印鑑を捺すときに欠かせない朱肉。捺印の際に大切なことは、印影がかすまないようにくっきりと捺すことです。いつもうまく捺せない……という方は、使っている朱肉に問題があるかもしれません。また、実印のように大切な印鑑を長く使い続けるためにも適切な朱肉を選ぶことが必要です。

そこで今回は、朱肉の種類や選び方を解説します。おすすめの朱肉も多数紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

朱肉とは?

朱肉とは、印鑑を使うときに用いる朱色の印肉と、それを入れる容器をあわせた総称です。印肉は、銀朱・ヒマシ油・松脂・もぐさ・和紙などを原料にして作られています。明治初期に国内における印鑑の研究が進み、安価な朱肉が出回るようになりました。

朱肉の朱は経年劣化に強いため、公的な書類へ捺印する際にしばしば使われます。また、スポンジ朱肉と練り朱肉に種類が分かれており、捺印する書類に応じてそれぞれ適切な朱肉が分かれるので注意しましょう。

朱肉とスタンプの違い

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朱肉は印鑑に用いるもので、スタンプ台はゴム印のためのものであるため、両者は厳密には異なるものです。朱肉の特徴は、紫外線に強く、年月を経ても退色せず鮮やかな色が保たれるというところ。また、水に浸けてもにじまないので、長期保存が必要な書類の捺印に適しています。

一方で、スタンプ台は油に弱いゴム印用なので、水性インクで作られているのが一般的です。水性インクは光にさらされると退色し、水にも溶けてにじみやすいので、長期保存には向きません。

スタンプ台で印鑑を捺印すると印面に朱色がつきにくいため、印影にかすれが生じてしまいます。印影が不鮮明だと銀行や役所での手続きや契約書の取り交わしができない場合もあるので、印鑑には朱肉を使用するのがおすすめです。

朱肉の選び方

朱肉の種類をチェック

スポンジ朱肉

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スポンジ朱肉とは、スポンジやフェルトに、朱色の顔料と松脂などを混ぜたインクを染み込ませたものです。速乾性があるので、捺印後にほかの書類に朱色がついてしまうという失敗も防げます。印面にインクがムラなくつくので、よりきれいに捺印が可能。また、専用インクがあるので補充も簡単です。

練り朱肉と比べると印影の鮮明さや耐性の面で劣りますが、使い勝手がよくて価格も手頃なので、ビジネスをはじめさまざまなシーンで広く使われています。

練り朱肉

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練り朱肉の特徴は、重厚感のある深い朱色で、厚みのある鮮明な印影を出せること。原料である銀朱にひまし油や和紙などを混ぜ、練り固めて作られます。何十年経っても印影が変色・退色しにくいので、長期間保存しなければならない重要書類や書画の落款(らっかん)に最適です。

デメリットは、スポンジ朱肉と違って乾きにくい点。朱肉はメンテナンスを怠ると粘度が変質してしまうこともあります。スポンジ朱肉にはない色の深みや、耐久性が欲しい方におすすめです。

用途に合わせてサイズを選ぶ

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朱肉には数種類のサイズがありますが、選ぶポイントは朱肉を「持ち運ぶかどうか」です。営業職のように外出先へ持ち歩くことが多い場合は、直径約30mmの30号くらいの小さめサイズが使いやすいでしょう。印鑑登録できるのは最大25mmまでの印鑑なので、それより大きい30号なら十分です。また、フタをひねって開けるタイプであれば、カバンの中で開いてしまうことを防げます。

一方、会社や自宅で使う場合は、直径約60mmの60号サイズがおすすめです。大きめの印鑑や角印でも余裕を持って捺せるので快適に使えます。

なお、印鑑ケースに付属の小さな朱肉は印鑑の大きさギリギリで作られているので、印面全体にインクをつけるのが難しかったり、印鑑の欠けの原因になったりするので、常用はせずに適切な朱肉を使用するようにしましょう。

安過ぎないものをチョイス

最近は、100円ショップでも朱肉を購入できますが、安価で品質の悪い朱肉を使うと印鑑の印影がかすんだりして、書類作成を一からやり直すはめになることもあります。いくら印鑑の捺し方を練習しても、しっかりとした朱肉を使わなければキレイに捺印することはできません。

重要書類などに使用する実印や銀行印を選ぶときは、素材や品質にもこだわって、それなりの価格のものを購入することが多いので、朱肉もそれに見合った品質の確かな物を購入するようにしましょう。

朱肉のおすすめ|スポンジ朱肉

新朝日 朱肉 スーパーエースNSA-30

新朝日 朱肉 スーパーエースNSA-30

「印影が乾きにくい」という不満の声に応えて開発された瞬速乾タイプのスポンジ朱肉です。スピーディに乾き、転写防止性にも優れているので、ビジネスシーンなどでの作業効率がアップします。

印影がつぶれたりかすれたりしにくいよう、超極細表面布を用いた硬質クッションをスポンジに採用しており、くっきりシャープな印影を実現できます。赤みが強いので、印影を鮮やかに見せられる点も人気です。

使い勝手のよい30号サイズなので、持ち運び用としても便利。また、専用の補充液を使って簡単に朱を補充できます。また、直径105mmの100号まで幅広いラインナップがあるので、手持ちの印鑑サイズや用途に合わせて選べます。

マックス 瞬乾朱肉 プレミオ SA90231

マックス 瞬乾朱肉 プレミオ SA90231

「瞬乾朱肉」という名の通り、印鑑を捺してから約3秒でインクが乾く朱肉です。急いで提出しなければならない書類や、捺印した紙を重ねなければならない作業時に重宝します。

事務作業中は朱肉のフタを開けっぱなしにしておくこともありますが、この製品は浸透性朱液を採用しており、インクパッドが乾燥しにくいのがメリットです。インクパッドは多層構造で、繰り返しの使用に耐える強度があり、長く愛用できます。

印肉には超微粒子高級有機顔料を採用。鮮明で味わい深い印影を残せるので、契約書や公文書などの大切な書類への捺印にも適しています。フタはねじって開閉するタイプなので、携帯にも便利です。

シヤチハタ 印マット付き朱肉 MGM-30/H-4

シヤチハタ 印マット付き朱肉 MGM-30/H-4

印鑑で有名なシヤチハタの朱肉です。直径32mmでケースは縦55.2×横55.2×厚さ18.4mmと、携帯に便利なコンパクトサイズが魅力。ペンケースやポーチにも入れやすい大きさです。朱肉のフタ部分は弾力のある素材でできており、印マットとしても使えるので外出先でもきれいに捺印できます。

印肉には、捺印後の乾きが早い顔料系朱油を採用しており、にじみにくく、鮮明な印影を出せます。また、耐水・耐光・耐久性に優れているので、長期間保存しなくてはならない書類への捺印にも最適です。インクは補充できるので繰り返し使用できます。

三菱鉛筆 朱肉 ユニくっきり乾一 HSN‐S30K

三菱鉛筆 朱肉 ユニくっきり乾一 HSN‐S30K

三菱鉛筆の朱肉は、軽く押しつけるだけでしっかりとインクがつくので、手早く捺印可能です。本体サイズは縦50×横50×厚さ17mmとコンパクトながら、盤面の大きさは使い勝手のよい32mmを確保しています。本体外側に留め具があるので勝手にフタが開いてしまうことがなく、携帯時も安心です。

「くっきり乾一」という製品名の通り、捺印してから約3秒で朱液が乾くのが魅力。転写や裏移りの心配がないので、捺印後すぐに封筒に入れたりコピーをとったりできます。インクパッド部分にはミクロ繊維表布を採用しており、印鑑に朱液がつきすぎず、さらりとした使い心地です。

朱肉ならではのべったりとした質感が苦手な方にもおすすめ。また、吸湿・乾燥に強いので品質が劣化しにくく、一年中快適に使えます。もちろん耐水・耐光性も備えているので、長期保存したい書類への捺印にも最適です。

シヤチハタ 朱肉エコス MG-30EC

シヤチハタ 朱肉エコス MG-30EC

スポンジや朱など、細部にまでこだわって開発された朱肉です。盤面にはきめ細かなシルケット加工を施したスポンジを採用。さらに独自の技術で調整した顔料系朱油を使用することで、にじみの少ない鮮明な印影を実現しています。

印鑑を捺した後は30秒ほどで乾くので、生乾きのインクをうっかり擦って印影をかすませてしまう失敗もありません。もちろん耐久性にも優れたインクなので、長期保管しなくてはならない重要書類への捺印にも適しています。30号から90号まで幅広いサイズがあるので、印鑑の大きさに合わせて使いやすいものを選べるのも魅力です。

朱肉のおすすめ|練り朱肉

シャチハタ 鯱旗印肉 公用 MKN-50

シャチハタ 鯱旗印肉 公用 MKN-50

高級感あふれる美しい容器に入ったシヤチハタの練り朱肉。盤面は直径約55mmと大きめなので、多様なサイズの印鑑に対応できます。印肉には高級有機顔料が使用されており、鉛や水銀、カドミウムのような重金属を含んでいない印肉なので、人体や環境にも安心して使えます。

印面に線維が付着しにくいので、にじみの少ないクッキリとした印影に仕上げることが可能です。保存性にも優れているので、公文書や証券など重要な書類への捺印にも適しています。

また、硬くなったり油分が分離したりといった劣化が起きづらいのも魅力です。使用前に印肉を練り直さなくても、きれいな捺印が可能。本格的な練り朱肉でありながら取扱いが容易かつ安価なので、初心者の方にもおすすめの練り朱肉です。

丸山工業 金龍 公用朱肉 KB-5

丸山工業 金龍 公用朱肉 KB-5

「公用朱肉」という名の通り、契約書や証書など長期保存が必要な書類への捺印にも適した朱肉です。盤面に印鑑を強く押し付けなくてもしっかりと色が付くので、インクの付け過ぎによるにじみや、印影の欠けといった失敗を減らせます。印鑑を捺すのが苦手な方でも、はっきりとした美しい印影を出せる製品です。

サイズは直径6.3cmの50号なので実印として登録できる印鑑にも使用できます。また、一般家庭なら容量40gタイプが適量ですが、実務で頻繁に使う場合は200g入りもおすすめです。

日光印(Nikko Jirushi) 印泥 10103

日光印(Nikko Jirushi) 印泥 10103

黒地に白い花模様をデザインしたケースがおしゃれな日光印の朱肉です。「印泥」とは、中国での印肉や朱肉の呼び名。リーズナブルな価格でありながら、朱の色合いがよく、キメも細やかなので、美しい印影を実現します。フタを開けるとほんのり漂う上品な墨の香りも上質感を演出。コスパのよい朱肉を探している方におすすめの一品です。

本製品は、手入れが簡単な点も魅力。長期間使わなくても硬化することがないので、使う前にヘラで練り直す必要もありません。また、メーカー独自の技術で開発した、自然環境に有害な鉛・水銀・カドミウムを含まない有機顔料を使用。色鮮やかで耐光性の高い有機顔料なので、美しい印影を長く残せます。

朱肉のカラーは、紅色に近い「赤口」のほか、朱色が強い「黄口」、黒みが強い「濃赤」の3タイプ。サイズも40号・50号・60号と揃っています。書類や書画に用いる落款など、用途や印鑑の形状に合わせて選びましょう。

新朝日 朱肉 SACOS 銀朱 GS-1

新朝日 朱肉 SACOS 銀朱 GS-1

一般的な練り朱肉より乾きが速いため、普段朱肉を使い慣れていない方におすすめの朱肉です。印肉は速乾性の高いインキと高級素材布を採用。速乾タイプでありながら、重厚感のある鮮やかな印影を実現します。印影は水や光に強いので経年劣化しにくく、長期保存も可能。転写防止に優れているので、実務面でも使いやすい朱肉です。

呉竹 印泥 光明1両装 KO101-10

呉竹 印泥 光明1両装 KO101-10

書道作品の落款におすすめの練り朱肉。練り朱肉はメンテナンスが難しいものですが、本製品は説明書とヘラがあらかじめ付いているので、初心者の方も安心です。使用前に付属のヘラで朱肉をよくかき混ぜ、中央部分を丸く盛り上げてから使用してください。使用後はフタをして、湿気の少ない暗所に保管しましょう。

モグサや植物油、水銀化合物を用いた印肉は、明るい朱色。発色もよく印影も美しいので、漢字や仮名などの書道作品に落款すれば、作品が引き締めることが可能です。容器は、高級感のある陶器製なので、デスクの上に出しておいても絵になります。