1日の締めくくりや暑い夏に飲みたいものと言えば、しっかり冷やした「ビール」。日本のビールメーカーでは、キリン・アサヒ・サントリー・サッポロ・オリオンの5つが代表的で、それぞれ独自の路線を打ち出しています。

最近は、小規模生産で作られる個性的な味のクラフトビールや海外ビールも人気があるため、大手のメーカーのビールと飲み比べてみるのもおすすめです。今回は、ビールメーカーの特徴やおすすめ製品をご紹介。日本の大手メーカーだけでなく、クラフトビールや海外ビールもあわせて解説します。

日本の5大メーカーの特徴と歴史

キリン(KIRIN)

明治の初めに日本で初めて大衆向けにビールを醸造販売した企業をルーツにもつ、日本ビール界の草分け的存在です。長い間、国内トップクラスのシェアを維持し続けています。

ラベルには中国神話に現れる伝説の獣、麒麟が描かれており、1888年のビール発売当初から使われているおなじみの絵柄です。本格的なドイツ風ビールを作りたいという創業時の信念を貫いているため、苦みの効いたビールが同メーカーのブランドイメージとして定着しています。

キリン(KIRIN) キリンラガービール

ラガーとは、下面発酵酵母を使って低温発酵で作られたビールのことです。中世以降に開発された製法で、日本の大手メーカーが手がけるビールのほとんどがこの製法で作られています。すっきりとした爽快な喉越しで、飲みやすいのが特徴です。

本製品はメーカー創立時から長きに渡って愛されているロングセラー銘柄。キリンが得意とするホップが効いた苦みとコクのある味わい、キレのある後口に虜になるファンが後を絶ちません。食事にも合わせやすいので、毎日の晩酌にもおすすめです。

キリン(KIRIN) 新・キリン一番搾り生ビール

ろ過温度を低温にすることで、麦の旨味を引き立たせ、バランスのよい味わいを実現した銘柄です。最初に流れ出る一番搾り麦汁だけを丁寧に取り出して作られており、クリアで上品な味わいが持ち味となっています。

副原料を一切使わず、原料は麦芽とホップのみ。一般的なビールと比べて1.5倍の麦を贅沢に使用し、素材の味が生かされた旨味たっぷりのビールに仕上がっています。

雑味や渋みのないすっきりとした味わいで、初心者にも飲みやすい1本。ビールをたくさん飲みたくなる暑い日や、屋外でのBBQのお供にもおすすめです。

アサヒ(Asahi)

1889年に設立された企業を起源とする歴史あるビールメーカーのひとつです。「コクとキレ」を前面に打ち出して大ヒットを記録した「スーパードライ」の発売以降は、キリンとトップシェア争いを繰り広げるほどに成長しました。

特に、鮮度に対するこだわりが強く、出来たての味を保つための技術向上や物流システムの効率化などに挑戦しているメーカーです。

アサヒ(Asahi) アサヒスーパードライ

1987年に日本初の辛口ビールとして発売された銘柄です。それまでの苦み・旨味にこだわったビールの常識を覆し、さらりとした透明感のある味わいとキレのあるのど越しで爆発的なヒットを記録した製品です。

ドライな風味の中に、とがった酸味が感じられるのも特徴のひとつ。刺身などのあっさりしたものから、天ぷらや餃子などこってりしたものまで、どんな料理とも相性がよく、さっぱりと喉を潤します。爽快な喉越しを重視する方におすすめです。

サントリー(SUNTORY)

1899年に創業した葡萄酒を製造する会社を起源とし、長年ワインやウイスキーを主力製品としていたメーカーです。ビール業界に本格的に参入したのは1963年。すべてのビールを天然水仕込みにするなど、洋酒作りのノウハウを活かしたビール作りをしています。

2005年には「ザ・プレミアム・モルツ」がビールとして日本初のモンドセレクション最高金賞を受賞。1994年に発売した発泡酒で発泡酒界の販売競争を加速させるなど、ビール業界における時代の立役者としての一面を持ったメーカーです。

サントリー(SUNTORY) ザ・プレミアム・モルツ

華やかな香りと深いコク、きめの細かい泡が特徴のビールです。サントリーこだわりの天然水に、旨味のつまった特別な麦芽を使い、丁寧な2度の煮出しによってコクを生み出しています。

アロマホップの芳醇な香りも特徴です。加えて、フルーティーな余韻が比較的長く続くので、ビールを味わって飲みたい方に向いています。食中酒としてより、ビール単体で、または前菜や軽いおつまみと合わせて飲むのがおすすめです。

サッポロ(SAPPORO)

本場ドイツの醸造会社でノウハウを磨き、1876年に北海道の札幌で創業したメーカーです。同メーカーの赤い星マークは、北海道開拓使のシンボルである五稜星がモチーフ。広大な北海道の土地を生かして自ら大麦やホップの品種改良をおこなうなど、モノ造りにこだわる開拓者精神をモットーに掲げています。

代表的な銘柄は、「黒ラベル」と「ヱビス」。黒ラベルはコアなビール好きに愛されており、ヱビスはプレミアムビール界で根強いファンを持っているのが特徴です。

サッポロ(SAPPORO) サッポロ生ビール 黒ラベル

苦みがやや強く、麦の旨味が存分に感じられるビール好きのためのビールです。「大人の生」をコンセプトに、飲み心地と後味のバランスが取れたビールを実現しています。

一口目の美味しさが最後まで続くと謳われている、サッポロが独自開発した「旨さ長持ち麦芽」を使用しているのが特徴です。ビールを劣化させる成分を持たないため、味や香りの鮮度を保ち、泡持ちをアップさせる効果があると謳われています。

初心者にはクセが強く感じられることがありますが、個性的な風味からビール好きに愛されている1本です。

サッポロ(SAPPORO) ヱビスビール

素材や製造法にこだわり、プレミアムビールの先駆けとなった製品です。副原料を一切使わず100%麦だけで製造した上質な旨味と、ヱビス酵母を使用した華やかな香り、通常の1.5倍の長期熟成で生まれるコクが魅力。透明な黄金色のビールは、ほかの銘柄と一線を画す味わいを持っています。

金色のベースカラーに恵比須様が描かれたパッケージデザインは高級感があり、お祝いの席や贈答品にもぴったり。しっかりしたコクと苦みがある濃い風味のビールなので、食事のお供にするより単体でじっくり味わうのがおすすめです。

オリオン(Orion)

1957年に沖縄の地域経済の繁栄を目指して創業したメーカーです。公募により決まった社名は、星座のオリオン座が由来。当時沖縄を統治していた米軍の最高司令官の象徴である「スリースター」がラベルにデザインされています。

国内ビール業界でのシェア率は低いものの、沖縄県内では最大のシェアを有し、県民に愛され、地域に根付いているビールです。苦みの効いたドイツ風ビールではなく、さっぱりとしたアメリカ風の味わいが特徴です。

オリオン(Orion) オリオンドラフト

爽やかですっきりした味わいが特徴の沖縄生まれのビールです。軽くてキレがある飲み心地は、太陽がサンサンと降り注ぐ沖縄のリゾート風景にぴったり。苦みが少なくクセがないため、初心者やビールが苦手な女性にもおすすめです。

沖縄を旅行で訪れて初めて味わうという方も多く、現地でその飲みやすさにはまる方が多数います。ガブガブ飲んで喉の渇きを潤したいときや、食事の味を邪魔しない食中酒としておすすめです。

海外メーカーの特徴と歴史

ギネス(Guinness)

1759年に創業された世界的に有名なアイルランドのビールメーカーで、日本ではキリンが輸入販売を行っています。独自の焙煎工程によって生まれる豊かな味わいと、黒ビールと呼ばれる濃い色味のビールが特徴です。

ギネス(Guinness) ギネス エクストラスタウト

スタウトとは焙煎した茶色麦芽を使用して作られた黒ビールのことです。本製品は苦みと甘みが調和した深いコクが特徴。現ラインナップの中でも初期のギネスに近い味わいと言われています。

スモーキーなロースト香はややクセがありますが、キレがあり余韻が少ないので、黒ビールのなかでは比較的飲みやすいのもポイント。注ぐとクリーミーに泡立ち、白と黒のコントラストに特別感が漂う1本です。重厚などっしりとしたボディで、たくさん飲まなくても満足感が味わえます。

コロナ(CORONA)

日本の輸入ビールでトップクラスのシェアを誇るメキシコのビールメーカーです。代表銘柄であるコロナ・エキストラは、世界160か国で販売されています。冷やしたボトルにカットライムを挿して、直飲みするスタイルで有名です。

コロナ(CORONA) コロナ・エキストラ

「立って飲むのがお行儀です」のキャッチコピーに表されるように、直飲みするリゾートスタイルで知られる海外ビールです。

おしゃれなボトルデザインは、若い世代からの支持が絶大で、ビーチ・お祭り・フェス会場など人が大勢集まるシーンや、太陽がサンサンと照りつける夏にぴったり。

苦みが控えめですっきりとした飲み口なので、ビールが苦手な方でも飲みやすくなっています。ライムを加えると麦の香りが引き立ち、さらに爽快な喉越しに。喉をスカッと潤したい暑い日におすすめです。

ハイネケン(Heineken)

1863年創業のオランダのビールメーカーです。世界100か国に醸造工場を持ち、ビール業界では世界第3位のシェアを誇ります。日本ではキリンが販売し、国内輸入ビールのなかでもトップクラスの人気です。

ハイネケン(Heineken) ハイネケン ロングネック

リッチなコクと、独自の酵母を使用したフルーティーさが特徴の海外ビールです。ハイネケンのためだけに開発されたハイネケンA酵母が、世界中で愛される味わいの秘密。副原料を使用せず麦100%で仕上げたビールは、程よいコクも感じられます。

緑色の瓶に赤い星マークのボトルデザインも爽やかでおしゃれ。ライトな飲み口で風味のバランスがよいので、海外ビール初心者や苦いビールが苦手な方にもおすすめです。

クラフトビールメーカーの特徴と歴史

ヤッホーブルーイング

1996年に長野県軽井沢で創業されたクラフトビールメーカーです。海外で出会ったエールビールに衝撃を受けた創業者が、日本の酒税法改正により小規模醸造が可能となったのを機に設立しました。ペールエールをはじめ、ベルジャンホワイトやスタウトなどさまざまなスタイルのクラフトビールを製造しています。

ヤッホーブルーイング よなよなエール

ヤッホーブルーイングが初めて製品化したクラフトビールです。アメリカンペールエールと呼ばれる種類のビールで、アロマホップ「カスケード」の香りが豊かに香るクラフトビールの王道とも言える1本。

グレープフルーツやレモンのような爽やかなホップがフレッシュに香り、余韻が長続きします。飲み頃の温度は、飲む直前に少し冷やした13℃ほど。夜な夜な味わってほしいという願いをこめて付けられたネーミングと、おしゃれなパッケージに気分も上がります。

ヤッホーブルーイング インドの青鬼

インディアペールエール(IPA)というペールエールのなかでも苦みが強いスタイルのクラフトビール。口に含むと強烈な苦みを感じますが、不思議とクセになる味わいが特徴です。通常量の2倍のホップを使用することで、強い苦みと7%という高めのアルコール度数に仕上がっています。

軽く冷やしたぬるめに感じる13℃くらいが、香りとコクが引き立つ最適な温度です。ワインのように舌で転がしながらゆっくり味わうのがおすすめ。カレー・餃子・麻婆豆腐など香りの個性が強い料理との相性も抜群です。

銀河高原ビール

1996年に岩手県の豪雪地帯の村おこし事業の一環として創業されたクラフトビールメーカーです。小麦麦芽を50%以上使用し、独自の酵母で醸造するヴァイツェンビールにこだわっています。

銀河高原ビール 小麦のビール

南ドイツ伝統のヴァイツェンというスタイルを元に、日本でアレンジされた製法で作られたクラフトビールです。同メーカーの中でも定番製品で、小麦と大麦をブレンドして作られています。小麦麦芽を贅沢に50%以上使用し、ビール酵母をろ過せずに仕上げたビールは、バナナのような甘い香りとまろやかな味わいが特徴。

フルーティーな飲み心地は、一般的なビールのイメージを覆すほどの衝撃があります。ビールの苦みが苦手な方でも飲みやすいことに加えて、きちんと旨味も感じられるおすすめのビールです。

コエドブルワリー

1996年に埼玉県で創業したクラフトビールメーカーです。有機農業を営む際の肥料として、麦作りに目をつけたことを始まりとし、麦を原料にしたビール作りに舵取りしていったと言われています。

強烈な個性ではなく、日本らしい繊細なバランスを追求した正統派の味わいが特徴です。

コエドブルワリー 瑠璃

同メーカーの代表格ビール。低温・下面発酵のラガービールのピルスナースタイルに位置づけられ、大手メーカーで販売される一般的なビールと似た味わいです。

大手メーカーのビールとの違いは、芳醇なホップの香り。グラスに注いで飲むと、上質でエレガントな香りが立ち上ります。爽やかな飲み口で、飲みやすくキレがあるため、ラガービールを飲みなれた日本人にとって親しみやすい風味なのも魅力。クラフトビール初心者におすすめです。