エレキギターのクリーンなサウンドを歪ませる「歪みエフェクター」。ロックをはじめ、さまざまなジャンルの音楽で活躍する機材です。ただし、各メーカーから多くのモデルが発売されており、はじめて購入する方は迷ってしまうケースも少なくありません。

そこで今回は、おすすめの歪みエフェクターをピックアップ。あわせて選び方も解説するので、購入を検討している方は参考にしてみてください。

歪みエフェクターとは?

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歪みエフェクターとは、エレキギターのクリーンな音を、文字通り歪んだサウンドに変える機材です。エレキギターを演奏する多くの方が購入するエフェクターであり、ロックをはじめさまざまなジャンルで活躍します。

歪みエフェクターを使用すれば、アンプの音量を上げずに歪ませることが可能。自分で歪みをコントロールしやすいため、単体で歪む真空管アンプを使う場合でも歪みエフェクターを使用する方も多くいます。

各メーカーから数多くの製品が販売されているうえ、タイプによって歪み具合やサウンドなど個性もさまざま。演奏したい音楽にあわせて選んでみてください。

歪みエフェクターの選び方

種類をチェック

オーバードライブ

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歪みエフェクターのなかで、もっともバランスに優れたスタンダードなタイプが「オーバードライブ」です。ディストーションやファズと比較してマイルドなサウンドが特徴。歪みの強弱を調節しやすく、ジャンルやスタイルを問わずオールラウンドに使えるエフェクターです。

軽い歪みでサウンドを作りたい場合に便利。真空管アンプの歪みを補助する目的のほか、ソロ演奏でのブーストにも適しています。

ディストーション

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オーバードライブと比較して、より大きく歪むのがディストーションです。オーバードライブとディストーションの歪ませる原理は同じ。一般的には歪みの量で区別されています。ディストーションは単体でも激しく歪むモノが多いので、ソロ演奏のアクセントにもぴったりです。

とくに、ハードロックやヘヴィメタルなど、重厚な歪みサウンドが求められる場面で活躍。ただし、すべてのディストーションがオーバードライブより歪むとは限りません。歪み具合はモデルによって異なり、メーカーがオーバードライブとディストーションのどちらの名前を付けるかによって決まる部分がある点には留意しておきましょう。

ファズ

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歪み系エフェクターの元祖であり、ディストーションよりさらに激しく歪むのが「ファズ」です。強烈でノイジーなサウンドが特徴。ファズの歪みは信号を増幅させるトランジスタの素材によって左右されるのがポイントです。

90年代に登場したゲルマニウム製トランジスタ採用のモデルは、チリチリした不安定な歪みがポイント。中音域が強調されたザラつきとうねりのある、ビンテージなサウンドを求める方に好まれます。ただし、ゲルマニウムは入手困難な素材のため、高価格になるのが難点です。

安定した歪みを求める場合には、シリコン製トランジスタを使用したファズがおすすめ。高域が強調されたカラッとしたサウンドが特徴で、より現代的な歪みを実現します。ゲルマニウム製トランジスタモデルと比べて、手頃な価格で購入できるのも魅力です。

ブースターとして使えるモデルも

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ブースターとは本来、音量や歪みを補助する目的としたエフェクターです。軽い歪みサウンドを作れるオーバードライブなら、ブースターとしての使い方も可能。なかには、個別にブースター機能を搭載した歪みエフェクターも発売されています。

ブースター付きモデルは2つの機能をひとつの躯体に内蔵しており、エフェクターボードのスペースを有効活用できるのが魅力。ブースター機能とオーバードライブが独立し、それぞれボリュームやゲインを調節できるモデルも発売されています。

ただし、ブースター単体とは異なり接続の順番を変えられないなどデメリットもあり、求めるサウンドやセッティングの自由度を重視したい方には不向きです。

好きなアーティストを参考にするのもおすすめ

歪みエフェクターに限らず多くのモデルからエフェクターを選ぶ際には、好みのアーティストが使っているモデルを参考にするのもおすすめです。使用しているギターやアンプ、演奏テクニックの違いでまったく同じにはならないものの、研究次第では近づけることも可能。ファンでなくても、同じ音楽ジャンルなら音作りに役立ちます。

ジャンルに合わせて選ぶのも方法のひとつです。ポップス系に軽い歪みならオーバードライブ、ハードロック系ならディストーションのなかから選ぶなど、ジャンルに合わせて歪み具合をチェックしてみましょう。

歪みエフェクターのおすすめ

ボス(BOSS) Super OverDrive SD-1

1981年の登場以来、ロングセラーを続けている定番のオーバードライブです。甘くマイルドなサウンドで、ピッキングのニュアンスを活かしやすいのが特徴。くせのない歪みを持つモデルを求めている方におすすめです。

歪みすぎないサウンドのためバッキング用に適しているほか、真空管アンプの歪みを補完する目的でも活躍。ほかの歪みエフェクターと組み合わせて、ソロのときに踏むブースター的な使い方も可能です。

ボス(BOSS) Blues Driver BD-2

ブルージーなオーバードライブサウンドが人気の歪みエフェクターです。ギターのボリュームやピッキングニュアンスに追随しやすく、クリーンから伸びのあるサスティンまで多彩な表現が可能。可変域の広いゲインコントロールにより、軽めのクランチセッティングからハードなロックサウンドまで、幅広く活躍するおすすめモデルです。

多段クリッピング回路設計を採用しているなど、オーバードライブの回路をアンプ設計の視点で進化させているのもポイント。まるで真空管アンプのようなドライブサウンドを楽しめます。トーンノブには、高い倍音成分を調節可能なパッシブ回路を採用。使用するギターに合わせたセッティングも簡単です。

ゲインを上げていくと、ほどよいコンプレッション感が加わるのも特徴。コードストロークからアルペジオまで、濁りが少なく輪郭の美しいクランチサウンドを奏でるのが魅力です。

ボス(BOSS) MT-2W Metal Zone

同社が創業以来培ってきた、さまざまな技術やノウハウを注ぎ込んだ「技Waza Craft」シリーズのディストーションです。中音域にフォーカスした重厚なメタルサウンドが特徴。ハイゲインが好みの方や、ヘヴィメタル系の音作りをしたい方にぴったりの歪みエフェクターです。

ロー・ミドル・ハイそれぞれをブーストとカットができる3バンドイコライザーを搭載し、個性的なサウンドながら幅広い音作りが可能です。低音域から高音域まで、広範囲の帯域をカバーします。

ボス(BOSS) Distortion DS-1

同社初のディストーションとして1978年にデビューしたロングセラーの歪みエフェクターです。鋭く深い歪みやピッキングニュアンスへの忠実なレスポンスが人気。粗くエッジの効いたアタックで音が潰れすぎないなど、キレのあるバッキングからソロまで多彩に活躍するおすすめモデルです。

のちのコンパクトエフェクターの基本となった、3つのシンプルなトーンコントロールノブを搭載。幅広いサウンドに対応可能で、自分好みの音作りに役立ちます。トランジスタとオペアンプの段階増幅回路採用により、ワイルドな低域の歪みを実現。ブースター的な使い方からリフ用歪みまで、自在にコントロール可能です。

ボス(BOSS) Fuzz FZ-5

1960~1970年代の個性的なビンテージファズ3モデルのサウンドを再現した製品です。入手困難なゲルマニウムトランジスタの特性を、素子レベルでモデリングしているのが特徴。ビンテージファズのサウンドを手軽に楽しみたい方におすすめのモデルです。

歪みをコントロールできるファズつまみを活用すれば、さまざまな音作りが可能。ミニマムからセンターくらいまでの位置でオリジナルモデルのサウンドを再現し、さらに右へ回せばレンジの広い強力なファズサウンドを奏でます。ギターの入力レベルやピッキングのニュアンスにも素直に反応するレスポンスのよさもポイントです。

マクソン(MAXON) ギターエフェクター Sonic Distortion SD9

国産老舗ブランド「マクソン」のディストーションです。ブライトなトーンと抜けのよいディストーションサウンドが特徴。芯のあるマイルドなオーバードライブサウンドにも設定できるなど、オールラウンドに使えるおすすめの歪みエフェクターです。

バイパス時に入力された信号が電子回路を通らずバイパス状態になる「TBS」を搭載。ギターとアンプを直接接続した状態に近い、クリアなサウンドを実現します。エフェクターとバイパス切り替えスイッチにローノイズなメカニカルスイッチを採用しているなど、徹底的にノイズ排除にこだわって設計されているのも魅力です。

フェンダー(Fender) Pugilist Distortion Pedal

ストラトキャスターで有名な老舗ギターメーカー「フェンダー」のディストーションです。2つのゲインコントロールノブを搭載し、個別またはミックスして使えるのが特徴。さまざまなセッティングやサウンド作りに役立つおすすめの歪みエフェクターです。

豊かな低音を増強できるベースブーストスイッチを搭載しているのもポイント。ブレンドコントロールノブによって、2つのチャンネルのバランスを自在にコントロールできます。

また、ボディに軽量ながら耐久性に優れたアルマイトを採用した、クラッシックな外観も魅力。ノブにはLEDバックライトを搭載しており、薄暗いステージでの視認性を向上させています。

エレクトロハーモニクス(electro-harmonix) ディストーション Big Muff Pi

1968年の誕生以来、数多くの著名ミュージシャンに愛用されてきた同社の定番歪みエフェクターです。太く甘いサウンドで、ヴァイオリンのようなサスティンの効いた歪みが特徴。使用している著名ミュージシャンの音に近づけたい方におすすめのモデルです。

オリジナルのよさはそのままで、ノイズを大きく軽減させているのも魅力。古くから使われている、アルミの板を曲げたレトロなケースも印象的です。よく伸びるサスティンを利用すれば、フロントピックアップに切り替えたときのギターソロにも適しています。

エレクトロハーモニクス(electro-harmonix) Soul Food

オーバードライブの名機「ケンタウロス」をモチーフにして製作された歪みエフェクターです。レスポンスに優れた、素直なオーバードライブサウンドが特徴。価格高騰で入手困難なケンタウロスのトーンを手頃な価格で楽しみたい方におすすめのモデルです。

裏蓋を外した基盤右下にパイパスモードの切り替えスイッチを搭載。バイパス時のトゥルーバイパスとバッファー回路を使用シーンや求めるサウンドによって使い分け可能です。歪みを最大にしても芯がしっかりしており、さまざまなジャンルのサウンド作りに役立ちます。

ティーシーエレクトロニック(Tc Electronic) MOJOMOJO OVERDRIVE

ボリュームへの追従に優れたオーバードライブが特徴の歪みエフェクターです。ゲインレンジを幅広く設計しており、クリーンブースからリードトーンまで幅広く対応可能。ピッキングのニュアンスやボリュームコントロールで、多彩な表現ができるモデルを求めている方におすすめです。

ベースとトレブルを独立してコントロールできる「2バンドアクティブイコライザー」を搭載しているのもポイント。ベース・レスポンスを切り替えできる「Voiceスイッチ」も搭載しています。また、トゥルーバイパス設計でトーンに色づけしない点も魅力です。

アイバニーズ(Ibanez) Tubescreamer Overdrive Pro TS808

1970年代に発売されて人気を得たモデルの再生産版オーバードライブです。粘りのある中音域とほどよい歪み具合が特徴。ポップスからヘヴィメタルまで、さまざまジャンルやスタイルに対応できるおすすめ歪みエフェクターです。

真空管アンプのようなウォームなドライブ感を楽しめるのもポイント。クリーンブースターとしても活躍します。復刻版ならではのレトロな雰囲気のデザインも魅力です。1/8ミニプラグ変換コードが付属しています。

ワンコントロール(One Control) BALTIC BLUE FUZZ

伝統的なファズ「BigMuff」のトライアングルやラムズヘッドのトーンを再現すべく開発された歪みエフェクターです。当時のビンテージサウンドにこだわって設計されており、BigMuffのトーンを手軽に楽しみたい方におすすめ。エレキギターでの使用を前提に、迫力のあるフィードバックトーンを得られるようにフィルタリングを施しています。

ビンテージファズモデルにありがちなハイの出過ぎなトーンではなく、安定感に優れているのも特徴。アンサンブルでもヌケのよいサウンドを実現します。アルミ削り出しの高級感のある外観も魅力です。

JIM DUNLOP FFM3 FUZZ FACE MINI TUQ JIMI

ジミヘンドリックスのシグネーチャーモデルのファズです。ファジーながらスムーズで太いサウンドが特徴。ボリュームの追従性に優れており、ボリュームを絞ったときのクリーントーンから激しいファズサウンドまで、幅広く対応可能なおすすめ歪みエフェクターです。

コンパクトサイズのファズフェイスで、エフェクターケースに収めやすいのもポイント。DC9Vで作動し、電池とACアダプターからの電源供給が可能です。

Benson Amps Germanium Fuzz

「熱バイアス・コントロール」を備えた、ゲルマニウム製トランジスタ搭載のファズです。トランジスタを適温にあたためる機構や入力インピーダンスを調節できるノブなど、ゲルマニウム・ファズの弱点を克服したおすすめモデル。ビンテージなファズサウンドを楽しみたい方に適した歪みエフェクターです。

LEDがオレンジ色に点灯しているときは、トランジスタがあたためられている状態。加熱が終了すると緑色に変化して適温を確認できる仕組みです。適温になるのに2~3分かかる点には留意しておきましょう。

ボグナー(Bogner) Ecstasy Blue

ハンドメイドの高級ブティックアンプメーカーとして有名な「ボグナー」が手がけている歪みエフェクターです。同社の伝説のアンプ「Ecstasy」のブルーチャンネルを再現した、真空管アンプのような迫力あるサウンドを楽しめるおすすめモデル。ピッキングのニュアンスに反応しやすいのも特徴です。

独立したブースター機能を備えているのも魅力。ボリュームとゲインを個別に設定でき、バッキングとリードで使い分けたいシーンなどで便利です。リモートジャックを活用すれば、ペダルのオン・オフとブースト機能を外部フットスイッチでコントロールできます。