インクジェットプリンターで写真を印刷する際に使用するのが「写真用紙」です。写真印刷に特化した処理が用紙の表面に施されているため、普通紙で印刷するよりもシャープで鮮明な仕上がりの写真プリントが楽しめます。
そこで今回は、プリント初心者の方向けに写真用紙の特徴や選び方を解説。写真を明るく華やかな印象に仕上げられる光沢系の写真用紙を中心におすすめのモノもご紹介するので、写真用紙を選ぶ際の参考にしてみてください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
写真用紙とは?
写真用紙とは、インクジェットプリンターを使った写真印刷に特化した用紙のことです。用紙の表面に写真を明るく鮮やかに見せる処理が施されているのが特徴。書類のコピーに使われる普通紙と比べて、インクの乗りがよく、写真を鮮明に仕上げられるため、大切な写真を高画質で印刷したい場合におすすめです。
一般的な写真用紙の表面には光沢感を演出するコーティングが施されているのもポイント。水彩絵の具に近い性質を持つ染料インクで写真を印刷した際に、華やかで高級感のある仕上がりが得られます。また、印刷から長期間経過しても色が褪せにくいのも魅力。きれいな状態のまま写真を長く保管したい場合にも重宝します。
写真用紙の選び方
光沢の種類をチェック
スタンダードな「光沢紙」
光沢紙は表面の光沢感を強く出すタイプの写真用紙です。インクジェットプリンター用では最も一般的な写真用紙で、豊富なラインナップが用意されています。
ベースとなる紙の両面がレジンコート(RC)などの特殊なコーティング層で挟まれているのが光沢紙の特徴。写真用紙表面のつやを強く際立たせることで、染料インクの発色や階調がより豊かに現れるので、色鮮やかで透明感のある写真が印刷可能です。
豊かな自然の風景だけでなく、結婚式やパーティーなど華やかな雰囲気の作品を仕上げるのにおすすめ。また、黒色がよく締まって出力されるため、夜景や星空の写真印刷にも重宝します。
セミマットな仕上がりの「絹目紙」
絹目紙は光沢感をやや抑えたタイプの写真用紙。半光沢紙とも呼ばれており、インクジェットプリンター用の写真用紙では光沢紙に次ぐ人気があります。
表面にきめ細かな微粒面を備えているのが絹目紙の特徴。つやを適度に抑える効果があり、高精細ながらもしっとりとした高級感のある仕上がりで印刷可能です。
曇りや日陰の風景・静物・ポートレートなど落ち着いた雰囲気の作品をじっくり見せたい場合におすすめ。また、照明による映り込みが目立ちにくいため、写真展やフォトコンテストでもよく好んで選ばれています。
やわらかい印象になる「マット紙」
マット紙は光沢感がないタイプの写真用紙。絹目紙以上に落ち着いた仕上がりになるため、やわらかな雰囲気の写真を印刷するのにおすすめです。作品印刷や写真加工に適しており、主に顔料インクを採用したインクジェットプリンターで多く使われています。
また、凹凸のある画材調のモノもあり、風合いや手触りも含めて楽しめるプリントが制作できるのもポイント。写真用紙のなかでは、比較的文字が書き込みやすくなっています。マット紙は切り貼りなどの加工も簡単なので、プリントに一手間を加えたペーパークラフトにもおすすめです。
レーザープリンター用かインクジェットプリンター用かチェック
写真用紙を選ぶ際は所有しているプリンターに対応するかの確認が必要です。どんなに上質な仕上がりが得られる写真用紙でも、自宅にあるプリンターに対応しないモノでは印刷できません。購入の前にあらかじめ確認しておきましょう。
特に注意が必要なのが、レーザープリンター用の写真用紙。家庭用として一般的なインクジェットプリンターで使われる写真用紙とは構造が異なるため、インクが定着しにくく、希望の仕上がりで印刷できないことが多々あります。インクジェットプリンターを使う際は、必ずインクジェットプリンター用の写真用紙を選びましょう。
サイズをチェック
用紙サイズも写真用紙選びでは重要なポイントです。同じシリーズの写真用紙でL判・ハガキサイズ・A4などさまざまな用紙サイズが用意されている場合があります。印刷の用途に応じて選びましょう。
普段使い用として使用する頻度が高い用紙サイズがL判。コンパクトで扱いやすいサイズ感なので、アルバムなどに収納して楽しむ用途にも人気があります。はがきサイズはL判に比べて一回り大きく、贈答用のポストカードを作成する場合におすすめです。
写真を大きく印刷したい場合におすすめなのがA4。L判の5倍以上の大きさです。額装して壁に飾る写真やフォトコンテストに応募するための写真を仕上げる際にも重宝します。
厚さをチェック
用紙の厚さも写真用紙を選ぶ際に決め手となるポイントです。厚さには薄手・普通・厚手の主に3種類があり、用紙の厚みが増すほど高品質になって強度も上がります。ただし、価格も厚さに比例するため、写真プリントを使用する目的に応じて選びましょう。
一般的な用途には、厚さと価格のバランスがよい厚みが「普通」の写真用紙がおすすめ。より薄く、価格の安い「薄手」の写真用紙は、アルバムやスクラップブックを作成する場合に重宝します。
「厚手」の写真用紙は耐久性が高く、折れやしわができにくいのがポイント。さらに、光沢系の写真用紙では光沢をしっかり発揮でき、作品をより上質かつ華やかな印象で仕上げられるので、本格的な作品の制作にもおすすめです。
白色の違いをチェック
写真用紙の白色は写真の仕上がりを左右するポイントです。インクを混ぜて作る赤・緑・青・黒などの色と違って、写真の白色は写真用紙の地色がそのまま反映されます。
同じ写真を印刷する場合でも写真用紙の白色で仕上がりの印象が大きく変わるのがポイント。白色が青みがかったモノではシャープで冷たい印象に、黄色みがかったモノではレトロであたたかな印象に仕上げられます。印刷する写真の雰囲気に合わせて使い分けるのがおすすめです。
白色の再現性を重視する場合は写真用紙の「白色度」も重要。数値が100%に近い写真用紙ほど白色を忠実かつきれいに再現できるので、真っ白な服を着たポートレート写真を印刷する場合などにも重宝します。
両面か片面かチェック
写真用紙には片面のみに印刷できるモノと両面に印刷できるモノの2種類が存在します。両面タイプの写真用紙は表と裏の両面にインクの受容層があるのが特徴。製品のラインナップは少なめですが、両面印刷を活用することで用紙コストを半減できます。製本したオリジナル写真集を低予算で作成したい場合にもおすすめです。
片面タイプの写真用紙は表面にのみインクの受容層があるのが特徴。裏面には印刷できませんが、両面タイプと違って透過する光でインクが透けて見えにくいため、より高品質な仕上がりの写真プリントが印刷できます。
写真用紙のおすすめ|光沢紙
エプソン(EPSON) 写真用紙クリスピア 高光沢 A4 20枚 KA420SCKR
カラリオプリンターの画質を最高域まで引き出せる超光沢系の写真用紙です。発色層を追加した7層構造によって、臨場感あふれる豊かな発色と優れた色再現性を実現。絶景写真などの印刷に使う用紙としてもおすすめです。
ベースペーパーを採用しているのもポイント。ワンランク上の光沢感で写真を華やかに演出可能です。また、0.3mmと厚手に作られているので、印画紙のようなコシと高級感のある仕上がりで作品を印刷できます。
本パッケージにはA4サイズの写真用紙が20枚入っています。サイズ展開も幅広く、L判からA2まで9サイズ13種類が用意されており、印刷の用途に応じて選択可能です。
キヤノン(Canon) キヤノン写真用紙・光沢 プロ プラチナグレード A4 20枚 PT-201A420
キヤノンのフラッグシップに位置する光沢系の写真用紙です。インク受容層を3層構造にし、RC層を高平滑化することで、より光沢感のある質感に仕上げています。風景写真やウェディングフォトなどを華やかに仕上げるのにおすすめです。
インクの染料が写真用紙の表面に近い位置で固定されるのも特徴。印刷直後から色乗りのよい濃厚な発色が得られます。加えて、黒色を引き締める効果も持っており、高コントラストでメリハリのある印刷が可能です。
「クリアハードコート層」を最表面に備えているのも魅力。傷が付きにくく、きれいな状態を長く保てます。写真用紙のサイズはL判から半切まで9サイズ10種類から選択可能です。
ピクトリコ(PICTORICO) ピクトリコプロ・フォトペーパー A4 20枚 PPR200-A4/20
日本屈指の用紙専門メーカーが手掛けた光沢系の写真用紙です。ハイライト部の鮮やかな色再現とシャドー部の黒の質感を両立。華やかで上質な仕上がりが得られるので、展覧会やフォトコン応募のために制作する写真作品の印刷にもおすすめです。
ベースペーパーに白色度100%の真っ白な印画紙を採用しているのもポイント。表面の平滑性も高く、艶やかな光沢感を演出可能です。紙の厚みは0.29mmと厚手。単に厚いだけではなく、しっかりとしたコシのある重厚な風合いも楽しめます。
本パッケージにはA4サイズの写真用紙が20枚入っています。サイズ展開が充実しているのも魅力です。
エレコム(ELECOM) 写真用光沢紙 バリュー 薄手 L判 400枚 EJK-TVL400
優れたコスパと扱いやすさを兼ね備える光沢系の写真用紙です。自然で心地よい光沢感と鮮明で美しい発色が特徴。1枚当たりの印刷コストが安く済むため、普段使い用としてはもちろん、写真を家族や知人に配る用途にも適しています。
厚さ0.19mmと薄手に作られているのも特徴。印刷した写真の切り貼りもしやすいので、アルバムやノートに貼り付けたり、スクラップブックを制作したりする場合にもおすすめです。
パッケージ内に含まれた「紙つまみ台紙」も便利。印字面に触れることなく、きれいな状態を保ったまま写真用紙が取り出せます。本製品はL判の写真用紙400枚入り。2L判やA4サイズも選択可能です。
写真用紙のおすすめ|絹目紙
エプソン(EPSON) 写真用紙 絹目調 A4 20枚 KA420MSHR
しっとりした仕上がりで人気のある絹目調の写真用紙です。表面に微粒面を備えており、光沢感を適度に抑えることで落ち着いた雰囲気の作品を印刷することが可能。日陰や室内で撮影したポートレートやテーブルフォトなどの印刷におすすめです。
紙の厚みは0.27mmとやや厚手。扱いやすい質感なので普段使いにも適しています。また、写真用紙の表面に褪色防止加工が施されているのも魅力。長期間の保管や展示でも色褪せしにくいため、きれいな状態を長く楽しめます。
本製品はA4サイズの写真用紙が20枚入っています。サイズ展開も充実しており、L判からA2まで6サイズ8種類から選択可能です。
キヤノン(Canon) キヤノン写真用紙・微粒面光沢 ラスター A4 20枚 LU-101A420
高級感のある落ち着いた雰囲気を醸し出す半光沢系の写真用紙です。表面には絹目よりも細かい微粒面を採用。光沢感を抑えつつ、色調やシャドー部を豊かに描写できます。
写真用紙の両面にRC加工が施されているのも特徴。インク吸収による波打ちが起きないため、印刷後もフラットで美しい状態が保てます。紙の厚みは0.26mm。フィルム時代の銀塩写真に近い質感で仕上げられます。
本パッケージにはA4サイズの写真用紙が20枚入り。A4と比べて約2倍の印刷面積を持つA3や、さらに一回り大きなA3ノビも選択可能です。
ピクトリコ(PICTORICO) ピクトリコプロ・セミグロスペーパー A4 20枚 PPS200-A4/20
中上級者にも人気のある上質な半光沢系の写真用紙です。表面に光沢を抑える微粒面が設けられており、鮮やかな色彩を落ち着いた仕上がりで楽しめるのが特徴。ライティングの映り込みも気になりにくいので、展示会用の作品制作にもおすすめです。
高級グレードの印画紙をベースペーパーに採用しているのもポイント。100%の高白色度と0.295mmの厚みを併せ持っています。加えて、速乾性と耐水性も良好。フォトコン応募用の粗選びなど、手に取ることが多い写真の印刷にも適しています。
本パッケージはA4サイズの写真用紙20枚入り。サイズのバリエーションの多さも魅力です。
写真用紙のおすすめ|マット紙
エプソン(EPSON) フォトマット紙 A4 50枚 KA450PM
多目的に活用できるマット系の写真用紙です。表面に光沢感がなく、紙の持つ柔らかな質感を写真印刷に活かせるのが特徴。染料インクと顔料インクの両方に対応し、価格も安いので、マット紙の仕上がりを手軽に試したい方にも適しています。
紙の厚みが0.23mmと薄手なのもポイント。印刷した写真は切る・貼る・折るなどの加工がしやすいため、フォトブックの作成やペーパークラフトなどの用途にもおすすめです。
本パッケージはA4サイズの写真用紙が50枚入っています。数が多めなので、書類コピー用の普通紙に近い感覚で手軽に使用可能です。また、より大判のA3やA3ノビも選択できます。
エプソン(EPSON) Velvet Fine Art Paper A4 10枚 KA410VFA
エプソンが世界トップクラスの写真家たちと共同開発した高級マット系のファインアート写真用紙です。黒色の締まりがよく、コントラストや彩度を高く表現可能。カラー写真を絵画的に演出できるほか、モノクロ写真の本格的な作品制作にもおすすめです。
コットン100%の写真用紙ならではの上質なテクスチャが表面に施されているのも魅力。木々の樹皮や建物の壁などが持つ質感を紙面上で強調できるので、視覚的にも触覚的にも楽しめる作品プリントが仕上げられます。
本製品にはA4サイズの写真用紙が10枚入っており、A3・A3ノビ・A2の各サイズも用意。染料インク機にも対応しますが、厚みが0.48mmと極厚で機種を選ぶため、購入前に使用プリンターが対応するかを確認しておくのがおすすめです。
キヤノン(Canon) キヤノン写真用紙・プレミアムマット A4 20枚 PM-101A420
プロやハイアマチュアも高く評価する高級マット系の写真用紙です。0.31mmと厚手に作られており、高級感あふれる厚みとコシを実現。さらに、白色度も92%とマット紙としては高く、自然であたたかみのある白色を再現できます。
インク受容層がキヤノンのPROシリーズプリンターに最適化されているのも特徴。染料インクと顔料インクのどちらでも高い発色性が得られます。繊細な階調表現に加えて、従来は色の出にくかった蛍光色の緑や明るい黄色もしっかり描写可能です。
白色と黒色の明度差を広げて階調を豊かに表現できるのも魅力。モノクロ写真の作品制作にもおすすめです。本パッケージにはA4サイズの写真用紙が20枚入っており、目的に応じてA3やA3ノビも選べます。
エレコム(ELECOM) レーザープリンタ用 両面マット紙 厚手 A4サイズ 50枚入 ELK-MAN2A450
レーザープリンターで両面印刷できるマット系の写真用紙です。表面の反射や濃淡ムラがほとんどなく、文字や写真を見やすくきれいに印刷可能。加えて、印刷業者が行うオフセット印刷のように上質な仕上がりも味わえます。
厚み0.21mmと、レーザープリンター専用の写真用紙としては厚手なのも特徴。印刷後もしっかりとしたコシがあり、薄っぺらい印象を与えません。会議資料はもちろん、カタログ・メニュー・POPなど販促物の制作にもおすすめです。
レーザープリンターで起こりがちなトナーの定着不良や重送・紙詰まりなどのトラブルが改善されている点も魅力。本パッケージにはA4サイズの写真用紙が50枚入っています。
「用紙沼」という言葉が存在するほど、写真用紙の世界は奥が深く、魅力的。写真用紙の種類によって、写真の雰囲気も変わるので好みや用途にあわせて選ぶのがおすすめです。今回ご紹介した製品や選び方を参考に、ぜひさまざまな写真用紙を試してみてください。