オリジナル作品や人気の名作が揃う「Netflix」。なかでもホラー映画はジャンルの幅が広く、ショッキングな展開からじわじわと迫る心理的恐怖まで、さまざまなスタイルの作品を楽しめます。ただ、作品数が多いため、どれを観ればよいか迷ってしまう方も少なくありません。
そこで今回は、Netflixで観られるおすすめのホラー映画を厳選してご紹介。初心者でも楽しめる作品から評判の一本まで取り上げています。
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Netflixのおすすめホラー|洋画
呪詛 – 柯孟融
2022年公開・上映時間:111分

呪いの連鎖を記録映像の形式で追う台湾発ホラー『呪詛』。おどろおどろしさを感じる語り口が、見えない圧をじわじわと近づけます。土地に根付く禁忌を不安が静かに増していく演出で描いている一作です。緊張の持続で恐怖が膨らむ物語を求めている方に適しています。
禁じられた儀礼に触れたことで、不可解な現象に見舞われる母子。彼女は離れて暮らす娘を守るため、記録を残しながら原因へ迫ろうとします。旧家に伝わる唱え、見知らぬ印、繰り返される予兆が少しずつ線で結ばれ、封じられていた何かが姿を現し始めます。やがて祈りと呪いの境界に踏み込んだ先で、母はどんな選択に行き着くのでしょうか……?
本作は主観カメラと固定カメラを交差させ、視線の誘導で”見落とし”を生む仕掛けが特徴。音の出入りやカットの間合いが恐怖の波を作り、緊張感を終始覚えるような演出をしています。没入感の強いフェイクドキュメンタリー型ホラーを探している方はチェックしてみてください。
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クワイエット・プレイス – ジョン・クラシンスキー
2018年公開・上映時間:90分

音に反応する未知の存在が支配する世界で、沈黙だけが生の条件となるサバイバルホラー映画『クワイエット・プレイス』。会話や生活音を極限まで抑えた設定が緊張を途切れさせず、家族の絆と選択を静かに浮かび上がらせます。初見でも強く没入できる作品や、息を詰めるような緊迫感のある作品を求めている方におすすめです。
音を立てれば終わる世界で、家族は砂を敷いた道を歩き、手話で互いに意思を交わします。日常のささいな動作が危機に直結するなか、ある出来事をきっかけに均衡が音を立てて崩れ始めます。守るべきものと迫る脅威の距離が縮まり、決断の時がひたひたと近づいて……?
静寂と衝撃音の対比でリズムを作り、怪物の気配まで想像させる演出が際立つ本作。身振りや視線の細かな芝居が、より緊張を高めます。必要最小限の説明で世界のルールを伝える手際も鮮やかです。音の怖さを最大限に活かしたホラーを探している方はチェックしてみてください。
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新感染 ファイナル・エクスプレス – ヨン・サンホ
2016年公開・上映時間:118分

感染パニックと列車サバイバルを両立したホラー映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。ソウル発プサン行きの高速列車で展開される危機と親子の選択、乗客同士の駆け引きを、停車不能の列車内で描いています。閉ざされた車内の圧迫感が緊張を高め、感情の波も立ち上がる構成。疾走感あるアクションと人間関係のドラマを一本で楽しめるおすすめの作品です。
早朝、父は娘を連れてソウル駅へ向かい、プサン行きに乗車しますが、負傷者が紛れ込んだことで車内に異変が広がっていきます。連結部を挟んで退路が限られる状況下、停車駅ごとに難しい判断を迫られる乗客たち。信頼できる相手は誰か、何を守るのか。目的地にたどり着く希望は残っているのか……?
車両ごとに異なる内装を活かし、移動・連携・隔離のアクションが一目で伝わる見せ方が魅力の本作。テンポの良い編集と人物配置が緊張を途切れさせず、音とカメラの抑揚が物語を前へ進めます。韓国発の感染サバイバル映画を求めている方はチェックしてみてください。
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 – アンディ・ムスキエティ
2017年公開・上映時間:135分

スティーヴン・キングの同名小説を初期年代で映画化した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』。小さな町で続く失踪事件と、恐怖が姿を変えて迫る怪異に向き合う子どもたちの結束を描きます。80年代の空気感と成長の痛みを描き、恐れの正体に踏み込む構成が魅力です。ホラーと青春ドラマを両立させた一本を探している方におすすめです。
雨の朝、少年・ジョージーが行方不明となり、兄のビルは仲間たちと町の異変を追い始めることに。やがて”それ”はそれぞれの最大の恐れとなって現れ、子どもたちを分断しようとします。失踪の手がかりは下水道に通じているのか、団結は恐怖を越えられるのか……?
弾む会話と緊迫の演出が切り替わるテンポが見どころの本作。音と間の使い方が不意打ちの怖さを強めます。”それ”を演じるビル・スカルスガルドが、不穏な身振りと表情で異様さを見事に演じているのがポイント。恐怖のイメージを鮮やかに描いたホラーを楽しみたい方はチェックしてみてください。
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LAMB/ラム – ヴァルディミール・ヨハンソン
2021年公開・上映時間:106分

荒涼とした大地と家族の祈りが交わる異色のホラー映画『LAMB/ラム』。アイスランドの片田舎を舞台に、静かな日常へ入り込む”説明しがたい出来事”が、夫婦の選択を思わぬ方向へ揺らしていきます。自然の気配と沈黙を活かした語り口が特徴。余白の多い恐怖を描いたおすすめの作品です。
羊飼いの夫婦は、予期せぬ”祝福”を受け取り、そこで新たな生活を始めます。訪れる静かな喜びは、外からの影や説明不能な不安によって少しずつ色を変え、家族の境界を試す事態へ。やがて彼らが守ろうとするものと、払う代償の線引きはどこにあるのでしょうか……?
広がる平原のなかで、風の音や家畜の足音まで繊細に拾う音響が緊迫感を演出している本作。過度な説明を避けつつ、光と影の対比で心の揺れを丁寧に積み上げる演出も秀逸です。静かに蓄積する不穏と家族の情をたどる映画を探している方はチェックしてみてください。
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ゲット・アウト – ジョーダン・ピール
2017年公開・上映時間:104分

現実の違和感を増幅する心理スリラー映画『ゲット・アウト』。若い写真家が恋人の実家を訪れた週末を起点に、登場人物の笑顔の裏で歯車がずれていく感覚を描いています。軽口や礼儀に紛れた圧迫が積もり、日常が静かに別の相貌を表す構図が特徴です。緊張の高まりを味わうミステリーを探している方におすすめです。
主人公クリスは白人の恋人ローズの誘いで、郊外の豪邸に招かれます。家族から歓迎されるものの、庭師らの振る舞いにはどこか不穏な影が。夜更け、催眠療法の話が持ち上がり、クリスの過去の痛みが呼び覚まされるなか、些細な兆しが一つに繋がり始めます。やがて彼が目にする真相とは……?
ジョーダン・ピールの初長編作品とは思えない緻密な脚本で描かれる本作。恐怖の演出で不安を増幅させる展開が魅力です。何気ないシーンに多くの伏線が張り巡らされており、終盤で鮮やかに回収されるのがポイント。社会的テーマをスリラーの形式で鋭く提示する映画を求める方はチェックしてみてください。
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ドント・ブリーズ – フェデ・アルバレス
2016年公開・上映時間:88分

息の音さえ脅威に変わるスリラー映画『ドント・ブリーズ』。退屈な街から抜け出したい若者たちが標的に選んだのは、戦場帰りで盲目の男性が住まう家。暗闇と静寂が支配する室内で、彼らは優位な立場から一転し、物音や床の軋みが命取りになる状況に。手に汗を握る密室の緊張と”音を消す”駆け引きを描いたおすすめの作品です。
若者たちは深夜の屋敷に侵入し、防犯を無効化して金庫を狙います。ところが家主は盲目であるものの、聴覚に長けており、誰かが侵入したことを察知。扉を封じ、灯りは落とします。迷路のような内部で出口を探すうち、若者らは家の奥に隠されたもう一つの秘密に触れます。狩る側と狩られる側が入れ替わるなか、彼らは夜明けまで生き延びられるのでしょうか……?
長回しと遮蔽物の使い方で緊張を積み上げる演出が特徴の本作。重低音を利かせた音響設計と呼吸の間合いが恐怖を次第に高めていきます。音と沈黙のサスペンスを堪能したい方におすすめです。
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ヴァチカンのエクソシスト – ジュリアス・エイヴァリー
2023年公開・上映時間:103分

教会の”エクソシスト”として知られる神父の回顧録を下敷きに、悪魔祓いの現場をスリラーとして描く『ヴァチカンのエクソシスト』。宗教裁判の影を引く古い因縁と、現代の信仰の揺らぎが交差する構図が特徴です。重厚な音と荒々しい質感の映像が恐怖の臨場感を高めています。実在の題材をベースにしたオカルトホラー映画を探している方におすすめです。
スペインの修道院で起きた不可解な騒動により、ヴァチカンから経験豊富な神父が派遣されます。少年に現れる異様な兆候は、単なる憑依では説明できない深層へと関係者を誘い込み、封印された記録や過去の罪が次第に露わに。儀式は緊迫の度を増し、教会内部の思惑も絡み合うなか、彼が辿り着く真相とは……?
緩急のついた編集で儀式シーンの迫力を演出している本作。主演俳優の存在感は、SNSで話題になるほど。実話に基づく題材とエンタメ性のバランスを楽しみたい方はチェックしてみてください。
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ファイナル・デスティネーション – ジェームズ・ウォン
2000年公開・上映時間:98分

旅立ちの瞬間に”死の連鎖”を予見してしまった高校生を軸に、運命からの逃走劇を描く『ファイナル・デスティネーション』。発端の飛行機事故から連なる不可解な出来事を、身近な恐怖として段階的に積み上げていく構図が印象的です。身の回りの偶然が一転して脅威に変わるサスペンスを味わいたい方におすすめです。
修学旅行の出発直前、主人公は〈フライト180便〉の爆発を鮮明に”見て”しまい、騒ぎの末に数名とともに搭乗を回避します。直後、予見どおりの事故が発生。難を逃れた面々の周囲で事故やトラブルが続き、見えない”順番”が存在するかのような規則性が浮かび上がります。偶然では片づけられない流れの先に、彼らが選ぶ行動とは……?
日常の物理現象や生活道具を巧みに繋げる演出により、過度な説明に頼らず緊張を維持する作りとなっている本作。音のタイミングやカメラの寄せ引きで予兆を積み、結末の瞬間に一気に解放するリズムが特徴です。ジャンプスケアに偏らず、終盤まで不安を保ち続ける構成のスリラーを探している方はチェックしてみてください。
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アナベル 死霊館の人形 – ジョン・R・レオネッティ
2014年公開・上映時間:98分

〈死霊館〉世界の起点となる人形に迫るホラー映画『アナベル 死霊館の人形』。郊外で新生活を始めた若い夫婦の家に、不吉な人形が持ち込まれてから変調が広がる構図を、日常の風景からじわじわと不安を立ち上げていく語り口で描きます。生活空間が一変していく恐怖を味わいたい方におすすめです。
ある夜の侵入事件を境に、家の中で説明のつかない現象が発生。人形の周囲だけ温度が下がる、物音が重なるなどの兆しが増えていきます。原因を探ろうとする夫婦は、過去に起きた出来事と人形の来歴にたどり着きますが、手放しても影は離れません。逃げ場の少ない空間で二人が選ぶ行動とは……?
長回しやフレームの余白を使って”見えていない範囲”への不安を煽るカメラ、静寂と物音のコントラストで段階的に緊張を積む音設計が印象的な本作。派手さに頼らず、生活動線のなかに仕掛けを置く演出が効いており、終盤に向けて恐怖の密度を高めていきます。家庭内ホラーの緊張感を丁寧に味わいたい方はチェックしてみてください。
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#生きている – チョ・イルヒョン
2020年公開・上映時間:98分

パンデミック下の都市で孤立を強いられた若者のサバイバルを描く映画『#生きている』。通信の途絶えたマンションを舞台に、限られた物資と情報のなかで生き延びる術を描いています。SNSやドローンといった現代的な道具立てが物語にリアリティを与えているのもポイント。スマホ時代の危機を等身大に描くサバイバル劇を求めている方におすすめです。
自室に引きこもりがちな主人公。ある日、外で凶暴化した感染者が人々を襲っていることに気づきます。配給も助けも期待できない状況。やがて向かいの棟に別の生存者を見つけ、離れた場所から意思疎通を試みることに。電力や食料が尽き、外には俊敏で凶暴な脅威がうごめくなか、二人は脱出の可能性を探って動き出します。希望と危険が隣り合う極限下で、彼らの選択はどこへ向かうのでしょうか……?
マンションの廊下や階段室といった狭所を巧みに使った演出が魅力の本作。音と無音の切り替えが緊迫のリズムを生んでいます。画面越しのコミュニケーションや即興的な工夫がテンポよく展開され、終盤のアクションまで終始目が離せません。主演二人の演技も見どころ。閉鎖空間サバイバルの臨場感を味わいたい方はチェックしてみてください。
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バード・ボックス – スサンネ・ビア
2018年公開・上映時間:124分

見えない脅威に覆われた世界を描くサバイバルスリラー『バード・ボックス』。視覚を遮るという制約を設定し、音・気配・間で緊張を積み上げる設計が特徴です。極限の移動劇と親子の結びつきが同時に進行し、静と動の落差で不安が増幅されます。終始張り詰めたムードを味わいたい方はチェックしてみてください。
文明が崩れたアメリカ。正体不明の存在を見た人々は命を落とすため、生存者たちは目隠しをして身を守ります。母子は川を下って安全圏を目指すことを決断し、限られた手掛かりと聴覚だけを頼りに進みます。荒天、漂流者の声、内部の不信が重なるなか、行き着く先で待つ選択とは……?
映しすぎない方針が恐怖の想像余地を広げ、足音や風音の配置、カット割りの緩急が緊迫感を支えます。カメラは視界の遮断を軸にフレーミングを工夫し、川下りや屋内探索の場面でリズムを変化させるのが印象的です。スサンネ・ビアの統率のもと、キャストの集中力ある演技が物語の説得力を高めています。緊張感の持続で引き込むスリラーを求めている方におすすめです。
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悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ- – デビッド・ブルー・ガルシア
2022年公開・上映時間:83分

荒野の町で再び動き出す恐怖の連鎖を描くスラッシャー映画『悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-』。現代の若者たちが再開発地を訪れたことをきっかけに、沈黙していた凶器と過去が呼び起こされます。舞台の閉塞感とテンポのよさが緊張を切らさない構成。終始切迫したホラー映画を求めている方におすすめです。
テキサスのゴーストタウンを活気づけようとやって来た若者たち。小さな行き違いから住人との対立が生まれ、やがて封じられていた存在が姿を現します。生存者サリーも動き出し、町は逃走と追跡の舞台に一変。逃げ場のない路地、薄暗い屋内、唸りをあげる道具音が重なり、夜は長い悪夢へと傾いていきます。彼らに朝は訪れるのでしょうか……?
狭い視界で恐怖感を演出している本作。緊迫感を後押しするような低音のうねりや機械的なノイズが特徴です。間合いの取り方と見せ場の迫力が際立っているのもポイント。容赦ないホラー演出を味わいたい方はチェックしてみてください。
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Netflixのおすすめホラー|邦画
カラダ探し – 羽住英一郎
2022年公開・上映時間:102分

時間ループと校内怪異を題材にした作品『カラダ探し』。ある夜を何度もやり直す状況のもと、同級生たちが”謎を解くために動く”過程を軸に、友情と自己認識の揺れを描きます。深夜の学校という空間が緊張を高めているのもポイント。散らばった手がかりが少しずつ線になる展開が楽しめる、おすすめの学園モノのホラー映画です。
明日香は、見知らぬ少女から”体を探して”と告げられ、放課後の学校に呼び出されます。集められたクラスメイトとともに校舎に閉じ込められた彼女は、夜になると現れる〈赤い人〉に追われることに。そこから抜け出す条件は、校内に隠された”バラバラにされた少女のカラダ”を一晩のうちに全て見つけること。失敗すればまた同じ日が繰り返されます。果たして、彼らは循環を断ち切れるのでしょうか……?
夜の校舎を生かした照明とカメラの距離感、扉や廊下の使い方が恐怖を描いている本作。橋本環奈、眞栄田郷敦、山本舞香をはじめとするキャストの動きが作品のテンポを支えているほか、要所の”発見”で物語の緊張感が終始耐えない構成が魅力。日本発のホラーとして手堅い一作を探している方におすすめです。
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・DVD
カメラを止めるな! – 上田慎一郎
2018年公開・上映時間:96分

自主企画から全国的な話題へ広がったコメディ×ゾンビ『カメラを止めるな!』。長回しの臨場感と”撮る側”の工夫が重なり、現場で生まれるトラブルさえ笑いとスリルに転じていきます。低予算でも発想次第で前へ進む創作の喜びがにじむ一本。映画づくりの面白さを描いたおすすめの作品です。
山あいの廃施設で、撮影隊がゾンビ映画の制作に奮闘しています。妥協を嫌うディレクターは「本物感」を求めて撮影を続行。ところが思わぬ事態が重なり、現場は混乱の渦に。それでもカメラは動き続け、スタッフと俳優は即興の判断を積み重ねます。果たして、この夜の”無茶”はどこへ着地するのでしょうか……?
長回しの緊張をうまく使い、編集とタイミングの妙で笑いのリズムを生み出している本作。役者陣の掛け合いが熱を上げ、舞台裏の工夫が次々と効いてくる仕掛けも見どころ。小さな挑戦を積み上げた末に得られる達成感が、物語の余韻をきれいに締めくくります。発想とチームワークに光が当たる作品を探している方はチェックしてみてください。
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ミスミソウ – 内藤瑛亮
2018年公開・上映時間:114分

雪の降る地方都市で起きる暴力と喪失の連鎖を、登場人物の静かな視線でたどる作品『ミスミソウ』。原作は押切蓮介の同名漫画で、新しい環境に馴染めない少女の孤立と、そこから崩れていく日常が描かれます。重いテーマの作品が観たい方におすすめです。
転校先で孤立した野咲春花は、数少ない理解者に支えられつつ日々をやり過ごしています。ところが小さな悪意は積み重なり、ある夜を境に状況は一変。家族を襲った出来事を機に、春花は引き返せない地点へと足を踏み入れます。学校と街を巻き込む緊張が高まるなか、彼女が最後に選ぶ行動とは……?
山田杏奈の視線の動きや細かな身振りが人物の心境変化を明確にし、終盤に向けて感情の流れが明確になっていくのが印象的。原作の魅力を保ちながら映画ならではの緊張感を演出した作品を探している方はチェックしてみてください。
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冷たい熱帯魚 – 園子温
2011年公開・上映時間:146分

家族を抱える小さな熱帯魚店主が、派手な同業者との出会いを機に翻弄されていく犯罪劇『冷たい熱帯魚』。家庭と仕事の歯車が狂っていく過程に焦点を当て、追い詰められていく心理を段階的に描いているのが特徴です。重たいテーマのスリラー作品を求める方に適しています。
零細の店を営む男は、トラブルを抱えた家族の行き場を見失いかけていました。そこに現れたのが、資金力も人脈も持つ同業者。親身な申し出に乗るうちに、彼は店や家の問題だけでなく、相手の”裏の顔”にも近づいていきます。やがて後戻りできない領域へ踏み込み、家族を守るための決断が迫られます。最後に選ぶ道とは……?
俳優陣の温度差ある掛け合いが緊迫感を演出している本作。日常の細部に宿る違和感が物語を引っ張ります。倫理と恐怖の境界を際立たせたおすすめの犯罪サスペンス映画です。
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忌怪島/きかいじま – 清水崇
2023年公開・上映時間:109分

閉ざされた島でVR研究を行う若者たちに怪異が迫るホラー『忌怪島/きかいじま』。研究チームの実験と島に伝わる信仰が交わり、現実と仮想の境目が揺らいでいきます。海と森に囲まれた舞台が孤立感を強め、追い詰められていく心理が静かに積み上がる語り口。テクノロジーと恐怖の交錯に関心がある方に適しています。
最先端の装置で検証を進めるチームは、実験中に説明のつかない出来事に遭遇します。島の外に助けを求める道は限られ、調査を急ぐほど違和感は濃くなるばかり。やがて現実の事故と仮想空間の異常が呼応し、仲間の身にも危険が及びます。原因を突き止め、連鎖を断ち切る術は見つかるのでしょうか……?
白昼の眩しさと夜の闇を切り替える見せ方、機器の映像表現、途切れ気味の通信音などが不穏さを高めます。島内の動線を意識したカメラの寄り引きが閉塞を際立たせ、編集の間合いが驚きのタイミングを整えます。現代ホラーの要素と離島の風土を掛け合わせた恐怖劇を楽しみたい方はチェックしてみてください。
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Netflixのホラー映画は多様で、自分の好みに合った作品を選びやすいのが特徴です。急な展開で驚かせるタイプや、不気味な空気感でじわじわと不安を煽るタイプなど、描いている恐怖の種類にも違いがあります。本記事を参考にして、自分に合った1本を探してみてください。