日本で飲まれているビールの多くは、スッキリとした味わいが特徴の「ピルスナー」という種類。大勢で賑やかに楽しむときや、自宅でゆっくり晩酌するときなど、さまざまなシチュエーションにマッチするライトなビールです。

そこで今回は、「ピルスナー」の特徴や細かい分類とともに、おすすめの銘柄をご紹介します。気になる方はぜひチェックしてみてください。

ピルスナーとは?

By: pilsnerurquell.jp

ピルスナーは、1842年、チェコにあるピルゼンという町で誕生したビールスタイルの名称。ピルゼンが位置するボヘミア地方は、良質なホップの産地として知られており、ビールの醸造が盛んな地域です。

ピルスナーは、ピルゼンの市民醸造家たちが、「ラガータイプ」と呼ばれるビールの醸造技術を学ぶべく、本場ドイツのミュンヘンから醸造家を招いて造ったことが始まりと言われています。

軟水を使用しているなめらかな口当たりで、見た目も美しい黄金色のピルスナー。現在では世界中に広く普及し、多くの人々に愛飲されています。なお、日本で販売されているほとんどのビールもピルスナースタイル。ゴクゴク飲める爽快な味わいのビールが多く、4~6℃程度に冷やして飲むのがおすすめです。

ピルスナーの特徴

ピルスナーの最大の特徴は、醸造工程で「下面発酵」を行っていること。「下面」とは、発酵が終わる際、酵母が下に沈んでいくことに由来します。発酵様式は大きく2つに分類され、「下面発酵」のほか、発酵中に酵母が麦汁の表面に浮き上がることに由来する「上面発酵」があります。

芳醇な味わいに仕上がる「上面発酵」のビールに対し、ピルスナーのような「下面発酵」のビールは、苦みと爽快感のある味わいが魅力。軽やかな口当たりでのど越しがよく、しっかりと冷やして飲むのに適しています。また、比較的シンプルな味わいなので、さまざまな料理に合わせやすいのもポイントです。

ピルスナーの種類

ジャーマン・ピルスナー

ジャーマン・ピルスナーは、チェコ発祥のボヘミアン・ピルスナーがドイツに伝わったことで誕生したビールスタイル。ボヘミアン・ピルスナーと同じ醸造方法を用いているものの、色や香り、味わいが異なることから、区別されています。

ジャーマン・ピルスナーは、ボヘミアン・ピルスナーより比較的色が薄く、ホップの苦みがしっかり感じられるのが特徴。ドライな口当たりと爽やかな味わいが魅力です。

日本で造られているピルスナーの多くは、ジャーマン・ピルスナーの影響を強く受けています。そのため、日本人にとっては馴染み深い味わいのビール。爽快感や苦みを重視する方におすすめです。

ボヘミアン・ピルスナー

ピルスナーの原型として知られるボヘミアン・ピルスナー。色は淡い黄金色から明るい琥珀色まで、豊富なバリエーションがあります。ジャーマン・ピルスナーと比較すると苦みが控えめなタイプが多いのがポイント。クリアな飲み口と、爽やかな味わいが特徴です。

なお、一般的にピルスナーの醸造に使われている水は、カルシウムやマグネシウムの含有率が低い軟水です。ボヘミアン・ピルスナーは、発祥の地であるピンゼンの水が軟水であったことから誕生した、奇跡の産物とも言われています。

ピルスナーとラガーの違いは?

現在流通しているビールは、使用する酵母によって「ラガー」と「エール」の2種類に分けられます。ラガーは10℃前後の比較的低い温度で発酵する「下面発酵酵母」を用い、エールは20℃前後の比較的高い温度で発酵する「上面発酵酵母」を用いて醸造されています。

また、これらの種類をさらに細かく分類したのが、ビールの「スタイル」と呼ばれるもの。ピルスナーは、ラガータイプに属する代表的なスタイルのひとつです。スタイルは世界中に100種類以上あると言われており、同じラガータイプであってもスタイルごとに味わいが異なります。

ピルスナーのおすすめ

ピルスナーウルケル (Pilsner Urquell)

ピルスナーウルケル (Pilsner Urquell)

ピルスナービールの元祖として名高い「ピルスナーウルケル」。苦味・甘味・香りがバランスよく調和し、芳醇な香りと口当たりのよさが特徴です。モラヴィア産の大麦、ザーツ産のホップ、ピルゼンの軟水など、すべてチェコ産の良質な原料を使用しています。

特にザーツ産のホップは「ノーブルホップ」と呼ばれる、ビールに爽やかな苦みと香りを与える高級ホップ。キレとコクのある味わいはもちろん、後味に残る上品なホップの香りも魅力です。

本銘柄は、チェコの伝統製法である「トリプルデコクション製法」で醸造されています。「デコクション製法」とは、仕込み釜で麦芽を煮出すことで、濃厚な麦汁を抽出する製法。この煮沸の工程を3回繰り返す「トリプルデコクション製法」を行うことで、素材の魅力を最大限に引き出しています。

ビットブルガー(Bitburger) プレミアム ピルス

ビットブルガー(Bitburger) プレミアム ピルス

ドイツを代表する醸造所のひとつ、ビットブルガーが造るピルスナー。アイフェル地方の豊かな水と厳選された原料を使用し、ホップの爽やかな香りと上品な苦みが活かされた銘柄です。

甘みと苦みのバランスがよく、日本のビールに近いスッキリとしたのど越しも魅力。クセが少なく、さまざまな料理に合わせすいのもポイントです。グラスに注ぐと、明るい黄金色の美しさと、ふんわりとした柔らかな泡立ちを楽しめます。

ヴァルシュタイナー(Warsteiner) プレミアム ビール

ヴァルシュタイナー(Warsteiner) プレミアム ビール

ドイツのザワーランド地方にある、アルンスベルクの森で醸造されているピルスナーです。硬度1~2度の上質な軟水と厳選されたホップ、最高品質の大麦を原料としています。まろやかな味わいとともに感じられるほのかな酸味が特徴です。

また、食事に合わせやすい軽い口当たりと、すっきりとした後味をもつので、揚げ物などのしっかりとした味付けの料理と合わせるのがおすすめ。製造は、家族経営としてはドイツで最大規模の醸造所である「ヴァルシュタイナー醸造所」。1753年の創業以来、「ビールの原料は大麦・ホップ・水のみ」とすることを法律で定めた「ビール純粋令」を守り続けています。

ラーデベルガー(Radeberger) ピルスナー

ラーデベルガー(Radeberger) ピルスナー

ラーデベルガーは、ドイツ帝国初代宰相であったビスマルク・オットーが愛飲していたと言われているドイツのピルスナーです。また、中世から近代にかけて栄えたザクセン公国王にも認定された「王の飲み物」としても有名。その証として、ボトルネックには王家の紋章が描かれています。

本銘柄の大きな特徴は円熟した強い苦み。飲みごたえがあり、余韻までしっかり堪能できるので、ビール好きにおすすめです。原料は厳選された麦芽・ホップ・水・酵母のみを使用。低温でじっくりと発酵させる伝統的な製法で醸造されています。

スタロプラメン(Staropramen) プレミアム

スタロプラメン(Staropramen) プレミアム

チェコを代表する醸造所のひとつ「スタロプラメン醸造所」が造るピルスナーです。原料の風味が活かされた、シンプルな味わいが特徴。モルトの爽やかな香りとスッキリとしたのど越しが堪能できます。クセが少ないので飲みやすく、ビールの苦みが得意ではない方にもおすすめです。

本銘柄は、麦汁を仕込釜で煮出す「デコクション」という工程を2回行う「ダブルデコクション製法」を採用しています。麦の香りとコクが十分に引き出された、地元チェコでも人気のビールです。

クローネンブルグ(Kronenbourg) 1664

クローネンブルグ(Kronenbourg) 1664

フランスのアルザス地方にある「クローネンブルグ醸造所」で醸造されたピルスナー。本銘柄の魅力は、ホップの爽やかな苦みに加え、フルーティーで華やかな香りが楽しめること。上品な味わいでのど越しがよく、後味もスッキリとしています。

ビールそのものの味わいを楽しむのはもちろん、食事にも合わせやすいので、フレンチやイタリアンなど、さまざまな料理と一緒に楽しむのがおすすめです。

ステラ・アルトワ(Stella Artois)

ステラ・アルトワ(Stella Artois)

ベルギー中部の町、ルーヴェンで誕生したピルスナー。麦の甘みとホップの爽やかな苦みが調和した、軽快な飲み口が魅力です。キレのあるのど越しながら、若草やハーブのような繊細な香りも楽しめます。日本のビールに近い味わいで親しみやすいことから、ベルギービール初心者にもおすすめです。

「アルトワ」の起源は、1366年にルーヴェンで創業した「デン・ホーレン」というパブ。パブの優秀な醸造士であったセバスチャン・アルトワが醸造所を購入し、その名を「アルトワ」と改名したのが始まりとされています。

ゲッサー(Gösser) ピルスナー

ゲッサー(Gösser) ピルスナー

オーストリアを代表するピルスナー。原料は、醸造所の地に湧き出る名水、シュタイアーマルク州産の良質なホップ、ビタミンやミネラルが豊富なオーストリアの大麦を使用。副原料を使用せず、自国産100%の原料にこだわって丁寧に醸造されています。適度なコクと苦みがあり、力強い味わいが特徴。また、爽やかな口当たりなので、4~7℃程度に冷やして飲むのがおすすめです。

オーストリアが国家の独立を回復するという条約を締結した際、祝宴で飲まれたビールがゲッサーだと言われています。輝かしい経歴をもち、古くから親しまれている銘柄で、現在でもオーストリア全土でもっとも人気のあるピルスナービールとして有名です。

コエド(COEDO) 瑠璃

コエド(COEDO) 瑠璃

国産クラフトビールの代表格である「コエドビール」のピルスナー。軽快な口当たりと深みのある味わいが特徴です。香りと苦みのバランスがよく、爽やかな飲み口なのでさまざまな料理と一緒に楽しめます。銘柄名と同様の、瑠璃色をしたスタイリッシュなラベルがおしゃれなので、プレゼントにもおすすめです。

同ブランドを製造している醸造所は、埼玉県川越市にある「コエドブルワリー」。1997年にビールの本場ドイツから職人を招き、5年をかけて学んだ伝統的な製法で醸造しています。ビールのラインナップは全6種類。海外のコンテストでも数々の賞を獲得するなど、世界的にも評価の高いビールを造り出しています。

盛田金しゃちビール ミツボシビール ピルスナー

盛田金しゃちビール ミツボシビール ピルスナー

本製品は、厳選された原料で造られたピルスナーです。チェコ産ファインアロマホップとドイツ産アロマホップ、木曽川系の地下水などから華やかな香りと適度な苦みが調和した、上品な味わいが特徴。時間をかけて丁寧に麦汁を煮出す「ダブルデコクション製法」を採用しており、素材由来のコクとうま味を十分に引き出しています。

本銘柄の醸造所は、愛知県犬山市にある「盛田金しゃちビール」。ミツボシビールのルーツは1880年代、「三ツ星麦酒」の名で販売されていた銘柄にまで遡ります。約1世紀の時を経て、醸造所を代表する新たなブランドとして「ミツボシビール」が誕生しました。レトロ調のラベルがおしゃれな、プレゼントにもおすすめのピルスナービールです。

独歩 ピルスナー

独歩 ピルスナー

岡山県のビールブランド「独歩(どっぽ)」の香り豊かなピルスナーです。ホップの爽やかな香りと苦み、麦芽由来の香ばしさが特徴。原料には、岡山の清らかな水、ドイツ産の良質な麦芽やホップ、酵母を使用しています。特に酵母は、ドイツ人のブラウマイスターであるウォルフガング・ライアール氏の技術指導によって造られたオリジナル酵母です。

製造しているのは、1915年に岡山県で清酒の醸造からスタートした宮下酒造。ブランド名の「独歩」には、「日本のマイクロ・ブルワリーとして、独立独歩、特色のある、信念のビールを醸造しよう」という意味がこめられています。

小樽ビール ピルスナー

小樽ビール ピルスナー

ピルスナー発祥の地、ピルゼンの伝統的な製法を踏襲して造られたビール。手間と時間を惜しまず丁寧に仕込まれており、軽やかなのど越しと爽快感が魅力です。原料には、毎年買い付けている良質なドイツ産のアロマホップと麦芽に、清らかな小樽の軟水、そして自家製の酵母が使用されています。軽快な味わいのなかに、原料由来の芳醇な香りとコクが感じられるピルスナーです。

本銘柄は、ボトルのデザインがおしゃれなのでちょっとしたプレゼントにも適しています。小樽ビールでは、ピルスナーを含めて3種類のビールを展開しており、いずれも伝統的な製法を遵守した味わいなので、飲み比べをしてみるのもおすすめです。