クセが少なく、ウイスキー初心者でも楽しみやすい「グレーンウイスキー」。日本のメーカーからも世界的に人気のある銘柄があり、繊細で滑らかな味わいが楽しめます。

安くおいしい銘柄が揃っているので、日常のお供にウイスキーを探している方にもおすすめ。そこで今回は、グレーンウイスキーのおすすめ銘柄をご紹介します。ぜひ参考にして、自分に合ったお気に入りの1本を見つけてみてください。

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グレーンウイスキーとは?

味の特徴

「グレーンウイスキー」とは、主にとうもろこしやライ麦など、穀物を主原料として造られたウイスキーのこと。グレーンウイスキーは、大麦麦芽を使用して発酵させた原料を、「連続式蒸溜機」で蒸溜して造られます。

「連続式蒸溜機」を使用することで、クセが少なく軽やかな味わいになるのがポイント。女性の方でも飲みやすく、ハイボールなどで爽やかに楽しみたい場面にも適しています。

シングルモルトウイスキーのスモーキーさやクセの強さが気になる方は、グレーンウイスキーから試してみるのもおすすめです。

名産地

イギリス

グレーンウイスキーは通常、ほとんどの銘柄で「連続式蒸溜機」を使用して造られています。連続式蒸溜機は、18世紀後半の産業革命中にイギリスで誕生しました。

発端は、イギリスのスコットランド南部にあるローランド地方。生産コストを削減し、効率よく製造できるウイスキーとして、グレーンウイスキーが造られるようになりました。

当時、スコットランドではウイスキーに高額の酒税が課せられるようになったため、経済面からもグレーンウイスキーは製造しやすかったのがポイント。以来ずっとグレーンウイスキーを製造しており、クセのない飲みやすさから、現在も高い人気を集めています。

アイルランド

ヨーロッパのアイルランドで造られる「アイリッシュウイスキー」。アイルランドは、モルトを使用した「モルトウイスキー」と、グレーンウイスキーの両方が盛んに造られている地方です。

アイリッシュウイスキーは、「Irish Whiskey Act 1980」にて明確に定義づけされています。原材料に穀物類を使用し、麦芽酵素で糖化。酵母による発酵を経て蒸溜します。

さらに、アイルランドもしくは北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させてようやく、アイリッシュウイスキーと分類。雑味のない軽やかな味わいで、オイリー(油っぽさ)を感じやすいのが特徴です。

日本

グレーンウイスキーは日本でも造られており、「ジャパニーズウイスキー」として世界的に高い人気を誇っています。ジャパニーズウイスキーは、食中酒を前提として造られているモノが多くあり、淡麗で辛口な味わいが特徴です。

また、ジャパニーズウイスキーは、グレーンウイスキーやモルトウイスキーなどをブレンドした「ブレンデッドウイスキー」がほとんど。グレーンウイスキーのまま出荷されるものはあまりなく、珍しいウイスキーです。

とりわけ、日本のグレーンウイスキーでは「サントリー」が発売している「知多」が有名。ふわりと風のように軽やかな味わいが特徴です。

グレーンウイスキーのおすすめメーカー

サントリー(SUNTORY)

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大阪市に本社を置く「サントリー」。主にビール、洋酒や清涼飲料水の製造を行う、日本の大手メーカーです。サントリーが手がけるウイスキーは品質がよく、さまざまな銘柄が海外から高い評価を得ています。

なかでも、サントリーが提供するグレーンウイスキー「知多」は、軽やかでほのかに甘味を感じる飲みやすさが魅力。世界でも珍しい「グレーン原酒の造り分け」を行っているのが特徴です。

キャメロンブリッジ

By: amazon.co.jp

イギリス、スコットランドにあるウイスキー蒸溜所「キャメロンブリッジ」。毎週4000tのウイスキーを生産可能な、圧倒的な生産能力が特徴です。

ヨーロッパ最大の蒸留所ともされ、ウイスキーやスピリッツをあわせて年間で約4億本に相当する能力を有しています。生産能力を活かした低コスト化により、安く入手できる製品が多いのも魅力のブランドです。

ロッホローモンド

By: rakuten.co.jp

スコットランドの南ハイランド地方に位置する蒸溜所、「ロッホローモンド」。グレーンウイスキーはもちろん、シングルモルトの蒸溜機も備えているのが特徴です。また、独自の樽工場も備える、数少ない蒸溜所のひとつでもあります。

ロッホローモンドは、専用の蒸溜機「カフェスチル」で蒸溜することで、甘く複雑かつ滑らかさを感じる味わいを実現。代表銘柄である「ロッホローモンド シングルグレーン」は、樽由来のバニラのようなほのかな香りと、フルーティーな風味が楽しめます。

グレーンウイスキーのおすすめ銘柄

サントリー(SUNTORY) 知多

サントリー(SUNTORY) 知多

世界でも珍しい「グレーン原酒造り分け」を製法に取り入れた、軽やかな味わいが特徴のグレーンウイスキーです。ホワイトオークやスパニッシュオークを使用した樽、そしてワイン樽などに分けて貯蔵。原酒のほか、樽での造り分けを採用しています。

また、原酒も3種類で造り分けているのがポイント。力強い穀物の香りが特徴の「ヘビータイプ原酒」、すっきりとした「クリーンタイプ原酒」、旨味があり、マイルドな口当たりの「ミディアムタイプ原酒」を、熟練のブレンダーが組み合わせています。

知多は、絶妙な組み合わせによる、濃厚で複雑な味わいが魅力。バニラのような甘い香りやフルーティーで濃厚な風味、濃厚で滑らかな口当たりを備え、バランスのよい味わいを実現しています。

繊細で飲みやすい味わいはクセがなく、ウイスキー初心者の方でも気軽に楽しめるおすすめのグレーンウイスキーです。

キャメロンブリッジ(Cameron Brig) キャメロンブリッジ

キャメロンブリッジ(Cameron Brig) キャメロンブリッジ

「キャメロンブリッジ」は、原料に穀物を100%使用しているシングルグレーンウイスキーです。通常、グレーンウイスキーでも原材料に少しだけモルトを使用しているので、穀物100%のボトルは希少。甘味のある、バランスのよい味わいが特徴です。

キャメロンブリッジは、樽や原料の奥深く芳醇な香りが魅力。そのままストレートや、氷を入れてロックで風味の変化を楽しむのもおすすめです。価格も安く入手できるため、日常の食後酒として常備しておきたい方にも向いています。

ロッホローモンド(Loch Lomond) シングルグレーン

ロッホローモンド(Loch Lomond)  シングルグレーン

大麦麦芽を原料に100%使用し、ロッホローモンド独自の「カフェスチル」で連続蒸溜を行ったシングルグレーンウイスキー。ほのかな柑橘の爽やかさと、ジューシーなパイナップルを感じられるフルーティーな風味が特徴です。

また、滑らかな口当たりと甘味を一緒に感じられるのも魅力のひとつ。ほのかなバニラの香りも感じられ、ハイボールにすると爽やかでリッチな味わいを楽しめます。

ニッカ カフェグレーン

ニッカ カフェグレーン

「カフェスチル」を採用しているウイスキー。チョコレートやカスタードクリームのような、濃厚な甘い香りを楽しめます。

また、軽やかな口当たりと絹のようななめらかな舌ざわりも魅力のひとつ。蜂蜜のような濃厚なコクと甘味を感じながら、スッキリと消えてゆく余韻もポイントです。上品な味わいを求める方は、チェックしてみてください。

キリン(KIRIN) シングルグレーンウイスキー 富士

キリン(KIRIN) シングルグレーンウイスキー 富士

ワールドウイスキーアワードで金賞を3度獲得した、富士御殿場蒸留所が手掛けるシングルグレーンウイスキー。連続式蒸留機「マルチカラム」「ケトル蒸留器」「ダブラー蒸留器」による、3種類のグレーン原酒造り分けを採用しているのが特徴です。

それぞれが香味別に分類されており、「マルチカラム」は穏やかな香味の原酒。「ケトル蒸留器」は芳醇な香りが特徴で、「ダブラー蒸留器」はバーボン製造にも使用される、重厚な風味が特徴の原酒を造り出します。

それぞれの原酒をブレンドすることで調和が生まれ、柔らかな口当たりと芳醇な風味を楽しめるのがポイント。洋梨やリンゴのコンポートのようなフルーティーさと、ビターチョコレートのような重厚な味わいが楽しめます。味わい深さを重視したい方におすすめの1本です。

ティーリング シングルグレーン

ティーリング シングルグレーン

国際酒類品評会「ワールド・ウイスキー・アワード2014」でベストグレーン賞を獲得したウイスキー。赤ワイン用の樽を使用して追加熟成させることで、フルーティーさが際立っているのが特徴です。

また、フルーティーさのなかに深みのある甘味も感じられ、口に含むと自然に混ざり合う芳醇さも魅力のひとつ。そして、キレのよい後味、樽由来のウッディ感とコショウのようなスパイシーさを感じる余韻もポイントです。

ガーヴァン パテントスティル NO.4

ガーヴァン パテントスティル NO.4

スコットランドを代表するシングルモルトウイスキー「グレンフィディック」を手掛ける、ウィリアム・グラント&サンズ社が販売しているシングルグレーンウイスキーです。

「パテントスティル No.4」は、蒸留した原酒をアメリカンオークの樽で熟成。樽のウッディ感やバニラのような甘い香りと、バナナや蜂蜜のような濃厚な甘味、さらには若干のスパイシーさが混ざり合うのがポイントです。バランスのよい複雑さを楽しみたい方は、チェックしてみてください。

ローヤルサルート(ROYAL SALUTE) 21年 ブレンデットグレーン

ローヤルサルート(ROYAL SALUTE) 21年 ブレンデットグレーン

1953年のエリザベス女王戴冠式に由来する「ローヤルサルート」。熟成年数21年以上のグレーンウイスキーをブレンドし、使用しているアメリカンオーク由来のバニラを感じられる、バランスのとれた甘い余韻が特徴です。

また、桃やラズベリーを彷彿とさせるフルーティーなアロマも魅力。はちみつやオレンジマーマレードのような濃厚さ、ローストしたナッツのようなフレーバーが重なり、芳醇で滑らかな味わいを楽しめます。