宮崎駿作品を中心に世界に誇るアニメーションであるジブリ映画。数多くの名作があるため、どれを選べばよいか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ジブリ映画のおすすめ映画をランキング形式でご紹介します。誰もが知る名作から最新作までさまざまな作品をご紹介しているので、最後までチェックしてみてください。
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ジブリ映画の魅力

By: ghibli.jp
ジブリ映画の魅力は、緻密で美しい映像表現と、印象的な音楽によって作り出される世界観。映画ごとの舞台の雰囲気がまるでそこにあるかのようにリアルに感じられ、作品の中に引き込まれます。
作中では日本の自然や田舎の風景も丁寧に描かれているのがポイント。アジアの美しい自然を感じられる繊細な描写は、海外でも高く評価されています。
また、物語には単なるファンタジーにとどまらない、深いテーマとメッセージ性が込められています。たとえば、『千と千尋の神隠し』では自己探求の旅が、『もののけ姫』では人間と自然の共存がテーマ。作品に込められた社会的・哲学的なメッセージが多くの人を惹きつけます。
さらに、独特で魅力的なキャラクターたちも魅力的。トトロのような「何者でもないものの唯一無二」の存在感を放つキャラクターが登場するのも特徴です。アニメーションの記号化によって、心の動きや魂の揺れが効果的に表現されています。
ジブリ映画のおすすめランキング
第1位 魔女の宅急便 – 宮﨑駿
1989年公開・上映時間:102分

角野栄子による児童小説を原作にしたジブリ映画です。オープニング・エンディングの両方で荒井由実の楽曲を使用しており、現在でも活躍する声優を多く起用しています。
魔女のキキは13歳になり、しきたりに従って慣れ親しんだ街を離れ、黒猫のジジと共に魔女の修行に旅立つことになります。キキが見つけた街は海の見える港町。田舎と都会の違いにカルチャーショックを受けるキキですが、パン屋のオソノさんを助けたことで下宿先を見つけます。
下宿先を見つけたキキは生計を立てるために空飛ぶ宅急便を始めます。キキは新しく住む街でうまくやっていけるのでしょうか。
少女が大人になっていくストーリーが見どころです。右も左も分からない少女が出会いを経て、失敗をして、少しずつ成長する姿に心を打たれます。成長物語が好きな方におすすめです。
第2位 となりのトトロ – 宮﨑駿
1988年公開・上映時間:86分

スタジオジブリを代表する作品のひとつで、人気のジブリ映画。古きよき時代の日本が感じられ、どこか懐かしくなる作品です。
新しい家に引っ越してきた草壁一家。長女のサツキと次女のメイは新しい家に興奮しています。さっそく家を探検する2人ですが、メイが2階に行くと壁のすき間から大量の黒いいきものを見つけて、新しい家がお気に入りになりました。
新しい家になじんだある日、サツキが学校に行っている間にメイは不思議ないきものと出会います……。
森や木の主を子供の頃にしか出会えない、見つけられない生き物として描いた幻想的な雰囲気が面白いジブリ映画です。楽曲と美術がその雰囲気を後押ししており、作品に引き込まれます。また、人々の心の交流も見どころのひとつで、ヒューマンドラマが好きな方におすすめです。スピンオフ作品に「めいとこねこバス」があり、三鷹の森ジブリ美術館の映像展示室にて期間限定で見られます。
第3位 天空の城ラピュタ – 宮﨑駿
1986年公開・上映時間:124分

スタジオジブリを創設してから初の長編作品で、ガリバー旅行記の浮島であるラピュタをモチーフにして作られたジブリ映画です。また、主題歌の『君をのせて』はジブリ映画を代表する曲です。
天空に存在するといわれる伝説の島ラピュタを発見したが、人々に信じてもらえないまま亡くなった父を持つ見習い機械工のパズーはある日、空から降ってきた少女シータと出会います。シータの胸には青く光るペンダントがありました。
シータはラピュタを継ぐ王位継承者であり、シータの持つペンダントが空に浮かぶ能力を持つ飛行石でした。ラピュタを探す重要な手がかりであるシータは女海賊や軍隊に狙われますが、パズーの奮戦虚しくさらわれてしまいます。パズーはシータを助け出し、ラピュタを見つけられるのでしょうか。
パズーはラピュタの存在を証明したいという思いはありますが、純粋にシータを助けたいと考えて行動していく様が見どころです。アクションシーンが豊富で、冒険活劇のあるジブリ映画が好きな方におすすめです。
第4位 ハウルの動く城 – 宮﨑駿
2004年公開・上映時間:119分

魔法にかけられて老婆になった少女と、心を失った魔法使いの愛を描いた宮崎駿監督のジブリ映画です。イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説が原作。木村拓哉と倍賞千恵子の豪華声優陣でも話題になり、興行収入196億円の大ヒットを記録しました。第78回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされています。
18歳の帽子屋の少女・ソフィーは、ある日兵士にからまれているところを、通りすがりの美青年に助けられました。しかし、その夜荒地の魔女により、ソフィーは90歳の老婆に変えられてしまいます。
帽子屋にいられなくなり、街を出たソフィ―。途中で出会ったカカシのカブに導かれ、「美女の心臓を食べてしまう」と噂される魔法使い・ハウルの動く城にたどり着きます。城ではハウルや火の悪魔・カルシファー、弟子のマルクルが暮らしていました。その後、ソフィーは掃除婦になるとハウルに宣言し、城で働き始め……。
動く城の緻密な構造や魔法的な映像表現が圧倒的な美しさを誇り、久石譲による音楽も印象的です。老いと若さ、戦争と平和、愛と成長といった深いテーマが込められた作品。魔法の世界観と人間ドラマが見事に融合した、宮崎駿の傑作を観たい方におすすめです。
第5位 耳をすませば – 近藤喜文
1995年公開・上映時間:111分

京王線聖蹟桜ヶ丘駅を舞台のモデルにした中学生の成長を描いたジブリ映画です。Olivia Newton-Johnの『Take Me Home Country Roads』にオリジナルの日本語歌詞を付けた楽曲を主題歌としており、劇中でも重要な役割を担いました。
中学3年生の月島雫は本が大好きな受験生でした。夏休みに学校の図書館を開けてもらい、街の図書館でも本を借りるくらいにのめり込む雫はあるとき、不思議なことに気付きます。
それは、自分の借りる本の貸し出しカードに必ず「天沢聖司」という名前があることです。天沢聖司とはどのような人なのでしょうか。
進路や人間関係で悩む雫の姿は実際の思春期の中学生を等身大に描いたジブリ映画です。感情移入がしやすく、天沢とつり合いが取れる人間になろうと頑張る姿は見どころのひとつで、成長物語が好きな方におすすめです。
第6位 もののけ姫 – 宮﨑駿
1997年公開・上映時間:133分

室町時代の日本を舞台に、神と人間の争いを描いたジブリ映画です。興行収入193億円を記録しており、日本アカデミー賞最優秀作品賞をアニメーション作品として初めて受賞しています。
北の果てにあるエミシ一族の村に住むアシタカは村を襲ったタタリ神を退治した際に右手に呪いを受けてしまいました。呪いを解くために旅立ったアシタカはタタラ場と呼ばれる精錬所にたどり着きます。
道中、獣に育てられた少女サンと出会ったアシタカは人間が生きるために森を切り、神の怒りを買っていることを知るのでした。アシタカは呪いを解き、神々の怒りを収めることができるのでしょうか。
神が住む森の神秘的な雰囲気と不思議な現象に引き込まれるおすすめのジブリ映画です。人間と自然の対立を描いた様は現代にも通じるテーマであり、考えさせられます。メッセージ性のある作品が好きな方におすすめです。
第7位 千と千尋の神隠し – 宮﨑駿
2001年公開・上映時間:125分

興行収入で当時の歴代1位を記録したスタジオジブリの名作です。ベルリン国際映画祭ではアニメーション作品として初の金熊賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しました。
何事にも無気力な10歳の少女である千尋は引っ越し中に不思議な世界に迷い込み、元の世界に帰れなくなってしまいました。人非ざる者たちが闊歩する世界で出会ったハクに助けられ、千尋は湯屋を営む湯婆婆の元を訪れます。
「ここで働かせてください。」湯婆婆に頼み込む千尋は働かせてもらう代償として、名前を奪われて千という名前で働き始めるのでした。千尋は元の世界に帰れるのでしょうか。
働くとはどういうことかを描いたジブリ映画です。もともとは無気力だった千尋が仕事を得て、理不尽な目に遭いながらも人々に助けられながら成長していく姿は見ごたえがあります。ジブリを代表する名作であるため、ジブリ映画を初めて見る方におすすめです。
第8位 風の谷のナウシカ – 宮﨑駿
1984年公開・上映時間:116分

アニメ誌のアニメージュで連載されていた同名の漫画を原作にしたジブリ映画です。スタジオジブリが創設される前の作品で、トップクラフトが制作しています。
火の七日間と呼ばれた戦争で文明が滅んでから1000年。人類は蟲や毒を放出する腐海の脅威に怯えながら暮らしていました。
そのような世界の片隅にある風の国に住むナウシカはメーヴェと呼ばれる空飛ぶ乗り物に乗り、王蟲と呼ばれる異形と心を通わせる不思議な力を持っていました。平和な日々を過ごしていたナウシカですが、やがて大国同士の争いに巻き込まれてしまいます。ナウシカはどうなってしまうのでしょうか。
環境破壊や戦争がテーマとなっていますが、荒廃した世界の独特な世界観に引き込まれるジブリ映画です。戦争を止めるために自分を犠牲にしながら人と蟲の間に立つナウシカの姿は心を打たれます。名作が好きな方におすすめです。
第9位 紅の豚 – 宮﨑駿
1992年公開・上映時間:93分

姿を豚に変えられた飛行艇乗りを描いたジブリ映画です。マダム・ジーナ役の加藤登紀子が主題歌を担当し、劇中でもジーナとして歌うシーンが挿入されています。
第一次世界大戦後のイタリア、アドレア海に空賊を相手にする豚の姿をした賞金稼ぎのポルコ・ロッソという男がいました。ある日、空賊に雇われた凄腕パイロットのカーチスに敗れたポルコは、壊れた飛行艇を直すために昔なじみの工場で働くピッコロを訪ねます。そこで、ピッコロの孫娘フィオに出会い、フィオに飛行艇を直す依頼をするのでした。
「カッコイイとは、こういうことさ」のキャッチフレーズに違わぬロマンを詰め込んだ映画です。男の意地・立ち振る舞い・価値観などにおいて粋を感じられます。
立場上は敵味方に分かれていますが、カーチスやマンマユートの団長など、人間くさい魅力あふれるキャラクターが多いおすすめのジブリ映画です。
第10位 風立ちぬ – 宮﨑駿
2013年公開・上映時間:126分

零戦の設計者として知られる堀越二郎と同時代の文学者である堀辰雄の人生をモデルにしたジブリ映画です。崖の上のポニョ以来5年ぶりに宮崎駿が監督をした作品で、主題歌は松任谷由実が魔女の宅急便以来24年ぶりに楽曲提供をしています。
幼いころから空に憧れを抱く青年堀越二郎は関東大震災と経済不況の混乱の中、菜穂子と運命的な出会いを果たします。やがて、飛行機設計技師として成長した二郎は技術視察としてドイツや西洋諸国を回り見分を広めていくのでした。
夏季休暇で訪れたホテルで再会した菜穂子と二郎は結婚しますが、菜穂子は病弱で療養所暮らしが長引いてしまいます。しかし、お互いを支え合い、二郎は飛行機作りに没頭していくのでした。
第二次世界大戦前の不安定な日本を舞台に生きるとはどういうことかを描いたジブリ映画で、今を大事にしなければならないと思わせるメッセージ性が込められたジブリ作品です。感動するストーリーが好きな方におすすめです。
第11位 崖の上のポニョ – 宮﨑駿
2008年公開・上映時間:101分

アンデルセン童話の「人魚姫」をモチーフにした人間になりたい魚と心優しい少年の交流を描いたジブリ映画です。日本アカデミー賞のアニメーション作品賞を受賞しています。
海辺の家に住む宗介は家出してきた魚のポニョと出会います。すぐに意気投合して仲よくなる2人ですが、元人間でポニョの親であるフジモトがポニョを連れ戻しに地上にやってくるのでした。ポニョと宗介はどうなっていくのでしょうか。
ハウルの動く城以来、4年ぶりに宮崎駿が監督をした作品で、アニメーションだからこそ映える映像演出が見どころ。ジブリ映画が大好きという方におすすめです。
第12位 借りぐらしのアリエッティ – 米林宏昌
2010年公開・上映時間:94分

イギリス人作家のメアリー・ノートンによる児童文学『床下の小人たち』を映画化したジブリ作品です。
身長10cmの種族である小人は人間の家の床下に居を構え、生活必需品を少しずつ借りて暮らしていました。小人の1人であるアリエッティはある夜、いつものように生活必需品を借りるために人間の家に赴きます。しかし、そこで人間の少年に姿を見られてしまうのでした。
滅びゆく種族である小人による哀愁と人間への対応が見どころです。基本的に人間を畏怖の対象としていますが、そうではない人間がいることに対してアリエッティの心が動く様子は見ごたえがあります。文学作品が好きな方におすすめです。
第13位 平成狸合戦ぽんぽこ – 高畑勲
1994年公開・上映時間:119分

当時社会問題になっていた環境破壊をテーマにしたジブリ映画です。アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門グランプリを受賞しています。
東京の多摩丘陵に住むタヌキたちは宅地開発により、住む場所を追われていました。少なくなった土地をめぐって、タヌキたちは縄張り争いを始めます。
このままでは住む土地そのものが全てなくなってしまうと危機感を覚え、宅地開発を断念させるために一致団結します。宅地開発を辞めさせようと画策するタヌキたちはどうするのでしょうか。
本作品は、環境破壊の裏に動物たちが住む場所を追われるという警鐘を鳴らしています。現代でも通じるテーマを取り扱っていますが、ユーモラスに描くことで多くの人が見やすい映画となっています。
第14位 猫の恩返し – 森田宏幸
2002年公開・上映時間:75分

『耳をすませば』の原作者、柊あおいによる漫画『バロン 猫の男爵』を映画化したジブリ作品。耳をすませばのキャラクターが登場するスピンオフ作品です。
ある日、車に引かれそうになっていた猫を助けた女子高生のハル。助けた猫は猫の国の王子様で、ハルは恩返しとして猫の国に招待されます。
ハルは気楽な猫の世界を気に入りますが、「このまま猫になるのもいいかも」と口走ったことで王子の妃候補になり、猫の姿に変えられてしまうのでした。ハルは人間の世界へ帰れるのでしょうか。
耳をすませばの主人公である月島雫が生み出した猫の男爵バロンの活躍が見どころです。バロンの紳士的な立ち振る舞いとかっこよさは見ごたえがあります。耳をすませばを見た方にもおすすめの作品です。
第15位 おもひでぽろぽろ – 高畑勲
1991年公開・上映時間:119分

岡本螢・刀根夕子による同盟漫画を映画化したジブリ作品です。日本アカデミー賞にノミネートされ、柳葉敏郎や今井美樹を声優に迎えた作品です。
1982年の夏に10日間の休暇を取った会社員のタエ子は姉の夫の親戚が暮らす山形へ旅に出ます。東京育ちのタエ子は小学5年生の頃、田舎がなくて寂しい思いをしていましたが、旅の途中に小学5年生の頃の記憶を思い出すのでした。
小学生の頃の記憶を思い出しながら自分がどのように生きていきたいかを見つめる様子が見どころで、ヒューマンドラマが好きな方におすすめです。
第16位 君たちはどう生きるか – 宮﨑駿
2023年公開・上映時間:124分

宮崎駿が引退を撤回して風立ちぬ以降、10年ぶりに制作したジブリ映画です。宮崎駿自身の少年時代を重ねたファンタジー作品で、第96回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、興行収入90億円を超える大ヒットを記録しました。
母親を火事で失った眞人は父親と共に東京を離れて青鷺屋敷と呼ばれる屋敷に引っ越しました。眞人は新しい母親の夏子に複雑な感情を抱き、転校先でもなじめません。
そんなある日、不思議な青サギと出会います。その青サギに導かれて生と死が混同する不思議な世界に導かれていくのですが……。
映像美と音楽のクオリティに加え、深いメッセージ性を持つ作品として国内外で高く評価されています。ストーリーの解釈は観客に委ねられており、何度も観たくなる構成が話題になりました。宮崎駿の集大成ともいえる冒険ファンタジーを体験したい方におすすめです。
第17位 コクリコ坂から – 宮崎吾朗
2011年公開・上映時間:91分

高橋千鶴・佐山哲郎による同名の少女漫画を映画化したジブリ作品です。宮崎駿の息子であり、ゲド戦記を手掛けた宮崎吾朗が5年ぶりに制作しました。
コクリコ荘で暮らす16歳の少女、海は船乗りの父に教わった信号旗を毎日海に向かって挙げていました。
ある日、海の通う高校にある文化部部室の建物、通称カルチェラタンが取り壊す話が持ち上がり、その話に反対する学生運動が起きます。学生運動に巻き込まれる海ですが、その最中に意外な事実が判明するのでした……。
1968年の横浜を舞台にノスタルジックな雰囲気が魅力の映画です。登場人物の個性が強く、爽やかであるため、見終わった後に爽快感が残ります。東京オリンピック前年が舞台であるため、当時の雰囲気を感じたい方におすすめです。
第18位 火垂るの墓 – 高畑勲
1988年公開・上映時間:88分

となりのトトロと同時上映された高畑勲監督によるジブリ作品です。終戦を目前にした神戸を舞台に戦災孤児を主人公にした映画で、反戦をテーマにしたジブリ作品です。
昭和20年の夏、母と暮らす14歳の清太と4歳の節子は空襲によって母を亡くし、家も焼かれてしまいました。父も出征中であるため、2人は親戚の家に身を寄せますが、邪魔者扱いをされてしまいます。
ある日、耐えきれなくなった清太は節子を連れて、家を飛び出してしまいました。2人は防空壕に住み始めますが、頼る当てもないため、次第に食べる物がなくなっていき……。
戦争をテーマにした映画は戦場が舞台になることがありますが、火垂るの墓は一般市民にスポットを当てた映画です。当時の苦しい生活をリアルに描き、戦争がいかに不毛であるかを描いています。暗く辛いシーンが避けられない映画ですが、多くの方に一度は観てほしいジブリ映画です。
第19位 かぐや姫の物語 – 高畑勲
2013年公開・上映時間:137分

日本最古の物語文学『竹取物語』を原作に、高畑勲監督が自然と人間の愛しさを描いたジブリ映画。手描き風の独特なアニメーション技法で話題を呼び、第87回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされました。企画開始から8年の歳月をかけて制作され、高畑勲監督の遺作としても語り継がれています。
竹を取って暮らす翁と媼が、光り輝く竹の中から手のひらほどの小さな姫を発見。「かぐや姫」と名付けられた彼女は、山里で自然と共に自由に育ち、草花や小動物たちと戯れる日々を過ごしました。しかし、翁は姫の幸せを思い、彼女を都へ連れて行き高貴な暮らしをさせようとします。
都ではかぐや姫の美しさが噂となり、5人の貴公子が求婚しますが、かぐや姫は彼らに無理難題を出して拒み続けました。やがて、帝のもとにも噂が届き、かぐや姫に強引に言い寄りますが……。
手描きアニメーションの美しさと、かぐや姫の心情を丁寧に描いた作品。繊細で詩的な映像表現に加え、生きることの尊さや、別れの切なさを描いた深いメッセージ性が評価されています。高畑勲監督が人生の集大成として描いた、感動的な作品を観たい方におすすめです。
第19位 ゲド戦記 – 宮崎吾朗
2006年公開・上映時間:115分

ナルニア国物語・指輪物語と並び、3大ファンタジーのひとつに数えられる作品をアニメーション化したジブリ映画です。宮崎駿の息子である宮崎吾郎の初監督作品です。
西海域の果てに棲む竜が人間世界に現れ、出現以降、世界各地で異常が起き、世界の均衡が崩れていました。
世界で最も偉大な魔法使いであるハイタカは世界に災いをもたらす源を探る旅の途中で、国を捨てた王子のアレンと出会います。世界を脅かす災いの背後にはかつてハイタカと戦い、敗れたクモと呼ばれる男の存在があるのでした。
最初は闇に怯えていたアレンが乗り越えて生への使命を果たす成長が見どころです。また、挿入歌である『テルーの唄』は映画に引き込まれる雰囲気があります。ファンタジーが好きな方におすすめです。
第20位 思い出のマーニー – 米林宏昌
2014年公開・上映時間:103分

ジョーン・G・ロビンソンによる同名の自動文学を映画化したジブリ映画です。マーニー役には俳優の有村架純を起用しています。
過去のある出来事から心を閉ざしてしまった少女の杏奈は持病である喘息の治療のため、田舎にある親戚の家で夏の間、過ごすことになります。
同世代の子供たちとなじめない杏奈でしたが、湿っ地屋敷と呼ばれる屋敷で不思議な少女のマーニーと出会うのでした。
マーニーを通じて成長していく杏奈の姿が見どころです。マーニーとの交流によって心を通わせていく姿は美しく見ごたえがあります。ヒューマンドラマが好きな方におすすめです。
第位 ホーホケキョ となりの山田くん – 高畑勲
1999年公開・上映時間:104分

平凡な日本の家族の日常をユーモラスに描いたジブリ映画です。いしいひさいちの人気4コマ漫画が原作。スタジオジブリ初のフルデジタル制作作品であり、水彩画風の独特な映像表現で話題を呼びました。
夫のたかし、妻のまつ子、祖母しげ、長男のぼる、長女ののの子の山田家5人。時に雨の日や風の日を迎えながらも、ささやかで普通の毎日を送っています。
祖母が迷子になったり、子供たちが喧嘩をしたり、夫婦が小さなすれ違いをしたり。季節の移ろいとともに展開する何気ない日常のエピソードの数々。俳句のように簡潔ながら美しい演出で、家族の絆とそれぞれの個性、普通の幸せが丁寧に紡がれていきます。
シンプルな日常描写の中にも深い愛情とあたたかさが込められている作品です。従来の3倍の作画枚数を使用しているといわれ、素描風の粗い線と淡い色調で表現された映像美が印象的。矢野顕子の音楽とともに、心あたたまる家族の物語を観たい方におすすめです。
日本が世界に誇るアニメーション会社であるスタジオジブリ。どの作品も素晴らしく、大人も子供も楽しめる名作です。また、美術が素晴らしく、作品の世界観に引き込まれるため、映画に没入しやすいのが特徴です。ぜひお気に入りの作品を見つけてください。