に配慮した製品が数多くラインナップされています。
マス針の選び方
サイズで選ぶ
バス釣り用のマス針はソフトベイトの大きさに合わせてさまざまなサイズが用意されています。表記・呼び方が独特で、「#」と「数字」を組み合わせるのが一般的です。
サイズラインナップの幅はメーカーによって異なりますが、10前後から1までは数字の大きいほうがフックサイズは小さく、例えば「#2」と「#1」では前者のほうが小さくなります。一方、「#1」より大きいサイズは「/0」を付けることで大きくなり、「#1」「#1/0」「#2/0」と数が増えるにつれて、フックのサイズもアップします。
なお、フックは呼称が複数あるので、その点も注意。例えば「#1」であれば「1番」や「1号」、「#1/0」であれば「イチゼロ」、「#2/0」であれば「ニゼロ」と読みます。これはフック前半に共通していることなので覚えておきましょう。
ガードの有無で選ぶ
バス釣り用のマス針はガードの有無によっても違いがあり、ガード付きであればある程度障害物のタッチに配慮でき、ガードなしであればフッキング率の向上が図れます。
なお、ガードの仕様は製品によって異なり、ガードが1本のみのタイプやガードが複数本あるタイプ、さらにはV字に広がっていたり、フックポイントにガードを引っ掛けたりといくつかタイプがあります。使い分ける際はどこにキャストするかを意識して選ぶようにしましょう。
カラーで選ぶ
フックの色はマス針に限らず、コートが施された黒が主流ですが、なかには赤い針もあります。効果の真偽は定かではありませんが、フックが赤いと「バイトマーカーになる」「魚の本能を刺激する」「出血を視覚的に演出できる」などがあり、多用するアングラーもいます。気になる方はぜひ試してみてください。
マス針のおすすめ
がまかつ(Gamakatsu) セオライズ ハンガー FC-M
掛け重視のフック形状を採用したマス針。ライトタックルからベイトフィネスまでのワーミングで使えます。
先に販売されていた「FC-L」よりも太軸仕様である「FC-M」で、8インチクラスのロングワームのネコリグにもマッチするのが特徴。前者の「FC-L」は#12~2が用意されていますが、「FC-M」は1/0~2/0の大きめサイズのみとなっています。
がまかつ(Gamakatsu) ワーム329 ハンガーSF
汎用性の高いおすすめのマス針。ラインとしては2.5〜6lbが目安で、ラージマウスはもちろん、スモールマウス狙いにも使えるのが特徴です。
ワームとしては2インチクラスの極小サイズから出しどころが多い6インチクラスまでが対象。サイズとしては#10~1までが揃っています。
がまかつ(Gamakatsu) ワーム326 スモール
対スモールマウス用に開発されたマス針。魚をシューティングで狙う際に有効なダウンショットリグや、広範囲に探りたいに便利なライトキャロに適したアイテムで、ショートバイトをしっかりとものにできます。
サイズラインナップは#16~12と小さく、推奨ラインも3lb以下と極細。フック形状としては「ワイドエントリーアングル」を採用しており、初期掛かりに配慮しているのもポイントです。
がまかつ(Gamakatsu) ワーム 324 ハンガースタイル
懐が深いタイプのマス針。ハリ先がやや内側に入ったネムリバリ仕様で、掛けてからのバラシ軽減に配慮しているのが特徴です。
ベントカーブは素直なUの字ではなく、ややカクカクした形状を採用しているのもおすすめポイント。ワームをセットした際のホールド感もよく、点で支えられるのも魅力です。サイズとしては#8~1をラインナップしています。
がまかつ(Gamakatsu) ワーム 318 ワッキー(レッド)
ワッキー掛けでの使用を考慮して開発されたおすすめのマス針。ゲイプ幅はややワイドでフッキング率の向上を図っているほか、魚の口に掛かるハリ先の進入角度をワイドエントリーアングルにすることで深く刺さるようにしているます。
また、赤針仕様となっているのもポイント。有効性に対する意見は分かれていますが、バイトマーカーになったり、魚の本能を刺激したりする効果が期待できます。
サイズとしては#4~1をラインナップ。通常の黒針も用意されているので、フックカラーで使い分けしたい方にも候補となるアイテムです。
オーナーばり(OWNER) カルティバ アンダーショットフック
アンダーショットリグ、言い換えればダウンショットリグでの使用を意識して開発されたマス針。フックの形状としてはオーソドックスで、ベンドカーブはラウンドを採用しています。
ハリ先にはわずかなヒネリが入っており、ショートバイトにも配慮しているのが特徴。軽量設計で違和感なく口に入れられるほか、小さなアタリも逃さずフッキングできるのも魅力です。サイズとしては#10~2をラインナップしています。
オーナーばり(OWNER) カルティバ バマスフック
伝統的なマス針の形状をベースにバス釣り専用として完成度を上げたモデル。ダウンショットなどのフィネスなリグに対応させるべく、線径やゲイブ幅などを調節しているのが特徴です。
ややシャンクが長く、ハリ先はストレート。さらに懐は深くも浅くもない設計で、オールマイティに使えます。サイズとしては#10~4をラインナップしているので、ワームサイズや喰いの状況を考慮して選ぶようにしましょう。
オーナーばり(OWNER) カルティバ 脇刺フック
ワッキー専用を謳うやや太軸のマス針。独特のベンドカーブをしており、ワームのホールド性に配慮した設計を採用しているのが特徴です。
ラインアイはダウンアイになっており、ハリ先が立ちやすいようにしているのもおすすめポイント。フックポイントはやや内側に入ったインナーカーブ形状で、掛けてからのバラシ軽減にも寄与しています。サイズは#8~1/0までラインナップしており、大小揃っているのも魅力です。
ハヤブサ(Hayabusa) フィネスガード TYPE-D
従来のマスバリ「フィネスガード」を日本人バスプロの青木大介氏がチューニングしたモデル。モノフィラメント素材のガードをハリ先に引っ掛けて使用するのが特徴で、カバー回避とフッキング性の双方に配慮した仕様です。
フックはダウンショットと相性のよい軽量のファインワイヤーを採用。多少入り組んだスポットにもライトリグを送り込めます。サイズは#8~2までラインナップ。気になる方はぜひ試してみてください。
ハヤブサ(Hayabusa) フィネスワッキーガード
著名なバスプロとして知られている青木大介氏プロデュースのマス針。ワイヤーガードが2本用意されており、障害物をある程度回避できるアイテムです。
フックの軸はスムーズに刺さるファインワイヤー仕様で、ベンドカーブはワームのホールド感にも配慮した形状。ハリ先は初期刺さりのよいストレートポイントとなっています。
サイズは#6~1/0までを用意。なお、ラインナップとしては太軸仕様の「パワーワッキー」もあり、こちらはパワーフィネスやベイトフィネスでカバーを攻略したい際に有効です。
ハヤブサ(Hayabusa) N・S・S フック パーフェクション
オカッパリに精通するアングラーの川村光大郎氏がプロデュースしたマス針。従来の「N・S・S フック」にスイベルを付けたバージョンで、スナッグレスネコをセットした際のラインのヨレを軽減しやすくなっています。
ワームのズレを防止するループストッパーや太軸を採用している点は共通。よりストレスなくカバーを撃てるのも魅力のひとつです。サイズは#2~4/0までを用意。大きめのサイズが揃っているので、気になる方はチェックしてみてください。
カツイチ(KATSUICHI) デコイ ショットガード ワーム100 チューンドプラス
中央部に腹刺しするワッキー掛けに特化したマス針。ガード付きタイプのアイテムで杭などの縦ストはもちろん、オダなどのちょっとしたカバーにも対応できるのが特徴です。
チューブ固定のガードはフックポイントに引っ掛ける仕様。簡単には外れないものの、フッキングの妨げにもならないように配慮しています。フックポイントはストレートでやや長め。しっかりとフッキングできれば、ガッチリ深く刺さるのも魅力です。サイズは#5~1をラインナップしています。
カツイチ(KATSUICHI) デコイ カバーフィネスHD ワーム220
複数本のブラシガードがセットされたマス針。その名の通りカバーフィネス向きのアイテムで、ベイトフィネスやパワーフィネスで扱いやすいのが特徴です。
ガードの固定はスレッドでタイイングする仕様。カードを広げたり、角度を調節したりとチューニングが容易にできるのもポイントです。
サイズは#4~3/0と大きめもラインナップ。なかなか口を使わない神経質なビッグフィッシュにも対応可能な製品です。
リューギ(RYUGI) レギュラーガードタリズマン
「ライトリグでも強気に攻めたい」というときにおすすめのマス針。カードは本数多め、かつ強過ぎない仕様となっており、スナッグレス性を意識しつつもフッキングにも配慮しているのが特徴です。
サイズは#3~3/0まで用意されており、ビッグフィッシュに対応できるのもポイント。ヘビーカバー以外であれば比較的どこでも使えるアイテムなので、気になる方は番手別に揃えておくのがおすすめです。
リューギ(RYUGI) フォグショットTC
刺さりのよいおすすめのマス針。表面には滑らかな「TCコート」を施しており、ショートバイトでもしっかりとフッキングできるのが特徴です。
サイズは#8~2まで用意されており、ワームや喰いの状況に応じた繊細な調節が可能。信頼度の高いアイテムなので、気になる方はぜひ試してみてください。
イチカワフィッシング(ICHIKAWA FISHING) ウィード ガード ムカデ
V字ガード仕様のマス針。ややロングシャング気味にデザインされており、ちょん掛けはもちろん、スナッグレスネコやカバーネコでの縫い刺しにも対応しやすいのが特徴です。
ガードの固定はスレッドでタイイングするタイプで、しっかり巻かれているのもポイント。また、「00コーティング」と呼ばれる極薄防錆コートを施しており、鋭利に刺さるのも魅力です。
サイズは#4~1/0までをラインナップ。なお、フックは1パッケージあたり4本入りとなっているので、その点は留意しておきましょう。
イチカワフィッシング(ICHIKAWA FISHING) CT-5
即アワセにも対応できるおすすめのマス針。バスの口でのラインブレイクを避けるべくワイドゲイプ仕様としており、しっかりとフッキングパワーが伝えられます。
やや細軸ではありますが、強度が高いのもポイント。また、貫通力の高いマジックコーディングが施されているので口のなかで滑るほか、上顎の硬い部分でもしっかりと掛かってくれるのも魅力です。
サイズは#8~4までをラインナップ。あらゆるリグに対応できますが、特に細かく動かすリグとの好相性なアイテムです。
バリバス(VARIVAS) ノガレス モスキート ヘビーガード
同ブランドのマス針シリーズ「モスキート」のヘビーガードバージョン。やや細軸のオリジナルモデル、太軸の「モンスター」との間を埋める立ち位置で、汎用性が高いのが魅力のひとつです。
ガードはフックポイントに引っ掛ける仕様で、障害物回避を意識しつつもフッキングにも配慮。サイズは#2~2/0をラインナップしており、ややライトなカバーであればワッキーリグやネコリグをねじ込むことも可能です。
バリバス(VARIVAS) ノガレス ワイルドモスキート ダブルガード
ベイトフィネス用に開発された「ワイルドモスキート」シリーズのダブルガード仕様タイプ。ブラシガードが触覚のような形状をしているのが特徴で、ある程度のカバーであれば跳ね除けられます。
フックの軸はシリーズ共通で、太くしっかりしているのもポイント。サイズは#1~2/0をラインナップしています。縦ストをピンで狙う際や護岸沿いをゆっくりを引きたい際におすすめのアイテムです。
バリバス(VARIVAS) ノガレス アンダーショット ツイスト
オーソドックな形状を採用したおすすめのマス針。純粋なマス針と比較するとやや太めで、ビッグバスにも対応できるのが特徴です。
また、本製品はアンダーショットリグ(ダウンショットリグ)専用と謳っているのもポイント。サイズは#4~0をラインナップしています。ちょん掛けで使うことを前提として開発されているので、オフセットフックとの違いを実感したい方はぜひチェックしておきましょう。
バリバス(VARIVAS) ノガレス スワッキー
ワッキーリグ専用に開発されたおすすめのマス針フック。ワイドゲイプともロングシャンクともいえる製品で、ラインアイからベンドカーブまでに十分な距離を確保しているのが特徴です。
懐が深く、腹刺しでもしっかりとワームをホールドできるのもポイント。サイズは#4~0をラインナップしています。ある程度自重のあるスティックベイトから柔軟性と浮力の高いノンソルト仕様のワームにまで幅広く対応できるので、ワッキーリグを極めたい方はぜひおさえておきましょう。
バリバス(VARIVAS) ノガレス デスロックワイド
ワイドゲイプ・ショートシャンク仕様のマス針。掛けてからの口滑りがよく、ラージマウスはもちろん、より口が硬いスモールマウスにもおすすめのアイテムです。
フックポイントはストレートで、やや長めに設定されているのもポイント。サイズラインナップは#4・#3・#2と少なめですが、フックはそれぞれ10本ずつ入っているので、コスパも良好です。
ゲーリーヤマモト(Gary YAMAMOTO) スペシャルフック
懐が深いワイドゲイプ・ショートシャンク仕様のマス針。小さく細く短めのワームはもちろん、やや大きめであったり、厚みがあったり、長めのワームであっても対応できるのが特徴です。
ベンドガープが2箇所あり、ワッキー掛けをした際やネコリグをセットした際のホールド感も良好。サイズは#8〜2がラインナップされています。
ザップ(ZAPPU) キャプテンフック アイガード
さまざまなメディアで活躍する秦拓馬氏プロデュースのマス針。ガード1本の、いわゆるアイガードタイプの製品で、最低限のカバー回避を意識しつつも、フッキング率向上を図っているのが特徴です。
耐久性のある形状記憶仕様のファインワイヤーをインジェクションで固定しているのもポイント。また、フックポイント下のベンドカーブが「V刺しナロースロート」と呼ばれる直角寄りになっており、ワッキー掛けした際にしっかりとアクションできるよう配慮されているのも魅力です。
ワイヤーは高強度カーボンを採用しており、耐久性も良好。さらにシャンクはロングかつフラットで、キャスト時のすっぽ抜け防止にも寄与しています。サイズは#4〜1を用意。なお、ラインナップにはビッグバス対応の「スーパーキャプテンフック」、さらに同シリーズにはVガード仕様も揃っているのでチェックしてみてください。
ヴァンフック(VANFOOK) デビルダウンショットシングル
スタンダートな形状を採用したおすすめのマス針。フックカラーがブラックとレッドの2種類、サイズが#9〜2と豊富なラインナップが揃っているのが特徴です。
いずれも素材にはハイパワーカーボン鋼を採用しており、しっかりと掛けられるのもポイント。1パッケージあたり10本入りとコスパも良好なので、指名買いはもちろん、まとめ買いを検討している方にもおすすめです。
ダイワ(Daiwa) バサーズワームフックSS G・FN(ガード付フィネス)
フロロカーボン製のガードが付いているおすすめのマス針。本製品はライトリグをカバーに入れるためのVガード仕様で、ダウンショットではオフセットよりもフッキングがよく、ガードなしのマス針よりも根がかりをケアできるのが特徴です。
サイズとしては#4〜1をラインナップ。なお、シリーズとしては「G・WKY(ガード付ワッキー)」も用意されているので、気になる方は併せてチェックしておきましょう。
ダイワ(Daiwa) スティーズ ワームフック SS G・FN(ガード付フィネス)
長年同社からサポートを受けている川口直人氏が監修したマス針。ゲーリーファミリーとしても活躍する同氏のこだわりが感じられるアイテムで、ライトリグ全般に使えるのが特徴です。
また、カードが1本仕様なのもポイント。障害物の軽いタッチはかわしながらもフッキング率に配慮しているのが魅力です。サイズは#5〜1をラインナップしています。
デプス(deps) キンクーフック ウィードレス
その名の通り、同社のストレートワーム「キンクー」のワッキー掛けにマッチしたマス針。強靭さを備えているほか、ソフトベイトをしっかりとホールドするワイドゲイプ仕様となっているのが特徴です。
ハリ先が内側に思いっきり入ったり、大胆にヒネリが入っていたりと、こだわりが感じられるのもポイント。ライトリグにしか反応しないシビアなビッグフィッシュをなんとか獲りたいときにおすすめです。
本製品はガード付きの「ウィードレス」で、サイズは#2と#1/0の2種類。なお、ガードなしもラインナップされており、こちらは#2・#1/0・#4/0の3種類が用意されています。
マス針がバス釣りに使われ始めた頃は、そのまま転用されていたためフックにラインアイはなく、針は外掛け結びでセットするのが基本だったため、面倒だと使用しないアングラーも多くいました。徐々にラインアイのあるマス針が販売されるようになりましたが、こうしたことが「バス釣りしかやっていない人は糸の結び方を知らない」といわれる所以でもあります。興味があればぜひラインの結び方は覚えておきましょう。