海釣りのなかでも冬の人気ターゲットとして知られる「ヤリイカ」。スタイルとしては船からの狙う沖釣りが主流で、スピニングリールでもベイトリールでも電動リールでもアプローチできるのが魅力です。
そこで今回はヤリイカで使う竿を特集。おすすめのモデルをご紹介します。やったことがある方はもちろん、「これまでやったことないけど興味がある」という方もぜひチェックしてみてください。
ヤリイカ竿の特徴

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「ヤリイカ」は槍のような尖ったヒレが特徴のイカ。釣りの時期としては冬がメインです。タックルはさまざまですが、特に水深100m以深を狙う場合は利便性を考慮して電動リールを使用。一方、それ以浅であればベイトリールも候補になります。
仕掛けは末端にオモリをセットし、プラヅノやスッテと呼ばれる疑似餌を複数付けた多点掛け。竿は操作性やヤリイカを掛けるに適した硬さ・長さ・調子に設定されていますが、多くの場合が先調子の掛け重視になっています。
なお、ヤリイカ釣りは多点掛けだけでなく、イカメタルやオモリグなどを使う単点掛けも選択肢。その場合はより軽くなるので、スピニングタックルを使います。
ちなみに、「イカメタル」とはメタルスッテ(鉛スッテ)と呼ばれる小型のエギを使う釣り。一方、「オモリグ」とは末端にオモリを付け、枝分かれした部分に小型のエギをセットした釣法のことを指します。ぜひ覚えておきましょう。
ヤリイカ竿の選び方
硬さ(号数)をチェック

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釣り竿には硬さがあり、製品によってパワーの表記が異なります。柔らかい順に並べると、L(ライト)・ML(ミディアムライト)・M(ミディアム)・MH(ミディアムヘビー)・H(ヘビー)が代表的。メーカーによっては数字で表す場合もあります。
ヤリイカ竿の場合は製品名や製品スペックに記載されている場合もありますが、多くの場合が「オモリの負荷」で判断。例えば、オモリの負荷が「20〜60号」の竿と「100〜150号」の竿とでは、後者のほうがより重さに耐えられる仕様となっており、より硬い竿といえます。より硬い竿であればより深場の釣りや多点掛けで大物が複数掛かった際にも対応できるので、意識しておきましょう。
長さをチェック

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ヤリイカ竿の長さは短いモノで1.5m(150mm)、長いモノで1.9m(190mm)が相場。より短いほうが自重として軽くなるので、より楽に竿をシャクれます。一方、より長いとその分重くなりますが、竿のレングスをいかし、大きくシャクれるのが違い。操作性を重視したい場合は短い竿を、大きくシャクりたい場合は長い竿を選ぶのがおすすめです。
調子をチェック

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ヤリイカは魚と違って口を使って喰いついてこず、プラヅノやスッテを抱きにくるのが釣りのポイント。アングラーサイドとしては抱きついてきた際にいかに素早く掛けるかが勝負の分かれ目となります。
よってヤリイカの竿は穂先から曲がる「先調子」がほとんど。具体的には8:2か9:1のいずれかで、後者のほうがより先調子になります。
なお、先調子をアクションの表記で示すと「ファストアクション」や「エクストラファストアクション」が該当。アクションはルアーロッドによく採用される表記なので、覚えておきましょう。
ヤリイカ竿のメーカー
ダイワ(Daiwa)

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「ダイワ」は国内大手の釣具メーカー。ロッドやリール、ルアーはもちろん、ラインやアパレル、小物などさまざまなアイテムを展開しています。
シリーズ名としては「ヤリイカ X」や「アナリスター ヤリイカ」、「メタリア ヤリイカ」、「極鋭 ヤリイカ」などが代表的。 シリーズ別に価格帯が分かれているのはもちろん、同シリーズ内でもレングスや硬さの異なるモデルも用意されており、選択肢が複数あるのもポイントです。
シマノ(SHIMANO)

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「シマノ」は世界的に知られている日本の大手釣り具メーカー。リール開発に定評があるほか、ロッドやルアーなど幅広いジャンルのアイテムを展開しています。
シリーズ名としては「ヤリイカ BB」や「ベイゲーム X ヤリイカ 」、「イカセブン」、「イカスペシャル」などが代表的。 ラインナップとしてはレングスに違いがあるのはもちろん、カーボン含有率、重さ、オモリの負荷の許容範囲も異なるので、選ぶ際はしっかりと確認しておきましょう。
ヤリイカ竿のおすすめ|人気
ダイワ(Daiwa) アナリスター ヤリイカ 175

汎用性の高いロングセラーモデルのヤリイカ竿。電動リールをセットするモデルですが比較的軽量で、操作性に優れているのが特徴です。
ブランクスのカーボン含有率は80%で、テーパーは柔らかめのスローテーパー。穂先には高感度グラスソリッドを採用しているほか、視認性も高く、使い勝手も良好です。
本製品の長さは1.75m、重さは166gで、オモリの負荷は80〜150号が目安。幅広いシーンで活躍してくれるおすすめの1本です。
ダイワ(Daiwa) メタリア ヤリイカ MH-175・J
感度・軽さ・操作性・乗せやすさのトータルバランスに優れたヤリイカ竿。ガイドが上向きのベイト・電動リールモデルで、深場狙いや多点掛けにもしっかりと対応できるパワーを備えているのが特徴です。
ブランクスのカーボン含有率は88%で、ややシャッキリとしているのもポイント。穂先には感度に優れたメタルトップを採用しており、感度も良好です。
本製品の長さは1.75m、重さは150gで、オモリの負荷は100〜150号が目安。手返しよく攻めたい方におすすめの1本です。
シマノ(SHIMANO) ベイゲーム X ヤリイカ 190
ロングレングスのヤリイカ竿。じんわり大きくシャクれるのが特徴で、多点掛けのよさを十分に引き出せるのが特徴です。
本製品の長さは1.9m、重さは180gで、オモリの負荷は100〜150号が目安。ガイドが上向きのベイト・電動リールモデルで、ブランクスの調子は8:2、ブランクスのカーボン含有率は86.4%で、クッション性を備えているのも魅力です。
シマノ(SHIMANO) イカセブン 150

ショートレングスのヤリイカ竿。やや深場を狙いたい方や重いオモリを1日シャクり続けることを想定した釣りに向いているモデルで、ブランクスは硬め、テーパーは9:1の先調子に仕上げているのが特徴です。
本製品の長さは1.5m、重さは190gで、オモリの負荷は80〜150号が目安。カーボン含有率は79%とかなりのクッション性を備えているので、巻上げ時のテンション変化でバレやすいヤリイカにも十分対応できます。
がまかつ(Gamakatsu) ライブラII ML180
船釣り全般に使える万能なロッド。沖のエサ釣り、オフショアのルアー釣りにも使えるベイト・電動リールモデルで、ヤリイカ竿としてはもちろん、タチウオジギングやタイラバにも対応できるのが特徴です。
本製品の長さは1.8mで、重さは132gと、十分なレングスがありながら軽量なのがポイント。ブランクスのパワーはML、オモリの負荷は20〜60号が目安で、ややライトな釣りで使うのがおすすめです。
カーボン含有率は99.5%とかなりシャープな仕上がりで、感度・操作性ともに良好。竿1本で多くの釣りをこなしたい方はぜひおさえておきましょう。
テイルウォーク(tailwalk) メタルゾン SSD S70H/FSL
ヤリイカ竿のなかでも多点掛けではなく、イカメタルやオモリグなどの単点掛けで使うモデル。タイプとしてはフルソリッドのスピニングロッドで、ヤリイカを1本ずつ丁寧に釣っていきたい方におすすめです。
本製品の長さは7ft、重さは137gで、適合ルアーウエイトは60〜180g。オモリの負荷は15〜45号が目安です。ベイトリールや電動リールではなく、スピニングリールでヤリイカ釣りをしたい方はぜひチェックしておきましょう。
ヤリイカ竿のおすすめ|安い
ダイワ(Daiwa) ヤリイカ X 150
比較的価格帯が安いおすすめのヤリイカ竿。穂先には高感度グラスソリッドを採用しているほか、ブランクスの調子は8:2に設定されており、沖イカ釣り専用モデルとしてはコスパに優れているのが特徴です。
本製品の長さは1.5m、重さは145gで、オモリの負荷は80〜150号が目安。カーボン含有率は74%でクッション性が高く、ヤリイカのバイトを乗せやすいのも魅力です。
シマノ(SHIMANO) ヤリイカ BB 175
同社のヤリイカ竿におけるエントリーモデル。穂先には視認性の高い白のブランクスのグラスソリッドを採用しており、目でアタリを把握しやすいのが特徴です。
本製品の長さは1.75m、重さは165gで、オモリの負荷は100〜150号が目安。カーボン含有率は85.6%で、操作性とクッション性の双方に配慮した仕様となっています。
アブガルシア(Abu Garcia) 黒船 ライトイカ KLIC-180M
ヤリイカのほか、マルイカやスルメイカなどもカバーするおすすめのベイトロッド。本製品の長さは1.8m、重さは128gで、レングスのわりに軽めに仕上がっているのが特徴です。
カーボン含有率は58%と低めですが、その分価格帯に還元されており、安価なのもポイント。テーパーは7:3の先調子に設定されています。ライト系のイカゲームはもちろん、底物のカレイ狙い、エサ取り名人のカワハギ狙い、根魚のカサゴ狙いにも使えるので、そうした点もおさえておきましょう。
メジャークラフト(Major Craft) 三代目 クロステージ イカメタル 鉛スッテ CRXJ-S662M/NS
ヤリイカ竿におけるイカメタル専用モデル。タイプとしてはPE0.4〜1号の細いラインが適合するスピニングロッドで、小型のヤリイカを拾っていけるのが特徴です。
本製品の長さは6ft6in、重さは137gで、テーパーはエクストラファストアクションを採用。適合ルアーウエイトは20〜600g、オモリの負荷は8〜15号が目安です。
プロックス(PROX) CX攻技ヤリイカSE M-175
リーズナブルなヤリイカ竿を求めている方におすすめのモデル。本製品の長さは1.75m、重さは230g、カーボン含有率は70%とやや重めですが、価格帯としては安く、気軽に購入できるのが特徴です。
ブランクスは8:2の先調子ですが、パワーがあり、リフトしやすいのもポイント。グラスソリッドの穂先はオレンジとホワイトのマーキングが施され、視認性も良好です。多点掛けで一気に複数のヤリイカを釣りたい初心者の方はぜひおさえておきましょう。
ヤリイカ竿のおすすめ|高級
ダイワ(Daiwa) 極鋭 ヤリイカ 82 MH-170

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電動リールでの釣行頻度が高い方におすすめのヤリイカ竿。トリガーやリールシートを含めたグリップ部分にこだわりが感じられる上級者モデルで、軽さ・操作性・感度に優れているのが特徴です。
本製品の長さは1.70m、重さは135gで、オモリの負荷は80〜150号が目安。カーボン含有率は97%、ブランクスの調子は8:2で、シャープさがありながらアタリを乗せやすいのも魅力です。
ダイワ(Daiwa) 極鋭 ヤリイカ EX 82-175
ハイエンドクラスのヤリイカ竿。軽量かつ高感度のAGS(エアガイドシステム)を採用しているのが特徴で、シャープな操作感で誘えるほか、繊細なアタリが手元でしっかりと感じられるのも魅力です。
本製品の長さは1.75m、重さは125gで、オモリの負荷は80〜150号が目安。カーボン含有率は97%、ブランクスの調子は8:2で、やや遊びがありつつも、違和感なくヤリイカを乗せられるのもポイントです。
シマノ(SHIMANO) イカスペシャル MH160/RIGHT
操作性と感度に優れたヤリイカ竿のハイエンドモデル。深場でもしっかりと誘えるほか、繊細なアタリもしっかりと捉えられ、拾うのが難しいヤリイカにも十分対応できるのが特徴です。
本製品の長さは1.6m、重さは225gで、オモリの負荷は80〜180号が目安。カーボン含有率は97.1%、ブランクスの調子9:1で、よりシャープにシャクれるのも魅力です。
番外編:ヤリイカ竿は他の竿で代用できる?

オモリの負荷に耐えられればヤリイカ竿以外でも使えますが、使い勝手はやはりそれ専用に開発された竿に分があります。沖のヤリイカ釣りは重いオモリで深場を狙うのが基本。竿の胴部分にはその荷重に耐えられるほどの張りが必要です。
一方、穂先はヤリイカを掛けられるよう柔軟さと感度が必要。さらに釣りとしては仕掛けを落とし込み、竿をシャクり、ピックアップするのが一連の流れなので、これを繰り返すことを考えると、操作性のよさや軽さも影響してきます。他の釣り竿でも代用できないことはないですが、そうした点は考慮しておきましょう。
ヤリイカの仕掛けは大きく分けて「ブランコ」と「直結」の2種類。前者はオモリをセットし、枝分かれさせ、疑似餌を配置する方法。絡まりやすさはありますが、セットは簡単です。一方、後者は一直線に疑似餌を並べ、オモリをセットする方法。手間はかかりますが、絡まりにくいのがよさです。ぜひ確認しておきましょう。