ツーリングなどの小旅行用に作られた自転車「ランドナー」。見た目はロードバイクのようにスタイリッシュですが、とても頑丈に作られているのが魅力です。ツーリングはもちろん、最近は通勤・通学用の自転車としても注目を集めています。

そこで、今回はランドナーの特徴や選び方についてご紹介。おすすめブランドの人気モデルもピックアップしているので、あわせてチェックしてみてください。

ランドナーとは?

By: louisgarneausports.com

ランドナーとは、フランス語で小旅行を意味する「ランドネ」に由来した自転車。その名の通り、2~3泊程度のツーリングを想定して、頑丈に作られているのが特徴です。ロードバイクのような美しいフォルムに、MTBのような頑丈さをあわせ持っています。

日本では1970年代のサイクリングブームに伴って流行。ブリヂストンを初めとしたさまざまな有名自転車メーカーからリリースされていましたが、やがてブームが終焉を迎えると、ランドナーは徐々に衰退。市場からもほとんど姿を消してしまいました。

しかし、健康意識の高まりによって、再びランドナーに注目が集まっています。頑丈に作られているので長距離走行にピッタリ。パンクにも強いことから、普段使いにもおすすめです。ロードバイクが欲しいけれど耐久性も重視したいという方は、ランドナーを検討してみてはどうでしょうか。

ランドナーの特徴

フレーム

By: marinbikes.com

ランドナーは、鉄にクロムとモリブデンを加えた合金「クロムモリブデン鋼(クロモリ)」をフレームに使用しているのが特徴。弾性に優れているため、衝撃に強く、長距離乗っていても疲れにくいのが魅力です。

また、クロモリはアクシデントに強いのもポイント。現在、ロードバイクで主流のカーボンやアルミは、一度折れてしまうと修復はほぼ不可能です。しかし、鉄をベースにしたクロモリは、町工場などで溶接してもらえば再び使用できます。サイクリング中、転倒や金属疲労などで壊れてしまったとしても安心です。

泥除け

By: marinbikes.com

ロードバイクやクロスバイクには、タイヤが巻き上げた泥や小石などから身を守る「泥除け」が搭載されていません。一応、後付けで装着することは可能です。しかし、スピードを出すためにせっかく無駄をそぎ落としているのに、”重り”となる泥除けを付けるのは本末転倒。フォルムも格好悪くなってしまうので、泥除けを採用する方はほとんどいません。

一方、悪路を走ることを前提にして作られたランドナーは、泥除けを標準搭載しています。泥除けありきでフォルムが設計されているため、全体的に統一感があるのもポイント。実用性だけでなく、見た目にもこだわりたい方はランドナーがおすすめです。

キャリア

By: louisgarneausports.com

ランドナーは、前後にキャリア(荷台)が付いているのもポイント。前輪にカゴをつければ、通勤や通学はもちろん、日々の買い物にも便利です。また、サイドバッグを装着することでたくさんの荷物を搭載することが可能。ツーリングでは大活躍します。

ロードバイクやクロスバイクは、荷物を搭載することを想定していないため、キャリアを装着できないモデルがほとんど。身軽になりたい方は、積載量の多いランドナーがおすすめです。

タイヤ

By: louisgarneausports.com

ランドナーは、ロードバイクと比べてやや太めのタイヤを使用しています。タイヤは細いほど路面抵抗が減るので速くなる一方、ぐらつきやすいのが特徴です。荷物の持ち運びを想定したランドナーでは、タイヤを太くすることで安定した走りを実現しています。

また、太いタイヤは振動吸収性が高いので、乗り心地も良好。さらにパンク耐性も向上します。砂利道を走ったり、段差を乗り越えたりしたい方におすすめです。

ハンドル

By: amazon.jp

ランドナーは、ハンドルが下方向に曲がった「ドロップハンドル」を搭載したモデルがほとんどです。棒状のフラットバーハンドルはずっと同じ体勢のため、長時間漕いでいると手に負担がかかってしまいます。

一方、ドロップハンドルは、ハンドルの下部分、レバーの付け根、そしてハンドルの上部と大きく分けて3通りの持ち方が可能。走行中も体勢を自由に変えられるので、長距離でも疲れにくいのが魅力です。

ランドナーの選び方

普段使い用の場合

By: louisgarneausports.com

通勤や通学など、普段使い用のランドナーを探しているのならば「アルミフレーム」がおすすめ。クロモリと比べて軽いので、少ない力で漕ぐことができます。振動吸収性が低いため、悪路には弱いのですが、街中を走ることが多いのならば特に問題ありません。また、サビにくいというメリットもあります。

ツーリング用の場合

By: marinbikes.com

日帰りや数泊程度のツーリングに使う場合は、ギアをチェックしましょう。おすすめは、フロント部分にギアを3枚積んだ「フロントトリプル」。2枚積んだタイプと比べて登り坂に強いので、重い荷物を積んでも比較的ラクに登ることが可能です。

国内一周or世界一周する場合

By: louisgarneausports.com

国内一周または世界一周のように、超長距離を走る場合は、タイヤをチェックしてください。おすすめは世界的に流通している「26インチサイズ」に対応したモデル。これ以外のタイヤは、地域によっては店頭に置いていない場合があります。また、パンクに強いMTBタイヤに対応したランドナーもおすすめです。

ランドナーのおすすめモデル|ジャイアント

台湾で誕生した「ジャイアント」。世界最大級の自転車メーカーのひとつで、ロードバイクやクロスバイク、MTBなど、さまざまな自転車をリリースしています。ジャイアントの自転車は、リーズナブルなだけでなく、高品質なのが魅力。プロからも注目されている人気ブランドです。

ジャイアント(GIANT) GREAT JOURNEY

ロードバイクに近いデザインのランドナー。フレームに定番のクロモリではなく、アルミ素材を使用しています。上体が起き上がったアップライトな姿勢で自転車を漕げるので、長時間のサイクリングも快適です。

登り坂に強いフロントトリプルを採用。また、前後にキャリアを搭載しており、収納力も良好。ツーリングバッグも2ペア付属しています。すぐにサイクリングに出かけられるおすすめのランドナーです。

ランドナーのおすすめモデル|ルイガノ

カナダのケベックで誕生したルイガノ。元・自転車のオリンピック選手であり、アーティストでもあるルイ・ガノー氏によるサイクルブランドです。ファッション性に優れたデザインが特徴で、自転車をおしゃれに乗りこなしたい方から高く評価されています。

ルイガノ(LOUIS GARNEAU) LGS-T9.0

リアキャリアを標準搭載したランドナー。ハンドルには、フラットバーとドロップハンドルの両方の性質を持った「バタフライハンドル」を採用しています。大きく姿勢を変えることなく、さまざまな握り方ができるので、体への負担が少ないのが魅力。ロングライドにピッタリです。

また、タイヤのバルブには「米式バルブ」を採用。車の空気入れと同じタイプなので、旅先で空気が抜けてしまったとしても、ガソリンスタンドなどで気軽に補充できます。長距離サイクリングのことを考えて作られたおすすめのランドナーです。

ルイガノ(LOUIS GARNEAU) GMT V

ランドナーの基準になってほしいという想いから、グリニッジ標準時を意味する「GMT」の名前を冠したモデル。GMTシリーズの上位モデルにあたり、フレームには頑丈なクロモリを使用しています。

ブレーキシステムには、雨天時でも制動力が強いディスクブレーキを採用。また、長距離乗っても疲れにくいバタフライハンドルを搭載しているのもポイントです。センタースタンドが付属しており、荷物を積んだままでもしっかりと駐輪できます。街乗りから小旅行まで、さまざまなシーンで活躍してくれるおすすめのランドナーです。

ルイガノ(LOUIS GARNEAU) GMT

GMTシリーズの低価格モデルです。フレームには軽量のアルミ素材を使用。また、ドロップハンドルを採用しており、どちらかというとロードバイク寄りのデザインといえるでしょう。

GMT Vではディスクブレーキを採用していたのに対して、本モデルは昔ながらのカンチブレーキを搭載。制動力はやや落ちますが、泥詰まりしにくいので悪路でも安心して走ることができます。通勤や通学、近距離のツーリングにおすすめのランドナーです。

ルイガノ(LOUIS GARNEAU) CT

クラシックスタイルのランドナー。フレームに細身のクロモリ、ハンドルにはドロップハンドルを採用しています。大きく、太めのタイヤを使用しているため、街中はもちろん、悪路でもスピーディーに移動することが可能です。

最大の特徴は、ダブルレバーを採用している点。ハンドルからペダル方向に伸びるパイプにあるレバーのことで、前後に倒すだけでギアチェンジできます。ダブルレバーは耐久性が高いのが魅力。ハードな使用にも耐えられるおすすめのランドナーです。

ランドナーのおすすめモデル|丸石サイクル

120年の歴史を持つ自転車ブランド・MARUISHI。昭和時代のサイクリングブームに、オンロード用のランドナー「エンペラー」をリリースしたことで知られています。現在もなお、高性能な国産ランドナーを生産し続ける老舗メーカーです。

丸石サイクル(MARUISHI) エンペラー ツーリングマスター

By: maruishi-cycle.com

昔ながらの小さめのタイヤを搭載している正統派ランドナーです。トップチューブが地面に対して平行の「ホリゾンタル設計」を採用。衝撃吸収性が高い構造のため、ロングライドでも疲れにくいのが魅力です。

また、フロントフォークが抜きやすいオリジナルヘッドパーツや分割式の泥除けを採用することで、コンパクトに収納できるのもポイント。自動車や電車に搭載して、移動先で乗り回したい方にもおすすめのランドナーです。

丸石サイクル(MARUISHI) エンペラー ツーリングコンダクター

By: maruishi-cycle.com

昔ながらのレトロデザインを踏襲しつつ、現代の流行を取り入れたモデルです。フレームには頑丈なクロモリを使用。グリップ性能が高いドロップハンドル、ダウンチューブ部分でギアチェンジするWレバーなど、ランドナーの特性をしっかりと取り入れています。

ツーリングマスターとの主な違いは、タイヤのサイズ。700Cというクロスバイクでも使用されているやや大きめのタイヤを搭載しています。高身長の方も楽に取り回しできるのが魅力。普段使いにもおすすめのランドナーです。

丸石サイクル(MARUISHI) エンペラー ツーリングプレイヤー

By: maruishi-cycle.com

「ツーリングプレイヤー」は、ランドナーのエントリーモデルです。汎用性の高い26インチタイヤを採用。Wレバーやカンチブレーキなど、高耐久のパーツを使用しているので、ロングツーリングも安心です。

ツーリング自転車としての必要スペックはしっかりと維持しつつ、価格は10万円以下とリーズナブル。これから長距離サイクリングをはじめようと考えている方におすすめの入門用ランドナーです。

ランドナーのおすすめモデル|マリン

アメリカのサンフランシスコ州で誕生した「マリン」。大量生産は行わずに、質の高い自転車をリリースしている硬派なブランドです。シンプルなフォルムが特徴で、ツーリングはもちろん、街乗り、通勤・通学など、シーンを問わずに利用することができます。

マリン(MARIN) FOUR CORNERS

By: marinbikes.com

「フォーコナーズ」は、長距離ツーリングやバイクパッキング用に開発されたランドナーです。衝撃吸収性の高いクロモリを使用しているため、ロングライドでも疲れにくいのが魅力。制動力の高いディスクブレーキを採用しているのもポイントで、雨の日でもしっかりとブレーキをかけることが可能です。

フロントにはギアを3枚搭載。キャリアやサイクリングバッグを装着すれば、すぐにツーリングに出かけられます。日本縦断はもちろん、海外ツーリング用としてもおすすめのランドナーです。

マリン(MARIN) GESTALT-1

スタイリッシュなフォルムが特徴の「ゲシュタルト」。フレーム素材に軽量のアルミを採用したモデルのため、軽い力で漕げるのが魅力です。もちろんツーリング用としても使えますが、街乗りや通勤・通学にも向いています。

各パーツには耐久性が高いシマノSORA製品を採用。雨の日でもしっかりと停止するメカニカルディスクブレーキを搭載しているのも魅力です。オフロードだけでなく、オンロードも走りたい方におすすめのランドナーです。

ランドナーのおすすめモデル|アラヤ

1903年、日本で初めて自転車用リムを開発した「アラヤ」。現在も自転車リムの開発において大きなシェアを持っているブランドです。アラヤは日本人のスタイルに合った自転車を開発していることでも有名。高性能な国産ランドナーを探している方におすすめのサイクルブランドです。

アラヤ(ARAYA) SWALLOW Randonneur

アラヤの「スワロー・ランドナー」は、伝統を踏襲した正統派ランドナーです。フレームには衝撃吸収性が高いクロモリを採用。クラシックなホリゾンタルデザイン、Wレバーなど、古き良きランドナーの特徴を再現しています。レースでも使用されている650Bサイズのホイールを使用しており、走行性も良好です。

また、ドロップハンドルが正面から見ると「八」の字型を描いているのが特徴。フロントキャリアに積んだ荷物にぶつかりにくいだけでなく、よりたくさんの荷物を積むことができます。まさにランドナーの理想形を体現したおすすめの自転車です。

アラヤ(ARAYA) Touriste

「ツーリスト」は、ミドルレンジのツーリングにおすすめのモデルです。フレームは伝統的なオールクロモリ仕様。ハンドル部分を高めにすることで、日本人にとって理想的なポジションを実現しています。

ホイールには、ゴールデンサイズと呼ばれる「ハチサン」を採用。走行性に優れているだけでなく、取り回しもしやすいため、オールラウンドなシーンに対応できます。ツーリング用としてはもちろん、街を走る際にも活躍するおすすめのランドナーです。

ランドナーは中古という選択肢はアリ?

サイクルショップやECサイトでは中古の自転車も販売されていますが、これから初めてランドナーに乗るという方にはあまりおすすめしません。

自転車は、時が経つにつれて、フレームやパーツなどのデザインが洗練されています。たとえば、年代物のフレームだと、それに合ったタイヤが見つからないというケースもあるので、新品よりもかえってコストがかかってしまう恐れがあります。

また、欠陥品をつかむリスクもあるので要注意。チェーンやブレーキなどの消耗品は交換することが可能ですが、フレームにヒビが入っていたり、曲がっていたりすると直すことは困難です。

なかには美品もあるので、一概に中古品がダメとは言いません。自転車に詳しい方ならばおすすめです。よく分からないという方は、なるべく新品のランドナーを選ぶようにしましょう。