オールドパーは、英国を代表するブレンデッド・ウイスキーの1つです。19世紀後半から愛されてきた銘柄で、フルーティーな香りとまろやかな口当たり、芳醇な味わいが特徴。和食との相性も良好です。ストレートかロックがおすすめの飲み方ですが、ソーダで割ってハイボールにしてもクセがなく楽しめます。
今回は、オールドパーの特徴と歴史、4つの種類、おすすめの飲み方などをご紹介します。
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オールドパーはスコットランドの原酒をバランスよくブレンドしたウイスキー。ハイランド地方東部に流れるスペイ川エリアのスペイサイドにある蒸留所でつくられています。
豊かなピート(泥炭)の土壌とスペイ川の水によってつくられており、キーモルトとしてはクラガンモアを利用。ピートがもたらすスモーキーフレーバーが特徴です。
オールドパーの味わい
オールドパーは、数少ない職人が、技術を伝承しながら丁寧につくり続けています。名ブレンダーがモルトとグレーンの原酒をブレンドしており、フルーツのような甘い香りとまろやかな口当たりが特徴です。
オールドパーは、自己主張が強すぎないため、食材を生かしながら旨味を引き出すウイスキー。そのため日本食にも合い、ハイボールにしても飲みやすいのが魅力です。
オールドパーのボトルへのこだわり
オールドパーのボトルの表面には、ひび割れのような模様が刻まれています。これは「クラックルパターン」といわれるもので、ガラスボトル以前に主流だった陶製のボトルをイメージ。オールドパーが伝統を受け継いでいるというメッセージを伝えています。
また、オールドパーのボトルは斜めに傾けても倒れずに自立する独特なカタチ。「右肩上がり」や「決して倒れない」というゲン担ぎになり、多くの人々に選ばれる理由のひとつになっています。
ちなみに、オールドパーのボトルに描かれているトーマス・パーの肖像画は、17世紀を代表する画家のルーベンスが手がけたモノ です。
オールドパーの歴史
オールドパーの名前の由来
オールドパーは英国史上最長寿の152歳9カ月まで生きたといわれる伝説の人物「トーマス・パー」の名前に由来しています。
トーマス・パーはオールド・トム・パーの異名で知られており、エドワード4世からチャールズ1世までの10人の王の時代を生きたと墓碑銘に刻まれている伝説的人物。80歳のときに結婚して一男一女を授かり、105歳のときに不倫相手との間に子供を儲けています。 さらに、最初の妻が亡くなると122歳のときに再婚。152歳で亡くなったあとは、イギリス国教会のウェストミンスター寺院に葬られました。
オールドパーをつくったグリンリースブラザーズは、ブレンデッド・ウイスキーを末永く後世に届けたいとの願いを込めて、トーマス・パーの名前を冠しました。
オールドパーが日本に持ち込まれた歴史
オールドパーを日本に持ち込んだのは、1873年にアメリカ合衆国やヨーロッパ諸国から帰ってきた岩倉使節団です。その後、オールドパーは明治天皇に献上されました。
また、芳醇な味わいや斜めにしても倒れないボトルのデザインなどから、明治時代のリーダーだけでなく、吉田茂や田中角栄など昭和を代表する首相に愛されたことでも知られています。
オールドパーの種類
オールドパー シルバー
オールドパーを初めて飲む方におすすめなのが、スムーズな味わいで飲みやすいオールドパー シルバーです。 柑橘系のフレーバーが特徴で、はちみつとバニラのような香りがします。
フルーティーな味わいを一層楽しむ飲み方はストレートかロック。また、ソーダによく合うためハイボールもおすすめです。ハイボールは1:3の割合を基準にお好みの割合で試してみてください。
オールドパー 12年
岩倉使節団が持ち帰ってきたのがオールドパー12年です。愛され続けて150年近く経つ1本。酒齢12年以上のモルト原酒をブレンディングしてつくられています。
上品な甘い香りが特徴で、かすかに残るのはピートのスモーキーな余韻。 ストレートか水割りがおすすめの飲み方です。贈り物としても喜ばれます。
オールドパー12年について詳しく知りたい方はこちら
オールドパー 18年
18年以上熟成させた貴重な原酒とブレンドした円熟したオールドパーです。卓越したブレンド技術があるからこそ生み出せたボトルで、芳醇なバニラの香りと滑らかな舌触りが最大の特徴。オールドパーのブレンドマスターが「史上最高のバランスを実現した」というほどの仕上がりです。
長い時間熟成した味わいを楽しむには、ストレートかロックがおすすめの飲み方。氷が溶けていくことで変化する味わいが魅力です。
オールドパー スーペリア
オールドパーのなかで、余韻を楽しみたいのであればオールドパー スーペリアがおすすめ。熟成した原酒と若い原酒をブレンドしているため、スーペリアの名前にふさわしい奥深い味わいが特徴です。
熟成した原酒の味わいやスモーキーな香りを楽しむには、ストレートかロックで飲むことをおすすめします。ウイスキー好きなら一度は試したいボトルです。
オールドパーのおすすめの飲み方
ストレート
オールドパーの奥深さや複雑さを味わうにはストレートがおすすめです。注ぐグラスは香りを楽しめるワイングラスがぴったり。また、グラスに注いだあとに数回まわすことで香りが漂います。
別のグラスにチェイサーを用意して交互に飲むことで、じっくりとオールドパーを楽しめます。 オールドパーの12年や18年、スーペリアの飲み方としておすすめです。
オン・ザ・ロック
オン・ザ・ロックはロックグラスに大きめの氷を入れることで氷がゆっくりと溶け出し、味の変化を少しずつ楽しめる飲み方です。ストレートと同じようにオールドパーの奥深さや複雑さを味わえます。
チェイサーを用意するのを忘れずに、ストレートとは違った舌触りや香り、ピートの「変化」を堪能してみてください。
ハイボール
オールドパーは豊かな香りと味わいを持ちながら、クセが強すぎないため、ハイボールにしても飲みやすいのでおすすめです。 特に、オールドパー シルバーはスムーズな爽快感が魅力の種類なのでソーダとの相性が抜群。
おすすめの割合はオールドパー:ソーダ=1:3です。冷やしたストレートのグラスに氷を入れて、オールドパーを1/4まで注ぎます。そのあと、オールドパーと氷を素早くかき混ぜて、オールドパーを冷やします。そして、ソーダがオールドパーに対して3倍になるように注いだら完成。
浮き上がるソーダの泡がオールドパーの香りを引き立て、どんな料理にも合うハイボールのできあがりです。
水割り
アルコール度数が強いお酒が苦手な方におすすめなのが水割りです。オールドパー:ミネラルウォーター=1:2~2.5を基準にして、お好みの濃さにして楽しめます。
つくり方はハイボールと同じで、冷えたグラスに氷を入れてオールドパー、ミネラルウォーターの順番で注ぎましょう。グラスも選ばないので、ぜひお気に入りのグラスで楽しんでみてください。
お湯割り
寒い冬やアウトドアで暖をとりたいときにおすすめなのが、お湯割りです。オールドパー:お湯=1:3の割合で耐熱グラスに注ぎます。お湯は、70~80℃が最適です。レモンなどの柑橘類をトッピングすると、オールドパーの香りと合わさった変化を楽しめます。
トワイスアップ
トワイスアップは、オールドパーに常温のミネラルウォーターを注いで、香りを楽しむ飲み方です。また、ストレートと比べて度数を下げられるので、アルコール度数が高いお酒が苦手な方にもおすすめ。グラスにオールドパーを適量注ぎ、同量のミネラルウォーターを加えたら完成です。
ちなみに、水を先に注いで、マドラーを使ってオールドパーを同量静かに注ぐことでオールドパーの香りが引き立つ「フロート」という飲み方もできます。グラスの上部と下部で色が変わるので、見た目も楽しめるのが特徴です。
オールドパーは、19世紀後半に英国から日本に持ち込まれて以来、政界のリーダーや文豪など各界をリードする人たちから愛されてきた歴史あるウイスキーです。毎日の喧騒から離れて、静かな時間を過ごすタイミングに、オールドパーの複雑で深い味わいを楽しんでみてください。