クラリネットの音色や吹奏感を大きく左右するクラリネット用マウスピース。自分に合ったモノを見つけると、演奏がより楽しくなるパーツです。しかし、種類が多いため、どれを選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クラリネット用マウスピースのおすすめをご紹介します。選び方のポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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- 目次
- クラリネット用マウスピースの価格相場
- クラリネット用マウスピースの選び方
- クラリネット用マウスピースのおすすめメーカー
- クラリネット用マウスピースのおすすめ
- クラリネット用マウスピースの洗い方
- クラリネット用マウスピースの寿命はどれくらい?
クラリネット用マウスピースの価格相場

初心者向けのマウスピースは、1,000〜5,000円程度が中心で、プラスチックや樹脂製のモノが多く見られます。耐久性に優れ、取り扱いも簡単なことから、クラリネットを始めたばかりの方にも適した選択肢。音質は中程度ですが、基本的な演奏には十分対応可能です。
中級者向けは5,000〜15,000円程度、プロ向けになると20,000〜100,000円以上と、価格帯が大きく広がります。高級素材の採用や精密な加工により、繊細な音色や細やかな表現力を求める演奏に適しています。特に、プロ用のマウスピースは個体差も大きいため、実際に試奏して相性を確認しておくと安心です。
クラリネット用マウスピースの選び方
クラリネットの種類をチェック

クラリネット用マウスピースを選ぶ際は、使用するクラリネットの種類を確認することが重要です。一般的に使用されるのはBフラット管で、学校の吹奏楽やオーケストラなどで広く採用されているタイプ。まずは、Bフラット管に対応したマウスピースを選ぶと安心です。
そのほかにも、より低音域を得意とするA管や、小型で高音域に特化したEフラット管などがあり、それぞれに適したマウスピースが用意されています。Bフラット管とA管は外見が似ているものの、音域や響きに違いがあるため、マウスピースも使い分けることがあります。同じメーカーやモデルであっても、Bフラット管用とA管用で仕様が微妙に異なるケースもあるため、事前に自分の楽器の種類をしっかり確認しておくことが大切です。
また、マウスピースはクラリネットの音色や吹奏感に影響を与えるので、単に規格が合うだけでなく、自分の奏法や好みに合ったモノを選ぶことがポイントです。
材質をチェック
定番のエボナイト

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エボナイトは、天然ゴムに硫黄を加えて加熱・硬化させた素材で、クラリネットマウスピースの定番として広く親しまれています。黒く落ち着いた外観に加え、クリアではっきりとした音色と重厚で豊かなサウンドが特徴です。
演奏面では、滑らかで自然な吹き心地を実現します。ただし、摩耗しやすく、使い続けるうちに先端や内部のエッジが丸くなることがあるため、定期的な交換が必要です。
初心者でも音が鳴らしやすいアクリル樹脂・フェノール樹脂

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アクリル樹脂とフェノール樹脂は、クラリネット初心者にとって扱いやすいマウスピース素材です。いずれも合成樹脂の一種で、軽量で音を鳴らしやすいという特性があります。
アクリル樹脂は透明感や色彩のバリエーションに富んだマウスピースを成形可能です。一方のフェノール樹脂は加工性に優れ、コストを抑えやすい素材。音色は明るくクリアで、軽やかさが特徴です。
どちらもエボナイト製に比べるとやや硬質な音色になりますが、初心者が基本奏法を習得するうえで十分な性能を備えています。
細かい表現にも向いているクリスタルガラス

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クリスタルガラス製のマウスピースは、明るくクリアでスッキリとした音色が特徴です。クリスタルガラスの塊から削り出して作られています。繊細な音色変化を実現できるため、音楽表現の幅を広げたい上級者におすすめです。
微細なニュアンスまで丁寧に表現できるのが魅力。クラシック演奏など、一音一音を大切にしたいシーンで重宝されています。耐摩耗性にも優れており、長期間使用しても音質の変化が少ない点もメリットです。
一方で、ガラス製ならではの弱点として衝撃に対する脆さがあります。落下などで割れるリスクがあるため、取り扱いには十分に注意しましょう。
ティップオープニングをチェック

ティップオープニングとは、リードの先端からマウスピースの先端までの隙間の幅を指します。この幅の違いによって音色や吹奏感が大きく変わるため、自分のレベルや好みに合わせた選び方が重要です。
狭いティップオープニングは、初心者向きです。少ない息量でも音が出しやすく、音程のコントロールもしやすい傾向があります。
一方、1.1mm以上の広いティップオープニングは、中級者から上級者に適しています。息の通りがよく、豊かでパワフルな音が出せる反面、音のコントロールには一定の技術が必要です。
フェイシングをチェック

フェイシングとは、マウスピースの先端からリードが接する点までの長さを指します。ティップオープニングと並び、音色や吹奏感を左右する重要な要素のひとつです。フェイシングの長さによって音の特性や演奏のしやすさが変化するため、演奏レベルに応じた選び方が求められます。
短いフェイシングは、初心者におすすめ。音の立ち上がりが明るくクリアで、音程もとりやすいため、コントロールしやすいのが特徴です。少ない息でも効率よく吹けるので、長時間の練習にも対応しやすく、基本的な奏法の習得にも向いています。クラリネットを始めたばかりの方や、学生のアンサンブル演奏などにおすすめです。
一方、長いフェイシングは、豊かで丸みのある音色を求める上級者に好まれます。音のつながりがよく、レガート奏法をしやすいため、表現豊かな演奏が可能です。
クラリネット用マウスピースのおすすめメーカー
ヘンリー・セルマー・パリ(Henri Selmer Paris)

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ヘンリー・セルマー・パリはフランスの老舗管楽器メーカーで、高品質なクラリネット用マウスピースを製造しています。主にエボナイト製のマウスピースを展開。プロからアマチュアまで幅広い奏者に支持されている老舗ブランドです。
セルマーのマウスピースは、自然で豊かな音色とコントロールのしやすさが特徴です。ティップオープニングやフェイシングなどの設計により、演奏者の好みに合わせた多様な音色を実現します。
バンドーレン(Vandoren)

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バンドーレンは、クラリネットマウスピース分野で高い評価を得ている老舗メーカーです。主な素材として伝統的なエボナイトを用い、一部の製品には高密度エボナイトを採用。標準的なエボナイトの音響特性を強化し、より豊かな音色を実現しています。
代表的な製品には、比較的小さなティップオープニングで吹きやすい「5RV」、A=440ピッチを採用した「13シリーズ」などがあります。奏者の演奏スタイルや求める音色に合わせて選べる豊富なラインナップが特徴です。
ヤマハ(YAMAHA)

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ヤマハは楽器製造で高い信頼を得ている日本の総合楽器メーカーです。クラリネット用マウスピースは主に「カスタムシリーズ」と「スタンダードシリーズ」の2ラインを展開しています。どちらも安定した品質で、吹きやすさと音色のバランスに優れた製品として多くの奏者から支持を集めています。
カスタムシリーズはハードラバー製で、明るく艶のある音色が特徴。全音域でバランスよく鳴らせ、幅広いジャンルに適しています。
クラリネット用マウスピースのおすすめ
ヘンリー・セルマー・パリ(Henri Selmer Paris) マウスピース フォーカス(Focus)
高い演奏性と均一な音色を両立したクラリネットマウスピースです。1.05mmのティップオープニングと23mmの適切なフェイシングにより、低音域から高音域まで音ムラの少ない演奏を実現しています。新設計のスロートが多様な音色の広がりをもたらします。
息の入りが自然で音の立ち上がりがスムーズなため、繊細なコントロールが求められる場合にも活躍。音色の均一性と表現力を重視するプレイヤーにおすすめのマウスピースです。
ヘンリー・セルマー・パリ(Henri Selmer Paris) バスクラリネット マウスピース コンセプト
バスクラリネットのエキスパートが設計に協力した現代的な吹奏楽器マウスピース。大きめに設計された開口部により、全音域にわたって豊かな響きを保ちながら力強い音色を実現します。
ティップオープニングは2.15mm、フェイシングは32mmです。素材にはエボナイトを採用し、音の響きやコントロール性を高めています。吹奏楽からオーケストラまで、さまざまな音楽シーンで活躍するおすすめのマウスピースです。
バンドーレン(Vandoren) クラリネット マウスピース 5RV-LYRE
高密度エボナイトが生み出す、華やかな音色が特徴のクラリネットマウスピース。約1.09mmのティップオープニングと中庸なフェイシングを組み合わせることで、バランスの取れた吹奏感を実現しています。明るく響きのある音色も魅力です。
コントロールしやすい設計で、リードとの相性も良好。幅広いジャンルに対応でき、明るい音色を求める演奏者に適しています。吹奏楽やクラシック音楽など、さまざまな場面で活躍しやすいマウスピースです。
バンドーレン(Vandoren) マウスピース BD5
良質なエボナイト素材を使用したクラリネット用マウスピース。特に、高音域で色彩豊かで深みのある演奏を実現します。息の入りが自然で発音がスムーズな演奏体験を提供します。
ティップオープニング1.13mmとミディアムフェイシングにより、コントロール性に優れた吹奏感を実現。高密度なブラックダイヤモンドエボナイト素材が、従来のエボナイト素材の音響特性を強化しています。少ない息でも丸く豊かな響きを奏でられ、音色のバランスが取れているのが特徴です。
バンドーレン(Vandoren) マウスピース プロファイル88 M30
クラリネット奏者に柔軟でまろやかな音色をもたらすクラリネット用マウスピース。エボナイト素材で作られており、耐久性と安定した音質を実現。柔らかめのリードとの相性がよく、リード選びの幅が広がるのもおすすめのポイントです。
音の芯とまろやかさのバランスが特徴。より繊細な息のコントロールが可能になり、アーティキュレーションも容易です。幅広いジャンルの演奏に対応できるのが魅力です。
ティップオープニング1.135mmとロングフェイシングにより、息の入りがよく、演奏者の表現力を引き出します。
バンドーレン(Vandoren) B40 Lyre トラディショナル クラリネットマウスピース
まろやかさと豊かな色彩感が魅力のクラリネットマウスピース。特に高音域が吹きやすく、音の遠達性にも優れています。ティップオープニング1.175mmと適度な開きにより、バランスのよい吹き心地を実現しています。
ロングフェイシングを採用し、音色の表現幅が広がるのが特徴です。また、スタッカートなどのアーティキュレーションにも素早く反応します。音色のコントロール性能と演奏性のバランスが取れた、おすすめのマウスピースです。
バンドーレン(Vandoren) クラリネット マウスピース M15
アーティキュレーションが付けやすく、多彩な音色が得られる高品質なクラリネット用マウスピース。ロングフェイシングでありながら開きを狭く設計し、安定した演奏を実現しています。さまざまなタイプの奏者のニーズに応えるトラディショナルな設計で、表現の幅を広げたい方におすすめです。
ティップオープニングは1.035mmで、リード全体が均等に振動するよう設計されています。息が無駄なく伝わり、繊細なコントロールも容易に行えます。中高生や初心者から経験豊富な奏者まで、幅広い層に適した汎用性の高さが魅力です。
バンドーレン(Vandoren) Eクラリネット マウスピース B44
長年の歴史に裏付けられた信頼性を持つクラリネット用マウスピース。1.105mmのティップオープニングとミディアムフェイシングが、豊かでバランスのよい音色を引き出します。
上質なブラックエボナイト素材を採用し、自然な音響特性と優れた響きを実現しています。オーケストラでの演奏に求められる、豊かな音色と安定したコントロールが可能です。
ヤマハ(YAMAHA) クラリネットマウスピース CL4C
フェノール樹脂が生み出す、艶やかで色彩感豊かな響きのクラリネットマウスピース。軽量で硬度の高い素材を採用し、リードの振動を効率よく伝えることで、軽快な響きと明瞭な立ち上がりを実現。標準的なサイズ設計で、扱いやすさにも配慮されています。
スムーズな息の流れにより疲労感を軽減し、長時間の演奏にも適した仕様。初心者から中級者まで、幅広く対応するマウスピースです。
ポマリコ クリスタル マウスピース
イタリア・トスカナ産の純クリスタルから削り出したクラリネットマウスピースです。一つひとつ職人の手によって丁寧に作られており、柔らかさとあたたかみを兼ね備えた豊かな音色が特徴。透明感のある響きが演奏者の表現力を引き出します。
経年変化が少なく、安定した音色を維持しやすいことに加え、エボナイト製よりも摩耗に強いのが魅力。繊細な音色表現を求める中級者から上級者まで、音楽的な表現の幅を広げたい方におすすめです。
ダダリオ マウスピース RESERVE American Pitch MCR-X5
1920年代の名器を現代の技術で再現したクラリネット用マウスピース。ハードラバーから削り出し加工で作られ、成形ではなく高精度な加工により一貫した品質を実現しています。ポリッシュされた角と美しいカーブが特徴で、演奏性と音色の両方を追求したモデルです。
あたたかく集中した音色と優れた音程を持っているのが魅力。オーケストラやソロ演奏などさまざまな場面で活躍します。ティップオープニングは1.05mmで、反応のよさとコントロール性を両立しています。
クラリネット用マウスピースの洗い方

クラリネット用マウスピースの洗浄は、演奏品質を保つために欠かせないケアのひとつです。演奏後はリードを取り外し、水分や唾液を軽く拭き取るのが基本。定期的に清掃することで、マウスピースを清潔に保ち、長く快適に使用できます。
洗浄には水と専用のマウスピースクリーナーなどが適しています。指先などで優しくこすり、しっかりとすすいだ後、柔らかい布で水分を拭き取ってください。白くくすんだ汚れが気になる場合は、薄めたお酢を綿棒に含ませて軽く拭き取る方法も効果的です。
洗う際は、マウスピースの先端を傷つけないよう十分注意しましょう。熱湯の使用は変形の原因になるため避けてください。また、内部の水分はクリーニングスワブでしっかり除去し、完全に乾燥させてから保管すると清潔な状態を保てます。
クラリネット用マウスピースの寿命はどれくらい?

クラリネット用マウスピースの寿命は、使用頻度や手入れの状態によって変わりますが、一般的には約1年半~3年程度とされています。趣味や部活動での使用であれば2~3年に1回の交換が目安です。
マウスピースが劣化すると、音の輪郭が曖昧になったり、雑音が混ざったりすることがあります。吹奏感に違和感があったり、音程の安定感が失われてきたりした場合も交換を検討するサインです。普段の演奏時に少しでも音質の変化を感じたら、状態をチェックしておくと安心です。
寿命を延ばすには、演奏後の丁寧なケアが重要。使用後は水分をしっかり拭き取り、定期的な洗浄を習慣にすることで、長く快適に使えます。
クラリネット用マウスピースは、音色や吹奏感に大きく関わる重要なパーツです。素材や形状、内部のデザインによって吹き心地や響き方が変わるため、自分のレベルや目指す音色、楽器との相性を意識して選ぶことが大切。本記事を参考に、自分にぴったりのマウスピースを見つけて、より快適な演奏を楽しんでください。