ミュージシャンや作曲家が音を確認するために使用するのが「モニターイヤホン」。音を正確に拾えるので、プロの現場で活躍します。また、一般用として使えるモデルも幅広く展開されているのが特徴です。
そこで今回は、モニターイヤホンのおすすめモデルをご紹介。選び方や人気メーカーについても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
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モニターイヤホンとは？
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モニターイヤホンは、主にステージミュージシャンやオーディオエンジニアなどが使用する、プロ向けの製品。自分が演奏している音を聴いたり、制作した楽曲の仕上がりを確認したりするために使います。
プロの現場では正確に音をチェックする必要があるので、モニターイヤホンは高音質かつ遮音性に優れているのが特徴。製品によっては一般ユーザーでも購入しやすいモデルも展開されているため、音質にこだわる音楽好きの方にもおすすめです。
モニターイヤホンの選び方
使用目的で選ぶ
作曲・DTM用
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一般的なイヤホンやヘッドホンは「リスニング用」と呼ばれ、人が心地よいと感じる音に調節されているのが特徴。しかし、作曲やDTMで適切な編集作業を行うためには、音の定位や音量バランスなど、音楽において重要なポイントをフラットに聴ける要素が求められます。
作曲などでモニターイヤホンを使いたい方には、余計な色付けがされていない、素直で原音に近い音を再生できるモデルがおすすめです。
ステージ用
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ステージやレコーディングで正確な演奏や歌唱を行うには、音の「返し」を適した状態で聴くことが重要。音の返しとは、自分やほかの人が発している演奏音や歌声のことを指します。
ほかにも、正しい演奏をサポートする、クリック音やバックトラッキング（伴奏）といった音の確認も必要。そのため、周囲のさまざまな音に惑わされず聴き取りやすい、遮音性に優れたモニターイヤホンがおすすめです。
遮音性をチェック
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遮音性が低いモノだと周囲の音が聴こえてしまい、正確に音をチェックできない場合があります。本体やイヤーピースの形状・素材を工夫するなど、遮音性を向上させる設計が施されているモニターイヤホンを選びましょう。
また、イヤーピースは通常付属しているS〜Lなどのサイズ違いに加え、硬さの異なるモノが同梱されたモデルも。より確実に耳にフィットするため、高い遮音性が期待できます。
装着感をチェック
プロの方と一般の方、どちらが使う場合でも、装着感のよさは重要なポイントです。音質がよく遮音性に優れたモデルでも、フィット感が悪かったり、耳が痛くなったりすると、作業や音楽に集中しにくい場合があります。
モニターイヤホンの購入を検討する際は、長時間のリスニングが快適にできるよう、軽量でフィット感のよい製品を選ぶのがおすすめです。
ドライバーの駆動方式をチェック
バランスド・アーマチュア型
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「バランスド・アーマチュア型」は、振動板に加えて「アーマチュア」という小型の鉄板を搭載しているドライバーです。アーマチュアに電流を流した際に生じる振動を利用し、音声を振動板に伝送。クリアなサウンド再生が得意で、中高音域の再現性に優れています。
ダイナミック型に比べると音のレンジが狭く、低音域の再生は苦手。解像度が高いため、繊細な音を求めている方におすすめです。
ダイナミック型
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「ダイナミック型」は、モニターイヤホンのなかでもスタンダードなドライバーです。音声信号を振動板に伝える駆動方式で、再現できる音のレンジが広いのが特徴。低音域の出力に優れており、迫力のあるサウンド再生が得意です。
比較的リーズナブルなモデルが多い点もメリット。なお、パワフルに楽曲を鳴らせるものの、ひとつひとつの音表現は不得意です。
ハイブリッド型
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「バランスド・アーマチュア型」と「ダイナミック型」、両方のドライバーを搭載したのが「ハイブリッド型」です。バランスド・アーマチュア型ドライバーでクリアな中高音域再生を、ダイナミック型ドライバーで迫力ある低音域再生を楽しめます。
力強さと繊細さを兼ね備えたサウンドが魅力的ですが、価格はやや高め。モニターイヤホンのなかでも特に音質が高いので、予算に余裕がある方におすすめです。
モニターイヤホンのおすすめメーカー
ゼンハイザー(SENNHEISER)
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「ゼンハイザー」は、ドイツに本社を構える音響機器メーカーです。設立は1945年。特にヘッドホンやマイクが有名で、プロ用としても数多く採用されています。
ほかにも、イヤホン・航空用ヘッドセット・ゲーミングヘッドセット・ヘッドホンアンプなど、オーディオ関連の製品を幅広く手掛けているメーカーです。
シュア(SHURE)
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1925年に創業した、マイクやイヤホンなど音響機器の製造・販売を手掛けるアメリカの老舗メーカーです。イヤホンブームの火付け役ともいえるモデルを開発したことでも有名。リスニングだけでなくモニタリングにも使用可能な性能の高さが魅力です。
激しい動きにも安定してフィットする「シュア掛け」と呼ばれるイヤホンの装着方法を世に広めたともいわれています。プロ・アマを問わず、人気のブランドです。
ソニー(SONY)
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1946年に設立された、日本を代表する電気機器メーカーです。1979年に、ヘッドホンで音楽を楽しむ携帯型のカセットプレーヤー「ウォークマン」を発売したことでも有名。音楽のリスニングスタイルを一変させました。
ソニーのモニターイヤホンは高性能なモデルが多く、一般向けからプロユースまで用途に応じたモデルを幅広く展開しています。
モニターイヤホンのおすすめ｜～2万円
ゼンハイザー(SENNHEISER) IE 100 PRO
人気の高いエントリーモデルのモニターイヤホンです。口径10mmのダイナミック型ドライバーを1基内蔵しており、大音量でも歪みのない正確なサウンドを再生できます。ステージでのモニタリング用などとしても活用可能です。
豊かで力強いサウンドが楽しめるので、普段使いやゲーミング用にもぴったり。抑えめな価格で、シーンを問わず幅広く使用できます。また、人間工学に基づいて設計されたハウジングにより、装着性も良好。耳へのフィット感が高いため、違和感やストレスを得にくく装着できます。
ケーブルの着脱が可能で、同シリーズ向けのBluetoothモジュール「IE PRO BT Connector」も販売。普段使いで使用したい方などは、併せてチェックしてみてください。
シュア(SHURE) SE215
エントリー向けモニターイヤホンの定番ともいえる人気のモデルです。普段使いからゲーム、楽曲制作まで、幅広い用途で活躍します。ドライバーユニットにはダイナミック型ドライバーを1基搭載。クリアながらも、迫力のある低音域を再生できます。
周囲の騒音を最大37dB軽減できるという、遮音性に優れたハウジングを採用しているのも魅力のひとつ。環境を問わず、音楽に没頭できます。耳へのフィット感もよいので、長時間使っても快適です。
MMCXコネクターを用いているため、イヤホン本体とケーブルの着脱が可能。万が一断線しても、ケーブルを交換すれば再び使用できます。リケーブルして音質の変化を楽しめるのもメリットです。
アコースチューン(Acoustune) RS THREE
独自の「Myrinx EL-Sドライバー」を搭載したモニターイヤホン。正確なモニタリングを実現できると謳っています。音の空気感や定位もしっかりと感じられます。突然の大音量にも耐えられる優れた堅牢性も魅力。比較的リーズナブルながらも、長く安心して使用できるモデルです。
少ない部品点数で堅牢性を高めたハウジングも特徴のひとつ。また、耳へのフィット感がよく、装着性も良好です。ケーブルは「Pentaconn Ear（ペンタコンイヤー）」コネクターによる着脱に対応しています。
付属するケーブルは、取り回し性に優れたPU素材の被膜を採用。長さは約1.8mあります。イヤーピースは、シリコン素材の「AET07」と、フォーム素材の「AET07」が同梱。好みや環境に合わせて使い分けができるので便利です。
マッキー(MACKIE) MPシリーズ MP-120
手ごろな価格で購入できるMPシリーズのエントリーモデル。本モデルは口径10mmのダイナミック型ドライバーを1基搭載しており、低音域から高音域まで、バランスよく再生できます。再生周波数帯域は20Hz～20kHzで、インピーダンスは32Ω。コスパのよいモデルを探している方にもおすすめです。
ハウジングは人間工学に基づいて設計。また、高い遮音性を実現し、最大40dBの騒音を軽減できます。騒音の大きい環境などでも、しっかりとモニタリング可能です。イヤーピースは3サイズ付属し、持ち運びの際に役立つハードケースなども同梱しています。
ケーブルはMMCXコネクターを採用しているので、リケーブルにも対応。断線を気にすることなく使用できるのもうれしいポイントです。
Maestraudio MAPro1000 OTA-MAPRO-1000
少ない負担で長時間快適に装着していられるモニターイヤホンです。イヤーピースとハウジングでしっかりと耳に固定できるような形状になっています。遮音性が高く、周囲の騒音が気になりにくいのもメリットです。
ドライバーユニットは、口径10mmのグラフェンコートダイナミック型ドライバーと、独自のパッシブ型セラミックコートツイーターを搭載したハイブリッド構成。サウンドステージの広い高音質なサウンドを再生できます。モニタリング用としてだけでなく、音楽リスニングやゲームなど、さまざまな用途で使いやすいおすすめのモデルです。
MMCXコネクターを採用しており、リケーブルができるのも便利なポイント。ケーブルを交換して、音質の向上や変化を楽しみたい方にもぴったりです。イヤーピースは、シリコン素材の「iSep02」が4サイズと、フォームタイプの「iFep01」が3サイズ同梱します。
モニターイヤホンのおすすめ｜～5万円
シュア(SHURE) AONIC 4 SE42HYBK+UNI-A
ダイナミック型ドライバーとバランスド・アーマチュア型ドライバーを組み合わせたハイブリッド構成のモニターイヤホンです。迫力のある低音域とクリアな中高域を再生でき、バランスのよいサウンドを実現します。楽器やボーカルの細かなニュアンスをしっかり聴き取れるのも魅力です。
人間工学に基づいた設計とノズルの角度により、着け心地は快適。耳にしっかりとフィットするので、長時間違和感なく装着可能です。また、最大37dBの騒音を軽減できると謳う高い遮音性も有しています。騒音の大きい屋外などでも、周りの音を気にせず音楽に没頭できます。
ケーブルはMMCXコネクターを採用しており、接続端子には3.5mmステレオミニプラグを搭載。簡単にケーブルを交換できるため、リケーブルを楽しみたい方にもおすすめです。
タゴスタジオタカサキ(TAGO STUDIO TAKASAKI) T3-02
屋外などでも高音質かつ正確なモニタリングサウンドが楽しめるモニターイヤホンです。本モデルはレコーディングスタジオから着想を得た「BOX-IN-BOX構造」を用いており、高い遮音性を実現しています。環境を問わず、また周囲の騒音を気にすることなく、音楽に没頭可能です。
無垢の楓木材を使った、美しい木目のデザインも魅力のひとつ。シンプルな見た目なので、ファッションにも違和感なく馴染みます。ドライバーユニットは、口径10mmのダイナミック型。再生周波数帯域は20Hz～20kHzで、インピーダンスは32Ωです。
イヤホン本体とケーブルは、MMCXコネクターによる着脱に対応。断線しても気軽にケーブルを交換でき、リケーブルによる音質の変化や向上も楽しめます。人気のシリコンイヤーピース「SpinFit」がS・M・Lの3サイズ同梱。持ち運びの際に役立つキャリングケースも付属します。
iBasso Audio モニターイヤホン 3T-154
15.4mmサイズの大口径ダイヤフラムを搭載したモニターイヤホン。高解像度かつ正確なモニターサウンドを再生可能です。ダイヤフラムにはベリリウムメッキが施されており、音の歪みも最小限に抑えられています。
片側約9gと軽く、コンパクトなハウジングを採用しているのもメリット。ハウジングの素材には、マグネシウム合金を用いています。軽量で制振性や耐衝撃性に優れているので、安心して使用可能です。
再生周波数帯域は7Hz～41kHzで、インピーダンスは16Ω。ケーブルは2Pinによる着脱が可能で、付属のケーブルには高純度銀メッキ銅ケーブルを使用しています。デバイスとの接続端子は3.5mmと4.4mmを付け替えられ便利です。
ウエストン(Westone) AM Pro X10 AM-PRO-X10
外部の音を取り込みながらモニタリングできる、アンビエント型のモニターイヤホン。ステージで観客の歓声やメンバーが鳴らしている楽器の音を聴きたいときなどに役立つモデルです。ドライバーユニットにはバランスド・アーマチュア型ドライバーを1基搭載しており、忠実でディテールの豊かなサウンドを再生できます。
インピーダンスは19Ωで、再生周波数帯域は20Hz～16kHz。T2コネクターを採用したケーブルが同梱され、リケーブルができるのも便利なポイントです。高耐久なシリコンタイプの「STARシリコンイヤーチップ」と、フォームタイプの「TRUE-FITフォームイヤーチップ」が付属します。
エティモティック・リサーチ(Etymotic Research) モニターイヤホン ER4SR
モニターイヤホンの定番ともいえる人気のモデル。長年、普段使いやDTMなどの楽曲制作で幅広く使用されている名機です。ドライバーユニットは、フルレンジのバランスド・アーマチュア型ドライバーを1基搭載しています。
音の細かなニュアンスまでしっかりと聴き取れ、フラットで解像度の高いサウンドを再生できるのが特徴です。原音を忠実に鳴らせる高音質なイヤホンを探している一般ユーザーにもおすすめ。ハウジングにはアノダイズ加工が施されたアルミニウムを採用しており、クリアなサウンドの再生にも役立ちます。
スリムな筐体とトリプルフランジやダブルフランジ形状のイヤーピースにより、耳の奥までしっかりと装着可能。ケーブルはMMCXコネクターで、断線してもケーブルのみ交換できます。
モニターイヤホンのおすすめ｜5万円～
ゼンハイザー(SENNHEISER) IE 600
より高音質なサウンドを求める方におすすめの、高級なモニターイヤホンです。ハウジングの素材には、強度の高いアモルファスジルコニウムを採用しており、3Dプリンターを用いて形成。MMCXコネクターで、リケーブルに対応しています。
ドライバーユニットには、独自の「7mm TrueResponseトランスデューサー」を搭載。低歪みでクリアなサウンドを再生できます。臨場感もしっかりと得られるサウンドなので、リスニングなどの用途で購入するのもおすすめです。
ハウジングは人間工学に基づいてデザインされているため、優れたフィット感も実現しています。少ない負担で長時間、高音質なサウンドに没頭可能です。3.5mmケーブル・4.4mmケーブル・キャリングケースなどが付属品として同梱します。
シュア(SHURE) 高遮音性イヤホン（第2世代） SE846
シュアのハイエンドモデルで、名機として長く愛され続けているモニターイヤホンです。ノズルを交換してサウンドに変化をつけられるのが特徴のひとつ。第2世代である本モデルは、「ウォーム」「バランス」「ブライト」に加えて、新たに「エクステンド」と呼ばれる交換用ノズルが追加されています。
ドライバーユニットには、バランスド・アーマチュア型ドライバーを4基搭載。3Way構成を採用しており、全帯域をしっかりと鳴らしきるハイエンドモデルならではの高音質なサウンドを再生できます。
シュアのほかのモデルと同様に、高い遮音性も実現。環境を問わず音楽に没頭できるのもメリットです。ケーブルはMMCXコネクターなので、着脱できます。
ソニー(SONY) IER-M9
ステージでのモニタリング用にぴったりなモニターイヤホン。周囲の騒音が聞こえてくるのを抑制する遮音性に優れたハウジング形状を採用しており、音漏れも軽減できます。周囲を気にすることなく、イヤホンから聴こえてくる音だけに没頭可能です。素材にはマグネシウム合金を使用しているため軽量で、堅牢性にも優れています。
ケーブルは着脱式で、3.5mmのステレオミニケーブルと4.4mmバランスケーブルが同梱。接続先の機器に合った端子を選択できるので便利です。ドライバーユニットには、バランスド・アーマチュア型ドライバーを5基搭載しています。ボーカルの息遣いや楽器の細かなニュアンスまでしっかりと聴き取れる高音質なサウンドを再生可能です。
qdc Studio 8SS QDC-STUDIO-8SS
片側8基のバランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載した、プロ向けの高級モニターイヤホンです。クリアながらも太く重厚感のあるサウンドを再生できます。また、楽曲の細部までしっかりと聴き取れる原音の再現性も実現。ケーブルには独自の2Pinコネクターを採用しており、着脱可能です。
3.5mm・2.5mm・4.4mmからなる3つの接続端子を切り替えできます。ケーブルを付け替えることなく、さまざまな端子を使用できるので便利です。
ウエストン(Westone) MACH 60 WA-M60
バランスド・アーマチュア型ドライバーを3Way構成で6基搭載したモニターイヤホンです。伸びのあるクリアな高音域を再生でき、高解像度かつ自然なサウンドを鳴らせるのが特徴。原音の再現性に優れた忠実なサウンドを求める方などにおすすめです。
再生周波数帯域は8Hz～20kHzで、インピーダンスは35Ω。ハウジングは人間工学に基づいて設計されており、長時間快適に装着していられます。イヤホン本体とケーブルはT2コネクターによる着脱に対応。同梱するケーブルの長さは127cmです。
ライターからヒトコト
モニターイヤホンは、アーティストやクリエイターが現場で使用する高額なモノから、高品質な音楽を手頃な価格で楽しめるモノまで、さまざまなモデルが展開されています。今回の記事を参考に、ぜひ用途に合ったモニターイヤホンを見つけてみてください。