シンプルで透明感のある文章を得意とする作家「石田衣良」。読みやすく、時代に合ったメッセージ性の強い作風は、若者からも支持されています。さまざまな賞を受賞しており、ドラマ化した作品が多いのも特徴です。

そこで今回は、石田衣良のおすすめ小説をご紹介します。石田衣良作品の魅力も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

多くのドラマ化作品を手掛ける作家「石田衣良」とは?

石田衣良は1960年生まれ、東京出身の作家です。1984年に成蹊大学を卒業し、広告制作会社に就職。その後、フリーのコピーライターとして活動します。

1997年に『池袋ウエストゲートパーク』で、オール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。2003年に『4TEEN』で直木賞、2006年に『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、さらに2013年には『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞しています。

また、ドラマ化した作品が多いのも特徴。2000年に『池袋ウエストゲートパーク』、2006年に『アキハバラ@DEEP』、2010年に『美丘』などが実写映像化されています。

石田衣良作品の魅力

石田衣良は恋愛小説から青春小説、SFファンタジー小説まで幅広いジャンルの作品を手掛けています。シンプルかつ透明感のある文章で、読者が共感しやすい小説を多く執筆しているのが魅力です。

流れるように読み進めやすい文章も特徴のひとつ。気付いたら読み終わっているけれど、少し時間をおいてまた読み返したくなるような作風は、著者自身が意識して作り出しているといわれています。

現実に起きた事件をモチーフにしたり、少年や若者を主人公にすることで、時代の流れや社会への興味が強く現れているのもポイント。メッセージ性の強い作品の数々は、大人だけでなく若い方にもおすすめです。

石田衣良のおすすめ小説

池袋ウエストゲートパーク

文藝春秋 著者:石田衣良


池袋ウエストゲートパーク

池袋を舞台に、命がけで今を生きる若者を描いた石田衣良の青春ミステリーです。シリーズ化もされている著者を代表する作品。また、アニメ化や映画化もされています。

非行に走る少年・少女、お互いを潰し合うギャング団。さまざまなトラブルが巻き起こる池袋で、若者たちは今日も街中を走り回ります。

青春小説の爽やかさとクライムノベルの危うさを両立させた、日本ミステリーの傑作。一度読み始めたら続編も読まずにはいられない、クセになる面白さを堪能したい方におすすめです。

ブルータワー

文藝春秋 著者:石田衣良

ブルータワー

石田衣良が描くSFファンタジー作品です。物語は、主人公の男が悪性脳腫瘍で死を宣告され、200年後に意識だけがタイムスリップするところから始まります。

世界は死亡率87%のウイルスが蔓延し、外出ができない状態。人類は全長2kmほどの塔の中で生活していますが、そこには完全な階級社会が成立していました。男は支配階級として生きますが、あるときに下層階級の少女と出会ったことで気持ちに変化が生まれて…。

絶望的な世界で希望を求めて戦う主人公の行動が見どころ。厳しい環境でも最後まで目的のために諦めないことの大切さを学べる作品です。

シューカツ!

文藝春秋 著者:石田衣良


シューカツ!

マスコミ業界への就職を夢見る大学生たちが就活に挑む姿を描いた青春小説。著者が若手編集者の就活事情に刺激を受けて執筆した作品です。大学3年生・水越千晴が就活仲間と「シューカツプロジェクトチーム」を立ち上げるところから物語は始まります。

目標は最難関のマスコミに全員合格すること。クールなリーダー、美しい準ミスキャンパス、理論派のメガネ男子などのメンバーが集います。はたして、彼らの就活や恋の行方は…。

就活という得体の知れないモノに立ち向かう、若者のリアルを描く爽やかな青春小説。挫折や苦悩といった生々しい部分も捉えている作品を読みたい方におすすめです。

波のうえの魔術師

文藝春秋 著者:石田衣良


波のうえの魔術師

石田衣良の経済クライムサスペンスです。2002年に『ビッグマネー! ~浮世の沙汰は株しだい~』というタイトルでテレビドラマ化されました。

謎の老投資家から復讐のパートナーに選ばれたフリーターの主人公。知識の全てをたたきこまれた主人公と老人が挑むのは、預金量第3位の大都市銀行です。勝負の行方はどうなるのでしょうか。

リアリティのある世界観が魅力の作品で、石田衣良作品の幅広さを実感できます。株や投資に興味がある方にもおすすめです。

うつくしい子ども

文藝春秋 著者:石田衣良

うつくしい子ども

40万部を突破した石田衣良の傑作ミステリーです。人気イラストレーターが手掛けた装画もポイント。現実で実際に起きた事件をモチーフに扱った作品でもあります。

閑静なニュータウンの裏山で惨殺された9歳の女の子。犯人として名が挙がったのは、主人公の弟でした。事件の真相を知るべく、兄が調査を始めて…。

暗い展開のなかでも、思春期の少年たちが無鉄砲に動き回り、悩む姿に青春を感じる1作。加害者家族の目線で考えながら読むのもおすすめの石田衣良作品です。

アキハバラ@DEEP

文藝春秋 著者:石田衣良

アキハバラ@DEEP

石田衣良の長編電脳小説です。2006年にドラマ化・映画化・漫画化され、話題になった作品でもあります。

病気のオタク青年たちとコスプレ喫茶のアイドルが裏秋葉原で出会い、ネット界に革命を起こすビジネスを生み出す物語。ネットで覇権を握ろうとする悪の帝王を相手に、オタクたちのプライドをかけた戦いが始まります。

2006年の作品ですが、今読んでも古さを感じにくいのも特徴。テンポのよいストーリーと物語に引き込む世界観を持った作品を読みたい方におすすめです。

オネスティ

集英社 著者:石田衣良

オネスティ

人は人をどれだけ真面目に愛せるのかを描く、石田衣良の恋愛長編小説。“どんな秘密も作らない。恋愛も結婚もしないけれど、心はいつも一番近いところにある”と約束した男女の物語です。

カイとミノリは、小さいころにした約束を大切に守りながら大人になっていきます。そのような2人の関係は大きくなっても続きますが、他人には理解できない関係を築く2人に周囲の人間は困惑するのでした。

王道の恋愛小説では、決してあり得ない展開が見どころ。ありがちな恋愛小説と異なる作品を読みたい方におすすめです。

北斗 ある殺人者の回心

集英社 著者:石田衣良

北斗 ある殺人者の回心

孤独の果てに殺人に手を染めた若者の心を描く石田衣良の長編小説。第8回中央公論文芸賞受賞した作品です。

両親から虐待を受けて育った少年・北斗。愛されることを知らず、愛することも知らない彼は高校生になったとき、里親の綾子に引き取られて穏やかな暮らしを手に入れます。しかし、綾子はがんに侵され、医療詐欺にあった末に亡くなってしまったのです。

心の支えを失った北斗が狂気にかられ、ついには殺人を犯してしまいます。登場人物の心理描写を丁寧に描いた作品を読みたい方におすすめの作品です。

スローグッドバイ

集英社 著者:石田衣良

スローグッドバイ

さよならから始まる恋人たちの物語を描いた石田衣良作品。著者初の恋愛短編集です。

表題作『スローグッドバイ』は、きれいに別れるために「さよならデート」に出かけた恋人同士が見つけた答えが見どころ。『泣かない』は、恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子に青年の“涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ”という想いが届くのかを描いた物語です。

何の変哲もない人たちの、少しだけ特別な恋がつづられた10編の作品を収録しています。やさしい視点で描かれた恋愛小説を楽しみたい方におすすめです。

REVERSE

集英社 著者:石田衣良

REVERSE

性別や容姿を超えて心を通わせていく男女の出会いと恋を描いた小説。ネットで出会い、メール交換を通して距離を縮めていく千晶と秀紀が主人公です。

2人は仕事や恋愛のことなど、身近な知り合いには話せない本音を語り合う仲になっていきます。しかし、実はお互いに自分の性別を偽っていたのです。相手のことを同性だと思いながら、お互いにひかれていく千晶と秀紀の恋の結末はどうなるのでしょうか。

異性としてではなく人としてひかれ合っていく2人の姿が魅力。人を好きになることの意味をあらためて考えたい方にもおすすめです。

娼年

集英社 著者:石田衣良

娼年

女性の欲望と向き合った20歳男子の夏を描いた石田衣良の長編恋愛小説。2018年に実写映画化もされています。

大学生活や恋愛に退屈し、無気力な毎日を過ごしている大学生・リョウ。バイト先のバーに来店した、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香に誘われ、戸惑いながらも「娼夫」の仕事を始めます。娼夫として働くなかで、さまざまな女性のなかに潜む欲望の謎に魅了され…。

生々しい描写もありますが、いやらしさを感じずに読めたという感想も多い本作品。人の欲望の奥底を垣間見たい方におすすめです。

逝年

集英社 著者:石田衣良

逝年

忘れられない愛を描いた石田衣良の傑作長編です。『娼年』の続編にあたる作品。「娼夫」の世界に足を踏み入れたリョウのその後が描かれているのが特徴です。

所属するボーイズクラブのオーナー・御堂静香が摘発され、クラブが解散した1年後から物語は始まります。リョウはボーイズクラブを引き継ぎ、仲間とともに再開。やがて静香も出所しますが、彼女は病気を発症していました。

永遠の別れを前に、愛する人のためにリョウは何をするのかが見どころ。歳を重ねることの意味や性別のあり方も考えさせられる作品です。

眠れぬ真珠

新潮社 著者:石田衣良

眠れぬ真珠

石田衣良の恋愛小説における最高傑作とうたわれる作品です。第13回島清恋愛文学賞受賞作。2015年、2017年にドラマ化もされています。

版画家・咲世子は17歳年下の素樹に恋をしますが、愛し合う喜びと別れの予感が咲世子を悩ませていました。そんななか、若く美しいライバル・ノアが現れます。

歳の差のある恋人との恋愛における心情を繊細に描いているのがポイント。大人の恋愛をテーマにした恋愛小説を読みたい方におすすめです。

チッチと子

新潮社 著者:石田衣良

チッチと子

石田衣良が贈る、切なくもあたたかい長編小説。小説家としての苦悩・恋・家族を描いた物語です。チッチこと青田耕平は息子のカケルと2人暮らしの小説家。デビューしてから10年間も「次にくる小説家」と言われ続けてきました。

作品は売れることなく時間が過ぎていき、次第にスランプに陥ってしまうチッチ。進まない執筆、妻の死の謎、複数の女性との恋愛に悩むなか、とある文学賞を巡る転機によってカケルや恋人たちとの関係が劇的に変化します.。

父と子の行く末は、涙なしに読めない作品。感動できる石田衣良作品を読みたい方におすすめです。

4TEEN

新潮社 著者:石田衣良

4TEEN

14歳の少年たちを描いた爽快青春ストーリー。第129回直木賞受賞作品です。

ナオト・ダイ・ジュン・テツローは、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはありますが、一緒ならどこまでも行けると感じています。4人組は自身を待ち受ける友情・恋・性・暴力・病気・死を、どのように受け止めていくのでしょうか。

大人でも子供でもない繊細な時期の感性に共感する声が多数。青春を駆け抜ける若者のリアルが克明に描かれている作品を読みたい方におすすめです。

夜の桃

新潮社 著者:石田衣良

夜の桃

禁断の恋によってこそ得られる性愛を描いた石田衣良の恋愛小説です。みずみずしく、濃密な描写が特徴。仕事・生活・妻・愛人を全て手に入れ、悠々自適な日々を過ごす主人公を描く作品です。

あるとき、雅人は少女のような女性に出会います。一途に自分を求めてくる彼女の隠された過去を知ったとき、雅人はすでに引き返せない恋に陥っていたのです。

禁断の恋に落ちた雅人がどのような運命をたどるのかが見どころ。緻密な心理描写を楽しみたい方におすすめの石田衣良作品です。

美丘

KADOKAWA 著者:石田衣良

美丘

命を燃やし尽くした恋人たちの姿を描いた石田衣良の恋愛小説。2010年にテレビドラマ化もしています。

大学2年・太一の前に現れた、個性的で奔放な行動力を持った女性・美丘。太一は美丘の激しいイメージに魅了され、一緒に暮らし始めます。しかし、美丘に残された命は少なく、太一は彼女が生きた証しを見届けることになったのです。

奇跡のラストシーンが見どころ。気高い恋人たちによる究極の恋の形に注目してみてください。泣ける恋愛小説が読みたい方におすすめの石田衣良作品です。

5年3組リョウタ組

KADOKAWA 著者:石田衣良

5年3組リョウタ組

熱血教師・リョウタ先生が主人公の石田衣良の小説。少し古風な25歳の教師が過ごした1年間をみずみずしく描いているのが特徴です。

希望の丘小学校5年3組は、通称リョウタ組と呼ばれています。担任・中道良太は、茶髪にネックレスと容姿は今風ですが、涙もろくて、真っすぐに他人にぶつかっていく25歳。いじめ・DV・パワハラ・少年犯罪など、教室の内外で起こる生徒の問題に向き合っていきます。

教育現場の今を青年教師の姿を通して訴える教育小説。最後まで爽やかに楽しめる作品を探している方におすすめです。

親指の恋人

小学館 著者:石田衣良

格差社会に苦しめられる恋人たちを描いた石田衣良の恋愛小説。現代版『ロミオとジュリエット』とも呼ばれています。六本木ヒルズに暮らす大学生の澄雄と、給料の少ないパン工場で働くジュリアの物語です。

出会いは携帯の出会い系サイト。20歳と若い2人は純粋な愛を育んでいきますが、やがて身分の違いに悩みます。

本作品は冒頭で結末を提示しているのが特徴。しかし、それでも引き込まれてしまう魅力があります。命をかけて恋を成し遂げようとする2人の結末に注目してみてください。

東京DOLL

講談社 著者:石田衣良

東京DOLL

ありのままの東京を描き出す石田衣良の長編恋愛小説。孤独な天才クリエイターと、背中に翼のタトゥを持つ少女の物語です。

マスター・オブ・ゲームと呼ばれるゲームソフト制作者・相良が新作のモデルに選んだタトゥの少女・ヨリ。映像モデルとして素晴らしい「人形」ぶりを見せるヨリに相良は癒やされていきます。しかし、ヨリには愛する男性の不幸が見える特殊な力があって…。

車・洋服・食べ物など、都会特有のきらびやかなモノが印象的に使われている点にも注目。非現実的な世界観を楽しみたい方にもおすすめの作品です。

石田衣良の小説の売れ筋ランキングをチェック

石田衣良の小説のランキングをチェックしたい方はこちら。