「誰にとっても使いやすい」がキーワード。
「インクルーシブデザイン」という言葉を知っていますか? インクルーシブデザインとは平均的なニーズのみに捉われず、高齢者や障がい者、外国人などの極端ユーザーをターゲットに入れ、ニーズにも多様性を取り入れたイギリス発のマーケティング手法です。
今回ご紹介する「TypeCase」は、まさにそのインクルーシブデザインを取り入れた次世代のスマホケースです。
文字入力にも多様性を
イギリスのデザイナー兼エンジニアであるDougie Mann氏が設計開発している「TypeCase」は、半身まひや手に障害がある人向けに開発が始まりました。
体の不自由な人たちのスマホの文字入力方法としては音声をテキスト化するモノが一般的でしたが、それに代わるシンプルな文字入力方法を提案するために作られたのがこの「TypeCase」です。
5つのボタンを使用したコード
従来のスマホ文字入力キーボードにうって変わり、たった5つのボタンを使った「コード」で文字を入力ができます。
初めにボタン操作の組み合わせのコードを習得する必要がありますが、コードさえ覚えてしまえばスマホ画面を見ることもなく片手で簡単に文字入力が可能に。また、手持ちのノートパソコンに接続してマウス操作を行うこともできるそうです。
さらなる機能向上を目指して開発継続中
もともとは、身体的な障がいを持つ人に向けて開発をスタートさせましたが、ボタン操作の感覚を利用して視覚に障害を持つ人の助けにもなり得ると、プロダクトに対するさらなる可能性を見出しているそう。ユーザー目線でさらなる機能性向上を目指して研究開発しています。
TypeCaseの開発に関してのアップデートは、Dougie Mann氏のウェブサイトで確認できます。今後の商品化への期待が高まります。
平均的ユーザーの視点だけではなく、マイノリティのニーズにも着目したデザインは、これからもさまざまなジャンルに広がっていくことが期待されます。こういったプロダクトを開発する若手デザイナーたちを応援するクラウドファンディングなどの取り組みにも積極的に参加していきたいものです。