豊富な種類のウイスキーのなかでも、ライ麦を主原料としてつくられるモノは「ライウイスキー」と呼ばれます。ライ麦特有のかすかな苦みやスパイシーな風味が際立つ、個性的な味わいが特徴。多くのウイスキーファンから高い支持を得ています。
そこで今回は、ライウイスキーのおすすめ銘柄をピックアップ。ライウイスキーに興味がある方はチェックしてみてください。
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- 目次
- ライウイスキーの定義
- ライウイスキーとバーボンの違い
- ライウイスキーの歴史
- ライウイスキーの選び方
- ライウイスキーのおすすめ
- ライウイスキーの売れ筋ランキングをチェック
- 番外編:ライウイスキーのおすすめの飲み方
ライウイスキーの定義
ライウイスキーはアメリカ・ペンシルベニア州を発祥の地とする、アメリカンウイスキーの一種です。ライウイスキーの定義は、アメリカの連邦アルコール法によって明記されています。
たとえば、原料の51%以上にライ麦を使用し、アルコール度数は80%以下で蒸留すること。加えて、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させたモノなどです。
また、ストレート・ライウイスキーを名乗るためには、容量200Lのアメリカンホワイトオークの新樽を用いて2年以上熟成させる必要があります。ライ麦の比率や熟成年数などによって個性が変わるので、飲み比べを楽しみたい方にもおすすめです。
ライウイスキーとバーボンの違い
アメリカンウイスキーを代表する種類として、ライウイスキーのほか、バーボンが挙げられます。それぞれの大きな違いは、原料の比率。ライウイスキーでは原料の51%以上にライ麦を使用しますが、バーボンの場合は、原料の51%以上にトウモロコシを使用します。
アメリカの連邦アルコール法によるバーボンの蒸留方法や貯蔵・熟成方法の定義は、ほとんどがライウイスキーと共通しているのがポイント。また、2年以上熟成させたモノはストレート・バーボンとも呼ばれます。
バーボンはアメリカンウイスキーのなかでも、生産量が多いのが特徴。約9割はケンタッキー州でつくられているとも言われています。日本での流通量も多く、手軽に購入できる点からファンが多い種類です。
ライウイスキーの歴史
ライウイスキーの歴史は古く、17世紀末までさかのぼります。アメリカへ移住してきたドイツ系移民が、現在のペンシルベニア州南部からメリーランド州の州境近辺でウイスキーづくりを始めたことが、ライウイスキー誕生の起源として有名です。
カウボーイや冒険家も好んで飲んだとされるライウイスキーは、19世紀頃にはアメリカンウイスキーの主流になりました。しかし、その後はバーボンが主流になり、ライウイスキーの生産量は減少。衰退期が長く続いた後、近年では、クラシック・カクテルの人気上昇やウイスキー市場の高級志向などを要因とし、再び広く注目されるようになったと言われています。
なお、ライウイスキーのよく知られるエピソードとしては、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが、当時ライウイスキー製造の大事業者だったという逸話もあります。
ライウイスキーの選び方
熟成年数で選ぶ
ライウイスキーは基本的に2年以上の熟成が行われていますが、なかには10年以上の長期熟成タイプもラインナップしているのが特徴です。
長期熟成されたライウイスキーは、より複雑な風味やライ麦特有のスパイシーさを楽しめるのがポイント。ストレートやロックで、ウイスキー本来の味わいをじっくりと楽しみたい方におすすめです。さまざまな熟成年数の銘柄が販売されているため、ぜひチェックしてみてください。
ライ麦の比率で選ぶ
ライウイスキーの定義として、原料の51%以上にライ麦を使用すると提示されていますが、ライ麦の使用比率は銘柄によって異なります。ライ麦の独特な香味を存分に味わいたい方には、ライ麦の使用比率が高い銘柄がおすすめです。
なかには、ライ麦を90%以上使用している銘柄もラインナップ。個性を重視してライウイスキーを選びたい方は、ライ麦の使用比率にも注目してみてください。
価格で選ぶ
ライウイスキーを価格帯で見ると、2,000~3,000円前後で手に入るリーズナブルな銘柄のほか、20,000円を超える高級銘柄もラインナップしています。お試しでライウイスキーを飲んでみたい方は、まず安い銘柄から選ぶのがおすすめです。
高級銘柄であれば、自分へのごほうびとしてはもちろん、ウイスキー好きの方へのプレゼントにもぴったり。ライウイスキーらしい、複雑味やスパイス感を楽しめる銘柄が揃っています。
初心者ならバーボンに似た飲みやすいモノから始めるのがおすすめ
ライウイスキーを初めて飲む方であれば、風味のクセが少ないバーボンに似た銘柄を選ぶのがおすすめ。バーボンは原料にトウモロコシを多く含んでいるため、ライウイスキーと比べスパイシーさが抑えられ、甘みのある風味を感じられます。
「ジムビーム」や「ワイルドターキー」など、バーボンの定番ブランドがライウイスキーを販売していることも多いので、チェックしてみてください。また、バーボンに近い味わいを求めるなら、ライ麦の使用比率が低いモノを選び、トウモロコシの使用比率にも注目してみましょう。
ライウイスキーのおすすめ
ジムビーム(JIM BEAM) ジムビーム ライ
バーボンの定番ブランドとして世界120ヶ国以上で愛される、ジムビームのライウイスキーです。リーズナブルながら、ライ麦由来の個性的な味わいを楽しめるのが魅力。安いライウイスキーを求める方のほか、ライウイスキーを初めて飲む方にもおすすめです。
香りは黒コショウのようにスパイシーで香ばしく、ほのかにフルーティー。口に含むとバニラのような甘みやハーブのようなニュアンスも感じられ、クセを抑えた軽快な飲み口に仕上がっています。
アルコール度数は40%で、おすすめの飲み方はロックやハイボールをはじめ、カクテルベースにもぴったり。楽しみ方の幅が広く、汎用性の高いライウイスキーとしても人気の高い1本です。
エズラブルックス(EZRA BROOKS) 99プルーフ ライウイスキー
マイルドな味わいを楽しめるライウイスキーです。原料のトウモロコシの使用比率が45%と高いので、バーボンファンにも飲みやすいおすすめの一品。ライウイスキー初心者にも適した1本です。
穀物の豊かな香りと、ほのかに甘い樽香のバランスがとれているのも特徴。口に含むとチョコレート・レザー・バニラのような甘みやスパイス感など、複雑な香味をじっくりと味わえます。
飲み方はシンプルなストレートやロックをはじめ、ウイスキーベースのクラシック・カクテルづくりにもぴったり。アルコール度数は49.5%と高いものの、さまざまなスタイルで楽しめる汎用性の高さが魅力です。
ノブクリーク(KNOB CREEK) ノブクリーク ライ
アメリカで政令された、禁酒法以前の力強いウイスキーの復刻を目指して誕生したライウイスキーです。原点回帰のクラフト思想を色濃く反映した仕上がりが魅力です。
ライ麦由来のスパイシーな風味をはじめ、クラフトシリーズらしくリッチでコクのある味わいや、ハーブのような爽やかさも兼ね備えているのがポイント。アルコール度数は50%と高く、ライウイスキーにしっかりとした飲みごたえを求める方にもおすすめです。
また、ノブクリークはボトルデザインもユニーク。禁酒法時代、人々は酒を入れたフラスクボトルをブーツに忍ばせて持ち歩いたと伝えられており、ボトルにはその当時のフラスクボトルをモチーフにした形状を採用しています。
ミクターズ(MICHTER’S) US1 シングルバレル ライウイスキー
製造にかかるコストや時間を惜しまず、品質の追求にこだわってつくられたおすすめのライウイスキーです。原料にはライ麦をメインに、モルトやトウモロコシをバランスよく配合。できあがった原酒は、アメリカンホワイトオーク樽で5年以上じっくり熟成されています。
原料それぞれの個性を活かした味わいが特徴で、ライ麦のスパイシーさやモルトのナッティさ、そしてトウモロコシの甘みが絶妙に調和。品質のよさは世界中のバーテンダーからも注目を浴びており、カクテルベースとしても広く応用されています。
ミクターズ誕生の歴史はさかのぼること1753年。アメリカで最古とされるウイスキー蒸留所をルーツに持つブランドとして、現在でも「最高のアメリカンウイスキーをつくる」という使命のもと、ウイスキー製造を行っています。
ウッドフォードリザーブ(WOODFORD RESERVE) ウッドフォードリザーブ ライ
アメリカ競馬で有名案「ケンタッキーダービー」のオフィシャルバーボンとして知られる、ウッドフォードリザーブのライウイスキーです。香りから味わい、余韻に至るまでじっくりと楽しめます。
ウッドフォードリザーブならではの独特の香味を生み出すため、発酵槽には昔ながらの木製を採用。スコットランド製の単式蒸留器を用いて3回蒸留を行った後、石造りの貯蔵庫でじっくりと熟成されます。
フルーティーさのなかにスパイシーな香りを持つのが特徴。さまざまな味が混ざり合い、甘く複雑な余韻が長く続きます。アルコール度数は約45%で、飲み方はさまざまなスタイルに対応。カクテルベースとして使うのもおすすめです。
ブレット(BULLEIT) ライウイスキー
原料のライ麦の使用比率が95%と高い、個性際立つライウイスキーです。辛口でスパイシーながら、ほのかなメープルのような甘みやライ麦パンのような香ばしさを併せ持ち、口当たりはなめらか。バランスのとれた味わいに仕上がっています。
熟成されたライウイスキーのため、熟成感を味わえるのもポイント。ライウイスキーの魅力を余韻までゆっくりと楽しめます。飲み方はロックのほか、贅沢なハイボールにもおすすめ。カクテルベースとしても好相性です。
品質は世界でも認められており、世界的に影響力のある酒類コンぺティション「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」でも、複数回の金賞受賞実績があります。
サゼラック(SAZERAC) サゼラック ライ
歴史のあるカクテルブランド「サゼラック」のライウイスキーです。深みのあるローズゴールドの色味が特徴。スパイシーな風味のなかに、バニラやレーズンの甘みや柑橘系の爽やかさも兼ね備えており、複雑な風味をじっくり味わえます。
アルコール度数は45%で、カクテルベースとして使うのがおすすめ。そのほか、ストレートやロックでもおいしく飲めます。
コーヴァル(KOVAL) シングルバレル ライ
本場アメリカでも珍しい、ライ麦100%でつくられたライウイスキーです。ライ麦の個性を最大限に活かしたこだわりは、アメリカの経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」でも高評価を獲得。シカゴを中心に、注目を集めている1本です。
フレッシュで爽快な飲み口が特徴。ぴりっとスパイシーな味わいに加え、メープルやキャンディーのような甘みも併せ持っており、飲みやすく仕上がっています。
さまざまなカクテルのベースとしても相性が良好。ライ麦のスパイス感が、材料の甘さのバランスを絶妙に調和し、自宅でも本格的な味わいのカクテルを楽しめます。
ヴァンブラント・スティルハウス(VAN BRUNT STILLHOUSE) ライウイスキー
アメリカ・ニューヨークの大都市、ブルックリンのレッドフック中心部に位置する農場蒸留所でつくられたライウイスキーです。原料にはニューヨークで収穫されたライ麦とモルトを使用。内側を焦がしたホワイトオークの新樽で最低1年熟成させて出荷されます。
アルコール度数は42%で、ライウイスキー特有のスパイシーさに加え、コーヒー・チョコレート・レーズン・ローストアーモンドのようなさまざまな香りを楽しめます。ウイスキー好きの方へのプレゼントにもぴったりの1本です。
リッテンハウス(RITTENHOUSE) リッテンハウス ライ ボトルド・イン・ボンド
厳格な製造条件をすべてクリアしてつくられる、正統派ストレート・ライウイスキーです。ライ麦由来の力強いスパイシーさが際立つクラシックな味わいは、アメリカで親しまれています。
単一蒸留所の原酒を4年以上熟成させた後、アルコール度数50%で瓶詰めされているのが特徴。アルコール度数が高いので、飲みごたえのあるライウイスキーを探している方におすすめです。ストレートやロックはもちろん、さまざまなクラシック・カクテルづくりにも活用できる1本です。
ワイルドターキー(WILD TURKEY) ワイルドターキー ライ
バーボンの王道として世界中のウイスキーファンから高い評価を得るブランド、ワイルドターキーのライウイスキーです。色は深みのある黄金色で、4~5年熟成の原酒を使用しています。
甘さは控えめで、スパイシーな味わいが特徴。口当たりはソフトで飲みやすく、心地よい余韻も続きます。しっかりとしたライ麦の個性に加え、デリケートなニュアンスを兼ね備えているのがポイントです。
アルコール度数は40.5%で、カクテルベースとして使うのが定番。ライ麦の豊かな風味がさまざまなカクテルに絶妙なアクセントを加えます。本格カクテルを自宅で手軽に楽しみたい方におすすめです。
テンプルトン(TEMPLETON) テンプルトン ライ 4年
原料のライ麦を贅沢に95%使用した、少量生産のライウイスキーです。銅製の蒸留器を用いて蒸留した後、しっかりと焦がしたアメリカンホワイトオークの新樽で、最低4年間熟成させてつくられています。
香りはライ麦特有のスパイシーさのほかバニラやシナモンも感じられ、口に含むとキャラメルやバタースコッチのような甘さを楽しめるのが特徴。バランスのよいクリーンな味わいで飲みやすく仕上がっています。
飲み方はストレートやロックをはじめ、幅広いスタイルのカクテルベースにもおすすめ。高品質に加え、汎用性も高いことから、多くのバーテンダーから高い評価を得る1本です。
オールドオーバーホルト(OLD OVERHOLT) ライウイスキー 4年
ストレート・ライウイスキーの代名詞とも謳われる人気の銘柄です。原料のライ麦の使用比率が59%と比較的高く、より熟成感のある味わいを実現。カクテルベースとしても好相性で、さまざまなカクテルづくりに応用されています。
アルコール度数は43%で、シトラスのようなフルーティーな香りが特徴。口に含むとほどよくマイルドなスパイシーさがあり、やわらかい穀物の甘みも感じられます。余韻も長く、ライウイスキーの風味をじっくりと堪能したい方におすすめです。
オールドオーバーホルトは、アメリカ・ペンシルベニア州で1810年に誕生した歴史あるブランド。ラベルには、ドイツ系移民3世でブランドの創設者である、アブラハム・オーバーホルト氏が描かれています。
ホイッスルピッグ(WHISTLE PIG) スモールバッチ・ライ 10年
熟成感を味わえるライウイスキー。ホイッスルピッグの原点とされる1本です。ハチミツやバニラの甘く繊細な香りに加え、ほのかなスモーキーさなども感じる魅力的な味わいが特徴。アメリカの権威あるワイン専門誌「ワイン・エンシュージアスト」では96点という高得点を獲得しています。
ライウイスキーならではのスパイス感や、複雑に織り交じる香味をじっくりと楽しみたい方は、ストレートやロックで飲むのがおすすめ。カクテルベースとしても相性がよく、幅広いスタイルに対応しています。
ホイッスルピッグ(WHISTLE PIG) エステートオーク・ライ 15年
長期熟成タイプをメインにつくるホイッスルピッグのなかでも、熟成年数が長いライウイスキーです。蒸留所の敷地内の木材を使用した、カスタムメイドのバーモントエステートオーク樽で追加熟成させているのが特徴。より豊かな風味が加わっています。
長期熟成ならではのリッチな複雑味に加え、ライ麦特有のスパイシーさや樽香のニュアンス、フレッシュな柑橘系の風味を併せ持った味わいが魅力。質の高いライウイスキーを探している方や、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。
ライウイスキーの売れ筋ランキングをチェック
ライウイスキーのランキングをチェックしたい方はこちら。
番外編:ライウイスキーのおすすめの飲み方
ライウイスキーのおすすめの飲み方は、ほかの種類のウイスキーと同じくシンプルなストレートやロックをはじめ、食事にも合わせやすいハイボールとも好相性。まずは好みのスタイルで自由にライウイスキーを楽しんでみましょう。
また、ライウイスキーはアメリカのクラシック・カクテルのベースとしても活躍。「カクテルの女王」として有名な「マンハッタン」をはじめ、さまざまなレシピに対応しています。
ライウイスキーは、ライ麦特有のスパイシーで個性的な風味を楽しめるのが特徴。アメリカンウイスキーのなかでも歴史の古いウイスキーであり、熟成年数やライ麦の使用比率など、さまざまなポイントから好みを選べるのが魅力です。本記事を参考に、自分にぴったりの1本を見つけてみてください。