爽やかな気持ちを体感できる「青春小説」。学生の登場人物を中心とした物語を展開するのが特徴です。若さ特有の複雑な感情をみずみずしく表現している作品が多く、子供から大人まで幅広い年齢層の方が楽しめます。

そこで、今回は青春小説のおすすめをご紹介します。受賞作品やメディアミックスされた人気の作品をはじめ、海外の古典作品からもピックアップしました。

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青春小説のおすすめ|人気

夜のピクニック

新潮社 著者:恩田陸

夜のピクニック

青春小説として人気を有する恩田陸の作品です。第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞を受賞。2006年には実写映画化もされた小説です。

高校生活の最後に開催される「歩行祭」は北高の伝統行事。全校生徒が夜通し80kmを歩くイベントで、甲田貴子はとある決意をしていました。思い出を語らう同級生をよそに、高校生活で誰にも打ち明けられなかった秘密を決着させるため、貴子だけは想いわずらっていて…。

大きな事件が起きるわけではないからこその、リアリティ溢れる作品。青春という言葉に詰まっている切なさや儚さが、みごとに表現されている作品を読みたい方におすすめです。

4TEEN(フォーティーン)

新潮社 著者:石田衣良

4TEEN(フォーティーン)

多感な思春期を過ごす14歳の子供たちを描いた、石田衣良の青春小説です。体験するすべてを糧に、少しずつ成長していく青春時代特有の雰囲気が詰め込まれた作品。第129回直木三十五賞を受賞している作品です。

東京湾に浮かぶ月島で、自転車に乗って全力疾走で街を駆け抜けているナオト・ダイ・ジュン・テツロー。中学2年の同級生4人組である彼らはそれぞれの悩みと向き合いながらも、一緒なら不可能なことはないと思える間柄です。友情・恋・性・暴力・病気・死といった人生の難題にぶつかりながらも、14歳のかけがえのない時期を必死に生きているのでした。

友情の大切さを痛切に感じることのできる1冊。繊細な時期を過ごす主人公たちの物語を読みたい方は、ぜひチェックしてみてください。

パンドラの匣

新潮社 著者:太宰治

パンドラの匣

日本を代表する文豪・太宰治の明るい一面を明かした作品です。20歳の青年が抱く、恋心と純情をユーモラスに書き上げた青春小説。2009年に実写映画化もされています。

結核の療養所「健康道場」という一風変わった施設で、死を予感しながらも病気と向き合って懸命に生きる少年と、彼の周りにいる善意を持った人々との繋がりを書簡形式で描く『パンドラの匣』。日記の体をとり、社会に出ていく直前の中学生の内面を表現した『正義と微笑』の2本を収録しています。

日記形式を採用することで、青春時代ならではの感情を思い出せる作品。時代が変化しても変わることのない青春時代の感性に触れたい方にぴったりな作品です。

ジョゼと虎と魚たち

KADOKAWA 著者:田辺聖子

ジョゼと虎と魚たち

年齢を問わず楽しめる田辺聖子の青春小説。65万部以上売れている、著者のベストセラー作品でもあります。表題作『ジョゼと虎と魚たち』は実写映画化、アニメ映画化されている点にも注目してみてください。

表題作は、車椅子がないと動けない人形のような女性・ジョゼと管理人・恒夫の、どこか危うい関係を描いた恋愛小説。ほか、8編を収録した短編集です。いずれも、仕事をしている大人の女性を主人公にした出会いや別れを描いています。

時代に先駆けて働く女性をテーマに恋愛小説を描き続けてきた著者らしい作品を楽しめるのが魅力。女性の社会進出が注目される現代にこそおすすめの青春小説です。

線は、僕を描く

講談社 著者:砥上裕將

線は、僕を描く

水墨画をテーマにした砥上裕將の青春小説です。2020年の本屋大賞で3位、ブランチBOOK大賞2019、第59回メフィスト賞を受賞しています。

家族を失ったことで悲しみのどん底にいた青山霜介は、バイト先の展示会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。湖山は霜介を気に入り、一方的に内弟子として認めます。湖山の決定が気に食わない孫娘・千瑛は、「湖山賞」で霜介と争うことを決意。水墨画に触れたことのない霜介は、苦悩しながらも水墨と向き合ってゆき…。

できるかどうかではなく、やってみることの大切さを訴えかける作品。水墨画という珍しい題材をテーマにした青春小説を読みたい方におすすめです。

はつ恋

新潮社 著者:ツルゲーネフ

はつ恋

ロシアの作家・ツルゲーネフの青春小説です。ツルゲーネフは明治時代、日本にいち早く紹介された作家のひとりで、日本の近代文学にも大きな影響を与えた人物。2009年には『初恋・夏の記憶』というタイトルで実写映画化されている点にも注目です。

主人公・ウラジミールは16歳のときに、近所に引っ越してきた貴族の娘・ジナイーダのことを好きになります。ジナイーダは父親がおらず、大人の男性であるウラジミールの父を好きになってしまいますが、ウラジミールは彼女が父に恋い焦がれていることにまったく気づきませんでした。

ジナイーダとの恋を通して成長するウラジミールと、大人の男性に翻弄されるジナイーダの姿が印象的な作品。甘酸っぱい初恋の記憶を思い出させるような1冊を読みたい方におすすめです。

デミアン

新潮社 著者:ヘッセ

デミアン

世界中の若者に大きな影響を与えたとされるドイツ人作家・ヘッセの青春小説。自我の確立・恋愛の失敗・悪への憧憬といった、青春時代ならではの若者の揺らぎを描いた作品です。

ラテン語学校に通う10歳のシンクレールは、不良少年に目を付けられないようにして発した嘘がきっかけで不幸な事件に巻き込まれます。苦しい状況にあったシンクレールに手を差し伸べた友人・デミアンは、正しさの象徴であった両親とは異なる、まったく新しい世界を示したのでした。

相反する価値観で悩みながらアイデンティティを確立していく過程が見どころ。国を超えて共通する思春期の葛藤を感じたい方は、手にとってみてください。

スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編

新潮社 著者:スティーブン・キング

スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編

世界的な賞を数多く受賞しているアメリカの作家・スティーブン・キングの中編作品を2編収録した青春小説。『スタンド・バイ・ミー』は、同名の実写映画の原作としても知られています。

作家になった仲間の1人が執筆したという形をとった、著者の半自伝的作品。森の奥に子供の死体があるという噂を聞きつけた4人は死体探しの旅に出発します。子供とも大人ともいえない、微妙な年代の少年たちの冒険は、彼らの無邪気な時代に終止符を打つことになるのでした。

青春時代特有の純粋な友情と涙に共感できる作品。ほか、英国奇譚クラブの雰囲気を感じられる1編を収録しています。映画との違いを感じながら楽しむのもおすすめです。

グレート・ギャツビー

新潮社 著者:フィツジェラルド

グレート・ギャツビー

フィツジェラルドが描く、アメリカ文学を代表する作品のひとつです。恋を叶えるために大金持ちになった男性の、切ない人生を描いています。2013年、レオナルドディカプリオ主演の『華麗なるギャツビー』というタイトルで実写映画化された作品です。

戦争のトラウマから立ち直れず、静かな暮らしを送っている中西部の資産家・ニック。隣の豪邸では、華やかな生活を送るギャツビーが毎晩パーティーに明け暮れています。じつは、ギャツビーは長い間愛し続ける恋人・デイズィを取り戻そうと躍起になって…。

青春のよい面と悪い面とが同居したような、美しくも哀愁漂う世界観に魅了される作品。ギャツビーとニックがお互いをどう捉えているのか、注目しながら読んでみてください。

ライ麦畑でつかまえて

白水社 著者:J.D.サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて

成熟しつつある現代社会を風刺するサリンジャーの青春小説。執筆から時を経てもなお、若年層に強く共感され続けると謳われている作品です。

成績が悪い高校生・ホールデンは、あるとき寮から脱走。ニューヨークへ赴いたホールデンは不良少年さながらの自由な夜を満喫しますが、それでも気持ちがすっきりすることはありません。さらに、実家へ帰ると妹にも呆れられてしまい、自分自身と改めて向き合いますが…。

春期の若者が持つ鬱屈とした気持ちを表現している点に注目。世のなかに満ちた欺瞞に不満を持つ方におすすめの1冊です。

青春小説のおすすめ|学生もの

桐島、部活やめるってよ

集英社 著者:朝井リョウ

桐島、部活やめるってよ

田舎の県立高校を舞台に起こるできごとを描いた朝井リョウの青春小説です。第22回小説すばる新人賞受賞作。2012年に劇場公開された実写映画は、第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀編集賞の3部門を受賞した話題作となりました。

人望の厚いバレー部のキャプテン・桐島が理由も伝えず退部したことをきっかけに、少しずつ変化していく周りの高校生たち。学校でまったく異なる生活を送っていたバレー部の補欠・風助、ブラスバンド部・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ部員・宏樹はどのように変わっていくのでしょうか。

高校時代のリアルを表現した群像劇に共感する方の多い作品。現役で学生の方はもちろん、高校時代特有の雰囲気を思い出したい大人の方にもおすすめです。

いちご同盟

集英社 著者:三田誠広

いちご同盟

生と死を感じる少年少女の日々を感情豊かに描いた青春小説。繊細な感性を持った思春期の恋愛や友情の物語です。

中学3年生・良一は自分の将来に思い悩み、自殺を考えることもある少年。同級生で野球部のエース・徹也の紹介で、重症の腫瘍で入院する少女・直美と知り合います。徹也は野球を通して直美を励まし、良一は話し相手として彼女を慰めることで自分自身も生きる意味を見出し始めていくのでした。

しかしある日、直美は良一に一緒に死ぬことを提案して…。生きることの意味を問い直すような作品を読みたい方におすすめです。

時をかける少女 新装版

KADOKAWA 著者:筒井康隆

時をかける少女 新装版

思春期の少女の不可思議な体験と甘酸っぱい想いを描いた、筒井康隆氏のSF青春小説です。2006年に細田守監督によってアニメ映画化。ほかにも、複数回にわたって本作品を原案とした実写ドラマが公開されています。

放課後、無人の理科室に人の気配を感じた芳山和子。割れた試験管の液体からわずかにただよう、どこかで嗅いだことのある香りに気付きます。直後、和子は意識を失って倒れてしまい、目が覚めると身の回りで奇妙な事件が頻発するのでした。

世代を超えて語り継がれてきた青春小説の名作。世代を問わず楽しめます。映像化された作品とあわせて、何度も楽しめるのが魅力です。

蹴りたい背中

河出書房新社 著者:綿矢りさ

蹴りたい背中

120万部以上売れている、青春小説のベストセラー作品です。著者の綿矢りさは、本作品で史上最年少の芥川賞を受賞しています。

高校に入ったばかりの「ハツ」こと長谷川初実は、陸上部に所属する高校1年生。オリチャンというモデルの熱心なファンである「にな川」とはクラスで余った者同士です。ある日、ハツから部屋に招待されたにな川。臆病で孤独な2人は奇妙な友情を築いていきますが…。

業界を震かんさせ、世代を超えた読者から愛された作品です。思春期特有の心象風景と危うい人間関係を描いた作品が読みたい方におすすめです。

きみの友だち

新潮社 著者:重松清

きみの友だち

友達の意味を探る重松清の連作形式の青春小説。思春期の子供たちの物語がちりばめられているのが特徴です。2008年には実写映画化されている点にも注目してみてください。

足が不自由な恵美ちゃんと身体が弱い由香ちゃんは、ある事件をきっかけとしてクラスメイトと仲良くせず、お互いだけを信じあっていました。学校の人気者・ブンちゃんは、転校生としてやってきたモトくんの優秀さが面白くなくて…。

優等生・ひねくれ者・弱虫・八方美人、それぞれに弱さや苦悩があることを痛感させられる作品。心に響く青春小説を読みたい方におすすめで。

君の膵臓を食べたい

双葉社 著者:住野よる

君の膵臓を食べたい

「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなすベストセラーと謳われる作品。インパクトのあるタイトルですが、読み終えたあとに改めてタイトルについて考えると感動してしまいます。2017年に実写映画化、2019年にはアニメ映画化されている点にも注目です。

高校生の「僕」は、病院で1冊の本を拾います。それは、クラスメイト・山内桜良の日記帳でした。日記帳には、彼女の病気のことについて、さらに余命が短いことについて書かれています。桜良の秘密を共有したことをきっかけとして、僕は彼女との親交を深め徐々に惹かれていくのですが…。

病気を患った彼女がどのような最期を迎えるのか、予想を裏切る結末に注目したい作品。一気に読みたくなる小説を探している方におすすめです。

砂漠

新潮社 著者:伊坂幸太郎

砂漠

青春小説の新たな名作と謳われる伊坂幸太郎の作品。再び訪れることのない季節の表と裏を颯爽と描く長編小説です。

入学した大学で出会った5人の男女は、さまざまな経験を通して絆を深めて各々成長していきます。自分の弱さを見つめたり有り余った力のやり場に悩んだりするなかで、前へ進もうとする5人はどこへ向かうのでしょうか。

社会を砂漠と見立て、社会に出る前のモラトリアム期間で起きるできごとに焦点を当てた作品。自身の学生時代を思い出しながら読むのがおすすめです。

島はぼくらと

講談社 著者:辻村深月

島はぼくらと

高校生4人組が、卒業して島を離れるまでを切り取る青春小説。青春時代特有の恋や友情、そして大人たちの覚悟を描いています。

瀬戸内海に浮かぶ島・冴島で、唯一の同級生である朱里・衣花・源樹・新の4人。フェリーで本土の高校に通っている彼らは、卒業と同時に島を離れることになります。ある日、島で「幻の脚本」を探しているという青年に声をかけられた4人は…。

小さな島の狭くも深い人間関係が感じ取れるのが印象に残ります。伏線の回収の仕方にも注目したい作品。島という特殊な舞台を中心にして展開される青春小説を読みたい方におすすめです。

夜は短し歩けよ乙女

KADOKAWA 著者:森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女

新時代の恋愛ファンタジーの大傑作と謳われている、森見登美彦の青春小説。2007年に第20回山本周五郎賞を受賞しています。2017年にはアニメ映画化されている点にも注目です。

黒髪の乙女に片思いをしている先輩は、夜の先斗町、下鴨神社の古本市、大学の学園祭と、京都のあらゆる場所で彼女の姿を探しています。しかし、先輩の想いなど知らない彼女は、たまたまよく出会う先輩としてしか見ていないのでした。2人の周りで個性溢れる人物たちとの珍事件が起きて…。

著者らしい個性的な言い回しや感性で紡がれる世界観が魅力の作品。一筋縄ではいかないコメディ要素溢れる青春小説を読みたい方におすすめです。

檸檬のころ

幻冬舎 著者:豊島ミホ

檸檬のころ

青春時代の忘れたくても忘れられない時間を紡ぐ豊島ミホの小説。田舎の県立高校の1年を舞台に、初恋・友情・失恋・部活・文化祭・引っ越しといった学生時代特有のできごとをみずみずしく描いています。

保健室登校の女友達との不器用な友情や、クラスメイトと打ち解けられない音楽ライターを夢見る女子生徒が落ちた恋。大好きな彼と離れることになっても東京へ行きたいと考える学生など、多感な時期を過ごす高校生の思い出が語られます。

タイトル通り、読み終えるとレモンを彷彿とさせる甘酸っぱい気持ちが溢れるのが魅力。高校時代を思い出すような作品を読みたい方におすすめです。

青春小説のおすすめ|スポーツもの

バッテリー

KADOKAWA 著者:あさのあつこ

バッテリー

シリーズ累計は1000万部に及ぶ大ヒットシリーズの1冊目。テレビアニメ化、実写映画化、漫画化されるなど、さまざまなメディアミックスを展開している人気作品でもあります。

岡山県にある地方都市・新田に引っ越してきた12歳の小学生・原田巧。ピッチャーとして確かな自信を持つ巧の前に、彼とバッテリーを組みたいと訴える同級生・永倉豪が現れます。豪はミットを構え、巧に本気で球を投げるように伝えますが…。

出版当時から児童書の枠を越え、子供も大人も熱中した著者の代表作。野球をテーマにした青春小説を読みたい方におすすめの作品です。

一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ

講談社 著者:佐藤多佳子

一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ

陸上競技をテーマに描いた佐藤多佳子の青春小説。全3巻の作品です。2006年「本の雑誌が選ぶノンジャンルベスト10」で第1位に選ばれています。

春野台高校の1年生・神谷新二は、スポーツテストで味わった疾走感を求めて走りたいと思っています。天才的な短距離選手で幼なじみの連と一緒に陸上部へ入部し、自分も同じ走りができるようにと努力を重ねるのでした。やがて、デビュー戦の日がやってきて…。

陸上競技、特に400mリレーにおけるチーム戦を通して描かれる青春が印象的な作品。陸上経験のある方はもちろん、爽快な青春小説を楽しみたい方はぜひ手にとってみてください。

あと少し、もう少し

新潮社 著者:瀬尾まいこ

あと少し、もう少し

感涙必至の青春小説と謳われる瀬尾まいこの小説。寄せ集めのメンバーで、ときにぶつかりあいながらも中学最後の駅伝大会に挑む姿を描いています。

顧問が異動となり、引き継ぎとなったのは頼りない美術教師でした。陸上部部長・桝井は、中学最後の駅伝大会に出場すべくメンバーを募集。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、ノーと言えないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介たち寄せ集めの6人は、県大会出場を目指して走り出します。

展開を表現しにくい長距離走をうまく表現している作品。読んでいて涙が止まらなくなるような青春小説を読みたい方におすすめです。

風が強く吹いている

新潮社 著者:三浦しをん

風が強く吹いている

箱根駅伝を題材にした三浦しをんの青春小説。2009年に実写映画化、2018年にテレビアニメ化、2021年には舞台化されるなど、さまざまな媒体を通して注目されている作品です。

天才ランナー・走と出会った灰二には、箱根駅伝を走りたいという想いが湧き上がっていました。駅伝について何も知らない10人の個性的なメンバーと一緒に、駅伝を目指すことになる灰二。彼らは無事に箱根を走れるのでしょうか。

自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を仲間へ繋げていく様子が描かれている作品。駅伝が好きな方はもちろん、仲間と一緒に苦悩を乗り越えていく青春小説が読みたい方はぜひチェックしてみてください。

ボックス!

講談社 著者:百田尚樹

ボックス!

百田尚樹氏が贈るボクシングをテーマにした青春小説です。2010年には実写映画化もされています。ボクシング好きな2人の幼なじみを描いた作品です。

天才的なボクシングセンスを持つ鏑矢義平と、勉強は得意だが運動は苦手な木樽優紀が恵美寿高校ボクシング部に入部。1年生ながら圧倒的なボクシングセンスを持つ鏑矢の目標は、高校3年間で8冠を達成することでした。しかし、彼の前に高校ボクシング界最強の男・稲村が立ちはだかります。

天才と努力家、2つの才能がぶつかり合う点に注目。青春小説としての面白さはもちろん、ボクシングの魅力も伝わってくる青春小説です。

武士道シックスティーン

文藝春秋 著者:誉田哲也

武士道シックスティーン

青春を剣道にかけた女子学生を描いた誉田哲也の青春小説。日舞から剣道の世界へ飛び込んだ早苗と剣道エリートの香織が主人公の物語です。2016年には実写映画化もされています。

武蔵を敬愛する香織は、中学最後の大会で実績のない選手であった早苗に敗北。悔しさで胸がいっぱいになる香織と、勝利に興味がない早苗の2人は同じ高校に入学して剣道部で再会しますが…。

青春を剣道に捧げる正反対の2人がどのように触れ合い、成長していくのかが見どころの作品。剣道をテーマにしたエンターテインメント作品に興味のある方はチェックしてみてください。

サクリファイス

新潮社 著者:近藤史恵

サクリファイス

自分のため、そしてチームのために走る自転車ロードレースをテーマにした近藤史恵の作品。サスペンス要素も融合した、新感覚の青春小説です。第五回本屋大賞第2位、大藪春彦賞を受賞した作品でもあります。

陸上選手から自転車競技に転向した白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地で走り続けていました。与えられた役割は、チームのためにエースに尽くすこと。しかし、ある日のヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇するのでした。

アシストとしての役割やライバルたちとの駆け引き、昔の恋人との再会。さらに、胸に刻印された死の秘密とは…。ロードレースを軸に、さまざまな人間模様が描かれる青春小説です。

DIVE!! 上

KADOKAWA 著者:森絵都

DIVE!! 上

オリンピック出場をかけて、飛び込み競技に打ち込む少年たちの日々を描いた森絵都の青春小説。2003年の第52回小学館児童出版文化賞を受賞しています。2008年に実写映画化されている点にも注目です。

飛び込みは、高さ10mから時速60kmで飛び込み、技の正確さと美しさを競う競技。赤字経営で廃業寸前のクラブは、存続の条件としてオリンピック出場を目指します。少年たちの長く熱い夏が始まるのでした。

登場人物たちの飛び込み競技に対する想いや、気持ちの移り変わりがていねいに描写している作品。オリンピック出場を叶えられるのか、結末が気になる方は、ぜひ手にとってみてください。

どまんなか 1

講談社 著者:須藤靖貴

どまんなか 1

野球を愛するすべての人たちに捧げたいと謳われる青春小説。野球選手・松井秀喜が推薦の言葉を贈っている点にも注目です。

走りこみや投げ込みが禁止され、練習量の多さよりミーティングを重視する脱力系の大代台高校野球部に入部した投手・青居礼文。不安のある野球部生活のスタートでしたが、信頼できる仲間と切磋琢磨を続けることで甲子園の舞台が少しずつ見え始めて…。

全3巻で構成される野球部小説。2巻では江本孟紀、3巻では桑田真澄も推薦の言葉を贈っています。プロ野球の名選手たちにもおすすめする青春小説です。

スポーツドクター

集英社 著者:松樹 剛史

スポーツドクター

スポーツドクターに焦点を当てて描かれた松樹剛史の青春小説。アスリート達の傷を治すために駆け回る2人を軸にした長編作品です。バスケ部キャプテン・夏希は高校最後の試合を前に膝を負傷してしまいます。

なんとしても最期の試合に出たいと願う彼女を助けたのは、アスリート専門医・靫矢でした。身体と一緒に心までケアする靫矢の治療に魅了された夏希は、彼の病院を手伝い始めますが、そこには身体はもちろん心にも想像以上の深い傷を抱える選手がつぎつぎとやってきて…。

悩みを抱えるアスリートとまっすぐに向き合う夏希の姿に青春を感じる作品。スポーツを題材とした小説のなかでも、スポーツドクターというめずらしいポジションを扱った青春小説です。