撮影体験を大事にしたい方におすすめなのがペンタックスの一眼レフ「Kシリーズ」。上質な描写とこだわり抜いた操作性がリーズナブルな価格で入手できるため、最近は若者にも人気です。
そこで今回は、ペンタックスのおすすめ一眼レフをご紹介。初心者向けに特徴や選び方も詳しく解説するので、初めてのペンタックス機を選ぶ際の参考にしてみてください。
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ペンタックスの一眼レフとは?
日本初の一眼レフ
ペンタックスの前身となった旭光学工業は1919年に東京の大塚で創業。1952年に国産初の一眼レフカメラ「アサヒフレックスI」を発表したことでも知られています。ドイツ製のレンジファインダーカメラがまだ主流だった時代に、業界全体の流れを一眼レフにシフトさせ、日本メーカーが躍進するきっかけを作り出しました。
1975年には現行のデジタル一眼レフまで受け継がれる「ペンタックスKマウント」を開始。銘玉レンズを現在までに数多く手掛けています。また、ペンタックスはカメラブランド中で唯一、一眼レフの開発を今後も継続すると明言。撮影体験を大事にするこだわり派のユーザーからの支持を多く集めています。
良心的な設計と価格
細部までこだわって設計されているのもペンタックス一眼レフの特徴です。初心者向けのエントリーモデルを含む現行の一眼レフ全てに、防塵・防滴・耐低温構造とボディ内手ブレ補正機構を完備。過酷な自然環境にも対応でき、手持ちでも安定した撮影が楽しめるので、キャンプや登山などのアウトドア用途にもおすすめです。
良心的な価格設定もペンタックスの一眼レフが人気のポイント。撮影の楽しさを広げる充実した機能性を備えながら、リーズナブルな価格で提供されています。
高価格化が進む最近のミラーレス一眼と比べると、大型センサーを採用するフルサイズ一眼レフも比較的手軽に入手可能。コスパを重視する方にも人気があります。
ペンタックスの一眼レフの特徴
露出を自在に操れる「ハイパー操作系」
「ハイパー操作系」は、ペンタックスの一眼レフが持つ目玉機能のひとつ。「ハイパープログラム」と「ハイパーマニュアル」の2種類が用意されています。
ハイパープログラムは、プログラムオートを拡張した機能。モードダイヤルをPモードに設定した状態で前後のダイヤルを回すと、絞り優先のAvモードやシャッター優先のTvモードへ瞬時に移行可能です。グリーンボタンを押せば、プログラムラインの露出値への復帰も簡単。1つのモードで幅広いシーンに対応できます。
ハイパーマニュアルはマニュアル露出を使いやすくする機能。Mモード中にグリーンボタンを押すと、プログラムラインの露出値を基準に設定を調節できます。露出の手動設定にあまり自信がない方でもMモードが気軽に使用可能。屋内から屋外へと明るさが大きく変わるシーンや、露出を掴みにくいシーンにもおすすめです。
ピントの判別がしやすいファインダー
ペンタックスはファインダーの構成部品であるペンタプリズムをブランド名の由来にしており、光学ファインダーの見え味にこだわっているのが特徴です。
ペンタックス一眼レフの光学ファインダーは、ピントを判別しやすいのが特徴。構成レンズに採用するコーティングを工夫することで、ピントのヤマを掴みやすくしています。遠くの被写体にも高精度なピント調節が行えるため、野鳥撮影にもおすすめです。
視野率約100%のファインダーを搭載しているのも魅力。視野の端まで欠ける部分がないので、構図もしっかり追い込めます。また、明るい視界を確保したまま、透過型液晶によって各種情報の表示も可能です。
手軽に天体撮影が楽しめる「アストロトレーサー」
ペンタックスの一眼レフカメラには、人気の独自機能「アストロトレーサー」もあります。通常、星空を撮影する際には、十分な光量を確保するためにシャッターを長時間開放する必要があります。しかし、地球の自転によって、星は少しずつ動いてしまうのが難点。これまで星を点像として流れることなく撮影するためには、赤道儀という特殊な機材が必要でした。
一方、アストロトレーサーは、ボディ内手ブレ補正機構の応用によって天体の追尾撮影を実現する機能。GPS衛星や一眼レフ内の各種センサーから取得した情報に基づいて天体の動きを算出し、手ブレ補正で動きに同調させます。高価な赤道儀が不要なので、本格的な天体撮影を手軽に楽しみたい方にもおすすめです。
なお、機能の使用にはGPSユニットが必須。非搭載の一眼レフでは外付けユニットが必要になりますが、赤道儀よりも安い費用で入手できます。
ペンタックスの一眼レフの選び方
センサーサイズで選ぶ
APS-C
初心者や機動力を重視する方にはAPS-Cセンサー搭載の一眼レフがおすすめです。APS-Cとは、一般的なスマホカメラのモノと比べて約13倍の面積を持つ中型のセンサーサイズ。ペンタックスの一眼レフでは主力のセンサーサイズです。
画質と携帯性を良好なバランスで両立しているのが特徴。暗所でもスマホを超える高画質が得られ、ボケ表現も手軽に楽しめます。カメラとレンズの両方が比較的軽量コンパクトなのもポイント。旅行や登山など移動量が多くなるシーンにも重宝します。
望遠撮影が有利に進められるのもAPS-Cセンサーの魅力。ペンタックスの一眼レフでは、画角がレンズ焦点距離の約1.53倍相当に望遠化します。野生動物や野鳥などの撮影を軽装で楽しみたい場合にもぴったりです。
フルサイズ
画質へのこだわりが強い方には、フルサイズセンサー搭載の一眼レフがおすすめです。フルサイズとは、スマホのモノと比べて約30倍もの面積を持つ大型のセンサーサイズ。ペンタックスの一眼レフでは上級モデルの1台のみに採用されています。
上質な描写を堪能できるのが特徴。取り込める光量に余裕があるため、臨場感あふれる仕上がりで明暗差やグラデーションも豊かに表現できます。暗所耐性やボケ描写もさらに向上。移動に多少の労力をかけてでも、できるだけ高画質で作品撮りを行いたい場合に活躍します。
レンズを焦点距離そのままの画角で使えるのも魅力。APS-C一眼レフと違って、装着した際にレンズの画角が変わりません。フィルム時代のオールドレンズを本来の画角で味わいたい場合にも有効です。
大きさ・重量をチェック
一眼レフを選ぶ際には、大きさや重量も重要なポイントです。携帯性を重視するなら、重量が800g台以下で収まるAPS-Cタイプの一眼レフがおすすめです。レンズも比較的軽いモノが充実しており、街中や自然公園を長時間歩き回る場合にも重宝します。
一眼レフはミラーレス一眼と比べて大きくかさばるのが難点。購入前には、寸法を見て手持ちのカメラバッグなどに収納できるかを確認しておきましょう。収納性を重視するなら、コンパクトな単焦点レンズと組み合わせて使うのもおすすめです。
モニターの可動方式をチェック
モニターの可動方式も一眼レフを選ぶ際に確認したいポイントです。ペンタックスの一眼レフでは3種類の方式が採用されており、それぞれ特性が異なります。
固定式はモニターを動かせないタイプ。構図確認の際は光学ファインダーが主力になるため、一眼レフならではの撮影スタイルを堪能したい方におすすめです。
バリアングル式はモニターを開いて角度を自在に調節できるタイプ。ハイアングル撮影・ローアングル撮影・自撮りなどが快適に楽しめます。アウトドアで多彩なアングルからの撮影を積極的に試みたい方におすすめです。
フレキシブルチルト式はモニターを4本のステーで保持するペンタックス独自の方式。バリアングル式と違って縦位置と横位置の両方でレンズの光軸に沿ったまま動かせるため、視差を抑えた精密な構図作りにこだわる方におすすめです。
ペンタックスの一眼レフのおすすめ
ペンタックス(PENTAX) KF
初心者にも人気のあるペンタックスのAPS-C一眼レフです。重さ約684gの小型軽量ボディに、高画質な有効約2424万画素のAPS-Cセンサーを搭載。防塵・防滴・耐低温構造も備えており、手袋を装着したままでも操作しやすいので、登山やキャンプに持ち運ぶカメラとしてもおすすめです。
エントリーモデルながら視野率約100%の光学ファインダーやハイパー操作系を採用しているのもポイント。加えて、バリアングルモニターも使用可能です。独自機能「アウトドアモニター」を使えば、野外でも環境に適した見やすい明るさに素早く調節できます。
幅広い感度域で画質を向上させる「アクセラレーターユニット」の搭載も魅力。夜間の焚き火や星空も明るくきれいに記録できます。別売りのGPSユニットを一眼レフ本体の上部に取り付ければ、「アストロトレーサー」も使用可能です。
▼撮影イメージ
ペンタックス(PENTAX) K-3 Mark III
ペンタックスが渾身の技術力を凝縮したAPS-C一眼レフです。暗所耐性を高めた有効約2573万画素の裏面照射型APS-Cセンサーや、最新の画像処理エンジンなどを採用。キーデバイスを刷新したことで画質がより高く洗練されています。
倍率約1.05倍の大型ファインダーを搭載しているのも魅力。フルサイズ機に匹敵する見え味を堪能できるため、一眼レフならではの撮影体験を愉しみたい方にもおすすめです。
「新ハイパープログラム」にも対応。ISO感度を自動選択できるTAvモードにも素早く移行でき、作画意図を露出により反映しやすくなっています。
進化したAFシステムも便利。本モデルは最高約12コマ/秒の高速連写や、流し撮り専用の手ブレ補正モードも備えており、動物や乗り物などの撮影にも重宝します。重さ約820gと携帯性も良好。アウトドアシーンで頼りになる防塵・防滴・耐低温構造も完備しています。
▼撮影イメージ
ペンタックス(PENTAX) K-3 Mark III Monochrome
モノクロ撮影に特化したペンタックスでも異色のAPS-C一眼レフです。モノクロ出力専用に設計されたAPS-Cセンサーを採用。一般的なカラー仕様センサーと違って補間処理が必要なく、細部描写と階調再現に優れた上質なモノクロ画像が得られるので、モノクロでの本格的な作品撮りに打ち込みたい方におすすめです。
各種撮影機能もモノクロ専用に設計されているのもポイント。「カスタムイメージ」ではモノクロ用に開発された3種類の仕上がりから選択可能です。多彩なデジタルフィルターと組み合わせることで、自分独自のモノクロ表現を追求できます。
ボタン類などの外観デザインまでモノクロ仕様にカスタマイズされているのも魅力。一方、ベースになったK-3 Mark IIIと同様、本モデルは電子接点のないレンズとも互換性があります。フィルム時代のオールドレンズを活用した表現も可能です。
▼撮影イメージ
ペンタックス(PENTAX) K-1 Mark II
ペンタックスが誇るデジタル一眼レフのフラッグシップモデルです。有効約3640万画素と、解像力を引き出すローパスフィルターレス設計を採用したフルサイズセンサーを搭載。明暗差の激しいシーンでも臨場感あふれる高画質が取得できるため、風景や星空などの本格的な作品撮りにおすすめです。
手ブレ補正の応用によって高精細画像を生成する「リアル・レゾリューション・システムII」に対応するのもポイント。手持ち撮影用のモードも備えており、三脚が使えない場所でも活用可能です。また、GPSユニットの内蔵も魅力。一眼レフ単体で天体追尾撮影機能「アストロトレーサー」が利用できます。
向きに関係なく構図を精密に調節できる「フレキシブルチルトモニター」も便利。主要操作部にはアシストライトが組み込まれており、暗所での撮影準備をサポートします。ハーフNDフィルターの効果を再現する有償の追加機能「Grad ND」も利用可能です。
▼撮影イメージ
一眼レフでは光学ファインダーによって想像力を引き出した撮影スタイルが楽しめます。ペンタックスは撮影中のプロセスにも強くこだわっているブランドなので、眼前の光景と対話するように1枚1枚を丁寧に記録したい方にもおすすめ。ぜひ気になったKシリーズを入手して、一眼レフならではの醍醐味を体感してみてください。