スコッチウイスキー特有のスモーキーさに加え、コショウのようなスパイシーな味わいが特徴の「タリスカー」。複雑さがありつつも、バランスもよく、世界中で高く評価されています。

そこで今回は、タリスカーの種類や特徴を銘柄ごとにご紹介。併せておすすめの飲み方についても解説します。ぜひ自分に合った1本を見つけてみてください。

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タリスカーの特徴

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コショウのようなスパイシーさとスモーキーさを併せもつ、独特の香りが特徴の「タリスカー」。重厚感のある甘い余韻と、ドライフルーツのようにフルーティーな酸味が共存する、バランスのよい味わいが魅力のシングルモルトウイスキーです。

また、45.8%というアルコール度数にこだわっているのもポイント。特にスタンダードボトルとされる「タリスカー10年」は価格と味のバランスに優れており、人気のシングルモルトとして知られています。

タリスカーの製法

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タリスカーは、ブラジル産のパラニア松を使用した発酵槽「ウォッシュバック」を使用して造られます。また、蒸溜所近辺の複数の水源を仕込水に利用。約55000Lの容量を有する、6基のウォッシュバックを使用しているのが特徴です。

そして、発酵後に単式蒸留器「ポットスチル」にて2回の蒸溜をおこない、モルトの風味を活かしながらもスッキリとした口当たりに仕上げているのもポイント。蒸留後は、北米産のアメリカンオーク製の樽に入れて熟成させています。

なお、最近ではポートワイン樽を使用した銘柄もあり、さまざまな種類のタリスカーが販売されているので、気になる方はチェックしておきましょう。

タリスカーの歴史

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タリスカーの蒸留所は、スコットランドのハイランド地方にある、スカイ島で1830年に造られました。以来ずっと、スカイ島のハーポート湖に位置するカーボストで造られ続けている、歴史あるウイスキーです。

なお、タリスカーはもともと、2基の「ウォッシュ・スチル」と3基の「スピリット・スチル」を使用して3回の蒸溜をおこなっていましたが、今ではモルトの風味を活かすため、蒸溜は2回にしています。

3回の蒸溜をおこなっていたときの名残として、現在でも「ストレートヘッド型」と「ボール型」の2種類のポットスチルを変則的に使用。昔のスタイルを今も活かしています。

タリスカーの種類

タリスカー 10年


タリスカー 10年

タリスカーのスタンダードボトルである「タリスカー 10年」。熟成年数10年以上の原酒をブレンドして造られています。クセのあるスモーキーなピート香と、コショウのようなスパイシーな余韻が特徴です。

また、キャラメルやドライフルーツのように重厚な甘味、バニラや柑橘類のように爽やかな香りが感じられるのも魅力。安価で入手しやすく、手軽に楽しめるのもポイントです。

ストレートでじっくり香りや味を楽しむのはもちろん、ハイボールで爽やかさを加えてグビグビ飲むのもおすすめ。これからタリスカーを試したいという方に最適な1本です。

タリスカー ストーム


タリスカー ストーム

年数表記のない「ノンエイジウイスキー」。熟成年数を問わず、数ある原酒のなかから厳選して、個性の際立っているモノをブレンドして造られています。

「タリスカー ストーム」は、黒コショウのようなスパイシーさと、タリスカー本来の潮の香りが際立っているのが特徴。あわせて、モルト由来の芳醇な香りと、重厚な甘味も感じられる、絶妙なバランスのよさが魅力です。

タリスカーストームは、気候の変化が激しいスカイ島を想起させる、荒々しい味わいがポイント。余韻がいつまでも残るクセの強い1本なので、ステーキなどの肉料理に合わせるのがおすすめです。

タリスカー 18年


タリスカー 18年

熟成年数18年の長期熟成原酒を使用して造られている「タリスカー 18年」。バーボン樽とシェリー樽の原酒をヴァッティングし、ドライフルーツやオレンジピールなどのフルーティーな香りを有しています。

また、タリスカー18年は、英国で開催される国際的なウイスキー品評会「ワールド・ウイスキー・アワード」で初代グランプリを受賞するなど、世界的な評価も高いウイスキーです。

味わいは、蜂蜜のような甘さから始まり、あとからピートの主張が強く現れてくるのが特徴。スモーキーさと芳醇な甘味やフルーティーな風味が絶妙に絡み合うのも魅力です。リッチな味わいのタリスカーを探している方はぜひチェックしておきましょう。

タリスカー 25年

タリスカー 25年

アメリカンオークを使用したバーボン樽で25年以上の長期熟成させた原酒をヴァッティングしている「タリスカー 25年」。1万樽に1樽といわれるほどの希少な原酒を使用し、長期熟成特有のやわらかい甘味とバランスのよい香り、スパイシーさが特徴です。

口に含むと蜂蜜のような濃厚な甘味を全体に感じられて、ほのかにフルーティーな香りが鼻に抜けてゆくのがポイント。タリスカー特有のスパイシー感もアクセントになり、複雑で深みのある味わいがクセになります。ストレートでじっくり香りと味を楽しみ、タリスカーの魅力を存分に感じたい方におすすめです。

タリスカー 30年

タリスカー 30年

熟成年数30年以上、現行のなかで最長の「タリスカー 30年」は、長期熟成によってクセを抑えた味わいになっているのが特徴。タリスカーのなかでは比較的飲みやすい味わいの1本です。

風味は、ほんのりと潮の香りを感じ、磯とスモーキーさが調和。じわりと広がる甘味があり、塩気や渋み、コショウのようなスパイシーさも感じられます。

さらに、加水することで甘味が強く現れるのも魅力。ロックや水割り、トワイスアップなどの飲み方がおすすめです。

タリスカー ポートリー

タリスカー ポートリー

スカイ島の港町の名前を冠した「タリスカー ポートリー」。バーボン樽で3年以上熟成させた原酒を使用し、さらにポートワイン樽で追加熟成をさせているのが特徴です。

ポートリーは、タリスカー特有のスモーキーさが抑えられており、ポートワイン樽由来のレーズンや焼きリンゴのようにフルーティーな甘味を感じられます。

また、余韻としてタリスカー特有のスモーキーさが長く残るのもポイント。価格もお手頃なので、気軽にタリスカーを味わいたい方にもおすすめの1本です。

タリスカー ネイストポイント

タリスカー ネイストポイント

スカイ島の海岸にある灯台にちなんで名付けられた「タリスカー ネイストポイント」。熟成年数20年程度の原酒を複数種類ブレンドし、コショウのスパイシーさがやや抑えられているのが特徴です。

ネイストポイントは、濃厚でビターなチョコレートのように滑らかな口当たりと、スモーキーさのなかにドライフルーツやピート感を楽しめます。また、ココアなどの芳醇な香りと味わいが感じられるのもポイントです。

さらに、バニラのようなフレーバーが余韻として残るのも魅力。スモーキーさやフルーティーさ、ほどよい甘味が絶妙に絡み合う完成度の高いウイスキーです。

タリスカー スカイ

タリスカー スカイ

「トーステッド・アメリカンオーク」と「リフィル・アメリカンオーク」を使用した樽で熟成された原酒を使用している「タリスカー スカイ」。2015年に発売された、比較的新しい銘柄です。

アメリカンオーク由来の力強い樽感が若さをカバーしているのが特徴。口に含むと、磯やコショウのスパイシーさに加えて蜂蜜やバニラのような甘い風味を感じられます。お手頃な価格で入手できるのも魅力。コクのある味わいを楽しみたい方におすすめの1本です。

タリスカー ディスティラーズ エディション

タリスカー ディスティラーズ エディション

シェリー酒の一種「アモロソ」の樽を使用して2段熟成させた「タリスカー ディスティラーズ エディション」。力強いピート感と、フルーティーで濃厚な甘味を感じられるのが特徴です。

また、ディスティラーズ エディションは年1回の蒸溜しか行われない希少な銘柄であることも注目すべき点。樽由来の、ローストしたモルトの香りやコショウのスパイシーさを感じる味わいがあり、深みのあるピート感とココアの余韻が楽しめます。高級感もあるのでプレゼントにもおすすめの1本です。

タリスカーのおすすめの飲み方

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タリスカーは、特有の力強いスモーキーさと、コショウのようなスパイシーな風味が特徴。じっくり本来の味や香りを楽しみたい場合は「ストレート」がおすすめです。ひと口ごとにチェイサーを含むことで、より深く味や香りを感じられます。

また、加水することで甘味が際立つのもタリスカーの特徴。冷えたグラスに氷を入れる「ロック」にすることで、徐々に氷が溶けて味わいの変化を楽しめます。

さらに、同量の水とウイスキーをグラスに注ぐ「トワイスアップ」は、アルコールが希釈されてタリスカー本来の風味を深く感じられるのが魅力。そして、氷を入れたグラスにタリスカーと炭酸水を注ぐ「ハイボール」は、芳醇な香りに爽やかさが加味されます。

また、タリスカー10年のハイボールに黒胡椒をふり、混ぜないで飲む「タリスカースパイシーハイボール」もおすすめ。不均一な味のバランスがクセになる、食前酒や食中酒としても楽しめる飲み方です。ぜひ試してみてください。