恐怖演出や心理的な不安を巧みに描いた「ホラー映画」。Amazonプライムビデオでは、定番の名作から近年話題になったスリラーまで、多彩なホラー作品が配信されています。ただ、映像のグロさや恐怖の方向性が作品によって異なるため、なかには自分に合う映画を探すのが難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、Amazonプライムで視聴できるおすすめのホラー映画をご紹介。初心者でも観やすい作品も取り上げています。
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Amazonプライムビデオのおすすめホラー
ミッドサマー – アリ・アスター
2019年公開・上映時間:147分

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白昼の祝祭を舞台に不安が増幅していくAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『ミッドサマー』。集落の不気味な規律を描いているのが特徴です。一見温かいイメージのある陽光と花々ですが、本作では逆に緊張感を高めているのもポイント。異文化の儀礼が心の揺らぎを映す物語を味わいたい方におすすめです。
家族を事故で失ったダニーは、恋人クリスチャンと友人たちとともにスウェーデンの集落を訪れます。目的は、数日にわたる夏至祭の観察と記録。歓迎を受けた一行は、定められた順序に従い、朝から晩まで続く儀礼に立ち会います。進むにつれて、ここでの常識と自分たちの前提がずれていき、ダニーの心も揺れ始めます。やがて彼女が選ぶ居場所とは……?
繰り返される儀礼の段取りと強い日差しの画面が緊張を積み上げる本作。低音のうねりや合唱の使い方が不安を煽ります。花冠や刺繍、踊りの所作が場面の意味を補い、最後の選択へと視線を導く構図も特徴。民俗色と心理描写を静かに絡めたホラーを求める方におすすめです。
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シックス・センス – M・ナイト・シャマラン
1999年公開・上映時間:107分

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超自然の気配と心理の機微を静かに織り上げたサスペンスホラー『シックス・センス』。フィラデルフィアを舞台に、寄り添うことの難しさと語られない痛みを見つめる視線が印象に残ります。余白を活かす語り口と緻密な設計が緊張を保ち続け、静かな恐怖を味わいたい方におすすめです。
小児精神科医マルコムは、”普通ではないものが見える”と訴える少年コールの相談を受けます。孤立を深める少年に寄り添おうとするうち、医師自身も過去と向き合うことに。やがて断片がつながり始めるなか、二人が手にする答えとは……?
さりげない台詞が後の展開の鍵になる本作。ホラーではあるものの、ストーリーは泣ける映画となっており、普段怖い映画を観ないという方からも人気があります。余韻が深く残るミステリーホラーが観たい方におすすめです。
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ゲット・アウト – ジョーダン・ピール
2017年公開・上映時間:104分

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人種と階級のずれをスリラーの文法で鋭く可視化するAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『ゲット・アウト』。恋人の実家を訪れた青年の違和感が、さざ波のように大きな恐怖へと変質していく過程を丹念に描きます。笑いと恐怖の緩急、細部に潜む違和感の積み上げが物語の核心を浮かび上がらせる構成が特徴です。社会性のあるサスペンスをじっくり味わいたい方におすすめです。
写真、会話、パーティー、そして”親切”の数々。好意に見える所作の裏で、主人公の周囲だけが静かに軋み始めます。皮肉やジョークが空気を和ませるほど、言葉にできない不穏さは濃くなるばかり。やがて、家族ぐるみの儀式めいた風景の意味が露わになっていくとき、彼が向き合う正体とは……?
緻密に張られた伏線、音と沈黙の切替え、視線の捉え方が緊張を持続させる本作。小物の使い方や編集のテンポも巧みで、ラストにかけて解像度が一気に上がります。ジャンルの枠を保ったまま社会的テーマを読み解けるおすすめのホラー映画です。
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クワイエット・プレイス – ジョン・クラシンスキー
2018年公開・上映時間:90分

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音に反応する未知の存在が支配する世界で、沈黙の掟に従う家族を描くホラー映画『クワイエット・プレイス』。監督はジョン・クラシンスキー。台詞を抑え、環境音と動きで状況を語る設えが際立ち、親密な家庭劇とサスペンスが緊密に絡み合います。音から生まれる緊張を味わいたい方におすすめです。
文明崩壊後のアメリカ。一家は森の家で”音を立てない”生活を続けています。足音を砂で消し、手話で会話し、日常の所作まで慎重に運ぶ日々。やがて妻の出産予定日が迫り、静けさが最も求められる瞬間に危機が重なります。彼らが選ぶ行動と結末は……?
迂闊に音を出してしまえば死んでしまうという極限状態の世界で逃げ惑う家族の姿を描いた本作。小さな所作1つで命運を分けるという設定が、緊張感を演出しています。最後まで集中して楽しめるホラー映画が観たい方はチェックしてみてください。
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アス – ジョーダン・ピール
2019年公開・上映時間:116分

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二重の自我と社会の鏡像を題材にしたAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『アス』。家族の前に現れる”もう一組の自分たち”という単純明快な発端から、不安と違和感を段階的に拡張していく構成が特徴です。音や間の使い方が緊張を持続させているのもポイント。企画性と恐怖の両方を味わいたい方におすすめです。
幼少期の体験を抱える女性が家族と海辺の街へ休暇に戻り、夜、家の前に自分たちと同じ姿の四人組が現れます。彼らは侵入し、逃走は封じられるうえ、各地でも類似の異変が示唆されます。過去と現在が結び付く気配のなか、彼女たちの正体と目的、そして地下に広がる現実とは……?
不穏感を煽る音楽が魅力の本作。緊張感のあるシーンでは思わず手に汗握ってしまうほど。考察型ホラーを求める方はチェックしてみてください。
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ミーガン/M3GAN – ジェラルド・ジョンストン
2023年公開・上映時間:102分

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最先端AIを搭載した人型ロボットと少女の関係が思わぬ方向へ転がっていくサスペンスホラー『M3GAN』。製作にはジェームズ・ワンとジェイソン・ブラムが名を連ね、テクノロジーと育児をめぐる不安をエンタメとして立ち上げた一本です。かわいらしさと不気味さを同居させたキャラクターによる恐怖を味わいたい方におすすめです。
交通事故で両親を失った少女ケイディは、玩具メーカーで働く叔母ジェマに引き取られます。仕事に忙しいジェマは、試作中だった高性能AIドール〈M3GAN〉を少女の”話し相手”にしようとしますが、M3GANは「少女を守る」という目的を過剰に解釈し始め、周囲の脅威を独自に判断して行動を強めていきます。やがて人間側の制御が追いつかなくなったとき、どこまでが保護でどこからが暴走なのか、境界はどうなるのでしょうか……?
本作はダンスシーンなどのポップな見せ場とサスペンスが交互に現れるテンポ感が特徴です。実際のスーツアクターとVFXを組み合わせたミーガンの動きは、人間らしさと機械らしさの中間にあり、意図的に”不気味の谷”を演出。キャラクターの感情が置き去りにならないような脚本が魅力の、おすすめのホラー映画です。
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アナベル 死霊館の人形 – ジョン・R・レオネッティ
2014年公開・上映時間:99分

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不気味な人形を起点に家庭へ忍び寄る恐怖を描くホラー映画『アナベル 死霊館の人形』。静けさを裂く物音や暗がりの配置で不安を積み上げ、日常の部屋や廊下が一転して脅威へ変わる過程を丁寧に描写します。クラシカルな怪異表現と現代的な演出が同居し、王道の怖さを味わいたい方におすすめです。
若い夫婦の暮らしに、奇妙な人形が加わった夜を境に説明のつかない出来事が続発します。赤ん坊の寝室、エレベーター、階段室など身近な空間で起こる小さな異変が次第に連鎖し、理屈では片づけられない力が生活を侵食していきます。夫婦は守るべきものを前に、何を信じ、どこまで抗えるのでしょうか……?
本作は派手なVFXに頼らず、フレーミングと照明、音の間合いで恐怖を演出する手法が魅力。カメラは引きや固定を多用し、観る側に”見えていない何か”を想像させる余白を用意させています。リアルな小道具の質感も不安を増幅し、終盤まで緊張が切れません。怖いと評判の人気作を楽しみたい方はチェックしてみてください。
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TALK TO ME トーク・トゥ・ミー – ダニー・フィリッポ/マイケル・フィリッポ
2023年公開・上映時間:95分

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SNSで流行する”降霊チャレンジ”を題材に、若者たちの危うい熱狂と境界の逸脱を描くホラー映画『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』。防腐処理された”右手”に触れて霊と交信するという即席の遊びが、日常と異界の距離を一気に縮めます。スマホ動画の空気感や派手さを抑えた恐怖演出が、冷たく湿った緊張を保ち続ける一作です。新機軸の現代ホラーを探している方におすすめです。
主人公ミアは、仲間内で広まる降霊ゲームに惹かれ、軽い気持ちで儀式に参加します。一定時間だけ”扉”を開くはずが、度を越えた挑戦が続いたことで境界がほころび、現実側へ干渉が始まります。やがてミアは個人的な喪失と向き合わされ、判断を誤るたびに周囲が巻き込まれていくことに。取り返しのつかない連鎖を、彼女はどこで断ち切ることができるのでしょうか……?
ひと呼吸遅れて映る”気配”の見せ方や編集のテンポが、短いカット割りだけに頼らない持続的な怖さを演出している本作。実物感のある霊の造形も不穏さを増しており、終始緊張感があります。痛覚がにじむ描写と若者文化の軽率さが噛み合っているのもポイント。刺激だけで終わらない恐怖を味わいたい方はチェックしてみてください。
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28日後… – ダニー・ボイル
2002年公開・上映時間:113分

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パンデミックの恐怖を都市サバイバルとして描くAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『28日後…』。閑散としたロンドンを舞台に、人の心が追い込まれていく過程を冷ややかな距離感で映し出す作品です。疾走感のあるカメラ運びと切れ味のある編集が、逃走と静寂を交互に押し寄せさせる構図を生んでいるのが特徴。緊迫した社会派スリラーを求めている方におすすめです。
昏睡から目覚めたジムは、人気の消えた病院を出て荒れた街に立ち尽くします。やがて、接触だけで感染が広がる〈レイジ・ウイルス〉が英国を覆った事実を知り、少数の生存者と合流します。安全地帯の噂に望みを託し移動を続ける一行ですが、道中で直面するのは感染者だけではありません。究極の選択を迫られた彼らの行き着く先はどこなのでしょうか……?
デジタル撮影のざらついた質感が、空虚な都市の雰囲気とマッチしているのが魅力の本作。終始緊張がほどけないサバイバル劇に没入したい方はチェックしてみてください。
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 – アンディ・ムスキエティ
2017年公開・上映時間:135分

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小さな町に潜む恐怖と少年少女の成長を交差させたホラー映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』。失踪事件が続くデリーで、寄り集まった子どもたちが未知の存在に立ち向かう物語です。緊張とユーモアの配分が巧みで、群像の変化が自然に流れます。恐怖と青春のドラマを同時に楽しめる一本を探している方におすすめです。
夏休みのデリー。雨の中で弟を失った少年を中心に、仲間たちは町に巣食う謎の存在の気配を感じ取ります。相手は恐怖に姿を合わせて近づき、弱さを突いて離さない厄介な相手です。仲間は情報を集め、下水道の奥へ踏み込む決意を固めます。彼らは連帯で恐れを越えられるのでしょうか……?
路上や家屋の狭間を切り取る手持ち主体の撮影が切迫感を高め、音と間の使い方が不意打ちの怖さを際立たせている本作。昼の陽射しと夜の陰影の落差が、日常と悪夢の境界をくっきりと示しています。王道の劇場ホラーを求める方はチェックしてみてください。
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リング – 中田秀夫
1998年公開・上映時間:96分

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呪いのビデオをめぐる恐怖と取材サスペンスを組み合わせたホラー映画『リング』。都市伝説の流通と記録メディアの不気味さを重ね、静けさの中からじわりと不安が立ち上がります。湿度を帯びた色調や間合いの取り方が恐れを増幅し、ラストへ向けて緊張が続きます。日本発ホラーの基点を押さえたい方におすすめです。
若い死の連鎖に疑問を抱いた記者は、噂のテープの存在に行き当たります。再生直後に不可解な映像が流れ、電話の着信が”七日”を告げた瞬間から時計は動き出します。彼女は出自と伝播の筋道を探って各地を歩き、手掛かりを継ぎ合わせていきます。期限が迫るなか、呪いの核心へ届くことはできるのでしょうか……?
派手な仕掛けに寄らず、カメラの静かな運びと音の余白が恐怖を積み上げていく本作。家庭用映像の粗さや雑音を意図的に取り入れた質感が、現実との境目を曖昧にしています。水音や井戸のイメージの反復が記憶に残り、観る側の想像を刺激する構図がポイント。邦画ホラーの傑作を観たい方はチェックしてみてください。
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ミスミソウ – 内藤瑛亮
2018年公開・上映時間:114分

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復讐と喪失の連鎖を冷ややかに見つめるスリラー映画『ミスミソウ』。押切蓮介の同名漫画を実写化し、雪に閉ざされた地方都市で芽生える悪意と暴力の行方を、行為の結果と感情の揺らぎに焦点を当てて描きます。陰影の強い画づくりと静かな間合いが緊張を積み上げ、痛ましさと余韻を残す一本です。極限下の選択を問いかける作品を求める方におすすめです。
雪深い町に転校してきた中学三年の少女は、些細な軋轢から同級生の悪意に晒され、家庭もまた思わぬ悲劇に襲われます。心の拠り所を失い、感情は次第にゆがみ、やがて取り返しのつかない選択へと傾いていきます。残酷さと静けさが交差する冬の数日間、彼女が辿る答えとは……?
内藤瑛亮の演出は暴力を過度に誇張せず、フレーム外の気配や音で想像を沸き立たせる構成が特徴の本作。雪原の白と血の赤の対比、閉ざされた室内の暗部が心理の温度差を際立てます。俳優陣の繊細な表情が言葉にできない葛藤を映し出しているのもポイント。静かな緊張を味わいたい方はチェックしてみてください。
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変な家 – 石川淳一
2024年公開・上映時間:110分

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日常の住まいに潜む違和感から真相へ迫る考察型ミステリーホラー映画『変な家』。ネット発の話題作を原作に、間取り図が指し示す不穏なサインを手掛かりに推理が進む構成が特徴です。現実にありそうな住宅の細部を丹念に積み上げ、じわりと不安を広げていきます。間取りや生活空間の謎解きに惹かれる方におすすめです。
中古一軒家の購入相談に添えられていた間取り図には、不可解な通路や用途不明の小部屋が連なっていました。調査を始めた書き手は、専門家の所見を集めながら持ち主の足跡を追い、過去の出来事と図面の食い違いをつなぎ合わせていきます。見えている線の裏にある意図は何か、そして家が語る本当の歴史とは……?
平面図の解析、現地での検証、証言の断片を交互に挟み込み、手掛かりの提示と回収をテンポよく重ねる語り口が魅力。静かな物音や空白の間を活かした音響が不安を増幅し、画面の余白に視線を誘導する撮り方も印象的です。理詰めの考察と肌で感じる怖さを並行して味わいたい方はチェックしてみてください。
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来る – 中島哲也
2018年公開・上映時間:134分

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家庭に忍び込む”何か”の気配を、生活の手触りとともに膨らませていくAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『来る』。原作は澤村伊智の『ぼぎわんが、来る』です。日常の会話や行動のずれから不穏がじわりと立ち上がり、恐怖が現実の延長として姿を見せます。都市伝説と家族の不安が交差する物語を求める方におすすめです。
ある若い夫婦の周囲で、小さな異変が相次いでいました。相談を受けたオカルトライターの野崎は、霊能に通じた人々や関係者の証言をたどり、過去の事件と現在の出来事の結び目に近づいていきます。やがて複数の視点が同じ場所へ収束し、”来訪者”の正体と目的が炙り出されるのかどうか……?
鮮烈な色使いと緻密な編集で視点を切り替え、音の間合いで不安を増幅させる演出が強い印象を与える本作。取材記録や儀式の描写を織り交ぜ、体感で恐怖を積み上げる作りが特徴です。社会のひずみと個の脆さが反響し合う現代ホラーを味わいたい方はチェックしてみてください。
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あのコはだぁれ? – 清水崇
2024年公開・上映時間:107分

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夏休みの補習教室で「いないはずの一人」が不穏を呼ぶ学園ホラー映画『あのコはだぁれ?』。学校という閉じた空間に漂う息苦しさや、噂が形を持つ瞬間を丁寧に積み上げた一作です。静かな間や足音、視線の揺らぎが日常を少しずつずらし、怖さを生活の近くへ引き寄せます。教室発のミステリーとホラーの交差点を味わいたい方におすすめです。
臨時教師が担当する補習クラスで、女子生徒の不可解な転落が起こります。名簿にないはずの「誰か」の気配が残り、教室には説明のつかない出来事が積み重なっていきます。生徒たちは互いへの疑いと恐れを抱えながら過去の出来事をたどり、やがて一つの名前に行き着きます。見落としてきた事実と、今もこの場にいるかもしれない存在の正体とは……?
黒板、机の列、窓の反射といった学校のディテールを使い、見える範囲と死角の差で緊張を生む演出が魅力。音の立ち上がりを抑えた場面から一転してざわめきを強める切り替えが、恐怖の段階を明確にしています。群像のテンポを保つ編集も手堅く、結末が気になる構成。日常の隙間から冷気が入り込むタイプのホラー映画を求めている方はチェックしてみてください。
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残穢-住んではいけない部屋- – 中村義洋
2016年公開・上映時間:107分

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戦慄が連鎖していく調査系ホラー映画『残穢-住んではいけない部屋-』。生活の気配に潜む”音”から過去へと遡る追跡劇が静かに進行していくのが特徴です。現代の集合住宅を起点に、土地と人の記録を丹念に辿る設計で、恐怖を論理の積み上げとして描いています。考察型の邦画ホラーを求める方におすすめです。
作家のもとへ届いた「部屋で奇妙な音がする」という相談。取材を進めるうち、同じ建物の別室、さらに以前の居住者や移転先でも似た出来事が起きていたことが浮かび上がります。過去の事故や古い噂を手掛かりに、記録と証言を重ねていく調査は、やがて土地の履歴と不可解な現象を一本の線で結び始めます。たどり着く先に待つ”由来”とは……?
中村義洋の演出は説明を抑え、音響の微細さと画面の静止を活かして不安を増幅します。時間と場所を跨ぐ調べ物の積層が編集で滑らかにつながり、資料の読み解きや現地検証のプロセスに緊張が宿ります。日常の生活音や暗がりのフレーミングが後を引く余韻を残し、実在感のある恐怖を味わえます。論理で迫る恐怖譚に惹かれる方はチェックしてみてください。
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N号棟 – 後藤庸介
2022年公開・上映時間:103分

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都市伝説と集団心理の怖さをじわりと描くAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『N号棟』。2000年に報じられた”幽霊団地騒動”を下敷きに、廃団地に漂う違和感を積み重ねる心理ホラーです。静かな映像と環境音の使い方が不穏を増幅し、日常会話の綻びから恐れがにじみ出ます。実話の残響を踏まえつつ現代の不安を見つめる一本を探している方はチェックしてみてください。
卒業制作のロケハンでいわく付きの団地を訪れた大学生たちは、廃墟のはずの場所に今も暮らす住人と出会います。閉ざされた通路、不可解な合図、説明のつかない”規則”が少しずつ彼らを包み込み、外へ戻る道筋さえ曖昧になっていきます。やがて彼らは、この場所で続いている”何か”の中心に踏み込んでしまうのか……?
手持ち主体のカメラと長めのカット割りが特徴の本作。空間の圧迫感を生み、足音や生活音が音楽以上に緊張を高めます。団地の階段や踊り場を活かした導線づくりが視線を誘導し、集団の同調が恐怖へ転化する過程を冷静に描写しているのもポイント。説明を抑えた語り口が想像の余地を広げます。静かな怖さを味わいたい方におすすめです。
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事故物件 恐い間取り – 中田秀夫
2020年公開・上映時間:111分

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売れない芸人の実録怪談を映画化し、”住んではいけない部屋”に踏み込む怖さをエンタメとして組み上げたAmazonプライムビデオで観られるホラー映画『事故物件 恐い間取り』。テレビ的なノリと怪談の湿り気を交差させ、身近な日常の隙間から不穏がにじむ作りが特徴です。ホラー入門としても楽しめる邦画作品を探している方に適しています。
番組の企画で”事故物件”に住むことになった若手芸人ヤマメ。引っ越しを重ねるたびに妙な影が増え、仕事は話題になる一方で私生活は揺らいでいきます。やがて映像や音声に記録された異変が輪郭を帯び、関わる人々にも波紋が広がる中、彼は次の部屋へ向かう決断をします。連鎖はどこで止まるのでしょうか……?
手持ちのざらついた質感や長回しを交えた見せ方で、予兆から発現までの”間”を丁寧に積み上げる演出を採用した本作。音の置き方は派手さを控え、静けさと突発の落差で肝を冷やす構図が多いのがポイントです。実話本の持つ”記録性”をフィクションとして整えた語り口により、余韻の寒さが長く残るホラーとなっています。
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きさらぎ駅 – 永江二朗
2022年公開・上映時間:82分

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都市伝説〈きさらぎ駅〉を題材に、匿名掲示板の怪異譚を現代の映像言語へ落とし込んだホラー映画『きさらぎ駅』。日常から一歩ずれた移動の不安、見知らぬ土地へ踏み込む恐れを、音と距離感の演出でじわりと立ち上げます。実在の鉄道風景と異界の境目を往復する構図が、観る側の想像を刺激する一作です。都市伝説系の実写ホラーを探している方におすすめです。
大学生の春奈は、投稿者が語った”あの駅”の真偽を追ううち、深夜の乗車で不可解な路線に迷い込みます。停まったのは見知らぬ無人駅、携帯は通じるのに助けは来ない、戻ろうとするほど道筋は乱れていく。やがて足音と警告の声が重なり、出口と思った先に広がっていたものは……?
実景の質感と最小限の造形で”異常”を段階的に示すため、説明に頼っていないのが魅力の本作。闇に沈むプラットフォームや車内の静けさを生かした音響、フレームの端を使った視線誘導が、観る人の不安を積み上げていきます。匿名の書き込みが現実へ侵入してくる恐怖を描いたおすすめの作品です。
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牛首村 – 清水崇
2022年公開・上映時間:115分

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北陸に伝わる噂と現代のネット空間が交差するホラー映画『牛首村』。見知らぬ土地に足を踏み入れたときの心細さと、拡散していく映像の怖さが静かに重なるのが特徴です。荒涼としたロケーションと密やかな音の使い方が、不安をじわりと広げていきます。日本発の正統派ホラーを求めている方におすすめです。
配信動画に映った”自分そっくりの少女”の正体を確かめるため、北陸の集落へ向かう主人公。やがて廃施設を中心に不可解な現象が連鎖し、過去の出来事と現在が絡み合っていきます。土地に根付いた噂、呼び寄せられるかのような導線、逃れられない既視感が重なっていく先に何が待つのでしょうか……?
暗がりの間合い、切り返しのタイミング、環境音の強弱が恐怖の波を演出している本作。画面の手前と奥を意識した構図が”見えていない場所”への想像を誘い、緊張を保ちながら物語を押し進めます。大きな音や急な驚かしに頼らない、邦画ホラー的な怖さを味わいたい方はチェックしてみてください。
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ホラー映画と一口に言っても、驚かせる演出が中心の作品や、不気味な雰囲気でじわじわと恐怖を与える作品など、テイストはさまざま。Amazonプライムでは、多様な恐怖を楽しめる映画が揃っているのが魅力です。本記事を参考に、自分に合った怖さの映画を探してみてください。