星空や月を観測したいときに使用する「天体望遠鏡」。双眼鏡でも星座などの確認はできますが、月や惑星、星団などの細かい観測には天体望遠鏡が欠かせません。

天体望遠鏡には、光学的に仕組みが異なる「屈折式」「反射式」といった形式があり、望遠鏡を動かす架台にも「赤道儀式」と「経緯台式」があります。そのため、天体望遠鏡は選ぶのが難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、天体望遠鏡の選び方のポイントとおすすめのメーカー、さらには人気モデルをご紹介します。

天体望遠鏡の種類

屈折式

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「屈折式天体望遠鏡」とは、光を対物レンズで集め、接眼レンズで拡大して観測する天体望遠鏡のこと。

反射式とは異なり、光の通り道が単純なのでコントラストが高いのがメリットです。そのため、月や星団といった観測する天体を問わずオールマイティに使えます。また、メンテナンスもほとんど必要ないため、天体望遠鏡を初めて使う方にもおすすめです。

しかし、光がレンズを通るので、「色収差」が生じる可能性があります。色収差とは、色によって波長が異なるため焦点を結ぶ位置が異なり、ピンボケのように見える現象。フローライトや蛍石などを使った「アポクロマートレンズ」は、色収差を補正できますが、価格は高めなので注意しておきましょう。

反射式

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「反射式天体望遠鏡」は鏡筒の先から光を取り込み、反対側の凹面の反射鏡で集光する天体望遠鏡。光を反射させる方式により、大きく2種類に分類できます。

光を斜鏡で90°曲げて、鏡筒横の接眼レンズで観測するのが「ニュートン式」。一方、斜鏡の代わりに副鏡という凸面の反射鏡を用いて、鏡筒の後部から観測する方式が「カセグレン式」です。

反射式天体望遠鏡は、光がレンズを通らないので色収差が発生せず、中心部がシャープな像になります。そのため、月面や惑星の観測に最適。大口径を活かした星雲や星団の観測にも向いています。また、大口径のモデルでもリーズナブルで入手しやすいのも特徴です。

しかし、外気温と内部の温度差がある場合、鏡筒内に気流が生じて像が揺らいでしまうことがあります。望遠鏡を早めに戸外に出して、外気温になじませておくと安心です。

カタディオプトリック式

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屈折式と反射式を組み合わせて、両者のメリットを取り入れた方式が「カタディオプトリック式天体望遠鏡」です。反射式天体望遠鏡の短所である、周辺部の像が乱れる「コマ収差」という現象を補正レンズによって抑制するなど、高い補正能力を有します。

比較的軽量・コンパクトで、持ち運びしやすいのがメリット。また、屈折式に比べて大口径なモデルでもリーズナブルな点も魅力です。

天体望遠鏡の選び方

レンズの大きさをチェック

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屈折式のレンズ、および反射式の主鏡の直径を「口径」といい、通常はmm単位で表示されます。また、レンズや主鏡が望遠鏡に収められた状態の口径が「有効径」です。

口径が大きいほど光を多く集められるので、天体望遠鏡の性能は高くなります。望遠鏡が光を集める性能を表す「集光力」は、50mm口径では51です。一方で、150mm口径では459と9倍に変化します。

たとえば、月は50mm口径の天体望遠鏡では大きな谷やクレーターしか確認できませんが、150mm口径になると、月の海の起伏や谷やクレーターの細部が観測可能です。そのほか、土星の大気の模様や輪の構造なども150mm口径だと確認できます。

倍率をチェック

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天体望遠鏡の倍率は、「対物レンズの焦点距離」を「接眼レンズの焦点距離」で割ることで求められます。したがって、接眼レンズを取り替えれば、天体望遠鏡の倍率を変更することが可能です。

エントリークラスの天体望遠鏡には3つの接眼レンズが付属していることが多いので、3つの倍率で観測可能。また、接眼レンズのみの別売りもされているため、後から追加もできます。

一般には、口径の半分の倍率を「最低倍率」、口径と同じ倍率を「中倍率」、口径の2倍を「最高倍率」といいます。たとえば、50mm口径の天体望遠鏡の場合、「最低倍率」は25倍、「中倍率」は50倍、「最高倍率」は100倍です。

なお、接眼レンズを替えれば倍率を高くできますが、天体望遠鏡の能力を超えて高倍率にすると、像が暗くなり解像度も下がるので注意しておきましょう。

望遠鏡性能をチェック

レンズの「口径」や「倍率」のほかに、天体望遠鏡の性能を表す数値が、「集光力」「分解能」「限界等級」です。天体望遠鏡の製品比較の際に参考になるので、ぜひチェックしておきましょう。

「集光力」とは、望遠鏡の光を集める能力を表した指標。直径約7mmの人間の瞳を1として、その倍率で表します。「分解能」は、細部をどれだけ見分けられるかを表す数値です。単位は秒。数値が小さいほど、細かい部分を見分けられます。

また、「限界等級」は、どれだけ暗い星を観測できるかを表しています。暗い星ほど等級が大きくなるため、「限界等級」が大きい天体望遠鏡ほど、暗い星でも観測可能です。

そのほか、像の明るさを表す指標として、焦点距離を有効径で割った「F値」も確認しておきましょう。「F値」が小さいほど、明るい像を得られます。

天体望遠鏡のおすすめメーカー

ビクセン(Vixen)

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「ビクセン」は1954年に設立された日本の光学機器メーカーです。天体望遠鏡を中心に双眼鏡、顕微鏡など商品構成が豊富。天体望遠鏡分野では日本国内で高いシェアを有しています。

ビクセンの天体望遠鏡は、エントリークラスからコンピューターを利用したモデルまでラインナップが豊富。天体望遠鏡に興味がある方はまずチェックしておきたい、おすすめのメーカーです。

ミード(MEADE)

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「ミード」は、1972年に設立されたアメリカの天体望遠鏡メーカーです。1978年に、シュミットカセグレン式望遠鏡などの大型反射式天体望遠鏡の取り扱いを開始しました。

コンピューターやGPSで天体を導入する「GoTo技術」を搭載した架台など、技術力が高いのが特徴。日本では、光学メーカーであるケンコー・トキナーが代理店を務めており、修理や保証にも力を入れています。

ミザールテック(MIZAR-TEC)

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「ミザールテック」は、1952年に金属材料卸売業として創業。1957年からは、望遠鏡や顕微鏡などの光学製品を扱っています。さまざまな鏡筒を取り付けられる赤道儀式架台として、1975年にはAR型赤道儀を販売。その後のシステム赤道儀の先駆けとなりました。

ミザールテックの天体望遠鏡は、エントリークラスのモデルが充実しています。ロングセラーモデルが多く、リーズナブルなことでも多くの人から支持を集めているおすすめのメーカーです。

セレストロン(Celestron)

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「セレストロン」は、1964年に設立されたアメリカ・カリフォルニアの天体望遠鏡メーカーです。反射式天体望遠鏡のひとつであるシュミットカセグレン式望遠鏡「C8」を、創業者トム・ジョンソンが自ら設計して1960年代にリリース。その後も、数多くのシュミットカセグレン式望遠鏡を展開しています。

セレストロンの天体望遠鏡は、NASAのスペースシャトルミッションで使用されるほど技術力に優れているのが特徴。高性能な天体望遠鏡を探している方におすすめのメーカーです。

ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina)

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カメラ用のレンズフィルターで国内最大手の「ケンコー・トキナー」。2011年に交換レンズメーカーのトキナーと合併しました。

天文関係の製品は天体望遠鏡をはじめ、ポータブル赤道儀、ホームプラネタリウム、天球儀など、さまざまな製品を扱っているのが特徴。リーズナブルなエントリークラスの天体望遠鏡を数多くラインナップしています。

天体望遠鏡のおすすめ

ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡 スペースアイ600

ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡 スペースアイ600

組立や操作を簡単に行える、コンパクトサイズの天体望遠鏡。重量が約3.3kgと軽量のため、持ち運びしやすいのが特徴です。色収差を補正するアクロマートを採用した屈折式レンズで、月のクレーターや土星のリング、木星の衛星など幅広く観測できます。

また、倍率は30倍と100倍で調節可能です。そのほか、鏡筒を架台部のハンドルで上下水平方向に細かく調節できるので、観測したい星を導入しやすいのも魅力。天体観測が初めての方におすすめのモデルです。

ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡 ポルタII A80Mf

ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡 ポルタII A80Mf

使いやすさにこだわった「ポルタⅡ」は、初心者から上級者まで幅広く使用できるモデル。2本の微動ハンドルで天体を細かく探したり追ったりできるため、操作が非常にスムーズです。また、手を離せばその位置で止まる「フリーストップ式」を採用しています。

対物レンズの口径は80mmで、倍率は46倍と144倍で調節可能。倍率144倍の場合は、月のクレーターや山ひだをはっきり観測できます。色収差を抑えたアクロマートレンズも採用しているので、ピンボケしにくいのもポイントです。

また、付属の「正立天頂プリズム」を使うことで、日中の地上風景も観察できます。幅広いシーンで活躍するおすすめアイテムです。

ミード(MEADE) 天体望遠鏡 EQM-70

ミード(MEADE) 天体望遠鏡 EQM-70

屈折式かつ、架台部は同じ天体を追尾がしやすい赤道儀式を採用した天体望遠鏡です。入門用は口径60mmのモノが多いですが、「EQM-70」はさらに多くの光を集められるよう、口径70mmの光学レンズを採用しています。

倍率は、34.6倍・100倍・142.8倍で調節可能。星雲や星団などの天体はもちろん、月のクレーターや土星の環など、多くのモノを見て楽しめます。また、「2倍バローレンズ」を使用すれば、より高倍率での観測が可能です。

さらに、鏡筒や架台部を支える部分はワンタッチ式のスチール三脚で、揺れに強い構造かつ安定性が抜群なのも魅力。機能性を求める方は、ぜひチェックしてみてください。

ミード(MEADE) 天体望遠鏡 EQM-127

ミード(MEADE) 天体望遠鏡 EQM-127

エントリーモデルのなかでも比較的大きい口径127mmのため、非常に明るく天体を観察することが可能です。また、色収差が発生しないニュートン式反射望遠鏡かつ、天体の追尾がしやすい赤道儀を搭載しています。

倍率は、38.5倍・110.1倍 ・158.7倍で調節可能。天体望遠鏡は高い倍率ほど暗くなり見にくくなるので、低い倍率から観察しはじめ、徐々に倍率を上げていくのがおすすめ。月全体やクレーター、星雲、星団などの天体を手軽に観測したいときは、ぜひチェックしてみてください。

ミザールテック(MIZAR-TEC) 天体望遠鏡 Aries AR-50 ブルー

ミザールテック(MIZAR-TEC) 天体望遠鏡 Aries AR-50 ブルー

鮮やかな色合いがかわいらしい、卓上タイプの天体望遠鏡。軽量かつコンパクトサイズのため、持ち運びしやすいのが特徴です。三脚も含めて高さは約40cmなので、子供と一緒に楽しめます。

口径50mmの屈折式モデルのため、天体望遠鏡を初めて使う方でも扱いやすいのが特徴。また、付属の「3倍バローレンズ」を使用すれば、135倍率まで上がるので高倍率での天体観測ができます。

さらに、地上観察用アダプターを取り付ければ、フィールドスコープとして利用できるのもポイント。天体観測だけでなく、バードウォッチングやアウトドアなど、幅広いシーンで使用できるおすすめのモデルです。

ミザールテック(MIZAR-TEC) 天体望遠鏡 MT-70R

ミザールテック(MIZAR-TEC) 天体望遠鏡 MT-70R

口径70mmで屈折式のスタンダードなモデルながら、「K型微動マウント」を搭載した天体望遠鏡。この高剛性微動マウントは像の安定に欠かせず、鏡筒を水平に360°、上下に170°までスムーズに操作できます。

また、アイピースをアメリカンサイズにリニューアルしているので、他社の接眼レンズも交換しやすいのが特徴。月面クレーターをはじめ、土星や木星などの惑星観測に最適です。

セレストロン(Celestron) トラベルスコープ70 CE21035

セレストロン(Celestron) トラベルスコープ70 CE21035

天体観測だけでなく、地上でも使える天体望遠鏡です。正立プリズムが付属しているので、反転せず像を見ることが可能。昼間の海や山などの風景を眺めたり、バードウォッチングをしたりするのにも最適です。

また、口径70mmの対物レンズには、光の透過率をアップさせるフーリーコートが施されており、対象物を明るくシャープに観測できます。

リュックが付属しているため、本体・三脚・接眼レンズなどを一緒に収納できるのもメリット。重さは約1.5kgと軽量なので、キャンプや登山などのアウトドアシーンでも活躍します。天体観測だけでなく、普段の景色などさまざまな場所や用途で使い分けたい方におすすめです。

セレストロン(Celestron) 天体望遠鏡 NexStar4SE

セレストロン(Celestron) 天体望遠鏡 NexStar4SE

自動で天体を探し出し、その後も自動で追尾する天体望遠鏡です。約4万個のデータから観測地点の天体などを自動でピックアップするので、操作は簡単。また、日本語対応のハンドコントローラ液晶画面には、主要な天体などに関する情報が表示されます。

通常の天体望遠鏡は自動導入や追尾をする前に、手動で名前の分かる明るい星を2~3個導入し、望遠鏡を観測したい方角に変更する初期設定が必要です。この操作を「アライメント」といいます。

「NexStar4SE」は、スカイアラインシステムを採用。天体の名前を覚える必要がなく、日時と観測地の情報を入力するだけで、基準となる3つの天体を目指して動きます。一般的な自動導入より簡単かつ素早いアライメントが可能です。

自動導入は中上級者向けですが、「NexStar4SE」は機能が充実しているため、初心者でも慣れれば比較的使いやすいのが魅力。また、自動導入機能は肉眼で天体が見えにくい都会での利用に便利です。

ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) Sky WALKER SW-IIPC

ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) Sky WALKER SW-IIPC

色収差を抑えるアクロマートレンズを採用した、口径60mmの屈折式天体望遠鏡です。焦点距離の異なる3つのアイピースと、PCに接続できる30万画素の「デジアイピース」が付属しているのが特徴。デジアイピースをUSBケーブルでパソコンへ接続すると、望遠鏡がとらえた天体の映像を画面に映し出します。また、静止画だけでなく、動画の撮影ができるのもポイントです。

小型のワンタッチ式アルミ三脚と鏡筒は、どちらも軽量でコンパクトなので、持ち運びしやすく旅先でも手軽に使用できます。さらに、星座早見盤と天体望遠鏡ガイドブックが付属されているため、入門者の方や子供へのプレゼントにも最適です。

ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) Sky Explorer SE-AT100N

ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) Sky Explorer SE-AT100N

自動追尾機能が搭載されている口径100mmの天体望遠鏡。一般的なモノと違って天体を追い続けてくれるため、大人数で交代しながら観測する際にも重宝します。また、追尾機能の初期設定は、観測地の緯度さえ調べておけばスムーズに設定可能です。

鏡筒はニュートン反射式を採用しているので、色収差なく像をシャープに観測できるのもポイント。抱えて持ち運べるほど軽くコンパクトな卓上型望遠鏡のため、自宅のベランダやキャンプ場などで手軽に使用できるのも魅力です。また、電源は乾電池式なので観測場所を選びません。

初心者はもちろん、ワンランク上の天体観測を楽しみたい方にもおすすめのモデルです。