『バッテリー』『No.6』といった小説で有名な「あさのあつこ」。アニメ化・ドラマ化作品も多い人気作家です。「バッテリーシリーズ」のヒットもあり、児童小説作家のイメージが強いですが、歴史小説やミステリー小説も数多く手掛けています。

今回は、あさのあつこ氏のおすすめ小説をご紹介します。さまざまなジャンルの作品があるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

児童小説「バッテリー」で有名なあさのあつこの魅力

あさのあつこ氏は、1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部を卒業し、小学校講師を経て37歳で作家デビューしました。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI〜VI』で小学館児童出版文化賞を受賞しています。

『バッテリー』のヒットもあり、児童小説を書いているイメージを持たれているあさのあつこ氏。実は、時代小説家としての顔も持っています。「弥勒の月シリーズ」は、育児中に読んだ藤沢周平『橋ものがたり』に影響を受けてスタートした作品。一般小説においても、ミステリー小説である「白兎シリーズ」、高校教師の成長を描く「グリーン・グリーンシリーズ」など、多様なテーマを扱う作家です。

ジャンルを超えてさまざまな年代の方が楽しんで読める秘密は、繊細な心理描写と詳細な状況描写にあります。詩的な文体と優しい語り口で、大人も子供もスムーズに作品の世界に入り込めるのが特徴です。

年代を問わず人気なあさのあつこのおすすめ小説

バッテリー

KADOKAWA 著者:あさのあつこ

野球をテーマにした青春小説で、あさのあつこ氏の代表作です。“これは本当に児童書なのか”と話題になりました。マンガ・アニメ・映画・テレビドラマ化されたほか、『バッテリーI〜VI』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞しています。

天才ピッチャーとしての自分の才能に自信を持つ原田巧。巧は、中学入学を控えた春休みに岡山県新田に引っ越してきます。そこで、巧にバッテリーを組んでほしいと申し出てきたのは同級生の永倉豪でした。2人なら最高のバッテリーになれるという豪の熱い思いに心動かされる巧は…。

シリーズ累計1000万部を超える人気作品。野球に詳しくなくても楽しめます。大人にも子供にもおすすめの小説です。

No.6

講談社 著者:あさのあつこ

テレビアニメ・マンガ・Webラジオにもなった近未来SF小説です。あさのあつこ作品のなかでも人気のあるシリーズで「破滅と希望の物語」と銘打たれています。

時は2013年。人類の理想を実現した未来都市「No.6」という街が舞台です。2歳児検診で最高レベルの知能があると判断され、エリートとして育てられた紫苑。しかし、12歳の誕生日の夜に運命が一変します。嵐の中、窓を開けた先にいた少年・ネズミとの出会いによって…。

寄生生物の謎、そして、隔離されている特別警戒地区・西ブロックの存在。理想都市の裏に隠された闇を暴いていく紫苑とネズミの戦いから、目が離せません。スリル満点の別世界に夢中になりたい方におすすめのあさのあつこ作品です。

ガールズ・ブルー

文藝春秋 著者:あさのあつこ

等身大の女子高生たちの、等身大の高校生活を描いた青春小説。『ガールズ・ブルーII』も発売されている、全2巻のシリーズです。

幼馴染の友人である理穂・美咲・如月は同じ落ちこぼれ高校に通う高校2年生。理穂は、誕生日を目前に控えてカレシに振られます。美咲は、体が弱くて入退院を繰り返していますが、同情されるのを嫌う性格です。如月は、甲子園を目指す天才野球選手の兄・睦月と比べられる日々。

それぞれの悩みをとことん悩み抜きながらも、3人は一度だけの高校2年生の夏を駆け抜けます。

3人が葛藤しながらも自分自身の境遇を受け入れ、それぞれの道を進んでいく姿に心動かされる作品。あさのあつこ氏の持ち味である、繊細な心理描写を味わいたい方におすすめです。

The MANZAI 上

ポプラ社 著者:あさのあつこ

全6巻の児童小説で、シリーズ累計200万部を突破している人気シリーズ。マンガ化・ドラマCD化もされており、幅広い年齢層の方に読まれている作品です。

訳あり転校生・瀬田歩は、サッカー部のキャプテン候補・秋本貴史に突然呼び出されます。貴史から“付き合ってくれ”と告げられた歩は警戒しますが、その真意は漫才を一緒にしようという誘いでした。

小説全体がひとつの漫才かのように進むテンポのよさが魅力です。葛藤や悩みにぶつかりながらも成長していく2人の姿を応援せずにはいられません。初めてあさのあつこ作品を読む方にもおすすめの1冊です。

弥勒の月

光文社 著者:あさのあつこ

江戸時代を舞台にした時代小説。現在シリーズは9巻まで発売されており、『弥勒の月』が1巻目にあたります。

物語は、小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が発見されるところから始まります。夫である遠野屋主人・清之介の様子に違和感を覚えた同心・木暮信次郎は、事件の調査をすることに。ただの飛び込み自殺と思われた事件の裏に隠された真実とは何なのでしょうか。

あさのあつこ作品の魅力である詩的な文体で、現代的な感覚で読み進められます。時代小説を読んだことがない方にもおすすめの作品です。

花宴

朝日新聞出版 著者:あさのあつこ

人生のままならさや、夫婦の哀愁を季節の移ろいとともに描くあさのあつこ氏の時代小説です。武家の娘を主人公としている作品のため、「弥勒シリーズ」とは異なる視点から楽しめます。

舞台は江戸から西に180里のところにある嵯浪藩。西野家の一人娘である紀江は、父の弟子である青年のことが好きでしたが、婚姻は破談に。別の弟子と結婚することになります。子供をもってからも葛藤を抱えて生きていた紀江でしたが、ある朝、衝撃の事実を知ってしまい…。

失う人生を歩んでいく紀江が、武家の子女として守ろうとしたものとはなんでしょうか。女性の生き方や夫婦のあり方を考えさせられる1冊です。

緋色の稜線

KADOKAWA 著者:あさのあつこ

過去に長らく在庫切れだった『白兎1 透明な旅路と』を、あさのあつこ氏が全面的に見直し・加筆・修正・改題したうえで文庫化した作品。「白兎シリーズ」の第1巻です。

ホテルで女を殺した吉行は、車で逃走する最中に不思議な少年・白兎、幼女・和子と出会います。なりゆきで2人を車に乗せて目的地まで送ることになる吉行。その道中で自分の過去を思い出していくなか、吉行が見つけたのは和子の首の赤い線でした。

白兎・和子、2人の正体は。吉行の罪はどうなってしまうのでしょうか。最後まで目が離せないサスペンス・ミステリーです。

謎が謎を呼ぶストーリーながら、一気読みしやすい作品。あさのあつこ作品に児童小説のイメージがある方にもおすすめです。

グリーン・グリーン

徳間書店 著者:あさのあつこ

農業高校で働く国語教師を描く、青春小説です。県立農林高校の新米教師、都会育ちの翠川真緑、通称グリーン・グリーンが、自然と向き合いながらも成長していく物語。教師2年目を描いた2巻目も出版されている人気シリーズです。

彼氏に振られた真緑は、失恋の心の傷を炊き立てのおいしいおにぎりで救われました。そのおいしさが忘れられない真緑は、農業未経験にもかかわらずお米の産地・喜多川農林高校で働くことを決意します。わからないことだらけの教師1年目に加えて、初めて体験することばかりの農業高校の毎日。生徒たちに心配されるほど頼りない真緑ですが、実は彼女には驚きの能力があったのです。

周りの人たちや豚の201号に助けられながら、日々奮闘するグリーングリーンの姿に勇気づけられます。ユーモアにあふれ、読み進めながら笑顔になる方も多い作品です。

さいとう市立さいとう高校野球部 上

講談社 著者:あさのあつこ

青春スポーツ小説を多く手掛けるあさのあつこ氏が描く、高校野球を舞台にしたシリーズ。よい意味で期待を裏切られる、笑いと興奮と感動が詰まった青春ストーリーです。

少年野球からエースとして活躍していたイケメン高校生・山田勇作。高校では野球部には入らないと決意し、小学校のときからバッテリーを組んできた一良の誘いも断ります。しかし、そんな勇作の前に現れたのは、野球部顧問の美術教師・鈴ちゃんでした。お試し入部によってチームに愛着をもちはじめた勇作は、だんだんと野球の世界に引き戻されていき…。

スポーツを題材にしていますが、学校や部活での悩み、家族との対話など、人間関係での成長が中心の作品となっています。野球に詳しくない方にもおすすめです。

末ながく、お幸せに

小学館 著者:あさのあつこ

あさのあつこ氏の繊細な心理描写が生きる、愛の物語です。結婚とは、家族とは。結婚式で照らし出される母と娘の関係性を通して、幸せとはなにかを考えるきっかけをくれる作品です。

“お祝いを一言、お願いします。” 結婚式のスピーチを依頼された8人それぞれが、新婦・瀬戸田萌恵との思い出を語っていきます。そのなかで浮かび上がっていくのは、萌恵の人柄とこれまでの人生でした。

物語のラスト、萌恵から母・良美へと向けた手紙で明らかになる母への想いに、涙があふれる方も多い作品。心あたたまる小説を読みたい方におすすめの1冊です。

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