柔らかく繊細で、あたたかみがある印象の水彩画。筆によって水彩画特有のぼかしや滲みといったニュアンスを出せるかは、水彩画を描くうえで重要なポイントです。

今回は、水彩筆のおすすめ製品をご紹介。選び方も解説しているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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水彩筆の種類|形状

丸筆

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水彩画を描く際に使われることが多い丸筆。曲線が描きやすく、タッチ次第で細い線も太い線も描けるため、さまざまな場面で活躍します。また、毛先を使えば細かなところに、全体を使えば広い部分を塗りこむのにもおすすめです。

基本的な丸筆のサイズは8~10号。サイズ違いで複数本揃えておくと便利です。

平筆

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平筆はフラットとも呼ばれており、筆先が揃えられた平たいフォルムをしています。まっすぐな線を引いたり、角を塗りこんだりするのにおすすめです。また、ムラになりにくいため、広い面を均一に塗るのにも適しています。

面相筆

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筆全体が細長く、グラデーションを描くのに向いている面相筆。もともと、日本人形の顔を描くために作られた日本画用の筆なので、繊細なニュアンスを出せるのが魅力です。

ただし、一度に色付けできる面積が少なく、細いゆえに扱いにくいのがデメリット。中級者以上におすすめの水彩筆です。

水彩筆の種類|毛質

天然獣毛

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水彩筆には、馬・タヌキ・イタチ・コリンスキーなどの動物の毛が使われているモノがあります。特にコリンスキー毛は、コシが強く絵具の含みもよいのがポイント。さまざまな筆のなかでも、高級品質の素材といわれています。また、イタチやタヌキの毛はしなやかさがあるため、初心者の方でも使いやすいのが特徴です。

天然毛は表面がキューティクルに覆われており、ギザギザとしているので、高い保水性を有しています。水を使ってぼかしたり滲ませたりする水彩画にはぴったりな素材です。

人工毛

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最近では品質が向上し、天然毛に近い性能を持つモノもある人工毛の水彩筆。なかでも、水彩に適した毛質を持つセーブルを模して作られた「リセーブル」は、天然毛のような特徴があります。毛の表面が天然毛のようにギザギザとしているので、保水性が高く、天然毛のような描き心地を得られる水彩筆です。

主に使われる素材はナイロンで、素材自体に経年劣化が起きにくいのもポイント。リーズナブルな価格帯でラインナップされていることが多く、初めて水彩筆を購入する方にもおすすめです。

ブレンド毛

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天然毛と人工毛を組み合わせているのがブレンド毛。それぞれのよいところを掛け合わせて作られており、使い勝手は良好です。

なお、組み合わせる毛の種類や配分バランスは、メーカーごとに違います。各毛質を理解した筆職人が最適なバランスを見ながら配合していくので、製品によって描き心地が変化するのもブレンド毛の特徴です。

水彩筆の選び方

水の含みで選ぶ

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水彩絵具には、透明水彩と不透明水彩(ガッシュ)の2種類あります。どちらも水で絵具を溶かして使うため、水の含みがよい筆を選ぶことが重要なポイント。水の含みがよい筆は水や絵具を何度も付けなおすことなく、描き進めやすいのが魅力です。

一方で、水を含みにくい筆は、色が途切れやすい傾向があります。かすれによる表現を使いたいときに重宝するので、水の含みがよい筆と含みにくい筆を1本ずつ揃えておくのもおすすめです。

弾力で選ぶ

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水彩画に挑戦したいと思っている初心者の方には、筆先を画用紙に押し当ててもすぐ戻るくらい弾力がある筆がおすすめ。コシが強い筆は、筆圧をかけても筆先が逃げにくく、さまざまな線を描きやすいのが特徴です。

弾力が少ない筆はタッチが柔らかいため、毛先をコントロールしながら細かく繊細な絵を描きこむときに重宝します。また、毛先の形状が変化しやすいので、広範囲の色付けなどにも活用可能です。

毛のまとまりで選ぶ

筆に水を含ませたときに、毛先がまとまるタイプとまとまりにくいタイプがあります。それぞれ描ける絵のテイストが異なるため、水彩筆を選ぶ際には、毛先のまとまり具合もチェックしておきましょう。

細やかで繊細なボタニカルや人物、動物などを描きたい場合は、毛先がまとまりやすいタイプがおすすめ。色彩の淡さを際立たせたいときや抽象的なモチーフを描きたい場合には、毛先のまとまりが少ない方がニュアンス重視で描けます。

号数で選ぶ

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筆のサイズは「号」という単位で表されます。数字が大きくなるほどサイズが大きくなり、一般的に販売されているのは0~20号まで。描きたいキャンバスのサイズや、描き込みの細かさに応じてサイズの異なる筆を使い分けます。

水彩画を描くのに最も多用される丸筆は、まず18号程度の太めのモノを用意するのがおすすめです。細部を描き込む場合は、12号・8号・4号程度の筆を用意すると、太さにメリハリをつけやすくなります。

また、平筆を1本用意しておくと、広い面の塗り込みに便利です。仕上げる絵のサイズに合わせて、まずは16~6号程度の筆を1本用意してみてください。慣れるにつれて欲しい筆の号数がはっきりしていきます。

持ち運びたいなら収納ケース付きのモデルを

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外出先で使用する頻度が多い場合は、持ち運びに便利な収納ケースが付属するモデルがおすすめ。収納ケースは、筆の紛失防止や筆先を傷めずに保管しやすいのがメリットです。

プラスチック製の筆筒タイプや1本ずつ収納可能な布製タイプなど、さまざまな収納ケースがラインナップ。用途や好みに合ったモノを選んでみてください。

水彩筆のおすすめメーカー・ブランド

ホルベイン(Holbein)

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1900年に大阪で生まれた「ホルベイン」。創業当時は吉村峯吉商店として、金属文具クリップや洋綴じのノートなどを含めた文具類全般を取り扱い、数々のヒット商品を生み出してきました。

1946年になってホルベイン工業株式会社を設立し、絵具や画材を主としてさまざまな製品を開発。全国各地の画材店で取り扱いがあり、多くの方に親しまれているメーカーです。

ラファエル(Raphael)

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1793年にフランスで創業した「ラファエル」。筆の専門メーカーとして古くから親しまれ、現在ではその高い品質から、フランス文化庁の推薦を受けるほどです。

ラファエルが作る筆は、筆の毛先を一切刃物でカットせずに1本1本手作りで仕上げているのが特徴。選び抜かれた素材で作られる高品質の筆は、多くの画家たちから支持されています。

エスコダ(Escoda)

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「エスコダ」は、1933年にスペインで創業されたメーカーです。フランスやドイツで生産された筆が流通していたなか、スペイン初の筆メーカーとして誕生しました。

職人の手によっていくつもの工程を経て作られるエスコダの筆は、自然にしなりつつも元の形状を維持できるのが特徴。さらに、人間工学的に手に馴染むように設計された持ち手部分もポイントです。

ナムラ

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1940年に名村春雄氏によって創業された「名村大成堂」。1949年には、水彩用画筆などが文科省基準品として認定を受けるなど、古くからその品質を評価されています。

特に水彩画筆は研究が積み重ねられ、現在では世界トップクラスの製筆技術を有しているといわれるほどです。「ナムラ」シリーズとして発売している同社の筆は、さまざまな獣毛を独自の技術で加工しており、初心者からプロまで幅広く愛されています。

水彩筆のおすすめ

ホルベイン(Holbein) 水彩筆 ブラックリセーブル 丸1号 204151

ホルベイン(Holbein) 水彩筆 ブラックリセーブル 丸1号 204151
ソフトな描き心地で、繊細な水彩画におすすめ

絵具や水の含みがよい、ソフトな描き心地の水彩筆です。特殊処理が施されたリセーブル毛の特質を加えた良質なリス毛を採用しており、繊細な水彩画に適しています。

ブラックリセーブルの柔らかい描き心地ながら、細やかな線も描ける鋭利な穂先も魅力のひとつ。筆先の使い方によって、描ける線の太さや色の付け方が変えられるため、使い勝手のよい製品です。

ホルベイン(Holbein) ニューリセーブル 3100R 20号

ホルベイン(Holbein) ニューリセーブル 3100R 20号

リセーブル原毛に羊毛をブレンドした水彩筆です。水彩用に求められる、しなやかな弾力と優れた絵の具含みを実現。初心者の方でも比較的扱いやすく、さまざまな表現を楽しめます。

サイズは丸筆の20号。広範囲を塗るのに適しているのはもちろん、毛先のまとまりがよいので、細部まで描けます。1本で多彩な用途に使えるため、汎用性を重視する方におすすめです。

ホルベイン(Holbein) 画筆セット

ホルベイン(Holbein) 画筆セット

4号・8号・12号の筆が3本セットになっている画筆セット。イタチ混毛の筆なので、ほどよくコシがありながら、まとまりがよいのが特徴です。

穂先にまとまりがあるため、細かな描き込みをしやすいのもメリット。特に細かな絵を描きたいときは4号、広範囲にわたって絵具を塗りたいときには12号を使うなど、使い分けができるのも魅力です。

ラファエル(Raphael) コリンスキー コリンスキー丸2号 8404

ラファエル(Raphael) コリンスキー コリンスキー丸2号 8404
弾力や水の含みがよく、思い通りに描きやすい

穂の長さが約15mmで、繊細な絵柄の色付けに適した水彩筆。ロシアの寒い地方に住む赤テンの毛を使用しており、弾力や水の含みがよいのが特徴です。

思い通りに描きやすく、長く使える耐久性の高さが魅力。細身ながら手で持つ部分には丸みがあり、握りやすくなっています。柄の先端に施されたオレンジの差し色がおしゃれな水彩筆です。

ラファエル(Raphael) 携帯用水彩筆 レザーセット

ラファエル(Raphael) 携帯用水彩筆 レザーセット

携帯に便利なケースが付属する、金属性キャップ付き水彩筆3本セットです。キャップは穂先の保護だけでなく、軸に取り付けることで筆の持ち手を長くして使用可能。携帯性と描きやすさを両立しているのが特徴です。

ケースは高級感のある本革を採用しており、優れた吸湿性と放湿性を備えているのがメリット。屋外で絵を描くことが多い方におすすめです。

エスコダ(Escoda) RESERVE 1212 丸4号

エスコダ(Escoda) RESERVE 1212 丸4号

イタチの天然獣毛「コリンスキータイミールセーブル」を採用した水彩筆です。しなやかな弾力と毛先のまとまりがよいので筆先をコントロールしやすいのが特徴。精細でシャープな絵を描きたい方におすすめのモデルです。

細身のラウンド形状ながら優れた絵の具含みを実現しているのもポイント。途中で絵の具を足すことなく快適に描きやすいのがメリットです。

ナムラ 水彩筆 SW 10号 丸

ナムラ 水彩筆 SW 10号 丸
しなやかで弾力があり、細やかな部分への塗りこみにおすすめ

イタチの毛と厳選された馬毛を混毛した水彩筆。発売以来40年以上愛され続けているロングヒットモデルです。

しなやかで弾力がある筆なので、細やかな部分への書き込みや塗りこみを行うときに重宝します。赤茶をさらに深くしたようなカラーの軸で、アンティークな雰囲気がある筆です。

ナムラ 面相筆 イタチ毛 黒軸面相 小

ナムラ 面相筆 イタチ毛 黒軸面相 小
繊細な模様などを細かく表現したい方に

日本の老舗メーカー「ナムラ」の黒軸面相筆。日本画・デザイン・アニメーションの分野まで広く使われている製品です。素材には中国産イタチ毛を使用。弾力と穂先のまとまり、絵具含みのよさが魅力です。

また、本製品は面相筆なので穂先が長く、細かな線を描き込むのに向いています。人の表情や繊細な模様などを細かく表現したい方におすすめです。

アルテージュ(ARTETJE) 水彩筆 アクアレリスト900 キャッツタン 170012

アルテージュ(ARTETJE) 水彩筆 アクアレリスト900 キャッツタン 170012

ナイロン毛を使用した12号の水彩筆です。リス毛に近い質感を実現しており、まとまり・復元力・耐久力を備えています。保水力が高く、彩色・ボカシ・にじみを出すのに便利です。

適度な横幅がありながら穂先が尖った、名前の通り猫の舌のような形です。毛先のまとまりがよいのが特徴。平筆と丸筆のいいとこ取りといえる形状で、エッジの利いた線描から面塗りまでさまざまな表現が可能です。

ぺんてる 絵の具筆 ネオセーブル 3本セット XZBNR-3S

ぺんてる 絵の具筆 ネオセーブル 3本セット XZBNR-3S

1946年に設立された「ぺんてる」の筆セットです。丸筆の0号・6号・14号の組み合わせ。コシの強いナイロン繊維で作られており、水含みがよく、細かなところも広範囲への塗りこみもしやすいのが特徴です。

毛抜けが少なく、腐食にも強いため、お手入れが楽なのもポイント。初めて水彩画に挑戦する方にもおすすめです。滑り止め加工が施された持ちやすい軸には、転がり止めも付いています。水彩絵具だけでなく、アクリル絵具でも使用できるため、1セット用意しておくと便利です。

ターレンスジャパン(TALENS JAPAN) ヴァンゴッホ ビジュアル筆6本入りセット GWVフデ-6セット

ターレンスジャパン(TALENS JAPAN) ヴァンゴッホ ビジュアル筆6本入りセット GWVフデ-6セット

ポリエステルから作られた人工毛に天然毛を混ぜた、便利な5本セットの水彩筆です。コシの強さと水含みのよさを両立しています。

一番大きな筆先が6号なので、細かな絵を描く方や絵葉書などの小さな水彩紙に描く方には特におすすめ。先端が細くなっている面相筆から丸筆、平筆まで揃っているため、水彩画に初めて挑戦する方にぴったりです。

ステッドラー(STAEDTLER) 水筆 ウォーターブラシ 中筆 94901

ステッドラー(STAEDTLER) 水筆 ウォーターブラシ 中筆 94901

筆の軸部分に水を入れて使うタイプの水筆ペンです。軸部分を押すと筆先が濡れる機構になっているので、水彩色鉛筆や水彩パステルで絵を描く方は特に重宝します。

ポリエチレンの本体は軽くて扱いやすく、持ち運びにも便利。筆先はしなやかで弾力のある素材なので、細かなディテールの塗りこみにも使えます。

サクラクレパス 画筆 ネオセブロン 丸形3本セット 筆筒入り

サクラクレパス 画筆 ネオセブロン 丸形3本セット 筆筒入り

日本の画材メーカー「サクラクレパス」が販売する筆セットです。特殊形状の繊維を使用した人工毛を採用。水や絵の具の含みに優れており、のびやかに描けるのが特徴です。

0号・6号・14号と使い勝手のよい3本の組み合わせ。穂先のまとまりがよく、太くも細くも自在に描けるので表現の幅が広がります。

手にフィットしやすい「三角グリップ」を採用。机上で筆が転がりにくいのがポイントです。また、筆筒は開閉しやすいプラスチック形状。穴が4ヶ所あり、通気性にも優れています。

丸善美術商事 インターロン画筆 1027 平6号

丸善美術商事 インターロン画筆 1027 平6号

形状記憶を施した画期的な水彩筆です。人工毛を均等に内側に揃えて穂先を作る「マキ製法」を採用。穂先が外側にばらつかず、まとまりのよい描き味を実現しています。

4種類のナイロン毛をブレンドしており、優れた耐久性を備えているのが魅力。弾力のある水含みのよい毛先は、水彩画・アクリル・油絵に対応できます。使いやすさと耐久性を兼ね備えた水彩筆を探している方におすすめです。

ウィンザー&ニュートン( Winsor & Newton)水彩筆 シリーズ7 No.8

ウィンザー&ニュートン( Winsor & Newton)水彩筆 シリーズ7 No.8

やわらかで弾力のある、最高級コリンスキーセーブル毛を採用した水彩筆です。水や絵の具の含みに優れており、水分量の調整がしやすいのが魅力。また、熟練の職人が高級な毛の選定から1本ずつ手作業で仕上げているのもポイントです。

細い線から広範囲の塗りまで、幅広く活用できる丸筆8号サイズ。まとまりのよい穂先は使用中でも崩れにくく、描画だけでなくクラフトワークのアーティストにも使われています。

アムス(AMS) アルテージュ キャムロンプロ610 フラット 6号

アムス(AMS) アルテージュ キャムロンプロ610 フラット 6号

用途に合わせて「フィルバード」や「アンギュラー」など、多彩な穂先が選べるロングセラーシリーズの水彩筆です。ナイロン毛を採用しており、しなやかでまとまりのある毛先に仕上がっています。絵の具離れのよいシャープな描き味を実現しているのがメリットです。

サイズは平筆の6号。フラット形状で面の塗りこみに適していますが、筆の角度次第で多様な表現も楽しめます。加えて、穂先は弾力性に優れており、初心者の方でも扱いやすいのが魅力です。

水彩筆のお手入れ方法は?

水彩筆に限った話ではありませんが、使用後の筆は必ず絵具を洗い落としてしまっておくのが重要。絵具が残っていたり、筆洗に浸したままにしたりすると、筆に傷みや腐食が置きやすくなります。筆洗で洗ったあとに流水でしっかりと洗い流すのがおすすめです。

洗い流したらそのまま放置せず、タオルやティッシュで包むように水気を拭き取りましょう。穂先を元の状態に整えたら、直射日光が当たらない風通しのよい場所で乾かすのがポイントです。

なお、しっかりと乾ききる前にキャップをするのも、カビの原因になるので控えましょう。