日差しが照り付けるようになってくると恋しくなるのが冷たいラガービール。クリアな味で喉越しがよくどんな食事にも合うので、古くから多くの日本人に愛されているビールです。

ラガービールにはいくつかの種類があり、それぞれの違いを知って飲み分けると楽しみ方が広がります。そこで今回はラガービールのおすすめの銘柄をご紹介。あわせて定義や種類についても解説します。

ラガービールとは?

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ビールは麦汁にホップを加えて煮沸し、酵母を加えて発酵させる方法で製造します。発酵の工程で「下面発酵」を行うことでラガービールができ上がります。

「下面発酵」とは、0~15℃ほどの低温で約7~10日かけて発酵させてアルコールと炭酸ガスを発生させる方法。発酵が進むと酵母が下に沈殿するため「下面発酵」と呼ばれています。

ラガービールは「下面発酵」の後に樽に移されて「第二発酵」を行い、ここで残っていた酵母が再び活動して低温発酵が促進されます。二次発酵が始まってから2週間~1ヶ月ほどでラガービールの完成です。

ラガービールの特徴

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長時間の発酵を経て完成するラガービールは、雑味のないクリアな味わいが特徴。その味は「淡麗辛口」と表現され、すっきりして喉越しがよいためどんな料理にも合わせやすく人気があります。

また、ラガービールの飲み方としては、5℃前後にしっかり冷やして飲むのがおすすめ。冷やすとより味わいがクリアになり、喉越しがよくなります。味の濃い料理に合わせてグイっと飲むと、料理もビールもさらにおいしく感じられるのでおすすめです。

低温でじっくり発酵させるラガービールは、香りが穏やかなのも魅力。料理の香りを損なう可能性が少ないので、香辛料や香味野菜をふんだんに使ったレシピと合わせるのもおすすめです。

ラガービールとエールビールの違いは?

エールビールとラガービールの大きな違いは「発酵温度」と「発酵期間」。エールビールは麦汁を約20~25℃の常温で3~4日程かけて発酵させ、酵母を上に浮かせる「上面発酵」で製造します。

ラガービールは完成までに約1ヶ月かかりますが、エールビールは熟成や発酵の期間が短いため約2週間で完成。主にヨーロッパで飲まれており、ラガービールに比べて色合いが濃いので見た目からも違いが判断できます。

エールビールは味わいが濃厚で香りが強いのが特徴。「淡麗辛口」のラガービールに対し「芳醇旨口」と表現されることもあります。飲みごたえがあって味わい深いので、チーズなどのおつまみに合わせてゆっくりと味わうのがおすすめです。

ラガービールの種類

ピルスナー

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ピルスナーはチェコで誕生した最もポピュラーなラガービール。原料に淡色麦芽と軟水を使用して製造される黄金色のビールで、キリっとした苦味があり、喉越しが爽快なのでどんな料理にも合わせやすいのが魅力です。

日本のビールメーカーが製造する「プレミアムモルツ」や「一番絞り」などもピルスナーに分類されます。日本人が馴染みやすい味わいなので、種類が豊富なのもポイント。海外でも多数製造されており、世界的に飲まれているビールです。

デュンケル

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デュンケルはドイツのバイエルン地方で作られる「ロースト麦芽」を使用した褐色のラガービール。デュンケルはドイツ語で「暗い」を意味していますが、真っ黒なビールではなく濃い褐色のビールです。

ラガービールであるデュンケルも下面発酵で製造されるため、シャープでさっぱりした味が特徴。色が濃いので味も深みがあるように見えますが、甘みとコクがあるのでビールの苦みが苦手な方でも楽しめます。

メルツェン

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「メルツェン」はドイツ語で「3月」を意味する言葉。ドイツのミュンヘンで開かれる世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」へ提供するために3月から仕込まれるのでこの名が付いています。

3月に仕込みが始まるメルツェンは夏の間も貯蔵する必要があるため、アルコール度数を高めて濃く作ることで腐敗を防いでいます。3月から10月までの半年間という長期の熟成を行うことがメルツェン最大の特徴です。

長期熟成によりホップの香りが薄れるメルツェンは、角が取れてまろやかな味になります。苦みも弱くドライな味なので、グビグビ飲むのに最適なラガービール。美しい赤褐色なので、グラスに注いで色を楽しむのもおすすめです。

ボック

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ボックは17世紀ごろから南ドイツのミュンヘンで製造されてきたラガービール。ヨーロッパ各地や世界各国に輸出するため、長距離の輸送を可能とするべくアルコール度数が高めに作られているのが特徴です。

ボックには「雄ヤギ」という意味があり、雄ヤギのように力強いビールを表現するためにこの名が付けられたと言われています。ロースト麦芽を使ったやや濃い褐色のラガービールです。

アルコール度数を高めるために麦汁を濃い目に作っているため、味わいはかなり濃厚。ローストした麦芽の香りも強く、かなりパンチのきいたビールです。見た目よりは苦みが少なく、麦芽の味をじっくり味わえます。

ヘレス

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ヘレスはドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州を中心として製造されているラガービール。ヘレスはドイツ語で「明るい」を意味しており、ビールの色も美しい黄金色をしています。

ヘレスはローストしていない淡色麦芽を下面発酵させて作るため、あっさりした味が特徴。独特の味わいや強い香りもないので、さまざまな料理と相性がよく人気があります。

製造工程も色合いも同じラガービールの一種であるピルスナーに近いヘレスですが、ホップの苦みを抑え気味にして麦芽の旨味を強調しているのがピルスナーとの大きな違い。甘みもあるので、いつものピルスナーに飽きた時におすすめのラガービールです。

ラガービールのおすすめ

サントリー(Suntory) ザ・プレミアム・モルツ

サントリー(Suntory) ザ・プレミアム・モルツ

日本のビールメーカーが製造するプレミアムビールとして人気を誇るピルスナータイプのラガービール。華やかなホップの香りが心地よく、鼻を近づけるだけでしっかり香りを感じられるのが特徴です。

高品質の「アロマホップ」と「二条大麦」を使用し、味を決める「ダイヤモンド麦芽」と「天然水」を加えて作られる味わいは格別。徹底的にこだわり抜いた素材だけを使用しているため、深いコクと旨みを楽しめます。

プレミアムモルツは特別な日に飲みたいビール。ラベルのデザインも高級感があり、見た目でも楽しませてくれます。独特な苦みや深い味わいが苦手な方でもおいしく飲めるラガービールです。

アサヒ(Asahi) スーパードライ

アサヒ(Asahi) スーパードライ
1987年に日本初の辛口ビールとしてデビューし、日本のビール業界に衝撃を与えた名品。「洗練されたクリアな味・辛口」のキャッチフレーズ通りの雑味がないすっきりとした味わいが特徴です。

2011年にはビール界のオスカー賞と言われる「BIIA」で金賞を受賞。ほかにはない硬質な酸味があり、絶妙な爽快感を感じられます。出荷量も多く、世界各国でも人気のラガービールです。

しっかりした苦みとキレがあってさっぱりした味わいなので、味の濃い料理にも最適。香りも強すぎないので、ホップの香りが苦手な方にもおすすめです。

キリン(KIRIN) ラガービール

キリン(KIRIN) ラガービール
明治創業の老舗メーカーとして有名なキリンビールがビール作りの原点と位置付けている「ラガービール」。海外にも幅広く流通しており、世界各国から高評価を受けています。

ラガービールの特徴は、ホップを効かせた痛快な刺激。コクが深く味にキレがあるバランスのよさが人気の理由です。2010年に改良され、ホップの効いた苦みを残したまま端正な軽い味わいへと生まれ変わっています。

どんな食事にも合うすっきりした味わいなので、冷蔵庫にストックして日々の晩酌のお供にするのがおすすめ。何を飲もうか迷ったときにセレクトすれば「やっぱりこの味」と満足ができ、食事をおいしく味わえます。

ラーデベルガー(Radeberger) ピルスナー

ラーデベルガー(Radeberger) ピルスナー
ドイツ国民が選んだ「ビール顧客満足度No.1ビール」として一躍有名になったラガービール。歴代のドイツ国王も愛飲したと言われており、王室御用達のビールとしても知られています。

ピルスナー特有のキリっとした苦みに上質なコクが加わり、口に含むとふわっとホップの香りが広がるのが特徴。美しい黄金色なので、お気に入りのビールグラスに入れて楽しむのがおすすめです。

モルトの爽やかさが感じられるすっきりした味わいは多くの人を魅了しています。ドイツソーセージやジャーマンポテトなどの脂っこくて塩気の効いた料理に合わせてグイっと飲むのがおすすめです。

シュレンケルラ(Schlenkerla) ラオホビア メルツェン

シュレンケルラ(Schlenkerla) ラオホビア メルツェン
ユネスコ世界遺産に指定されているドイツ南部のバンベルグは旧市街地が「小さなベニス」と呼ばれることもある美しい街。バンベルグで製造されているラオホビールは真っ黒な燻製ビールとして有名です。

ラホオはブナの木を燃料にして1日以上燻した「燻製モルト」を使って醸造します。ホップを加える工程から麦芽煮沸までに9時間前後を要し、4~5日かけて下面醗酵させるため完成に約2ヶ月かかるビールです。

グラスに注ぐとスモーキーな香りが漂い、クリーミーな泡が立つのが特徴。真っ黒な見た目から想像する味とは違い、口当たりが柔らかで苦みが後から広がります。チーズやオリーブなどのおつまみと合わせてゆっくり味わいたいビールです。

ステラ・アルトワ(Stella Artois) ステラ・アルトワ

ステラ・アルトワ(Stella Artois) ステラ・アルトワ
ベルギー国内で輸出量ナンバーワンを誇るプレミアムラガービール。グラスに注ぐと淡い金色に輝き、若草のような爽やかな香りが漂います。ピルスナータイプでキリっとした苦みがあり、万人受けするビールです。

ビール大国として有名なベルギー国内で消費されるビールのうち、70〜75%を占めるのがステラ・アルトワ。一日の終わりに飲みたいと思わせるキレと爽やかさの秘密は麦芽の量。多めの麦芽を用いることでホップの香りをふんだんに引き出しています。

世界80ヶ国で飲まれている「ステラ・アルトワ」は、日本人にも馴染みやすい味です。苦みとコクが程よく、和食にも洋食にもよく合います。初めてベルギービールを飲む方にもおすすめです。

シュナイダーヴァイセ醸造所(Schenider Weisse) アイスボック

シュナイダーヴァイセ醸造所(Schenider Weisse) アイスボック
シュナイダーヴァイセ醸造所は、1872年からドイツのバイエルン州で小麦ビールの醸造を行っている最も古い醸造所。地元の契約農家が栽培した小麦のみでビールを製造していることでも有名です。

アイスボックは天然のアイスセラーのなかでビールを熟成させ、氷の部分を除去してアルコールを12%まで高めているのが特徴。ワインに近い芳醇な香りと濃厚なアルコールのバランスが絶妙で飲む人を楽しませてくれます。

グラスに注ぐと濃い褐色のビールが深い色味を輝かせ、目でも楽しめるのが魅力。アーモンドや青リンゴのような独特の香りも癖になります。チーズや生ハムと共にラガービールをじっくり味わいたい方におすすめです。

サミエルアダムス(SAMUEL ADAMS) ボストンラガー

サミエルアダムス(SAMUEL ADAMS) ボストンラガー
1984年にボストンの若き醸造家が作り出した「サミエルアダムス・ボストンラガー」。アメリカの伝統と歴史のある地ビールとして有名で世界各国に輸出されています。

アメリカビールは味も色も薄めのモノが多いなか、濃いめで適度なコクと苦味があるのが特徴。すっきりとした喉ごしなのでステーキやフライとの相性もよく、女性でも飲みやすいのが魅力です。

ホップとモルトの心地よい香りが口の中に爽やかに広がり、後味もよいので飲めば飲むほどおいしさを実感できます。いつものビールに飽きたら飲みたいアメリカのラガービールです。

コロナ(Corona) コロナ・エキストラ

コロナ(Corona) コロナ・エキストラ
コロナは世界170ヶ国で販売されているメキシコビール。日本が海外から輸入するビールのなかでもトップクラスの輸入量を誇っています。瓶に詰められた黄金色のビールは異国情緒を感じさせ、世界各国でも大人気です。

ピルスナータイプのすっきりした味わいなので、辛口の料理や揚げ物との相性が抜群。アルコール度数はビールの中でも低めの4.5%なので、お酒が苦手な方でも気軽に楽しめるのが魅力です。

コロナはライムやレモンを絞って瓶のまま飲むのがおすすめ。コロナのほろ苦い味わいには柑橘系の酸味がよく合います。メキシカンフードやピリ辛料理にぴったりなビールです。

ビンタン(Bintang) ビンタン

ビンタン(Bintang) ビンタン
ビンタンはインドネシアで最も飲まれているピルスナータイプのラガービール。インドネシアで「星」を意味するビンタンはバリ島でもよく飲まれており、観光客を魅了しています。

グラスに注ぐと美しい黄金色が輝き、ライトな麦芽の香りが漂うのが特徴。口にするとほのかにレモンのような香りが感じられ、さわやかな口当たりでグイグイ飲み干せます。

適度なコクがあり苦みが少ないので、軽い味のビールを好む方におすすめ。スパイシーな東南アジア料理やカレーなどによく合います。暑い日の夜に乾いた喉を潤すのにぴったりなラガービールです。