1997年に連続ドラマとして放送され、社会現象を巻き起こした『踊る大捜査線』。刑事ドラマの常識を覆すユーモアとリアリティ、そして人間味あふれるキャラクターが支持され、劇場版も大ヒットを記録しました。シリーズを通して一貫したテーマと時代を映す描写が魅力ですが、スピンオフや特別編も多く、どの順番で観ればよいか迷う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、『踊る大捜査線』シリーズの劇場版を中心に、公開順で一覧にまとめてご紹介します。
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踊る大捜査線シリーズの映画最新作
踊る大捜査線 N.E.W. – 本広克行
2026年秋公開予定

シリーズ累計興行収入500億円を突破した国民的人気シリーズの最新作『踊る大捜査線 N.E.W.』。織田裕二が演じる青島俊作が主役の本編としては、『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来14年ぶりとなります。プロデュース・亀山千広、脚本・君塚良一、監督・本広克行という黄金トリオが再び集結しました。柳葉敏郎演じる室井慎次の出演も発表されています。
警視庁捜査支援分析センターの警部補となった青島俊作。周囲では世代交代が進む中、彼は変わらずに現場で働き続けています。そんな青島が担う役割とは、次の世代へ「繋いでいく人」としての物語。果たして、青島はどんな事件に立ち向かい、何を次世代へ受け継いでいくのでしょうか……?
2025年10月にクランクインし、約400人のエキストラと共に新宿の街を疾走するシーンが撮影されました。子供から大人まで誰もが楽しめる「笑って泣ける」エンターテインメントを目指して制作が進められている本作。『踊る大捜査線』シリーズのファンはもちろん、刑事モノが好きな方におすすめです。
踊る大捜査線シリーズの映画一覧
踊る大捜査線 THE MOVIE – 本広克行
1998年公開・上映時間:119分

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観客動員700万人、興行収入101億円という実写邦画として空前の大ヒットを記録した『踊る大捜査線 THE MOVIE』。織田裕二・柳葉敏郎・深津絵里・いかりや長介ら豪華キャストが出演しています。第22回日本アカデミー賞では、いかりや長介が最優秀助演男優賞を受賞しました。警察組織の縦割り構造と現場で奮闘する刑事たちの姿をリアルに描いた作品です。
湾岸署管轄の川で、体内にぬいぐるみを詰められた水死体が発見されます。時を同じくして刑事課で窃盗事件が発生。さらに管轄内に住む警視庁副総監が誘拐され、湾岸署に捜査本部が設置されることになります。青島は不可解な事件の連鎖を追い、やがて3つの事件が1つにつながっていることに気づき……?
人気テレビドラマの劇場版第1作として製作された本作。組織と個人の対立、上層部と現場の温度差といった重厚なテーマを、コメディタッチとシリアスな場面を織り交ぜながら表現しています。事件の意外な真相と、現場の刑事たちが見せるチームワークが見どころです。スケールの大きい邦画サスペンスを楽しみたい方におすすめです。
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踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! – 本広克行
2003年公開・上映時間:138分

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22年間にわたり邦画実写作品として歴代最高の興行収入を保持していた『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』。本広克行監督のもと、観客動員数1260万人、興行収入173.5億円を達成し、2003年の国内劇場公開映画で第1位となりました。織田裕二・柳葉敏郎に加え、新キャラクターとして真矢みきが女性管理官・沖田役で参加しています。
ある日、猟奇的な殺人事件が発生し、さらに別の場所でも同様の手口による遺体が見つかります。連続殺人事件の捜査本部が湾岸署に設置され、所轄と本庁との間で緊張が高まるなか、犯人がお台場に潜伏している可能性が浮上。ついにレインボーブリッジ封鎖という前代未聞の作戦が発動されることになりますが、事件はさらなる展開を見せ……?
複数の事件が同時進行で展開される本作。所轄の刑事と本庁のキャリアとの確執、そして現場で起きる予測不能なトラブルが次々と描かれていきます。青島と室井それぞれの立場から見た正義がぶつかり合う展開も見どころです。シリーズ最大規模で展開される邦画サスペンスを観たい方におすすめです。
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・Blu-ray / DVD
交渉人 真下正義 – 本広克行
2005年公開・上映時間:127分

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ユースケ・サンタマリア演じる真下正義を主人公に据えたスピンオフ作品『交渉人 真下正義』。「踊る大捜査線」シリーズのコミカルな一面を担ってきたキャラクターが、警視庁の交渉人として正体不明の犯人と対峙します。國村隼・寺島進・小泉孝太郎ら新たな俳優陣も加わり、本編とは異なるサスペンスが展開されました。
クリスマスイブの東京。地下鉄の最新鋭実験車両〈クモE4-600〉が何者かに乗っ取られます。犯人はネットを通じて車両を遠隔操作し、地下鉄網を縦横無尽に走らせ始めました。交渉の窓口として指名されたのは、警視庁初の交渉人として交渉課準備室を率いる真下。顔も目的も分からない犯人との駆け引きが始まりますが、果たして真下は東京を守れるのでしょうか……?
地下鉄網を舞台にしたスリリングな映像が特徴の本作。列車の暴走シーンや管制室での緊迫したやり取りがスリリングに展開されていきます。普段はお調子者の真下が、命がけの交渉に臨む姿も見どころです。本編とは一味違う緊張感のあるサスペンスを楽しみたい方におすすめです。
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容疑者 室井慎次 – 君塚良一
2005年公開・上映時間:116分

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警察組織の中で理想を追い続けてきた室井慎次が「容疑者」となる異色の物語『容疑者 室井慎次』。テレビシリーズから脚本を担当してきた君塚良一が本作では監督と脚本を務めました。柳葉敏郎を主演に、田中麗奈・哀川翔・柄本明ら演技派俳優が脇を固め、法廷サスペンスとしての重厚なドラマが展開されています。
室井は殺人事件の捜査本部長を務めていましたが、被疑者が逃走中に車にはねられ死亡する事態が発生します。遺族からの刑事告訴により、室井は「容疑者」として逮捕されることに。これまで正義を信じて組織内で戦ってきた男が、今度は組織そのものから追い詰められていきます。果たして室井は、自らの潔白を証明できるのでしょうか……?
窮地に立たされながらも信念を曲げない室井の姿を描いた本作。アクションよりも人間ドラマに重点が置かれ、警察内部の政治的な駆け引きがリアルに表現されています。法廷シーンでの緊迫したやり取りも見どころです。シリーズの中でも異色の法廷サスペンスを観たい方におすすめです。
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・Blu-ray / DVD
踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ! – 本広克行
2010年公開・上映時間:141分

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本広克行監督による、シリーズの劇場版としては7年越しとなる『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』。織田裕二・柳葉敏郎・深津絵里らメインキャストが再集結し、新たに小栗旬や伊藤淳史が参加しています。興行収入73.1億円を記録し、2010年度の実写邦画で最高の観客動員数となりました。
新湾岸署の完成を控えた移転作業中、武器庫から拳銃が盗まれる事件が発生。盗まれた拳銃による殺人事件も起き、犯人からの要求が届きます。それは過去に青島が逮捕した犯罪者たちの釈放。青島は事件の裏に潜む真相を追いますが、やがてかつての宿敵との対決へと発展していき……?
シリーズ過去作の登場人物が再登場する本作。複数の事件が絡み合いながら進行し、過去のエピソードとの関連が徐々に明かされていく構成になっています。7年の空白を感じさせないキャスト陣の掛け合いも健在で、長くシリーズを追ってきたファンには特に刺さる内容です。スケールの大きい邦画サスペンスを楽しみたい方にもおすすめです。
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・Blu-ray
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 – 本広克行
2012年公開・上映時間:126分

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15年にわたるシリーズの完結編として製作された『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』。織田裕二・柳葉敏郎・深津絵里をはじめとするおなじみのキャストが集結し、青島と室井の物語に決着をつけています。興行収入59.7億円を記録し、公開初週から映画ランキング第1位を獲得しました。
湾岸署管内で開催中の国際環境エネルギーサミット会場で誘拐事件が発生し、被害者は射殺体で発見されます。使用された拳銃は警察の押収品であり、捜査本部は情報を隠蔽。やがて連続殺人事件へと発展し、さらには真下の息子が誘拐される事態に。冤罪を着せられ警察手帳を奪われた青島は、室井の命を受けて事件解決に奔走します。
シリーズの集大成として、青島と室井の関係性に焦点を当てた本作。組織の壁を越えようと奮闘してきた2人がたどり着く答えが描かれています。これまでのシリーズを振り返るような場面も散りばめられており、最終作にふさわしい内容です。シリーズを見届けたい方はチェックしてみてください。
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室井慎次 敗れざる者 – 本広克行
2024年公開・上映時間:115分

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1997年のTVドラマ放送開始から愛され続けてきた「踊る大捜査線」シリーズの劇場版最新作『室井慎次 敗れざる者』。柳葉敏郎、筧利夫、真矢ミキらシリーズを支えてきたキャストに加え、福本莉子や松下洸平といった新たな顔ぶれも加わっています。前作『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から12年、室井を主人公にした作品としては『容疑者 室井慎次』以来19年ぶりの復活です。
警察を辞め、故郷の秋田に戻った室井慎次。事件の被害者家族・加害者家族を支援したいという思いから、身寄りのない少年たちの里親として静かに暮らしていました。しかしある日、彼の前に謎の少女が現れ、同時に近くで他殺と思われる遺体が発見されます。その少女・日向杏は、かつて湾岸署を占拠した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘でした。穏やかだった日常は一変し、室井は再び事件の渦中へ……?
2部作構成の前編として、新たな物語の幕開けを丁寧に描いた本作。プロデュース・亀山千広、脚本・君塚良一、監督・本広克行という「踊る大捜査線」シリーズを築き上げてきたスタッフが再結集しています。シリーズのファンはもちろん、ヒューマンドラマを楽しみたい方にもおすすめです。
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室井慎次 生き続ける者 – 本広克行
2024年公開・上映時間:117分

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「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフ映画2部作の後編『室井慎次 生き続ける者』。前編『敗れざる者』で描かれた事件の真相に迫りながら、室井慎次という男の生き様が描かれています。柳葉敏郎を筆頭に、松下洸平演じる若手刑事・桜や、福本莉子演じる日向杏など、新旧キャストの共演も見どころです。
秋田県警本部長となったかつての同僚・新城に頼まれ、警視庁捜査一課の若手刑事・桜とともに捜査に協力することになった室井。そんな彼のもとに、服役を終えて出所してきたリクの父親が訪ねてきます。猟奇殺人犯の娘である杏の存在、そして里親として育ててきた少年たちの過去。すべてが交錯する中、室井はどんな決断を下すのでしょうか……?
シリーズ27年の集大成として、室井が歩んできた道のりを振り返りつつ完結へと向かう本作。室井を中心に据えながらも、彼を取り巻く人々の姿が丁寧に描写されています。「踊る大捜査線」シリーズを追い続けてきたファンに届けたい作品です。
・配信サイト
・Blu-ray / DVD
















『踊る大捜査線』は、登場人物の成長や社会背景の変化が丁寧に描かれているシリーズです。とくに劇場版は、テレビシリーズの延長として楽しめるだけでなく、それぞれに明確なテーマやメッセージが込められています。本記事を参考に、時系列やテーマごとに整理しながら、改めてシリーズを振り返ってみてください。