幅広いジャンルの小説を刊行する「角川文庫」。恋愛・青春・推理・歴史・ホラー・ライトノベルなど、さまざまな種類の作品を楽しめます。角川文庫のなかには、映画化やアニメ化された作品が多いのも魅力です。

そこで今回は、角川文庫作品から特におすすめの小説をご紹介します。長年愛される名作から、最新の角川文庫まで幅広くラインナップしました。ぜひチェックしてみてください。

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• 目次
• 角川文庫とは？
• 角川文庫のおすすめ作品

角川文庫とは？

角川文庫は、総合エンターテインメント企業として出版・映像・ゲームなどを事業展開する株式会社KADOKAWAが発行する文庫レーベル。1949年に創刊され、1950年には角川文庫を現在のA6版に改装し、第一次文庫ブームを引き起こしました。

角川文庫は角川ホラー文庫などと共に、小説を中心としたフィクション作品を年間300点以上刊行しているのが特徴。幅広いジャンルの作品を発行しているので、気になるモノを手に取ってみてください。

角川文庫のおすすめ作品

マリアビートル

KADOKAWA 著者：伊坂幸太郎

2014年に大学読書人大賞を受賞した角川文庫です。疾走する新幹線の車内を舞台に、個性的な殺し屋たちの対決を描いた小説。2022年に邦題『ブレット・トレイン』として、ハリウッドで映画化もされました。

幼い息子の敵討ちを企てる、酒飲みの殺し屋・木村。優等生面の裏側に悪魔の心を隠し持つ中学生・王子。闇社会の大物から指令を受けた、腕利きコンビ・蜜柑と檸檬。気弱で運も悪い殺し屋・天道虫。殺し屋たちの駆け引きにより、狙う者と狙われる者が交錯します。

殺し屋たちの思惑や背景、躍動感のあるバトルシーンなどが描かれており、読みごたえがあるのがポイント。累計300万部を突破した伊坂幸太郎の「殺し屋シリーズ」を楽しみたい方におすすめの角川文庫です。

サマーウォーズ

KADOKAWA 著者：岩井恭平

2009年の細田守監督によるアニメ映画『サマーウォーズ』のノベライズ小説です。ライトノベルを代表する作家の岩井恭平が描く作品。絵本やコミックなども「サマーウォーズシリーズ」として楽しまれています。

数学しか取り柄がない高校生・健二は、憧れの先輩・夏希に婚約者のふりをするアルバイトを頼まれます。依頼を引き受けた健二は、先輩の実家がある長野県の田舎へ同行。そして、夏希の祖母や親戚に囲まれながら、大役を果たすことになります。

世界を救うのは家族の絆か、それとも…。世界を救うために健二と夏希、親戚一同が、一致団結して活躍する姿が見どころ。映画を観たことがある方にもおすすめの角川文庫です。

騙し絵の牙

KADOKAWA 著者：塩田武士

2021年に大泉洋を主人公に映画化された角川文庫です。累計発行部数24万部を突破した小説。出版業界の現状と未来をリアルに描いており、2018年の本屋大賞にもランクインしました。

主人公は周囲の緊張をほぐす笑顔とユーモア、すぐれたコミュニケーション能力を持つ、出版大手カルチャー雑誌の編集長・速水輝也。ある日、速水は上司・相沢から廃刊の可能性を突きつけられます。持ち前の交渉術とアイデアを武器に黒字化に向けて動き出しますが…。

出版不況の現実や企業内の派閥争い、生き残りをかけた戦いの末に迎える驚きのラストが見どころ。社会派要素が詰め込まれた読みごたえのある角川文庫を探している方におすすめです。

民王

KADOKAWA 著者：池井戸潤

テレビドラマ化された角川文庫。総理とバカ息子が国家の危機に挑む、サスペンスコメディー小説です。

混迷する政局のなか、なんとか総裁選を勝ち抜いて内閣総理大臣に就任した政治家・武藤泰山。早速、低迷する支持率を上げようと意気込みます。しかし、予想だにしなかった事件に巻き込まれ、国民に醜態をさらすことに。その頃、泰山のバカ息子・翔にも異変が…。

政界の話でありながら、登場人物たちがユニークで楽しいファンタジーコメディーの傑作。テレビドラマを観ている方にもおすすめの角川文庫です。

天地明察 上

KADOKAWA 著者：冲方丁

2010年の第7回本屋大賞に輝いた角川文庫です。第31回吉川英治文学新人賞や第4回舟橋聖一文学賞なども受賞。2012年には映画化もされました。

徳川四代将軍家綱の時代、日本独自の暦を作るプロジェクトが立ち上がります。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれ、己の境遇に飽きていた春海は、算術の才能を発揮して暦づくりに挑戦します。

本作品は多くの著名人が絶賛しているのもポイント。日本文化を変えた大計画を春海の成長物語として描いています。時代小説が好きな方におすすめの角川文庫です。

夜は短し歩けよ乙女

KADOKAWA 著者：森見登美彦

森見登美彦が恋愛ファンタジーを描いた角川文庫です。2007年に第20回山本周五郎賞を受賞。2017年にはアニメ映画化もされています。

黒髪の乙女に秘かに想いを寄せる先輩は、夜の先斗町や大学の学園祭などで彼女の姿を追い求めます。しかし、彼女は偶然の出会いが頻発しても、先輩の想いに気付きません。そんな2人を待ち受けるのは、個性豊かなくせ者たちと珍事件の数々でした…。

明治時代をイメージさせるような古典的で独特な文体もポイント。乙女に想いを寄せる先輩と天真爛漫な乙女、両者の視点から読み進められます。ひと味違う恋愛小説を読んでみたい方におすすめの角川文庫です。

君を描けば嘘になる

KADOKAWA 綾崎隼

恋愛青春小説の名手として支持される綾崎隼が描いた角川文庫。誰もが認める絵の才能を持つ少女・瀧本灯子と、卓越した技術で繊細な絵を描く少年・南條遙都の純愛物語です。

幼いときから、互いの才能を認め合い、一緒に創作に打ち込んできた灯子と遙都。美大に進学した2人に高い評価が集まっていたある日、2人のいるアトリエを土砂崩れが襲います。なんとか命拾いをした2人ですが、画家として過酷な運命が待ち受けていました。

主人公の2人を周りの人物の視点から描いているのがポイント。残酷さと切なさのなかに、優しいあたたかさも感じられます。夢を追いかける苦しみや葛藤をていねいに描いている、おすすめの角川文庫です。

恋愛中毒

KADOKAWA 著者：山本文緒

第20回吉川英治文学新人賞を受賞した角川文庫です。極限の恋愛感情を描いた小説。「ラスト40ページで世界は暗転する」と謳われています。

冴えない事務員と思っていた20歳も年上の女に恋のトラブルを解決してもらった僕。同じ日の夜、その女とほの暗い店の橙色の明かりの下で酒を飲むことに。すると女は放心したように語り始めました。

永くせつない彼女の恋の話とは…。恋愛をテーマに人間の暗い部分や心情が細かく描かれているのが見どころ。人間の暗い内面もしっかりと描いた恋愛小説を読んでみたい方におすすめの角川文庫です。

紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

KADOKAWA 著者：ほしおさなえ

「紙屋ふじさき記念館シリーズ」の第1作目です。紙小物をテーマにした紙の奥深い世界の物語。心あたたまるストーリーが描かれています。

叔母に誘われた「紙こもの市」で紙雑貨の世界に魅了された百花。そこで紹介された、老舗企業「紙屋ふじさき」の親族で記念館館長・一成とは全くそりが合いません。しかし、百花が作ったカードや紙小箱を一成の祖母が気に入り、誘われて記念館でアルバイトをすることに…。

はじめはそっけなかった一成との関係も、ある出来事をきっかけに変わっていきます。紙モノが好きな方や、心地よい物語を読みたい方におすすめの角川文庫です。

若草物語

KADOKAWA 著者：L・M・オルコット

1868年に出版された、ルイザ・メイ・オルコットの世界的ベストセラー小説。四姉妹をモデルにした物語で、長きにわたり世界中の読者に愛されてきた作品です。

物語の舞台は19世紀半ばのアメリカの片田舎。戦地に赴いた父の不在を預かる優しい母と、四姉妹の一家がいました。貧しくも幸せに暮らす四姉妹が困難にあいながらも、大人の女性に成長していく姿を描いています。

美しく聡明な長女・メグ、自由奔放で空想好きな次女・ジョー、内気で優しい三女・ベス、愛らしく夢見がちな四女・エイミーと、四姉妹それぞれの個性的な性格も魅力。永遠の名作を読んでみたい方におすすめの角川文庫です。

青くて痛くて脆い

KADOKAWA 著者：住野よる

2018年の「20歳が一番読んだ小説」に選ばれた角川文庫です。『君の膵臓をたべたい』の著者・住野よるが、青春の残酷さを描いた小説。2020年には映画化もされています。

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年生の僕は、秋好寿乃と出会います。周囲からは浮いていたけれど、誰よりも素直だった彼女。それから3年が過ぎた今、将来の夢を語り合った彼女はもういません…。

タイトルどおり、青くて傷つきやすい若者の脆さをリアルに描いているのが見どころ。繊細な男女を描いた青春小説が好きな方におすすめの角川文庫です。

君たちは今が世界

KADOKAWA 著者：朝比奈あすか

2020年の難関中学の入試問題に数多く出題され話題になった角川文庫です。教室で渦巻く、悪意と希望の物語を描いた作品。文庫本でしか読めない特別編「仄かな一歩」も収録しています。

人気者と仲良くしている間は、自分がクラスの中心にいるような気分になっていた文也。そんな文也は、“担任の先生は怖くないし、友達だと認めてくれるみんなと一緒にいるのが何よりも最優先”と思っていました。ある日、クラスを崩壊させる事件に関わってしまうまでは…。

生きる世界を選べない子供たちの葛藤や希望を克明に描きだした本作品。大人だけでなく、もちろん小学生にもおすすめの角川文庫です。

DIVE！！ 上

KADOKAWA 著者：森絵都

2003年に第52回小学館児童出版文化賞を受賞した角川文庫です。飛び込み競技をテーマに、オリンピックを目指す少年たちの青春を描いています。

10mの高さから飛び込み、技の正確さと美しさを競うダイビング。赤字経営のクラブを存続させるために、オリンピック出場を目指す少年たちの長く熱い夏が始まります。

競技に対する登場人物それぞれの想いや、高い目標を前に変化していく気持ちを細かく描いており、読みごたえがあるのがポイント。スポーツが好きな方はもちろん、小学生にもおすすめの角川文庫です。

バッテリー

KADOKAWA 著者：あさのあつこ

野間児童文芸賞を受賞した角川文庫です。シリーズ累計1000万部に及ぶ大ヒット作品の第1作。刊行当初から幅広い年齢層の読者に支持されています。

岡山県の地方都市の新田に引っ越してきた12歳の小学生・原田巧。天才ピッチャーとして自負を持つ巧の前に、彼とのバッテリーを望む同級生・永倉豪が現れます。

思春期の子供や家族の繊細な感情の揺れ動きなどを描いており、子供から大人まで楽しめるのもポイント。野球を題材にした大ベストセラーを読んでみたい方におすすめの角川文庫です。

彼女の色に届くまで

KADOKAWA 著者：似鳥鶏

天才画家にして名探偵の少女が活躍する角川文庫です。本格ミステリ大賞や日本推理作家協会短編賞の候補作に選出。発売時はテレビメディアで特集され、話題になりました。

画廊の息子で幼い頃から画家を目指している高校生・緑川礼。しかし、美術展の公募も落選続きで、冴えない高校生活を送っていました。そんなある日、彼は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになります。そのピンチを救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女・千坂桜でした。

絵画をヒントに美術にまつわる事件の謎を解く、斬新な設定がポイント。絵画などのアートが好きな方や、青春ミステリが好きな方におすすめの角川文庫です。

准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき

KADOKAWA 著者：澤村御影

連続ドラマ化もされた角川文庫です。「准教授・高槻彰良の推察シリーズ」の第1作目。少し残念なイケメン准教授と常識的な大学生の凸凹コンビが、怪奇事件や都市伝説の謎を解明する物語です。

人の嘘がわかるゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。そんな彼はなんとなく受講した「民俗学2」の准教授・高槻に気に入られ、助手をすることになります。

高槻の瞳がときどき夜空のような青色に変わることや、超記憶能力を持っていることを知る尚哉。実は高槻も自分と同じく、幼少期に奇妙な体験をしていたのです。

本作品では、誰もいないはずの隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体の謎に迫る、アパートを舞台にした第一章をはじめ、第三章まで収録。軽快な謎解きミステリが好きな方におすすめの角川文庫です。

悪い夏

KADOKAWA 著者：染井為人

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した角川文庫です。主人公は生活保護受給者のもとを回る26歳のケースワーカー・守。生活保護受給制度の闇がリアルに描かれた小説です。

同僚が生活保護の打ち切りをちらつかせ、支援を行う女性に肉体関係を迫っていると知った守。真相を探るために女性の家を訪ねた守は、この出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外すことに…。

登場人物は生活保護を不正受給する小悪党や貧困に苦しむシングルマザーたち、負の連鎖が守を悲劇へ叩き堕とします。テンポよく進むので一気読みした読者も多い、おすすめの角川文庫です。

虹を待つ彼女

KADOKAWA 著者：逸木裕

第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞した角川文庫です。圧倒的な評価を集めた小説。時は2020年、研究者の工藤賢が死者を人工知能化するプロジェクトに参加するところから始まります。

プロジェクトの対象者は美貌のゲームクリエイター・水科晴。晴はゾンビを撃ち殺すゲームのなかで、自らを標的にして自殺していました。人工知能の完成に向けて調べていくうちに、工藤は彼女に共鳴し、惹かれていきます。

晴に「雨」という恋人がいたことを突き止めた工藤は、“調査を止めなければ殺す”と何者かから脅迫を受けて…。読了後、タイトルの意味に納得する方も多いおすすめの角川文庫です。

六人の嘘つきな大学生

KADOKAWA 著者：浅倉秋成

2022年本屋大賞にノミネートされた角川文庫です。「このミステリーがすごい！2022年版」など、数多くのミステリーランキングでも入賞。物語の舞台は、IT企業が行う新卒採用の最終選考。6人の就活生が繰り広げる心理戦を描いています。

最終選考に残った6人の課題は、1ヵ月後までにチームを作り上げること。しかし、交流を深めているなか、急に課題が変更されます。それは「6人の中から1人の内定者を決める」ことでした。

仲間からライバルになった就活生たち。内定を賭けた議論が進むなか、6通の封筒が発見されます。個人名が書かれた封筒を開けると、「◯◯は人殺し」だという告発文が入っていました。

犯人の目的は何なのでしょうか。作中に数多くの伏線がちりばめられており、最後に回収されるのがポイント。推理モノや心理戦モノが好きな方におすすめの角川文庫です。

ゴーストハント1 旧校舎怪談

KADOKAWA 著者：小野不由美

シリーズ累計110万部を突破した角川文庫。ナルこと渋谷一也率いる「渋谷サイキックリサーチ」の活躍を描いた、小野不由美のホラー小説シリーズの第1弾です。

取り壊すと祟りが起こると噂される旧校舎がある高校に通う女子高生・麻衣。ある日麻衣は、校長から旧校舎の調査依頼を受けたという、心霊現象の調査研究所「渋谷サイキックリサーチ」所長・ナルの仕事を手伝うことになります。はたして旧校舎には本当に悪霊が巣食っているのか、それとも…。

魅力的な登場人物たちがそれぞれどのように怪奇現象に向き合うのか、価値観の違いも見どころ。ホラー小説が好きな方や、ミステリ小説を楽しみたい方におすすめの角川文庫です。

虚魚

KADOKAWA 著者：新名智

第41回横溝正史ミステリ＆ホラー大賞を受賞した角川文庫です。多くの人気作家が絶賛している作品。怪談としても、ミステリとしても読める物語が描かれています。

「呪いか祟りで死にたい」カナちゃんと暮らす三咲は、「体験した人が死ぬ怪談」を探しています。ある日、“釣り上げた人が死んでしまう魚がいる”という噂を聞いた三咲は、その真意の調査を開始。本物の怪談に近づくうち、2人の関係にも変化が…。

スムーズに話が進む、テンポのよさも魅力。怪談をモチーフにした本格ミステリーを読んでみたい方におすすめの角川文庫です。

高校事変

KADOKAWA 著者：松岡圭祐

武装集団と戦う孤独な女子高生を描いた角川文庫です。「高校事変シリーズ」の第1作目。楽天Kobo週間ランキングミステリ・サスペンス3週連続1位など、各所で1位を獲得しています。

平成最大のテロ事件を起こし死刑になった男の次女・優莉結衣。そんな結衣が通う高校に、総理大臣が訪問することになります。SPと共に校舎を訪れた総理と、生徒や教員との懇親会が始まるなか、突然武装勢力が侵入。総理が人質に取られそうになります。

逃げる総理たちと遭遇した結衣は、化学や銃器の知識を駆使し、機転を利かせて次々に武装勢力を撃退しますが…。爽快でスピード感あふれるバトルシーンが見どころ。バイオレンス小説が好きな方におすすめの角川文庫です。

悪いものが、来ませんように

KADOKAWA 著者：芦沢央

依存し合う2人の女性を描いた角川文庫です。助産院の事務に勤めながら、自身の不妊と夫の浮気に悩んでいる紗英。誰にも相談できない彼女の唯一の拠り所は、幼なじみの奈津子だけでした。

一方で奈津子も母や夫と理解し合えず、社会にも馴染めず紗英を心の支えにしていました。そんな共依存が恐ろしい事件を招きます。紗英の夫が他殺体で発見されたのです。これをきっかけに2人の関係は大きく変わっていき…。

「絶対もう一度読み返したくなる」と評される本作品。読む手が止まらず、驚きのラストを迎えます。心理サスペンスが好きな方におすすめの角川文庫です。

青の炎

KADOKAWA 著者：貴志祐介

2003年に映画化された角川文庫。家族の平和を守るために犯罪に走った少年の心理を描く青春サスペンスです。

湘南にある学校に通う17歳の高校生・秀一は、女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。しかし、その平和な生活を壊そうとする者がいました。警察も法律も頼りにならず、話し合いもできない相手を秀一は殺害しようと決意します。

主人公が追い込まれていく様子や、せつないラストも見どころ。読後に、悪とは何なのかを考えさせられる方も多い、おすすめの角川文庫です。

別冊図書館戦争Ⅰ 図書館戦争シリーズ5

KADOKAWA 著者：有川浩

有川浩の代表作「図書館戦争シリーズ」の番外編小説第1作目です。シリーズ累計640万部突破のベストセラーで、実写映画やドラマ化もされています。

晴れて交際することとなった堂上と郁。しかし、恋愛に関して不器用で経験値の低い2人は、キスから先になかなか進展しません。純粋で純情な乙女・笠原郁の悩める恋の行方はどうなるのでしょうか。

図書館戦争シリーズのなかでも、恋愛度の高いスピンアウト作品。図書隊員2人の気になる恋の行方を5つのエピソードで描いています。ラブコメが好きな方におすすめの角川文庫です。