歴史の一面を映像美と共に伝える「戦争映画」。人間の強さや弱さ、友情や愛情など、極限状態で見せる姿に胸を打たれる作品が数多く存在します。しかし、種類が多いため、どれを選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、戦争映画のおすすめをご紹介します。戦場のリアルを描いた作品だけではなく、戦時下に生きた人々の物語やヒューマンドラマに重きを置いた感動作なども掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。

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戦争映画のおすすめランキング|洋画

第1位 シンドラーのリスト – スティーヴン・スピルバーグ

1993年公開・上映時間:195分

シンドラーのリスト

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ナチス政権下のポーランドを舞台に、実業家オスカー・シンドラーの行動を描いた『シンドラーのリスト』。監督はスティーヴン・スピルバーグ。ユダヤ人を強制収容所から救った実在の人物を通じて、ホロコーストの惨禍と人間の良心を浮き彫りにした作品です。モノクロ映像と限定的な色彩表現が象徴的に用いられ、視覚的な印象と物語性が深く結びついています。歴史を見つめ直すきっかけになる作品を探している方におすすめです。

ドイツ人実業家のシンドラーは、利益を目的としてユダヤ人労働者を工場に雇い入れます。当初は自らの成功しか眼中になかった彼ですが、収容所の惨状や人々の悲惨な運命を目の当たりにするなかで、次第に変化していきます。命の危機に瀕するユダヤ人たちを守るため、膨大な資金を投じて”リスト”を作成するシンドラー。彼が成し遂げた”選択”の行方は……?

第66回アカデミー賞において作品賞、監督賞を含む7部門を受賞。実話をもとにした重厚なストーリーと俳優陣の演技が高く評価されています。撮影には実際のロケ地も使われ、現実感を伴った描写が数多く盛り込まれています。スピルバーグ監督自身にとっても特別な意味を持つ一本であり、映画史に残る重みを持つ作品です。

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第2位 地獄の黙示録 – フランシス・フォード・コッポラ

1979年公開・上映時間:153分

地獄の黙示録

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『ゴッドファーザー』シリーズのフランシス・フォード・コッポラが手がけた戦争映画『地獄の黙示録』。ジョセフ・コンラッドの小説〈闇の奥〉を下敷きに、ベトナム戦争を舞台にした”狂気”と”人間の闇”を描く異色の作品です。第32回カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞。戦争映画という枠を超えた独特な世界観が、多くの映画ファンに衝撃を与えました。重厚な映像体験を求めている方にぴったりの作品です。

アメリカ陸軍のウィラード大尉は、カンボジア奥地で独自の王国を築き、命令無視を続けるカーツ大佐の暗殺任務を命じられます。密林をさかのぼりながら進む船旅のなか、ウィラードは個性の強い兵士たちと行動を共にし、徐々に戦争の狂気と向き合うことに。やがて彼が辿り着いた先で待ち受けていたのは、カーツと名乗る男が築いた異様な支配世界でした。果たして、ウィラードは任務を遂行できるのでしょうか。

爆撃にクラシック音楽〈ワルキューレの騎行〉を重ねるなど、象徴的な演出が語り草となっている本作。マーロン・ブランド、マーティン・シーンら豪華キャストの圧巻の演技も魅力です。撮影や製作の過酷さが伝説となり、後年にはその舞台裏を追ったドキュメンタリーも制作されました。戦争の狂気と人間の本質を問う重厚なドラマを体験したい方はチェックしてみてください。

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第3位 プライベート・ライアン – スティーヴン・スピルバーグ

1998年公開・上映時間:170分

プライベート・ライアン

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第二次世界大戦を舞台に、兵士たちの命の重さと戦争の非情さを描いた『プライベート・ライアン』。ノルマンディー上陸作戦を描いた冒頭の約20分間は、映画史に残る戦闘シーンとして知られています。監督はスティーヴン・スピルバーグが務めています。第71回アカデミー賞で監督賞や編集賞など5部門を受賞した戦争映画の代表作。リアルな戦場描写を求める方におすすめです。

舞台は1944年、連合軍がフランス・ノルマンディーに上陸した直後。アメリカ陸軍のミラー大尉は、4人兄弟のうち3人が戦死したと知らされ、ただ1人生存している末弟ライアンを戦場から救出する任務を命じられます。選抜された少数の兵士たちと共に、敵地を進むミラーたち。過酷な戦況のなか、”一人の命”のために多くの命が動く彼らの行く先には……?

冒頭の上陸作戦だけでなく、兵士同士の会話や判断、そして決断の積み重ねによって戦争の実態が浮かび上がっていきます。主演のトム・ハンクスをはじめとする俳優陣の演技が臨場感を高めており、戦争の現実を突きつけられる重厚なドラマが展開されます。名作と名高い戦争映画をじっくり堪能したい方におすすめです。

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第4位 戦場のピアニスト – ロマン・ポランスキー

2002年公開・上映時間:150分

戦場のピアニスト

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第55回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『戦場のピアニスト』。実在したユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの回想録を原作とし、第2次世界大戦中のポーランドを舞台に、戦火のなかを生き延びる男の姿が描かれています。極限状況下での人間の尊厳と音楽の力が印象に残る作品です。静かで重厚な人間描写に引き込まれるドラマを観たい方に向いています。

1939年、ナチス・ドイツによる侵攻が始まったポーランド。ワルシャワに住むピアニスト〈シュピルマン〉は、ユダヤ人として家族とともに厳しい境遇に追い込まれていきます。やがて家族とは離れ離れとなり、孤独な逃亡生活を強いられることに。廃墟と化した街で隠れ家を転々としながらも、彼は音楽への情熱を失わず、生き延びることを諦めずに歩み続けます。そんな彼のもとに現れた、あるドイツ将校との出会いが運命を変えていくことに……?

監督のロマン・ポランスキー自身がホロコーストの生存者であることもあり、本作には当事者としてのリアリティが色濃く反映されています。主演のエイドリアン・ブロディは本作でアカデミー主演男優賞を受賞。物音一つが命取りになる緊張感のなか、音楽を通して希望を見出すシュピルマンの姿は強く心に残ります。静かながらも圧倒的な力を持った戦争映画を観たい方はチェックしてみてください。

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第5位 プラトーン – オリバー・ストーン

1986年公開・上映時間:120分

プラトーン

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ベトナム戦争を”兵士の目線”から描いた『プラトーン』。監督のオリバー・ストーン自身が従軍経験を持つことから、現実に即した戦場の描写と兵士たちの心理が濃密に描かれています。第59回アカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞。イデオロギーではなく、極限状態に置かれた人間の”選択”と”葛藤”を主軸に据えた構成が特徴の作品です。実体験をもとにしたリアルな戦争映画を観たい方におすすめです。

大学を中退し、理想を胸にベトナム戦争へ志願入隊した若者〈テイラー〉。しかし、待ち受けていたのは理不尽な命令、仲間の死、指揮官同士の対立といった過酷な現実でした。戦場では、人間性を守ろうとする〈エリアス〉と、暴力で支配しようとする〈バーンズ〉という2人の上官の間で板挟みとなります。やがて、テイラー自身も倫理と生存本能の狭間で選択を迫られることに……?

混迷の戦場を通して”正しさとは何か”を問いかける構成が印象に残ります。森の湿度や夜の静寂、爆撃の轟音など、五感に迫る演出が臨場感を生み出しているのがポイントです。出演者たちは撮影前に本格的な軍事訓練を受けており、泥と恐怖にまみれた表情や動きに説得力があります。戦争の表裏を余すことなく描いた骨太な作品を探している方はチェックしてみてください。

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第6位 ブラックホーク・ダウン – リドリー・スコット

2001年公開・上映時間:144分

ブラックホーク・ダウン

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1993年にソマリアで発生した米軍の市街戦を描いた『ブラックホーク・ダウン』。〈ゴシール作戦〉と呼ばれる実際の軍事行動をもとに、兵士たちが過酷な戦場で直面した混乱と極限状況が克明に描かれています。圧倒的なリアリズムを追求した戦闘描写により、第74回アカデミー賞では編集賞・音響賞を受賞。戦場の”現在進行形”を体感したい方におすすめです。

舞台は1993年のソマリア・モガディシオ。国連の人道支援活動を支えるため、米陸軍特殊部隊が民兵指導者の幹部を拘束する作戦を実行します。しかし、現地の予想外の抵抗によって、ヘリコプター〈ブラックホーク〉が撃墜され、事態は泥沼化。市街地に取り残された兵士たちは、敵の包囲網のなかで生き延びるための壮絶な戦いを繰り広げていきます。わずか1日の作戦がもたらす運命とは……?

手持ちカメラによる緊迫感ある映像と、爆音と沈黙を巧みに使い分けた音響設計が臨場感を生み出しています。登場人物はあえて多くの背景説明を省き、戦場という混沌のなかでの行動や選択にフォーカスしているのが特徴です。国家の方針ではなく、”そこにいる兵士たちの視点”に徹した描写が印象に残る構成。徹底したリアリズムを追求した戦争映画を観たい方はチェックしてみてください。

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第7位 ダンケルク – クリストファー・ノーラン

2017年公開・上映時間:106分

ダンケルク

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第二次世界大戦下、フランス北部の海岸で実際に起きた〈ダンケルクの戦い〉をもとに描かれた戦争映画『ダンケルク』。監督は『インセプション』『インターステラー』で知られるクリストファー・ノーラン。圧倒的な映像と音響演出によって、戦場の極限状態を体感できる作品です。台詞を抑えた構成と時間軸の交錯により、ノーランらしい実験的なアプローチが際立ちます。戦争映画の新しい表現に触れたい方におすすめです。

イギリスとフランスの連合軍がドイツ軍に包囲され、約40万人の兵士がダンケルク海岸に追い詰められた状況。彼らを母国へ救出すべく、軍艦だけでなく民間の小型船も動員される大規模な撤退作戦〈ダイナモ作戦〉が決行されます。陸・海・空それぞれの視点から描かれる逃走と救出の物語。極限状態で懸命に生き延びようとする若き兵士たちの運命は……?

第90回アカデミー賞では編集賞、音響編集賞、録音賞の3部門を受賞。劇中の音楽はハンス・ジマーが担当しており、緊張感を高める”音の演出”も必見です。IMAXカメラを用いた大迫力の映像とリアルな戦場音響が生み出す没入感により、セリフに頼らない叙述が可能となった本作。五感で”体験する”戦争映画として高い評価を得ています。

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第8位 ハクソー・リッジ – メル・ギブソン

2016年公開・上映時間:139分

ハクソー・リッジ

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『ブレイブハート』などでも知られるメル・ギブソンが監督を務めた『ハクソー・リッジ』。第89回アカデミー賞で編集賞と録音賞を受賞した本作は、実在の衛生兵デズモンド・ドスの生き様を描いた戦争映画です。武器を持たずに戦場に立ち、1人で75人の命を救った人物を通して、”信念を貫くこと”の重みが映し出されます。実話に基づく戦争映画を観たい方におすすめです。

第二次世界大戦中、衛生兵として軍に志願したデズモンド・ドス。彼は宗教的信念から銃を持つことを拒否していました。訓練中は周囲との軋轢を生むものの、軍法会議で彼の主張が認められ、衛生兵として戦地へ赴くことに。舞台は沖縄・前田高地、通称〈ハクソー・リッジ〉。激戦のなかでデズモンドはひたすら命を救い続けます。銃を持たずして、何ができるのでしょうか……?

戦闘描写の激しさとともに、人間ドラマとしての側面も丁寧に描かれており、”戦わない勇気”というテーマが一貫して貫かれています。アンドリュー・ガーフィールドの演技力にも定評があり、批評家・観客の双方から高い評価を獲得。戦争映画のなかでも一線を画すアプローチが光る作品です。

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第9位 ディア・ハンター – マイケル・チミノ

1978年公開・上映時間:183分

ディア・ハンター

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ベトナム戦争の”爪痕”を、故郷に生きる青年たちの視点から描いた『ディア・ハンター』。戦地での恐怖だけでなく、戦後の精神的ダメージに焦点を当てた構成が印象的です。第51回アカデミー賞で作品賞を含む5部門を受賞。アメリカの地方都市に生きる市井の若者たちが、戦争によって変わりゆく様子を静かに映し出しています。戦争の”その後”を描いた名作を求める方はチェックしてみてください。

ペンシルベニアの小さな町。狩猟を趣味とする〈マイケル〉と仲間たちは、親友〈スティーヴン〉の結婚式を祝ったのち、ベトナムへの出征を迎えます。やがて彼らは捕虜となり、極限状態のなかで命を賭けた”ロシアンルーレット”を強いられることに。過酷な体験を経て帰国した彼らは、かつての日常を取り戻せず、戦争によって裂かれた心に向き合っていきます。彼らが再び絆を結び直すことはできるのでしょうか……?

ロバート・デ・ニーロやクリストファー・ウォーケンの迫真の演技が高く評価され、登場人物たちの繊細な心理描写に深みを与えています。ベトナム戦争そのものよりも、兵士たちの変化や喪失に主眼が置かれているのが特徴です。静謐な音楽や長回しの演出が、喪われた時間や沈黙の重さを際立たせています。一人ひとりの選択が積み重なる重厚な戦争映画を観たい方におすすめです。

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第10位 1917 命をかけた伝令 – サム・メンデス

2019年公開・上映時間:119分

1917 命をかけた伝令

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第92回アカデミー賞で撮影賞ほか3部門を受賞した『1917 命をかけた伝令』。第一次世界大戦を舞台に、敵陣の奥深くへ極秘の伝令を届けるという任務に挑む若き兵士たちの姿を描いた戦争映画です。全編ワンカット風の映像表現と臨場感ある演出により、戦場の緊張感や不安が観る者に直接伝わる構成になっています。手に汗握るサスペンス性のある戦争映画が観たい方はチェックしてみてください。

1917年、フランスの戦線。イギリス軍の若き兵士スコフィールドとブレイクは、ある極秘任務を託されます。その内容は、明朝までに別部隊へ攻撃中止の伝令を届けるというもの。そこにはブレイクの兄も所属しており、命令が届かなければ1600人が命を落とす可能性がある状況でした。地雷原や廃墟、敵陣の隙間を縫って、2人は走り続けます。果たして、伝令は間に合うのでしょうか。

監督の祖父が従軍していた体験談に着想を得て制作されたという背景も含め、戦争の”現場”をリアルに追体験できる点が魅力です。ロジャー・ディーキンスによる撮影技術も高く評価されており、緻密に計算されたカメラワークが物語への没入感を高めています。記憶に残る映像美とストーリー展開が調和した作品です。

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第11位 イングロリアス・バスターズ – クエンティン・タランティーノ

2009年公開・上映時間:153分

イングロリアス・バスターズ

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第二次世界大戦下のヨーロッパを舞台に、ユダヤ系米兵による復讐作戦を描いた『イングロリアス・バスターズ』。過去の戦争映画とは一線を画す独自の構成で知られ、フィクションと史実を交差させた大胆な物語展開が特徴です。監督はクエンティン・タランティーノ。型破りな演出とブラックユーモアを織り交ぜながら、ナチス政権に挑む者たちの”もうひとつの戦争”を描いています。戦争を異なる視点から楽しみたい方はチェックしてみてください。

ナチス占領下のフランス。家族を虐殺された少女〈ショシャナ〉は、身分を隠しながら映画館のオーナーとして生き延びていました。一方、米軍中尉〈アルド・レイン〉は、ナチス兵を容赦なく抹殺する特殊部隊〈バスターズ〉を結成。やがて二つの復讐が交差し、ヒトラー本人も出席予定の映画試写会を舞台に、一大作戦が動き出します。過激で緻密な計画の行方はどうなるのでしょうか……?

冷酷なSS将校〈ランダ〉を演じたクリストフ・ヴァルツがカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。多言語を自在に操る長尺の会話劇や緊迫した静寂の演出など、タランティーノらしいスタイルが全編にわたって展開されます。銃撃戦や爆破だけでなく、言葉と沈黙の駆け引きが観る者を引き込む要素。大胆な改変が加えられたラストシーンも話題を呼びました。タランティーノ作品の魅力を堪能したい方におすすめです。

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第12位 アメリカン・スナイパー – クリント・イーストウッド

2014年公開・上映時間:132分

アメリカン・スナイパー

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実在のアメリカ軍狙撃手クリス・カイルの自伝をもとに映画化された『アメリカン・スナイパー』。イラク戦争に4度出征し、160人以上を狙撃したとされるカイルの生き様を、戦場と家庭の両面から描いています。第87回アカデミー賞では作品賞・主演男優賞など6部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞しました。リアルな戦闘描写と内面の葛藤に迫る物語が特徴です。現代戦を題材にした骨太な作品が観たい方におすすめです。

幼少期から狩猟に親しみ、射撃の才能を持っていたクリス・カイル。アメリカ海軍の特殊部隊〈ネイビーシールズ〉に入隊した彼は、イラクに派遣され、仲間を守るため狙撃任務に従事することになります。高い戦果によって”伝説”と称される一方で、家族と過ごす日常からは徐々に心が離れていきます。任務と家庭、そのはざまで揺れ動く彼がたどり着く選択とは……?

主演のブラッドリー・クーパーが役作りのため体重を増やし、実在の人物に迫る演技を披露した点も話題となりました。戦場の臨場感を重視したカメラワークや、静かな日常との対比が印象的です。愛国心とは何か、戦争の”英雄”とは何を背負うのかを問いかける一作です。重厚な戦争ドラマを求める方はチェックしてみてください。

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第13位 ローン・サバイバー – ピーター・バーグ

2013年公開・上映時間:121分

ローン・サバイバー

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実在するネイビー・シールズの兵士による記録をもとに構成された『ローン・サバイバー』。2005年にアフガニスタンで実行された極秘任務〈レッド・ウィング作戦〉を題材に、絶望的な状況下で仲間を守ろうとする男たちの姿を描いています。事実に基づく骨太な戦争映画を求める方におすすめです。

タリバン幹部の排除を目的として、ネイビー・シールズの4人の隊員がアフガニスタン山岳地帯へ潜入。偵察中に民間人と遭遇した彼らは、その対応を巡って難しい決断を迫られます。結果、彼らの存在は敵に知られることとなり、数百人のタリバン兵に包囲されてしまいます。果たして、極限状況のなかで彼らが選んだ行動とは……?

主演のマーク・ウォールバーグをはじめ、テイラー・キッチュやベン・フォスターらが共演。各俳優が兵士たちの覚悟と苦悩を力強く演じています。監督のピーター・バーグは、元兵士である著者の証言を忠実に映像化し、壮絶な戦闘のリアリティを追求しました。任務、信念、仲間との絆に向き合う緊迫の物語を体感したい方はチェックしてみてください。

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第14位 父親たちの星条旗 – クリント・イーストウッド

2006年公開・上映時間:132分

父親たちの星条旗

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太平洋戦争中の〈硫黄島の戦い〉を、アメリカ側の視点から描いた『父親たちの星条旗』。有名な「星条旗を掲げる兵士たちの写真」の裏に隠された、兵士個人の葛藤や国のプロパガンダ構造が描かれています。監督はクリント・イーストウッド。名誉と現実の狭間で揺れる兵士たちの”その後”に光を当てた戦争映画を観たい方におすすめです。

激戦地〈硫黄島〉で撮影された1枚の写真。国民的英雄として祭り上げられた3人の兵士は、その写真の裏側にある真実と向き合いながら、戦争債券のキャンペーンに駆り出されます。生き残った罪悪感や、仲間との約束、そして英雄視されることへの戸惑い。戦場から帰還した彼らが直面した現実は、銃弾よりも重く心に突き刺さるものでした。”英雄”とは何を意味していたのでしょうか……?

対となる作品『硫黄島からの手紙』と合わせて制作された本作では、戦場の臨場感だけでなく、帰還兵の心理にも深く切り込んでいるのが特徴です。戦闘描写はリアルで迫力がありつつも、全編を通して静かな問いかけが貫かれています。音楽や映像もイーストウッドならではの抑制された美学が貫かれ、戦争の”後”を見つめる視点が印象的。兵士の心を真正面から描いた作品を探している方はチェックしてみてください。

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第15位 硫黄島からの手紙 – クリント・イーストウッド

2006年公開・上映時間:141分

硫黄島からの手紙

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戦争の悲劇を日本兵の視点から描いた映画『硫黄島からの手紙』。監督はクリント・イーストウッドが務めています。太平洋戦争の激戦地・硫黄島を舞台に、極限状態に置かれた人々の心情を掘り下げた作品です。同年公開の『父親たちの星条旗』と対をなす構成で、日米双方の視点をもとに戦争の実相を浮かび上がらせています。第79回アカデミー賞では作品賞など4部門にノミネートされ、高く評価されました。戦争映画ながらも内面描写を重視した作品を求める方におすすめです。

アメリカ軍の上陸が迫るなか、硫黄島に派遣された栗林忠道中将。彼は本土からの支援が望めない状況で、限られた兵力と物資を駆使して徹底抗戦の構えを取ります。一方、若い兵士・西郷は故郷に残した家族への想いを抱えながら、激化する戦況のなかで仲間たちと過酷な日々を過ごしていました。やがて、圧倒的な戦力差のなかで彼らが直面する決断とは……?

主演の渡辺謙や二宮和也をはじめとするキャスト陣が見せる繊細な演技が心を打つ本作。日本語による演出や手紙のモチーフを通して、兵士たちの”声にならない叫び”が丁寧に描かれています。史実をもとにしつつ、戦争の非情さや命の重みを改めて考えさせられる一作です。日本人として戦争を見つめ直したい方はチェックしてみてください。

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第16位 ジョジョ・ラビット – タイカ・ワイティティ

2019年公開・上映時間:108分

ジョジョ・ラビット

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ナチスに心酔する少年の目を通して戦争と差別を描いた『ジョジョ・ラビット』。第二次世界大戦下のドイツを舞台に、10歳の少年ジョジョが出会いと葛藤を経験していく様子がユーモアと切なさを交えて描かれています。戦時下でも変わらぬ親子の愛情や他者との関わりを丁寧に描いた作品です。視点を変えた戦争映画を観たい方におすすめです。

空想好きな少年〈ジョジョ〉は、想像上の友人〈アドルフ〉に励まされながらナチス・ドイツの思想を信じて生きていました。ある日、自宅の屋根裏に隠れていたユダヤ人少女〈エルサ〉の存在を知ったことで、彼の世界は大きく揺らぎ始めます。敵だと思っていた相手と過ごすうちに芽生える疑問と変化。ジョジョは自らの信念とどう向き合うのでしょうか……?

第92回アカデミー賞で脚色賞を受賞し、作品賞を含む6部門にノミネートされた本作。監督・脚本・出演を務めたタイカ・ワイティティの風刺と人間味ある演出が際立っています。主演のローマン・グリフィン・デイヴィスは、成長していく少年の心の動きを繊細に表現。母親を演じたスカーレット・ヨハンソンの存在感も作品に深みを与えています。戦争を新たな角度から見つめ直すきっかけとなる映画です。

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第17位 グローリー – エドワード・ズウィック

1989年公開・上映時間:122分

グローリー

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アメリカ南北戦争において、史上初の黒人兵による義勇連隊の戦いを描いた『グローリー』。白人の若き士官と元奴隷の兵士たちが、人種差別や物資の不平等に直面しながらも、共に誇りを胸に前線へ向かう姿が描かれています。史実に基づいた構成と重厚な人間描写が印象に残る作品です。歴史に埋もれた勇気の物語を知りたい方におすすめです。

1862年。〈アンティータムの戦い〉を経て、北軍の士官〈ロバート・ショー〉は黒人兵による第54マサチューセッツ義勇歩兵連隊の指揮官に任命されます。彼は友人〈フォーブス〉と共に、訓練に励む兵士たちを支えながら、制度的差別と物資不足という厳しい現実に立ち向かっていきます。それでも彼らは絆を深め、やがて歴史的な要塞攻撃へと向かうことに……?

助演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントンの鬼気迫る演技をはじめ、モーガン・フリーマンやマシュー・ブロデリックらがそれぞれの立場を繊細に演じています。監督のエドワード・ズウィックは、戦場の混乱と人間の信念を真正面から描き出しました。音楽はジェームズ・ホーナーが担当し、荘厳な旋律が物語に厚みを加えています。人種の壁を超えた戦いの記録を体感したい方はチェックしてみてください。

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第18位 大脱走 – ジョン・スタージェス

1963年公開・上映時間:172分

大脱走

第二次世界大戦下、連合軍捕虜たちによる集団脱走計画を描いた『大脱走』。実際に起きた脱走事件をもとに、極限下での知略と結束が描かれています。スティーブ・マックイーンをはじめとする豪華キャストが集結し、アクションと人間ドラマが絶妙に交差する構成が高く評価された作品です。長尺ながらも緊張とユーモアを織り交ぜた戦争映画を探している方におすすめです。

ドイツ軍の捕虜収容所〈スタラグ・ルフトⅢ〉に集められた連合軍の兵士たち。脱走の常習者ばかりを厳重に管理するこの施設で、〈バートレット〉を中心に前代未聞の大脱走計画が始動します。トンネルを掘り、偽造書類や私服を準備しながら、250人以上を一度に脱出させるという壮大な計画。果たして、この命懸けの作戦の行方はどうなるのでしょうか……?

砂埃のなかをバイクで駆け抜ける〈ヒルツ〉を演じたスティーブ・マックイーンの姿は、映画史に残る名シーンとして知られています。登場人物ごとに異なる役割と背景が丁寧に描かれており、脱走劇にリアリティと厚みを与えているのが特徴です。音楽やテンポの良い展開も相まって、長編でありながら中だるみを感じさせません。緻密に構築された集団劇を味わいたい方はチェックしてみてください。

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第19位 ハート・ロッカー – キャスリン・ビグロー

2008年公開・上映時間:131分

ハート・ロッカー

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第82回アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞した『ハート・ロッカー』。イラク戦争下の爆発物処理班に焦点を当て、極限状態に身を置く兵士たちの葛藤と緊張感を描いています。監督はキャスリン・ビグロー。女性監督として初めてアカデミー賞監督賞に輝いた作品でもあります。リアルな戦場描写に引き込まれる戦争映画を観たい方におすすめです。

舞台は2004年、イラク・バグダッド。アメリカ陸軍の爆発物処理班に新たに加わったのは、危険を恐れず突き進む性格のジェームズ軍曹。命の危険と隣り合わせの任務を通じて、部隊の絆は次第に変化していきます。一方で、彼の突飛な行動が周囲に緊張をもたらし、仲間との間に亀裂が生まれることも。果たして、彼らは任務を全うできるのでしょうか。

ドキュメンタリータッチで描かれる爆発処理の緊張感、そして兵士たちの内面に迫る演出が高く評価された本作。大音量や派手な演出に頼らず、静かな恐怖を積み重ねていく構成が特徴です。戦場のリアルを追求した演技と撮影によって、臨場感あふれる映像体験が味わえます。静かな余韻を残す戦争映画を観たい方はチェックしてみてください。

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第20位 西部戦線異状なし – エドワード・ベルガー

2022年公開・上映時間:147分

西部戦線異状なし

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エーリヒ・マリア・レマルクの同名小説を原作とする『西部戦線異状なし』。監督はエドワード・ベルガーが務めています。第一次世界大戦中のドイツ軍兵士の視点から、戦争の無情さと若者たちの喪失を描いた作品です。戦争映画や反戦テーマの作品に関心のある方におすすめです。

第1次世界大戦下のヨーロッパ。17歳の〈パウル〉は、祖国のために戦うことを誇りに思い、友人たちと共に志願兵として西部戦線へ赴きます。しかし、彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する戦場の現実でした。理想と現実のギャップに直面したパウルは、生き延びるために何を選択するのでしょうか……?

主演のフェリックス・カメラーがパウルを演じ、ダニエル・ブリュールが出演と製作総指揮を兼任しています。本作は第95回アカデミー賞で国際長編映画賞など4部門を受賞し、高い評価を受けました。戦争の悲惨さと人間の内面を深く掘り下げた作品を求める方は、ぜひチェックしてみてください。

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第21位 ライフ・イズ・ビューティフル – ロベルト・ベニーニ

1997年公開・上映時間:116分

ライフ・イズ・ビューティフル

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ナチス政権下のユダヤ人収容所を舞台に、父が息子に見せた”嘘の優しさ”を描いた『ライフ・イズ・ビューティフル』。ユーモアと愛情を武器に過酷な現実と向き合う父親の姿が、多くの観客に深い感動を与えた作品です。第71回アカデミー賞で外国語映画賞を含む3部門を受賞。戦争という絶望のなかでも“人生は美しい”と伝える力強いメッセージが込められています。心を揺さぶるヒューマンドラマを観たい方におすすめです。

ユダヤ系イタリア人〈グイド〉は陽気で機知に富んだ青年。恋人〈ドーラ〉との恋を実らせ、幸せな家庭を築きます。しかし、ナチスの支配が進む中、家族は強制収容所へ送られてしまいます。幼い息子とともに収容された〈グイド〉は、息子を不安にさせないため「これはゲームだ」と言い聞かせ、過酷な生活のなかでも笑顔を絶やさず過ごしていきます。彼が命を懸けて守ろうとしたものとは……?

主演と監督を務めたロベルト・ベニーニの演技と演出が高く評価され、コミカルな演技の裏にある献身的な愛が胸に響きます。音楽や構図の使い方にも繊細な工夫が凝らされており、明るい前半と陰影の濃い後半の対比が作品全体に奥行きを与えているのが特徴。戦争の非情さと家族の絆が両立して描かれたおすすめの作品です。

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第22位 ブレイブハート – メル・ギブソン

1995年公開・上映時間:178分

ブレイブハート

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13世紀末のスコットランドを舞台に、祖国の自由のために立ち上がった男の生涯を描いた『ブレイブハート』。実在した指導者〈ウィリアム・ウォレス〉の半生をもとに、圧政に抗う民衆とひとりの男の信念が描かれています。第68回アカデミー賞で作品賞を含む5部門を受賞。広大な自然と歴史的背景を織り交ぜた壮大な叙事詩として高い評価を受けた作品です。英雄譚に心を動かされたい方におすすめです。

幼少期に家族をイングランド軍に殺された〈ウォレス〉は、平穏な生活を望みながらも、愛する人を奪われたことをきっかけに戦う決意を固めます。やがて仲間を募り、圧倒的な戦力差にあるイングランド軍に対しゲリラ戦を展開。冷静さと情熱を兼ね備えたリーダーとして支持を集めながら、祖国スコットランドの独立を目指す戦いを繰り広げていきます。果たして、彼がたどり着く未来とは……?

主演のメル・ギブソンが監督も務め、戦闘シーンではリアルな肉弾戦と緻密な構図が重厚感を生み出しています。泥にまみれた戦場や馬上戦の迫力に加え、静かな場面ではウォレスの内面や信念が丁寧に描かれているのが特徴です。民族衣装や音楽などスコットランド文化の描写も細やかで、物語に深みを与えています。歴史に名を刻んだ実在の人物に迫る物語を観たい方はチェックしてみてください。

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第23位 ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド – ピーター・ジャクソン

2018年公開・上映時間:99分

ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド

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第一次世界大戦に従軍した兵士たちの記録映像をカラーで蘇らせたドキュメンタリー『ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』。帝国戦争博物館に所蔵されていた白黒映像に最新技術で修復・着色が施され、100年前の戦場が現代の映像として再構築されています。かつての兵士たちが見た現実を追体験したい方におすすめです。

1914年、ヨーロッパ全土を巻き込んで開戦した第一次世界大戦。多くの若者が志願兵として前線に赴き、塹壕での長期戦や砲撃のなかで生き抜こうとします。本作では、彼らの訓練風景、前線での生活、戦闘時の緊張感までもが映像として復元されており、当時を語る退役軍人たちの証言がそれに重なります。兵士たちは過酷な日々のなかで何を思い、どう生きようとしたのでしょうか……?

監督を務めたピーター・ジャクソンは、自身の祖父が従軍経験者であることから本作に特別な想いを込めています。セリフの復元には読唇術を用い、効果音は現地で新録されたものが使用されるなど、徹底したリアリティが追求されています。過去の記録が単なる資料ではなく、現代に生きる者への問いかけとしてよみがえる構成が印象的です。戦争の記憶を映像で体感したい方はチェックしてみてください。

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第24位 戦火の馬 – スティーヴン・スピルバーグ

2011年公開・上映時間:146分

戦火の馬

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第一次世界大戦下のヨーロッパを舞台に、少年と馬の絆を描いた『戦火の馬』。原作はマイケル・モーパーゴの同名小説で、監督はスティーヴン・スピルバーグです。戦場を駆け抜ける一頭の馬と、彼を想い続ける少年の物語が、戦争の悲劇と希望の交錯として描かれています。動物との信頼関係を軸にしたヒューマンドラマを観たい方におすすめです。

イギリスの農村で育った少年〈アルバート〉は、競売で買い取った馬〈ジョーイ〉に深い愛情を注ぎながら共に過ごしていました。しかし、第一次世界大戦の勃発により、ジョーイは軍馬として戦地へ送られてしまいます。別れを受け入れられないアルバートは、自らも従軍を決意し、戦場での再会を目指して過酷な運命へと身を投じていきます。果たして、彼らは再び巡り会えるのでしょうか……?

主演のジェレミー・アーヴァインをはじめ、エミリー・ワトソンやデヴィッド・シューリスらが脇を固め、物語に厚みを与えています。撮影監督ヤヌス・カミンスキーが手掛ける風景描写の美しさと、ジョン・ウィリアムズによる音楽が、戦火のなかにある静かな優しさを際立たせています。戦争を背景にしながらも、生命の尊さや絆を見つめ直すきっかけとなる作品です。

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第25位 縞模様のパジャマの少年 – マーク・ハーマン

2008年公開・上映時間:94分

縞模様のパジャマの少年

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ナチス・ドイツ時代の悲劇を子どもの視点から描いた映画『縞模様のパジャマの少年』。ユダヤ人収容所の存在を知らない少年と、そこに収容されていた同年代の少年の交流を描いた物語です。大人の目線では語りきれない戦争の残酷さと無知がもたらす悲劇を、静かに突きつける構成が印象的。心を揺さぶる戦争映画を観たい方におすすめです。

ドイツ軍将校の息子ブルーノは、突然ベルリンから郊外の家に引っ越すことになります。新しい家の近くには、大きな柵に囲まれた”農場”のような場所があり、縞模様の服を着た人々が集められていました。ある日、ブルーノはその柵越しに同じ年頃の少年シュムエルと出会います。2人は秘密裏に交流を続けるようになり、やがてブルーノは柵の内側の”真実”に近づいていき……?

ジョン・ボインの同名小説を原作に、人種や国境を超えた友情の尊さと、戦争がもたらす無慈悲な現実を描いた作品です。劇中で多くを語らない演出や、少年たちの無垢な言動がかえって物語の悲劇性を際立たせています。鑑賞後も心に残るエンディングと余韻が特徴。静かに問いかける戦争映画として、幅広い世代におすすめです。

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第26位 名もなき生涯 – テレンス・マリック

2020年公開・上映時間:175分

名もなき生涯

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第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品『名もなき生涯』。監督は『ツリー・オブ・ライフ』のテレンス・マリックが務めています。第二次世界大戦下のオーストリアで、信念を貫いた一人の農夫の実話を描いた作品です。人間の尊厳と愛を深く考えさせられる映画を求める方におすすめです。

1939年、オーストリアの小さな村ザンクト・ラーデグント。農夫〈フランツ〉は、妻〈ファニ〉と3人の娘と共に平穏な日々を過ごしていました。しかし、ナチス・ドイツによるオーストリア併合により、戦争の影が忍び寄ります。フランツは召集令状を受け取りますが、ヒトラーへの忠誠宣誓を拒否し、兵役を拒絶します。その決断が彼と家族にどのような運命をもたらすのでしょうか……?

主演のアウグスト・ディールがフランツを、ヴァレリー・パフナーがファニを演じています。また、名優ブルーノ・ガンツが判事役として出演し、これが遺作となりました。美しい映像美と静謐な語り口で、観る者の心に深く訴えかける一作です。信念を貫くことの意味を問いかける作品をお探しの方は、ぜひご覧ください。

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第27位 ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 – トッド・ロビンソン

2019年公開・上映時間:116分

ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実

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実在の兵士が受けた名誉勲章授与をめぐる長年の闘いを描いた『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』。ベトナム戦争中に仲間の命を救うため殉職した〈ウィリアム・ピッツェンバーガー空軍衛生兵〉と、その功績を認めようと奔走した人々の物語です。国家によって埋もれた英雄の存在と、それを掘り起こす者たちの信念を描いた作品。”戦争の記憶”に真摯に向き合いたい方におすすめです。

1999年、国防総省の職員〈スコット〉は、名誉勲章の授与申請に関する調査を任されます。対象となるのは、1966年にベトナムで殉職したピッツェンバーガー。彼は数十名の兵士を救出し、自らも戦場に残って命を落とした英雄でしたが、なぜか正式な勲章が授与されていませんでした。スコットは関係者の証言を集めるうちに、真相を覆い隠す”何か”の存在に気づいていき……?

実際の証言に基づいて構成された本作は、政治的な思惑や組織の壁を描きつつ、英雄の姿を静かに浮かび上がらせています。エド・ハリスやクリストファー・プラマーらベテラン俳優が脇を固め、重層的な人間模様に深みを加えています。栄誉とは何か、そして語られざる英雄をどう記憶すべきかを問う作品。実話をベースにした戦争映画を求める方に適しています。

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第28位 ブラザーフッド – カン・ジェギュ

2004年公開・上映時間:148分

ブラザーフッド

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朝鮮戦争に巻き込まれた兄弟の姿を通して、戦争の悲劇と人間の尊厳を描いた『ブラザーフッド』。監督は『シュリ』で注目を集めたカン・ジェギュです。激化する戦況のなかで、兄が弟を守ろうとする行動が皮肉にもすれ違いを生んでいく展開が描かれています。戦場と家族の狭間で揺れる心情を丁寧に描いた作品を観たい方におすすめです。

1950年、ソウルで平穏な日々を送っていた兄〈ジンテ〉と弟〈ジンソク〉。しかし、突如勃発した朝鮮戦争により、2人は強制的に前線へ送られてしまいます。ジンテは弟を帰還させるため、敢えて危険な任務に志願して功績を重ねていきます。けれど、その決断がやがて弟との絆を脅かすこととなり……? 

主演を務めたチャン・ドンゴンとウォンビンは、葛藤と怒りを抱えた兄弟を力強く演じています。戦闘シーンには圧倒的な迫力があり、同時に家族を想う気持ちが全編を通じて丁寧に描かれています。韓国では歴史的大ヒットを記録し、戦争の裏側にある“心の戦い”にスポットを当てた作品として高く評価されました。戦争の非情さと家族の絆を同時に描いた映画を求める方はチェックしてみてください。

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第29位 悪童日記 – ヤーノシュ・サース

2013年公開・上映時間:112分

悪童日記

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第二次世界大戦下のハンガリーを舞台に、双子の兄弟の視点から生と死の境界を描いた『悪童日記』。原作はアゴタ・クリストフの同名小説で、監督はハンガリーのヤーノシュ・サースが務めています。暴力や理不尽に満ちた戦時下の現実に直面する子どもたちの姿を、冷静な筆致で描いた作品です。戦争の狂気と成長の痛みを重層的に描く物語を求める方におすすめです。

戦火を逃れるため、都会から田舎の祖母のもとに預けられた双子の兄弟。食料もままならない過酷な環境のなかで、彼らは感情を捨て、痛みに慣れ、自らを鍛えることで生き延びようとします。周囲の人間の暴力や裏切りに触れるたび、兄弟はますます無表情に、冷徹に変化していきます。彼らが最後に選ぶ運命とは……?

主演を務めたアンドラーシュ・ジェーマントとラースロー・ジェーマントの実の双子が見せる無垢と冷徹の交錯が印象的です。カメラは常に彼らの視点に寄り添い、感情の起伏を抑えた映像と言葉によって、戦争の異常性を際立たせています。感情の排除を”生きる術”とする彼らの姿は、観る者に静かな衝撃を残します。人間の本質と向き合う戦争映画を観たい方はチェックしてみてください。

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第30位 ミッドウェイ – ローランド・エメリッヒ

2019年公開・上映時間:138分

ミッドウェイ

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太平洋戦争の転換点となったミッドウェイ海戦を描いた映画『ミッドウェイ』。監督は『インデペンデンス・デイ』などで知られるローランド・エメリッヒが務めています。日米双方の視点から戦局の推移を緻密に描き、戦争の現実を浮き彫りにした作品です。歴史的な戦闘を題材にした戦争映画を求める方におすすめです。

1941年12月7日、日本軍は連合艦隊司令長官・山本五十六の命により、真珠湾攻撃を敢行。大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たな太平洋艦隊司令長官としてチェスター・ニミッツを任命します。その後、日米両軍はミッドウェイ島を巡る戦略的要衝で激突。情報戦と戦術が交錯する中、勝敗の行方はどこへ向かうのでしょうか……?

エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ルーク・エヴァンスらがアメリカ軍将校を演じ、豊川悦司、浅野忠信、國村隼が日本軍の主要人物を務めています。迫力ある戦闘シーンと緻密な歴史描写が特徴で、戦争の悲劇と英雄たちの勇気を鮮烈に映し出しています。戦争映画ファンや歴史に興味のある方はチェックしてみてください。

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第31位 SISU/シス 不死身の男 – ヤルマリ・ヘランダー

2022年公開・上映時間:91分

SISU/シス 不死身の男

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第二次世界大戦末期のフィンランドを舞台に、金塊を守るため孤独な男がドイツ兵と死闘を繰り広げる『SISU/シス 不死身の男』。フィンランド語で「不屈」「執念」を意味する〈SISU〉の精神を軸に、ワンマンアーミーによる復讐劇が展開されていきます。寡黙な主人公と過激なバイオレンスが融合した本作は、痛快さと不気味さが同居する独特な一本。異色の戦争アクションを求める方におすすめです。

終戦間近のラップランド。元兵士〈アアタミ〉は静かに金を掘り当て、愛犬と共に町を目指していました。しかし、その道中でナチスの部隊に見つかり、金を奪われてしまいます。〈アアタミ〉は圧倒的な数の敵兵を相手に、執念と知恵を武器に反撃を開始。次々と奇襲や罠を仕掛け、ナチス兵たちを追い詰めていきます。果たして彼の目的と、その背後にある過去とは……?

セリフを極限まで削ぎ落とした演出と、骨太なアクションが際立っているのが特徴です。爆破、銃撃、肉弾戦といったシーンに緩急があり、80〜90年代のアクション映画へのオマージュを感じさせます。全編を通じて映像と音による語りが重視されており、主人公の静かな怒りが画面越しに伝わってきます。美しいフィンランドの大地と血まみれの戦いが交錯する異色作を観たい方はチェックしてみてください。

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第32位 ハンバーガー・ヒル – ジョン・アーヴィン

1987年公開・上映時間:112分

ハンバーガー・ヒル

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1969年のベトナム戦争で実際に起きた“937高地の戦い”を描いた『ハンバーガー・ヒル』。南ベトナム・アシャウ渓谷に位置する高地をめぐって繰り広げられた激戦を、徹底したリアリズムで描いています。第101空挺師団の若き兵士たちが、極限状況のなかで仲間と共に任務に挑む姿が印象的な作品です。戦場の現実に真正面から向き合う物語を観たい方におすすめです。

1969年5月。〈アパッチ・スノー作戦〉の一環として、アメリカ陸軍第101空挺師団は937高地の制圧を命じられます。北ベトナム軍が死守するその高地は、後に〈ハンバーガー・ヒル〉と呼ばれるほどの壮絶な激戦地でした。厳しい雨とぬかるみに苦しめられながら、若き兵士たちは幾度となく突撃を繰り返していきます。彼らはこの過酷な任務を乗り越えられるのでしょうか……?

脚本を担当したジェームズ・カラバトソスはベトナム戦争の従軍経験者であり、自らの体験をもとに物語を構築しています。監督のジョン・アーヴィンは、かつてBBCの記者としてベトナム戦争を取材した経歴を持ち、戦場の混乱や兵士の心理を生々しく描いています。リアルさに徹した演出と、終始張り詰めた空気が印象に残る構成。派手な演出を排した重厚な戦争映画を観たい方はチェックしてみてください。

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第33位 13時間 ベンガジの秘密の兵士 – マイケル・ベイ

2016年公開・上映時間:144分

13時間 ベンガジの秘密の兵士

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2012年にリビアで発生したアメリカ領事館襲撃事件を基に描かれた『13時間 ベンガジの秘密の兵士』。元軍人で構成された6人の民間警備チームが、絶望的な状況のなかで人命救助に挑む姿が描かれています。実話に基づく緊迫した戦闘描写と、個々の判断によって展開が大きく変わる構成が特徴。リアルな戦争映画を求める方におすすめです。

2012年9月11日、リビア・ベンガジのアメリカ領事館が武装勢力の襲撃を受けます。隣接するCIA拠点には、6人の警備要員が駐在していました。彼らは上層部の命令に反し、自らの意志で救援に向かう決断を下します。十分な装備も支援もないなか、彼らは13時間にわたる防衛戦に立ち向かっていくことに……?

主人公ジャック・シルバを演じたジョン・クラシンスキーが、兵士としての覚悟と揺れる心情を力強く表現しています。監督マイケル・ベイは、圧倒的な臨場感とリアルなアクション描写によって、極限状況での人間の姿を立体的に描いています。政治や軍事の裏側を背景にしたサバイバル劇としても見応えがあり、事実を基にした重厚な作品を観たい方はチェックしてみてください。

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第34位 復讐者たち – ドロン・パズ&ヨアヴ・パズ

2021年公開・上映時間:109分

復讐者たち

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ホロコースト後のドイツを舞台に、極秘裏に進められた復讐計画の実態を描いた『復讐者たち』。監督はドロン・パズとヨアヴ・パズの兄弟コンビです。実際に存在したユダヤ人組織〈ナカム〉をモチーフに、戦争で全てを失った男たちの葛藤と決意が丁寧に描かれています。正義と復讐の狭間に揺れる人間の姿を見つめたい方におすすめです。
舞台は1945年、ナチス・ドイツが降伏した直後のヨーロッパ。生還者〈マックス〉は、妻子を奪ったナチスに対する怒りを胸に、ユダヤ旅団の戦友たちと再会します。彼らは極秘裏に、戦犯たちへの制裁を進める別動隊〈ナカム〉に加わり、ある復讐計画に着手していきます。その名は「プランA」。ドイツの水道に毒を流し、数百万人を抹殺しようとするこの極端な作戦の行方は……?

主演を務めたアウグスト・ディールの演技が、復讐にとらわれながらも人間性を保とうとする〈マックス〉の心情を繊細に映し出しています。物語には、ホロコーストの実態や戦後ユダヤ人たちの苦悩が随所に盛り込まれており、ドキュメンタリー的な重みも兼ね備えています。脚本は実在した関係者への綿密な取材をもとに構築されており、事実を踏まえたフィクションとしての厚みを感じられる構成です。歴史の影に埋もれた“もうひとつの戦後”を知りたい方はチェックしてみてください。

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第35位 長沙里9.15 – クァク・キョンテク

2019年公開・上映時間:113分

長沙里9.15

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朝鮮戦争中の実話を基に、名もなき若き兵士たちの決死の作戦を描いた『長沙里9.15』。韓国軍が実行した〈長沙上陸作戦〉に焦点を当て、極限状況に身を置かれた学徒兵の姿が克明に描かれています。〈仁川上陸作戦〉成功の陰にあった、もうひとつの重要な作戦として注目される作品です。歴史の裏側にある”知られざる戦い”を描いた戦争映画を求める方におすすめです。

1950年、仁川上陸作戦を目前に控えた韓国軍。敵の注意を引きつける陽動作戦として、〈長沙〉への上陸が急遽決定されます。投入されたのは、軍事訓練をほとんど受けていない学生たちによる部隊。指揮官の〈イ・ミョンジュン〉は、劣勢の状況下で命を預かった少年兵たちとともに、命懸けの任務に臨むこととなります。限られた装備のなか、彼らが選んだ覚悟と行動とは……?

米国人記者の視点を交えながら、戦争の”現実”とそこに巻き込まれる若者たちの心情を丁寧に描いているのが特徴です。撮影には雨や泥のなかでの本格的な戦闘シーンが多く取り入れられており、臨場感のある演出が緊張感を高めています。音楽は情感を抑えたトーンでまとめられており、戦争の悲惨さを静かに浮かび上がらせます。事実に基づいた重厚な戦争映画を観たい方はチェックしてみてください。

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第36位 ヒトラーのための虐殺会議 – マッティ・ゲショネック

2022年公開・上映時間:108分

ヒトラーのための虐殺会議

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1942年にベルリン郊外で開かれた〈ヴァンゼー会議〉を題材に、ホロコーストの“始まり”を描いた『ヒトラーのための虐殺会議』。わずか90分の間に大量殺戮の方針が事務的に決定されたという史実に基づき、加害者側の冷徹な論理が淡々と綴られていきます。ドイツで劇場公開された後、国際的に話題となった作品です。戦争の“裏側”にある非人道的な決定過程を知りたい方におすすめです。

1942年1月20日。親衛隊〈ハイドリヒ〉の招集により、ナチス高官たちが邸宅〈ヴァンゼー・ハウス〉に集められます。議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」。ユダヤ人の強制移送と大量殺害を、法務、行政、鉄道など各部門の担当者が協議し、形式的な合意が形成されていきます。直接的な暴力は描かれずとも、彼らが下す決断の重みとは……?

重厚なカメラワークとモノクロ調の色彩設計により、会議の密室性と緊迫感が際立っています。高官たちの冷静な口調や形式的なやり取りが、かえって残酷な内容を際立たせているのが特徴です。実際の議事録をもとに構成された脚本には、歴史的事実への忠実さが貫かれており、”語られなかった戦争”に迫る重要な作品といえます。加害の構造を静かに見つめたい方はチェックしてみてください。

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第37位 マレーナ – ジュゼッペ・トルナトーレ

2000年公開・上映時間:93分

マレーナ

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第二次世界大戦下のイタリア・シチリア島を舞台に、ひとりの女性を巡る少年のまなざしを通して人間の欲望と孤独を描いた『マレーナ』。監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』で知られるジュゼッペ・トルナトーレ。戦争という時代背景のなかで翻弄される女性像と、それを見つめる少年の成長が対比的に描かれています。静かな余韻を残す叙情的な作品を探している方におすすめです。

ナチス占領下のイタリア。美貌ゆえに周囲から嫉妬と噂の的となる〈マレーナ〉は、戦争で夫を失い、厳しい現実に向き合う日々を送っていました。そんな彼女に思いを寄せる少年〈レナート〉は、密かに彼女を見つめながら成長していきます。やがて、社会の偏見と孤立にさらされていく〈マレーナ〉の姿は、少年にとって現実と向き合う入り口ともなっていきます。彼の想いが向かう先とは……?

音楽を手がけたエンニオ・モリコーネの旋律が、物語に深い叙情性を与えています。台詞を抑えた演出と繊細な映像美が融合し、感情の起伏を映像と音楽で語る構成が印象的です。〈マレーナ〉を演じたモニカ・ベルッチは、その存在だけで強烈な印象を残しながらも、言葉に頼らない演技で観る者に余韻を残します。儚さと憧れが交差する視点で描かれた戦時下の人間模様を味わいたい方はチェックしてみてください。

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戦争映画のおすすめランキング|邦画

第1位 永遠の0 – 山崎貴

2013年公開・上映時間:144分

永遠の0

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特攻隊として命を散らした一人の男の過去を、現代の視点から追っていく『永遠の0』。祖父の足跡を調べ始めた若者が出会う証言の数々から、戦時下で何を守ろうとしたのかが浮かび上がっていきます。原作小説の構成を活かしながら、戦争と命に向き合う人物の姿を静かに描いた作品です。過去と現在が交差するドラマに触れたい方におすすめです。

司法試験に落ちた青年〈健太郎〉は、祖父の足跡を辿るよう依頼され、調査を開始します。戦死したはずの実の祖父〈宮部久蔵〉は、かつて”臆病者”と呼ばれていた一方で、仲間を救おうとする姿勢を貫いた人物でもありました。複数の証言者から語られる〈宮部〉の過去には、信念と葛藤、そして家族への想いが交錯しています。彼が特攻という選択に至った理由とは……?

VFXを駆使した航空戦の映像と、静かな人間ドラマが対照的に描かれているのが特徴です。戦争賛美を避けつつも、当時を生きた人々の感情や決断に正面から向き合う構成が印象に残ります。音楽や照明も過度に感情を煽るのではなく、物語の輪郭を静かに支えている点が印象的。命の価値と記憶の継承を見つめ直すきっかけとなる作品を探している方はチェックしてみてください。

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第2位 火垂るの墓 – 高畑勲

1988年公開・上映時間:88分

火垂るの墓

戦時下の神戸を舞台に、兄妹の短くも切実な日々を描いたアニメーション映画『火垂るの墓』。終戦直前の混乱と悲劇を、少年と幼い妹の視点で綴ることで、戦争がもたらす”静かな痛み”を浮き彫りにしています。原作は野坂昭如の同名小説。スタジオジブリ作品でありながら、戦争の現実を真正面から描いた異色の作品です。日常の尊さと喪失の記憶を見つめたい方におすすめです。

空襲によって母を亡くした14歳の少年〈清太〉と、4歳の妹〈節子〉は、身寄りを失いふたりきりの生活を始めます。親戚の家を離れ、郊外の防空壕で自活するも、食料も乏しく、日々は次第に過酷なものへと変わっていきます。〈清太〉は懸命に妹を守ろうとするものの、戦争という状況は容赦なくふたりを追い詰めていきます。兄妹が見つけた最後の光とは……?

淡い色彩と静かな音楽が、ふたりの心情と対照的に作用しているのが特徴です。感情を過剰に描くことなく、ふとした仕草や風景の描写に余韻を込めた演出が印象的です。戦争を背景にしながらも、”生きること”と”守ること”の意味を問いかけてくる構成が胸に残ります。一度観たら忘れられない戦争アニメーションを求める方はチェックしてみてください。

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第3位 戦場のメリークリスマス – 大島渚

1983年公開・上映時間:123分

戦場のメリークリスマス

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第二次世界大戦中のインドネシア・ジャワ島を舞台に、敵味方の境界を越えて交錯する感情と尊厳を描いた『戦場のメリークリスマス』。監督は大島渚。異文化の衝突と理解を静かに描きつつ、言葉では語りきれない“人間”の本質に迫った国際合作映画です。デヴィッド・ボウイ、ビートたけし、坂本龍一らが共演した点でも知られています。戦争と個人を静かに見つめる視点を求める方におすすめです。

捕虜収容所に収容された英国軍少佐〈セリアズ〉は、日本軍将校〈ヨノイ〉と出会い、敵対する立場にありながらも次第に複雑な関係性を築いていきます。そのなかで通訳の〈ロレンス〉や看守〈ハラ〉との交流も重なり、戦争という極限状態のなかに“心の動き”が静かに広がっていきます。やがて、ある出来事をきっかけに、それぞれの思惑と信念がぶつかり合っていくことに……?

坂本龍一による主題曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」は、映画音楽として高く評価され、作品の印象を象徴する存在です。セリフや演出には多くを語らない抑制が貫かれ、登場人物たちのまなざしや間が深い余韻を残します。国籍や立場の違いを超えて揺れる心情を丁寧に描いた構成が特徴です。戦時下における人間の尊厳や共感を描いた静かなドラマを観たい方はチェックしてみてください。

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第4位 ラーゲリより愛を込めて – 瀬々敬久

2022年公開・上映時間:133分

ラーゲリより愛を込めて

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第二次世界大戦後、シベリアの収容所〈ラーゲリ〉に送られた日本人兵士たちの過酷な運命と、家族との絆を描いた『ラーゲリより愛を込めて』。実在の人物・山本幡男の手記をもとに、戦後の混乱期を生き抜こうとする姿が真摯に映し出されています。収容所という極限の地にありながらも、”希望”を持ち続けた人々の物語。苦難のなかでも信念を貫いた実話に触れたい方におすすめです。

敗戦後、ソ連軍に拘束され、極寒のシベリアにある〈ラーゲリ〉へと送られた元兵士〈山本幡男〉。過酷な労働と飢えに苦しみながらも、仲間たちを励まし、生きる希望を与え続けていきます。一方、日本に残された妻〈モジミ〉も、夫の帰還を信じて日々を懸命に生きていました。やがて、長い収容生活の果てに〈山本〉が託す”最後の言葉”とは……?

雪と鉄条網に囲まれた収容所の風景と、祈りを込めた手紙のやりとりが強い印象を残します。冷たい世界のなかで温もりを与え続けた〈山本〉の姿は、戦争が終わった後の”もうひとつの闘い”を映し出しています。台詞や音楽も感情を煽るのではなく、静かに語りかけてくるような演出が貫かれているのが特徴です。過去の記憶に寄り添いながら生きる意味を問いかける作品を観たい方はチェックしてみてください。

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第5位 この世界の片隅に – 片渕須直

2016年公開・上映時間:129分

この世界の片隅に

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戦時下の広島・呉を舞台に、日々の暮らしと小さな幸せを描いたアニメーション映画『この世界の片隅に』。空襲や物資不足に見舞われながらも前を向いて生きる女性〈すず〉の姿が、静かで温かな筆致で綴られています。実在の風景や資料を丹念に再現した演出と、時代のなかで懸命に生きる人々の姿が多くの共感を呼んだ作品です。戦争を”生活者の目線”から見つめたい方におすすめです。

絵を描くことが好きな少女〈すず〉は、広島から軍港のある呉へと嫁ぎます。戦争が激化する中、義理の家族との暮らしや近隣の人々との交流を重ねながら、日々の生活を支えていきます。しかし、空襲や爆撃が日常を奪い始め、〈すず〉もある出来事によって大切なものを失うことに。それでも彼女は、生きることの意味を探し続けながら、日常を紡いでいきます。失われたものの先に見つけた想いとは……?

全編を通して、戦争の悲惨さを声高に語るのではなく、”かけがえのない日常”がいかにして崩れていったのかを丁寧に描いているのが特徴です。背景や音に宿る細部のリアリティが作品に説得力を与え、観る者の想像力を刺激します。主題歌や劇中音楽も世界観と緊密に結びついており、余韻の深さをさらに引き立てています。時代を越えて響く生活の記録を味わいたい方はチェックしてみてください。

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第6位 アルキメデスの大戦 – 山崎貴

2019年公開・上映時間:130分

アルキメデスの大戦

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戦艦〈大和〉建造計画を巡る機密と謀略を、天才数学者の視点から描いた『アルキメデスの大戦』。軍部による巨大予算の裏に潜む意図を暴こうとする青年の闘いが、実在の歴史を背景に重厚なドラマとして描かれています。計算と論理で戦争に立ち向かうという異色の構図が際立つ作品です。巨大な力に抗う知性の物語を観たい方におすすめです。

昭和8年、日本帝国海軍では新たな巨大戦艦の建造計画が進行していました。軍縮の流れに反すると疑問を抱いた海軍少将〈山本五十六〉は、かつての部下で天才的な頭脳を持つ元東大生〈櫂直〉を招き入れます。軍事経験のない〈櫂〉は数学と論理を武器に、予算の矛盾と政治の思惑を突き崩そうと奔走していきます。果たして彼の導き出した結論とは……?

VFXによる戦艦建造シーンや緊迫感ある会議劇が融合し、静と動のバランスが取れた構成が特徴です。対立する価値観のぶつかり合いがドラマの中心に据えられており、単なる戦争映画ではなく“意思決定の物語”として仕上げられています。論理で戦争を止めようとした男の奮闘を描いた本作は、現代にも通じるテーマを孕んでいます。思考で時代を切り拓く人物像に惹かれる方はチェックしてみてください。

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第7位 日本のいちばん長い日 – 原田眞人

2015年公開・上映時間:136分

日本のいちばん長い日

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終戦を目前にした日本政府内部の混乱と、玉音放送に至るまでの24時間を描いた『日本のいちばん長い日』。1945年8月15日、その歴史的決断の舞台裏にあった葛藤と衝突を緻密に再構成した作品です。実在の記録と証言をもとに、戦争終結という極限の決断を迫られた人々の姿が描かれています。戦争の“終わり方”を見つめ直したい方におすすめです。

ポツダム宣言を受諾するか否かを巡り、陸軍と政府首脳の間では激しい対立が起きていました。徹底抗戦を主張する一部将校による”宮城事件”の動きも表面化する中、内閣首班〈鈴木貫太郎〉、陸軍大臣〈阿南惟幾〉らは苦渋の選択を迫られます。そして昭和天皇の決断が、玉音放送というかたちで日本国民に伝えられるその瞬間まで、緊迫の24時間が描かれていきます。彼らの選択が導いた結末とは……?

映像は重厚な色調で統一され、当時の空気感や緊張が細部まで再現されているのが特徴です。実在の人物を多く扱いながらも、人物像は一面的ではなく、信念・葛藤・人間性を重層的に描いています。戦争の終わりを決して一言で語れないものとして捉えた構成が印象的。終戦というテーマに正面から向き合う歴史劇を観たい方はチェックしてみてください。

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第8位 海賊とよばれた男 – 山崎貴

2016年公開・上映時間:145分

海賊とよばれた男

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石油をめぐる戦後日本の再建と男の信念を描いた『海賊とよばれた男』。敗戦で何もかもを失った時代に、国産石油の供給を目指して奮闘する企業家の姿が描かれています。モデルとなったのは出光興産創業者・出光佐三。時代に逆らいながらも仲間を信じ、日本を支えようとした一人の男の生き様を映し出した作品です。信念を持って立ち上がる人物の物語を観たい方におすすめです。

終戦後、全てを失った石油会社〈国岡商店〉の店主〈国岡鐵造〉は、社員を「家族」と呼び、再出発を決意します。資源も輸送手段も限られる中、石油を求めて海外へ渡り、現地との交渉や数々の困難に挑んでいく〈國岡〉。時に周囲の反発を受けながらも、仲間とともに数々の試練を乗り越え、自らの信念を貫いていきます。彼が目指した”日本の未来”とは……?

時代考証や衣装、街並みの再現など、戦後復興期の空気感を細部まで映し出しているのが特徴です。映像は力強さと温かさを併せ持ち、家族のような組織を描くドラマとしても見応えがあります。登場人物たちの葛藤と団結が、物語に厚みを与え、現代にも通じるメッセージを残します。逆境に抗いながら進み続ける力強い意志を感じたい方はチェックしてみてください。

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第9位 野火 – 塚本晋也

2015年公開・上映時間:87分

野火

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第二次世界大戦末期のフィリピン戦線を舞台に、極限状態に追い込まれた兵士の孤独と狂気を描いた『野火』。大岡昇平の同名小説を原作に、監督・主演を務めた塚本晋也が、戦場の現実を突きつけるような視点で映像化しています。過酷な状況下で人間性が崩れていく過程を真正面から描いた作品です。戦争の”本質”を知りたい方におすすめです。

肺病を患い、部隊から追い出された日本兵〈田村一等兵〉。行くあてのない彼は、爆撃の続くフィリピンの密林をさまよいながら、次第に人間としての尊厳を失っていきます。食料も尽き、味方にも拒絶される中で、飢えと死の恐怖に苛まれていく〈田村〉。やがて彼の目に映る現実は、幻想と狂気の狭間へと変貌していきます。その果てにたどり着く境地とは……?

実写ならではの生々しい映像と、音の演出が不穏な空気を支配しています。爆音だけでなく、静けさや呼吸音までもが恐怖の一部として機能しており、観る者に強烈な没入感を与える構成です。塚本晋也が描き出すのは、戦闘の英雄譚ではなく、死と隣り合わせの戦場に取り残されたひとりの人間の姿。戦争という極限状況における“生きる”という本能を見つめたい方はチェックしてみてください。

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第10位 ビルマの竪琴 – 市川崑

1985年公開・上映時間:133分

ビルマの竪琴

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戦争の終結を知らず戦い続ける仲間たちの姿に、ひとりの兵士が下す選択を描いた『ビルマの竪琴』。太平洋戦争末期のビルマを舞台に、音楽を通して心を通わせる日本兵たちと、死者の声に向き合おうとする男の姿が描かれています。1956年版に続く市川崑監督によるセルフリメイク作品。戦争の記憶と向き合いながら、人間の尊厳を見つめたい方におすすめです。

敗戦直後のビルマ。日本兵の一団に所属していた元音楽教師〈水島上等兵〉は、降伏を拒否して戦い続ける部隊に投降を呼びかけるも、その試みは悲劇に終わります。その後、〈水島〉は仏僧の姿で仲間の前に再び現れるものの、すぐには言葉を交わそうとしません。彼はなぜ僧となり、何を見つめて生きることを選んだのか。沈黙のなかに込められた想いとは……?

竪琴の音色とともに描かれる死者への祈りが、作品全体に静かな余韻をもたらしています。戦闘描写を排し、語られるべきでないものを”音”と”沈黙”で語る構成が特徴です。映像は自然の光や緑を印象的に捉え、死と向き合う兵士の視点に寄り添っています。戦争を超えた”生の意味”を静かに問いかける一作を求めている方はチェックしてみてください。

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