ドライな酸味と独特の苦み、そして個性豊かな味を楽しめる「セゾンビール」。綺麗な琥珀色の見た目も魅力的です。現代ではさまざまなセゾンビールが販売されています。

また、最近では日本国内でも多数のセゾンビールが造られており、入手しやすくなりました。そこで今回はセゾンビールの特徴や、おすすめの銘柄をご紹介します。お気に入りの1本を見つけるのも楽しみのひとつ。ぜひ参考にしてください。

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セゾンビールとは?

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セゾンビールとは、フランス語で「季節」を表す「セゾン」を冠したエールビール(上面発酵ビール)のひとつです。

セゾンビールの発祥は1840年頃のベルギー。当時は浄水技術が発達しておらず、夏の農作業中に安全に飲用できる水がありませんでした。そのため、製造過程で煮沸しているビールを飲むようになり、冬の農閑期を利用して造られるようになったのが始まりと言われています。

ただし、農作業中にアルコール度数の高いものは飲めません。そのため、アルコール度数が低いビールが造られましたが、長期間保存には向いていませんでした。

そこで、通常は早い段階で入れるホップをある程度発酵が終わった段階で、直接ビールに入れる「ドライホッピング」をおこなったり、スパイスを加えるなどの工夫を施したりすることで長期間保存を実現。夏場の農作業で楽しめるビールとして愛飲されるようになりました。

セゾンビールの味

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セゾンビールはほんのりフルーティーな香りとホップの苦み、そしてかすかな酸味が特徴です。もともと各農家の自家製だったセゾンビールは、それぞれ製造方法も微妙に違うため異なった味わいを持っています。

近代以前においては、冬から夏まで品質を保つ長期保存のため、スパイスを加えるなど工夫が施されていました。しかし、冷蔵技術が発達した現代では腐敗の心配が少ないため、米麹を使用するなど使用材料の幅が広がっています。

現在ではさまざまな味わいのセゾンビールが造られているので、それぞれを飲み比べて個性を味わうといった楽しみ方ができるのが魅力です。

セゾンビールのおすすめ

常陸野ネスト セゾン・ドゥ・ジャポン

常陸野ネストビール(HITACHINO NEST BEER) セゾン・ドゥ・ジャポン

茨城県の「木内酒造」が展開するビールブランド、「常陸野ネストビール」のセゾンビールです。本銘柄は米麹を掛け合わせてあり、かすかな酸味に酵母のさっぱりとした酸味が重なって絶妙な味わいを作り出しています。

また、香りのアクセントとして柚子果汁を少し使用しているのも特徴。無濾過醸造のため、米麹独特の濁りとともに甘みも感じることができます。日本酒のようにちびちびと飲みながらリラックスしたい方におすすめのセゾンビールです。

サン・フーヤン(SAINT FEUILLIEN) セゾン

サン・フーヤン(SAINT FEUILLIEN) セゾン

ブリュッセルにある「サン・フーヤン」で造られた、黄金のような輝く琥珀色と、柑橘類や桃のようなフルーティーな香りが特徴のセゾンビールです。

原料にスパイスを使用しているため、実際に口にしてみるとコショウのような刺激的な香りが漂います。ビール全体のよいアクセントとなるので、ホップの苦みと麦芽の旨味が合わさって奥深い味わいが楽しめるセゾンビールです。

ブラッスリーデュボック(Brasserie Du Bocq) セゾン1858

ブラッスリーデュボック(Brasserie Du Bocq) セゾン1858

ジンジャーやパインのようなフルーティーな香りが特徴のセゾンビールです。ベルギーの「デュ・ボック醸造所」で、1858年の設立を記念して造られました。

本銘柄は高発酵で滑らかな口当たりが楽しめるほか、無濾過醸造によってホップの苦みと柑橘系の強い香りが際立っています。また、少し濁ったゴールドの見た目も特徴です。

アルコール度数は6.4%と高いものの、甘めの香りが感じられる飲みやすいビールなので、炎天下でのバーベキューやキャンプ、アウトドアシーンで喉の乾きを潤すのにおすすめです。

シリィ(SILLY) セゾン・デ・シリィ

シリィ(SILLY) セゾン・デ・シリィ

ベルギーの「シリィ醸造所」よって醸造されている、ワインのような赤褐色が特徴のセゾンビールです。本銘柄は金属製のタンクで約1年という長い期間熟成させる製法を採用。伝統的な製法で、歴史的価値の高いビールでもあります。

味わいは、見た目同様に赤ワインのような酸味とフルーティな香りが広がり、さらにビールの苦みがバランスよく織り交ぜられているのが特徴。飲みやすさを求める方におすすめの、季節を問わず楽しめる1本です。

レジェンド(legendes) セゾン・ヴォアザン

レジェンド(legendes) セゾン・ヴォアザン

ベルギーの「レジェンド醸造所」で醸造されている、ローストした麦芽の香りと琥珀色のボディが特徴のセゾンビール。良質なホップを使用しており、味わいは余韻が続く苦さが印象的です。

本銘柄は、大麦の栽培から収穫、モルト加工やビール醸造までを一環して製造しているという珍しい製造過程を有し、ベルギービールファンから根強い人気を獲得しています。アルコール度数が5%と軽めなので、食前酒や食中酒としてもおすすめです。

ファントム(Fantome) ダーク・ホワイト

ファントム(Fantome) ダーク・ホワイト

オレンジがかった琥珀色をしており、薬草のような強い苦みがあるセゾンビールです。本銘柄はふんだんに使用されているホップによって、柑橘類のようなフルーティな香りが楽しめます。

また、強い苦みのほかに白桃、りんごのようなさわやかな酸味も感じることができ、奥深い味わいが特徴のビールです。

ファーイーストブルーイング(Far Yeast Brewing) 馨和 KAGUA Japanese Citrus Saison

ファーイーストブルーイング(Far Yeast Brewing) 馨和 KAGUA Japanese Citrus Saison

和製ハーブとして「ゆず」と「山椒」を使用したキレのよいフレッシュな香りと、セゾンのフルーティな香りがバランスよく組み合わさったセゾンビール。複雑ながらクセになる味わいは、やみつきになる方も多く、一味違うビールを探している方におすすめです。

本銘柄はアルコール度数6%と比較的ライトな仕上がりになっており、食前酒や食中酒にもおすすめ。そのほか、パクチーなどの香りが強い素材を多く使用したアジア料理や肉料理、魚料理ともよく合います。

また、やわらかい口当たりの泡とドライな味わいもポイント。日々の疲れを癒しながらくつろぐ場面にもおすすめの、完成度が高いビールです。

デ・ランケ(De Ranke) イクスイクスビター

デ・ランケ(De Ranke) イクスイクスビター

国際的な苦みの単位「IBU値」が65と、きわめて苦みが強いセゾンビールです。IBU値は、国内の一般的なビールが20~25ほどなので、およそ3倍の苦みを有しています。苦みの秘訣として、こだわり抜いて厳選したホップ「ブルワーズゴールド」と「ハラタウ」をホールのまま使用しているのがポイントです。

味わいは、とにかく「苦い」の一言に尽き、ベルギービールのなかでも最上位に位置する苦さが味わえます。また、ホップ由来の柑橘系に似た爽やかな香りも楽しめるようになっているため、ゆっくりとリラックスしたい時にも最適です。

シフォン(Siphon) ブリンケル

シフォン(Siphon) ブリンケル

泡立ちがよく、レモンフレーバーを使用した爽やかな香りが特徴のセゾンビールです。コショウや白桃、ハーブの香りも有しており、さまざまな香りの移ろいが楽しめます。また、口にすると後から感じる心地よい苦みがクセになるのも魅力のひとつです。

本銘柄のアルコール度数は5.5%とやや軽めになっており、食中酒にも適しています。また、暑い日に喉がかわいた時におすすめ。これからセゾンビールを試してみたいという方にもぴったりの銘柄です。

志賀高原ビール Miyama Blonde

志賀高原ビール Miyama Blonde

長野県の「玉村本店」が手がけるブランド「志賀高原ビール」のセゾンビール。原料にこだわり抜いて自家栽培した一等米「美山錦」とホップには「信州早生」を使用しており、個性的なホップの香りとスッキリとした飲み口が楽しめます。

また、原料に1等米を使用しているため、ほのかに甘みを感じる味わいとなっているのもポイント。なお、非常に飲みやすい味わいながらも、アルコール度数は6.5%とやや高めなので、飲みすぎには注意が必要です。