ビールは苦いから得意ではない、と思っている方にぜひ試してほしいのが「ヴァイツェン」と呼ばれるビール。ヴァイツェンは苦みが少なく、フルーティーな飲み心地が特徴のエールビールの一種で、女性にも人気です。
エールビールが主流のヨーロッパでは、ヴァイツェンの銘柄が豊富に存在しています。最近では日本でもクラフトビールの1ジャンルとして盛り上がりを見せているスタイルです。今回はヴァイツェンのおすすめを紹介します。
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ヴァイツェンとは、上面発酵で造られるエールビールの一種。日本でよく飲まれているラガータイプとは製造方法が全く異なるビールです。
ラガービールは大麦麦芽を主原料として、下面発酵で造られます。対して、ヴァイツェンは大麦麦芽・小麦麦芽・ヴァイツェン酵母を使用し、上面発酵で造られているのが特徴です。
ちなみに、ドイツのバイエルン州に限ってはヴァイスビアという名称が使われますが、同じ種類のビールを指しています。
ヴァイツェンの特徴
ヴァイツェンは、苦みがほとんどなくフルーティーで、甘いバナナのような香りがするのが特徴です。口当たりがなめらかで、のどごしもスッキリしているため、女性からも人気があります。
泡立ちのよさも特徴のひとつ。基本的にはボトルから直飲みはせず、静かにグラスに注いで泡の量を調整します。泡持ちがよく、クリーミーな口当たりが長く楽しめるのがポイントです。
飲み頃の温度は、10~13℃と少しぬるめ。キンキンに冷やして飲むより、常温に近い温度のほうが独特の香りやコクを存分に楽しむことができます。
ヴァイツェンの種類
ヘーフェ・ヴァイツェン
製造の途中でビール酵母をろ過せず、そのまま瓶詰めしたヴァイツェンです。酵母が底に沈殿するので、注ぐ前に瓶をゆっくりと逆さにすることで、底に沈殿した酵母までしっかりとグラスに注ぐことができます。
デュンケル・ヴァイツェン
ローストしたモルトを使用しているのが特徴のヴァイツェンです。香ばしい香りと黒ビールのようなダークブラウンの色合いが現れます。コクがありますが、黒ビールのようにロースト感のある苦みはあまり感じないため、ビールの苦味が得意ではない方にもおすすめです。
ヴァイツェン・ボック
アルコール度数が約7~9%とやや高めなのが特徴のヴァイツェンです。深みや力強いコクが感じられる味わいで、飲みごたえがあります。ヴァイツェンボックのなかでも色合いは黄色から茶色まで幅があり、麦のロースト度合いによって、細かいバリエーションがあるのも特徴です。
ヴァイツェンのおすすめ
エルディンガー ヴァイスビア ヘーフェ
エルディンガーは、ドイツのバイエルン地方のヴァイツェン醸造所です。ヴァイツェンの生産量は世界トップクラスで、ドイツはもとより、世界中で愛飲されています。本銘柄は、瓶詰めしたあとに酵母を瓶内で二次発酵させるため、きめ細かくクリーミーな泡立ちが楽しめるのが魅力です。
小麦由来の甘い香りとフルーティーな味わいが特徴。ほのかにホップの苦みが感じられるため、甘すぎるという印象はなく、引き締まった風味に仕上がっています。
エルディンガー ヴァイスビア デュンケル
ドイツのバイエルン地方最大のヴァイツェンメーカー、エルディンガーが造るデュンケル・ヴァイツェンです。ローストされた麦芽の香ばしさが際立っていて、ほのかにチョコレートのような香りも楽しめます。
ヴァイツェンの酸味や甘みとともに、デュンケル特有のコクが感じられるのも特徴。クリーミーな泡とのバランスも絶妙です。
黒ビールのような強い苦みがないので、比較的飲みやすいのもポイント。ショコラのような濃い茶色と、もこもこの泡のコントラストは見た目にも楽しく、食卓を華やかに演出します。
フランチスカーナー ヘフェ ヴァイスビア ゴールド
フランチスカーナーは、ドイツのバイエルン地方有数の醸造所です。ヴァイツェンを含むビールの原料として、地下200mからくみ上げた良質な水を使用しているので、まろやかでフレッシュな味わいが生まれます。
本銘柄は、特有のバナナのような甘い香りのなかに、ピリッとスパイシーな香りが感じられるのが魅力。苦みはほとんど感じられず、甘みのある味わいで舌触りもなめらかです。普段ビールを飲まない方にもおすすめします。
フランチスカーナー ヘフェ ヴァイスビア ドゥンケル
フランチスカーナーはドイツのバイエルン地方有数の歴史あるヴァイツェンメーカーです。本製品は、ヴァイツェン特有のバナナに似た香りに加えて、麦芽のロースト香が豊かなデュンケル・ヴァイツェン。甘みとともに酸味や香ばしさが感じられる複雑な風味なので、飲みごたえがあります。
フルーティーさと豊かなコク、軽やかな飲み心地を兼ね備えているため、ビールの苦手な方はもちろん、ビール好きな方にも飲んでもらいたい個性的なヴァイツェンです。
シェッファーホッファー ヘフェ ヴァイツェン
シェッファーホッファーは、ドイツ南部特有の白ビールをドイツ全土に広めたことで知られる比較的新しいブランドです。本製品はバナナのようなフルーティーさと、シトラス系の爽快な酸味のバランスのよさが特徴。
さらっと飲み干せるライトな飲み口でどんな料理にも合わせやすいため、世界中で高い評価を得ています。時間が経ってぬるくなっても美味しく飲めるので、キャンプや屋外でのバーベキューなどのアウトドアシーンにも最適です。
ヴェルテンブルガー ヘフェ ヴァイスビア ヘル
ドイツのバイエルン地方最古の、ヴェルテンブルグ修道院で醸造されるヴァイツェン。海外ビールのなかでも比較的手に入れやすいのが魅力です。
バナナのようだと形容される甘い香りは、ほかのヴァイツェンに比べると控えめですが、65%使用した小麦由来の華やかな香りが優雅で上品に立ちのぼります。
きめ細かくクリーミーな泡に、やや濃いめのオレンジ色をしたヴァイツェンの色合いが美しく映えるのも魅力。控えめな苦みと強めの炭酸で、爽快感のある飲み心地です。
パウラーナー ヘーフェ ヴァイスビア
パウラーナーはミュンヘンにある大手醸造所です。ドイツ国内でのビールの売り上げではトップクラスを誇り、ドイツ最強のサッカーチームであるバイエルン・ミュンヘンのメインスポンサーとしても知られています。本製品はクリーミーな泡立ちが特徴的なヘーフェ・ヴァイツェンです。
泡持ちがよいため、風味が逃げにくいのもポイント。レモンを思わせる柑橘系のさわやかな酸味と、やさしい甘味が感じられます。まろやかですっきりした印象のビールのため、ヴァイツェン初心者にもおすすめの銘柄です。
日本ビール 白濁(しろにごり)
海外のビールの輸入に力を入れている日本ビールという会社が造る、オリジナル製品のヴァイツェンです。ヴァイツェン特有の底に沈殿する濁りを均一にするために、あらかじめ缶を上下逆さまにしたデザインが目を引きます。
日本のみでの販売ですが、醸造は本場ベルギーで行われているのがポイント。厳選された大麦と小麦をじっくり丁寧に焙煎し、美しい色合いと芳醇な味わいを引き出しています。フローラル系のやわらかい香りがするのが特徴で、酵母の甘みとわずかな酸味のバランスも絶妙な銘柄です。
銀河高原ビール 小麦のビール
銀河高原ビールは、岩手県の豪雪地帯の村おこし事業の一環として、1996年に創業されたクラフトビールメーカーです。本製品は酵母入りのヘーフェ・ヴァイツェンで、伝統的なヴァイツェンの製法をもとに日本でアレンジして造られています。
贅沢に使用した小麦の甘さや酵母由来のフルーティーで華やかな香りが特徴です。アジアで最も権威ある国際ビール品評会「アジアビアカップ」では、2017年にヴァイスビア部門で金賞を受賞するなど、海外でも高く評価されています。
国産ビールなので、飲みたいときに気軽に入手できるのがメリット。同メーカーはクラフトビールのなかでも有名で、価格も手頃なので、ヴァイツェンを飲んだことがない方にもおすすめです。
富士桜高原麦酒 ヴァイツェン
富士桜高原麦酒は、1997年に山梨県の富士山麓に創業したクラフトビールメーカーです。本製品はバナナのような甘い香りと、酵母が作り出す極小のきめ細かい泡が絶品のヘーフェ・ヴァイツェン。甘くまろやかでフルーティーな味わいは、各種品評会での評価も高く、アジア圏へ輸出もされています。
仕込水である富士山の天然水はミネラル豊富な軟水なので、ビール醸造に最適。スルッと飲みやすくてコクがあるヴァイツェンなので、ビールが苦手な方はもちろん、ビール好きな方も満足できます。
木内酒造 常陸野ネストビール ヴァイツェン
常陸野ネストビールは、茨城県にある日本酒の酒造が手がけているクラフトビールのブランドです。覚えやすいふくろうのラベルがトレードマーク。ニューヨークで人気が出たのを皮切りに全米で認知されるようになり、現在では世界30か国以上に輸出されています。
本製品はドイツの農林省(DLG)から2年連続で金メダルを授与され、イギリスの品評会でも金メダルを獲得するなど、本場でもお墨付きのヴァイツェン。クセがなくソフトでなめらかな口当たりが感じられ、特有の甘い香りが心地よく鼻をくすぐります。小麦麦芽の華やかな味わいが存分に楽しめる一品です。
南信州ビール デュンケル ヴァイツェン
長野県の南信州ビールは、中央アルプスの雪解け水を含んだ良質な水を利用して、数々のエールビールを製造しています。本製品は濃厚で、とろりとした香ばしい味わいが特徴のデュンケル・ヴァイツェンです。
特有のロースト香とバナナのような甘い香りが混ざり合った、カラメルのような濃厚な香りが特徴。本銘柄を存分に楽しむためには、ぬるめの温度でしっかり香りを立たせましょう。
濃いこげ茶色の見た目で個性的な味わいのビールですが、比較的飲みやすいので、いつもと違うビールを試してみたいときにおすすめです。
御殿場高原ビール ヴァイツェンボック
御殿場高原ビールは静岡県にあり、本場ドイツから職人を招いて1995年に開業しました。醸造所にはレストランが併設され、ビールに相性のよい料理とできたてのビールが一緒に楽しめることからも人気があります。
本製品はアルコール度が7%と高いのが特徴の無ろ過ビールで、ヴァイツェン・ボックに分類されます。高いアルコール度数による力強い旨味とコクや芳醇な香りが感じられ、個性的ですが、後味がスッキリしているので飲みやすいのがポイントです。
ビールのなかでも苦みが少ないヴァイツェンは、ビールが苦手な方でも飲みやすいことから、じわじわと人気が上昇中です。最近は日本でもクラフトビールを提供するお店も増えてきており、ビールの選択肢が増えつつあります。今回の記事を参考に、フルーティーでまったりとした味わいのヴァイツェンに挑戦してみてください。