さまざまな色や形があり、部屋に彩りを与えてくれる「多肉植物」。しかし、同じ多肉植物でも品種によってお手入れの仕方は大きく異なります。誤ったお手入れにより根腐れを起こしたり、枯らしてしまったりすることもあるので注意が必要です。

そこで、今回は多肉植物の育て方やおすすめの品種をご紹介。水やりのタイミングや日の当て方なども詳しく解説するので、参考にしてみてください。

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多肉植物とは?

多肉植物とは、葉や根、茎などの内部に水を蓄えている植物のこと。アフリカやメキシコなどが主な原産地で、砂漠や乾燥地帯などで生息している品種がほとんどです。 多肉植物の種類は多岐にわたり、交配種を含めると約2万種の品種があるとされています。

お手入れの手間があまりかからないことから、初心者でも育てやすいのが多肉植物の魅力。大切に育てれば、20~30年以上楽しめる品種もあります。お手入れの基本をおさえて、さまざまな品種を育ててみてください。

多肉植物の種類

春秋型種

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多肉植物は生長する時期によって大きく3つのタイプに分けられます。まずは、春と秋に生長が活発になる「春秋型種」。10~25℃くらいの過ごしやすい気温を好むため、最低気温が5℃以下にならないように管理しましょう。

初心者でも育てやすい品種は、葉が小さく肉厚な「セダム」や、バラの花束のように見える「エケベリア」など。小ぶりでかわいい「ハオルチア」も、室内で育てやすく人気があります。春秋型の多肉植物は流通量が多く、好みの品種が見つかりやすいのも魅力です。

夏型種

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夏の暑い時期に生育し、春〜冬は生長が緩慢になるのが「夏型種」。20~30℃くらいが適温ですが、湿気に非常に弱い種類です。根腐れを予防するために、風通しのよいところに置くのを心がけましょう。また、冬場は室内の空調が当たらない場所で管理してください。

代表的な品種は、さまざまな形や大きさがある「アロエ」や、カラフルな花やユニークな葉をもつ「カランコエ」などがあります。ゴツゴツとした葉が広がる「アガベ」も存在感があり、インテリアプランツとしておすすめの品種です。

冬型種

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秋から春にかけて生長が活発になるのが「冬型種」。夏は休眠期に入り、ほとんどの品種が秋になると花を咲かせます。冬型種は蒸し暑さが苦手なので、5~20℃くらいの温度で育てましょう。

冬型を代表するのは、鮮やかな葉の色が特徴の「アエオニウム」や、扁平な球体の葉が並んでいるように見える「リトープス」など。丸く手を合わせたようなかわいい形の「コノフィツム」は、特に女性から人気があります。

おすすめの多肉植物|春秋型種

セダム


セダム
初心者におすすめの育てやすい多肉植物

初めて多肉植物を育てる方におすすめなのが「セダム」です。国内で流通する品種は耐寒性や耐暑性に優れており、丈夫で育てやすいのが魅力。種まき・株分け・挿し芽・葉挿しなどさまざまな方法で増やせます。

雪や霜に当たっても傷みにくい特徴がある一方、高温多湿には弱いのが注意点。梅雨から夏にかけては、風通しがよく雨の当たらないところに置きましょう。風通しが悪いと、アブラムシなどの害虫が付くことがあります。

セダムのなかで人気なのが、葉先がポツリと赤い「乙女心」や、小さな玉がたくさん連なる「新玉つづり」など。たくさんの種類があるため、セダムだけで寄せ植えしてもかわいく仕上がります。

ハオルチア


ハオルチア
室内で育てられるのでお手入れも簡単

明るい光を必要とせず、室内でも気軽に育てられるのが「ハオルチア」。ほとんどの種は大きくなっても15cmほどで、設置スペースが限られている場合でも楽しめます。直射日光の下でも枯れることはありませんが、成育が遅れることがあるので気を付けましょう。

ハオルチアは、葉が硬くて鋭い「硬葉系」と、やわらかく透明感のある「軟葉系」の2つに分類されます。硬葉系は放射状に広がった葉と、幾何学的な整った株が魅力。軟葉系は肉厚で短い葉と、葉先が光を受けて淡く透けている姿が神秘的です。

硬葉系でおすすめなのが、雪が降り積もったように見えて美しい「松の雪」。軟葉系では、葉がぷくぷくと膨らみキラキラと輝いて見える「オブツーサ」が人気があります。また、メリハリを付けたい方は、軟葉系と硬葉系のハオルチアを寄せ植えるのもおすすめです。

エケベリア

エケベリア
季節によって変化を楽しみたい方にぴったり

「エケベリア」は、鮮やかな葉が重なって花のような形を作る多肉植物。晩秋から春にかけて日によく当てると、葉が紅葉色に染まります。初春から夏にかけては小さな花を咲かせ、1年を通し多彩な表情が楽しめる品種です。

植え替えが2~3年に1度で済むので、お手入れがしやすいのもポイント。春と秋の季節限定ではありますが、庭に植えて育てることもできます。ただし、高温多湿に弱いので梅雨の時期は雨が当たらず風通しのよいところに設置しましょう。

おすすめの品種は、ふっくらと丸い葉の先にピンク色が縁取られた「チワワエンシス」や白く美しい葉が特徴の「ラウイ」など。花が咲いていなくとも葉がバラのように見えるので、華やかなインテリアとして楽しめる品種です。

グリーンネックレス

グリーンネックレス

ツル性の多肉植物で、ビーズのような丸い葉が連なる姿が特徴の「グリーンネックレス」。30〜100cmほど成長し、プラントハンガーで吊るしたり、鉢を高い位置に置いたりすることで、葉やツルが美しく流れ落ちる姿を楽しめます。

グリーンネックレスは、風通しのよい明るい場所で管理することがポイント。強い直射日光は避け、夏場は明るい日陰で育てましょう。また、水分を葉に溜め込む性質があるので、水やりや肥料を控えめにすることも大切です。

代表的な品種は、三日月型の葉が特徴的な「三日月ネックレス」、葉先が尖った「ピーチネックレス」などがあります。

グラプトペタルム

グラプトペタルム

肉厚の葉と白い粉を帯びた表面が特徴的な「グラプトペタルム」。多くの品種が放射線状に葉を広げ、春には黄色やオレンジ色の花を咲かせます。比較的暑さや寒さに強く、戸外での管理もできるため、初心者にも育てやすい品種です。

グラプトペタルムは、日当たりと風通しのよい環境で育てましょう。夏は直射日光を避け、戸外の日陰で育てるのがポイントです。冬は霜に当たらないよう注意が必要。また、底の浅い鉢での栽培も可能です。

おすすめの品種は、小型で白みがかった美しい葉が魅力の「姫秋麗」や、特に丈夫に育ちやすい「朧月」などがあります。どちらも葉挿しが容易で、増やしやすいのが特徴です。

おすすめの多肉植物|夏型種

アロエ

アロエ
扱いやすく初心者にも育てやすい品種

多肉植物のなかでも知名度が高く、万能薬とも称されるのが「アロエ」。世界に約500種の原種があるとされており、直径約3cmのモノから10m以上に成長するモノもあります。なお、日本に流通しているのは、ほとんどが3~15cmほどの扱いやすい品種です。

アロエは強い日射しを好む品種なので、ベランダや窓辺に飾るのがおすすめ。寒さに強い品種もありますが、多くは5~10℃以下の温度に耐えられません。戸外で越冬するのは難しいため、冬の時期は屋内で管理しましょう。

代表的な品種は、オレンジ色の花を咲かす「キダチアロエ」や、肉厚で大きな葉が特徴の「アロエベラ」など。どちらも肥料をほとんど必要とせず枯れにくいので、初心者にも育てやすい品種です。

アガベ

アガベ
シンプルでスタイリッシュなデザインが好きな方に

放射状に葉が広がり、ほとんどの品種にトゲが付いているのが「アガベ」です。暑さに強いだけでなく、耐寒性のある品種が多いのも特徴。戸外で越冬できる品種もありますが湿気には弱いので、雨に当たらないように注意しましょう。

アガベは乾燥に強いので、生育期にあたる夏場でも頻繁に水やりを行う必要はありません。水をやりすぎると根腐れを起こすので、土がしっかり乾いてから水をあげるようにしましょう。

特に人気があるのは、白い粉に覆われ鮮やかな緑の葉が美しい「アテナータ」。生長すると高さが1~2mほどになり、寒さにも強い「アメリカーナ」もおすすめです。シンプルでスタイリッシュなデザインが好きな方は、アガベの品種を検討してみてください。

エキノカクタス

エキノカクタス

「エキノカクタス」はサボテンの一種です。丸く膨らんだ姿とトゲが魅力で、多くのサボテン愛好家から人気があります。ドライガーデンやロックガーデンなどのアクセントとして取り入れたい方にもおすすめの品種です。

代表的な品種は、黄金色のトゲをもつ「金鯱」。ほかにも、短いトゲの「鷲爪」や「プラチナ金鯱」、ほぼトゲのない「刺なし金鯱」、不規則なトゲの「狂刺金鯱」などがあります。トゲの形状や色によって品種もさまざまです。

エキノカクタスは、日当たりと風通しのよい場所で管理するのがポイント。ただし、夏の強い直射日光は避けましょう。水やりは春から秋にかけて行い、冬は控えめにします。寒さにはある程度強い品種ですが、5℃以上を保つようにするほか、霜対策も必要です。

クラッスラ

クラッスラ

「クラッスラ」は、小さなかわいらしい花を咲かせる多肉植物。種類は豊富で、品種によって春秋型・夏型・冬型に分類され、それぞれ異なる性質をもつのが特徴です。

代表的な品種は、秋から冬に葉が赤く色づく「火祭り」、筒状の葉が特徴的な「ゴーラム」、刀のような葉を展開する「神刀」などがあります。

特に人気の高い品種が、夏型の「花月」。別名「金のなる木」とも呼ばれており、縁起のよい名前から開店祝いをはじめ、新築・就職・進学など、さまざまな祝い事の贈り物としても喜ばれるおすすめの品種です。

育て方は、品種ごとに若干の違いがあります。基本的には日当たりのよい場所を選び、高温多湿な環境は避け、適度な通気を確保することが大切です。

エピテランサ

エピテランサ

「エピテランサ」は、白い胞子やキノコのような姿が魅力的な、小型の多肉植物です。白色や薄黄色の短いトゲで全身が覆われていますが、触っても痛くないため扱いやすいのが特徴。ゆっくり育つので、じっくりと植物の成長を楽しみたい方におすすめです。

代表的な品種「月世界」は、丸みを帯びた体型で、春にはパールピンクの花を咲かせます。「かぐや姫」は菌類のような繊細な姿が魅力です。

エピテランサは、寒さには強い一方で、暑さと蒸れに弱いのが懸念点。風通しのよい涼しい場所で管理しましょう。また、日光をしっかり当てることで、花付きもよくなります。水やりは、花座に水がかからないよう、株元にゆっくりと行うのがポイントです。

おすすめの多肉植物|冬型種

プレイオスピロス

プレイオスピロス

割れた石のような見た目が外観の「プレイオスピロス」。表面にはボツボツとした模様があり、それは光を取り込むための窓の役割を果たしています。栽培には少し手間がかかりますが、不思議な姿の成長過程を楽しみたい方におすすめの多肉植物です。

プレイオスピロスの管理には、1年を通して日当たりと風通しのよい環境が必要。また、高温多湿に弱く、夏の蒸し暑さによって、傷んだりカビたりすることもあります。比較的寒さには強い品種ですが、十分な光量と日照時間の確保が大切です。

種類が多いなかで特に人気を集めている品種は、グレーがかった緑色の「帝玉」。ほかにも、全体が紫色の「紫帝玉」、鮮やかなピンクの新芽が特徴的な「令和の桃子」などがあります。

チレコドン

チレコドン

「チレコドン」は、ミニサイズから2mにも及ぶ大型種まで、多様な品種をもつ多肉植物です。葉が落ちた後に伸長した花茎の先で、かわいらしいベル状の花を咲かせるのが特徴。ゆっくりとした成長を観察しながら、長期的に育てたい方におすすめです。

特に人気の品種は、クリーム色の太い茎とトゲ状の花茎が印象的な「万物想」。ほかにも、小型で木肌が滑らかな「ブックホルジアヌス」、バオバブのような太い幹の「パニクラーツス」、凸凹とした突起が目を引く「ワリチー」などがあります。

チレコドンは、生育期には直射日光を十分に当てるのがポイント。乾燥を好むため、水やりは控えめにします。夏は月2回ほど、冬は土が乾いてから水を与えましょう。また、冬は最低5℃以上を保ち、寒風を避けて室内や温室で管理することも大切です。

ディオスコレア

ディオスコレア

「ディオスコレア」は、塊根が特徴的な多肉植物。土中で形成される塊根は、成長とともに地上に現れます。独特の模様や形状を楽しめるのが魅力です。

代表的な品種に冬型の「亀甲竜」があります。塊根の表面が、亀の甲羅のようなひび割れ模様をしていることから名付けられました。日本でも長年愛好家に親しまれています。

亀甲竜は、塊根部への直射日光は控えめにし、葉にはしっかり日光を当てるよう工夫が必要。葉を落としている期間は断水し、涼しい場所で管理しましょう。冬は0℃以上を保ち、冷たい風を避けることが大切です。

また、姿がよく似た「メキシコ亀甲竜」という夏型の品種もありますが、栽培が難しいため、初心者には亀甲竜がおすすめです。

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番外編:多肉植物を育てるポイント

日当たり・置き場所

多肉植物は、型によって適した日当たりや置き場所があります。春秋型種の場合、生育期の春と秋は日当たりがよく風通しのよい場所で管理。夏は風通しのよい半日陰に置き、冬は日当たりのよい室内に設置しましょう。

夏型種は、1年を通してなるべく日当たりのよいところに置くと元気な株に育ちます。ただし、直射日光が強すぎると葉が日焼けしてしまうので、遮光ネットをかけて調節してみてください。冬場は外に出さず、日当たりのよい室内で管理するのがおすすめです。

冬型種は寒さに強いタイプですが、霜が降りるほどの寒さには耐えられません。冬の日中は日当たりのよいところへ置き、夜になったら室内に取り込みます。窓際などの寒いところは避けて、室温が5℃以下にならないように注意してください。

水やりのタイミング

水やりのタイミングは、多肉植物の型によって大きく異なるので注意が必要です。春秋型種は生育期にあたる春と秋にたっぷりと水を与え、夏は一切水を与えません。休眠期の冬も水やりは控え、月に1~2回だけ霧吹きを使って葉に水を吹きかけてあげましょう。

夏型種は、5~9月の生育期に水やりをします。夏の暑い時期は、午前中に水をあげると蒸れたり葉焼けの原因になるので注意が必要です。涼しくなる夕方以降に水をあげるようにしましょう。10月ごろからは少しずつ水の量を減らし、冬は断水してください。

冬型種は、9月ごろから少しずつ水の量を増やして水やりをします。11月ごろからは、受け皿に水が染みでるまで水を与えてください。朝方や夕方などの冷える時間帯を避け、晴れた日の午前中に水やりするのがポイント。5月ごろからは水の量を減らしていき、夏場は水を与えないようにしましょう。