自転車を構成する重要なパーツのひとつが「ボトムブラケット」。ロードバイクをはじめMTBやクロスバイクなど、すべての自転車に搭載されています。交換可能な部品ですが、自分の自転車に適合するモデルが分からず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ボトムブラケットのおすすめモデルをご紹介。選び方についても詳しく解説するので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ボトムブラケットとは?

ボトムブラケットは自転車の駆動部分を支える重要なパーツです。略してBB(Bottom Bracket)とも呼ばれており、クランクシャフトを包み込むような形でBBシェルに装着します。
内蔵したベアリングでクランクシャフトを保持しつつ、円滑に回転するのを助けるのが主な役割。高性能な製品と交換することで、よりスムーズかつ効率的なペダリングの実現が期待できます。
また、採用する素材によって重さが変わるため、自転車を軽量化したい方も交換するのがおすすめです。クランクシャフトは消耗品なので、劣化が進むとペダリングが重くなったり異音が発生したりします。走行距離に応じて交換が必要になることも覚えておきましょう。
ボトムブラケットの選び方
シェル幅をチェック

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シェルはフレームの下側に位置しており、ボトムブラケットやクランクシャフトを通す筒状の部分を指します。ボトムブラケットを購入する際には、シェル幅に合ったサイズを選ぶことが重要です。
シェル幅の種類は、主に68mmと70mmの2つ。シェル幅68mmには、「JIS(日本工業規格)」または「BSC/BSA(イギリス工業規格)」、各国共通の「ISO規格」があります。MTBやクロスバイクの場合、ほとんどの製品がJIS・BSC/BSA・ISOの規格に対応しているので安心です。
一方、シェル幅70mmは「ITA(イタリアン規格)」に基づき、イタリアメーカーの一部が採用しています。そのため、ロードバイク用のボトムブラケットを選ぶ際は、よく確認してから購入するようにしましょう。
形状をチェック
スクエアテーパー

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「スクエアテーパー」は一般的な形状のボトムブラケット。「四角軸BB」とも呼ばれています。クランクを取り付ける部分が、テーパーの付いた四角形をしているのが特徴です。
シャフトの長さやシェル幅の種類が豊富で、多様なサイズの製品がシマノ・スギノ・ストロングライトなどのメーカーから販売されています。また、標準的な形状のため、交換用の工具が普及しているのも嬉しいポイントです。
ただし、本体重量が比較的重い点と、組み込んだ際にフロントディレイラーの微調整が必要な点には、あらかじめ留意しておきましょう。
ISIS

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従来のスクエアテーパータイプより、シャフト軸の径を太くしたのが「ISIS」です。クランクとの接触面積を増やすことで、高い強度と剛性を実現しているのが特徴。セレーションと呼ばれる歯を10個備えています。
本タイプは、ペダリング時のパワーロスを極力減らしたい方におすすめです。FSAやKCNCなどのメーカーから販売されています。また、人気メーカーのシマノでは、8個のセレーションを備えた「オクタリンク形状」を採用。MTBなどの使用にピッタリです。
ホローテックll

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より高い剛性のボトムブラケットを求める方におすすめなのが、シマノの「ホローテックll」。ベアリングユニットをシェルの外側に配置しているのが特徴です。シャフトを支える幅を広くとることでたわみが軽減され、ペダリングパワーを効率よく伝達できます。
シャフトが右クランクにはめ込まれているのも、高剛性を実現している要因のひとつ。また、本タイプでは24mm径のシャフトとベアリングを採用しています。製品によって工具を噛ませる箇所のサイズ異なるため、自分で組み込む方はパーツに合ったモノを準備しておきましょう。
パワートルク

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「パワートルク」はイタリアのカンパニョーロが展開するボトムブラケットです。剛性が高くペダリングロスが少ないのが特徴。本格的なレースに参加する方におすすめのモデルです。シマノと同じく、一本軸のクランクシャフトを採用しています。
片方のベアリングをクランク軸に内蔵しているのも特徴。反対側はカップを圧入して組み付けますが、別途パワートルク用のベアリングが必要になるため、交換を検討している方はあらかじめ準備しておきましょう。
ウルトラトルク

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シマノのホローテックllに次いで、カンパニョーロから発売されたのが「ウルトラトルク」。ホローテックllと同様に、間隔を広げて剛性を強化しています。
また、シャフトが中央部で分割されており、あらかじめ左右のクランクにはめ込まれているのが特徴。回転が滑らかなうえ、耐久性に優れているため、本格的なレースでの使用におすすめです。
BB30

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「BB30」は、フレームにベアリングを直接圧入するタイプです。キャノンデールが古くから取り入れており、同ブランドが販売する多くのバイクに採用されています。30mmのクランク軸径やベアリング内径を有しているのが名前の由来。太いクランク軸とシンプルな構造による、軽量で剛性の高いボディが特徴です。
ただし、長期間メンテナンスを怠ると、ペダリングの際に音鳴りを起こしてしまう可能性も。正しい手順でこまめなメンテナンスを心がける必要があります。
種類をチェック
スレッドタイプ(ねじ切り式)

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「スレッドタイプ」は、昔からあるボトムブラケットの種類です。ねじ切り式とも呼ばれており、ボディ外周にねじ山が切られているのが特徴。フレームのシェル内側にもねじが切られており、ボトムブラケットを回すようにして組み込みます。
フレームにストレスをかけず、取り付けや取り外し作業をおこなえるのがメリットです。剛性面ではプレスフィットタイプに劣るものの、不具合が発生しにくく優れた耐久性を備えています。
プレスフィットタイプ(圧入式)

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フレームシェルにねじ込むのではなく、圧入して組み込む方式を採用したのが「プレスフィットタイプ」のボトムブラケット。スレッドタイプモデルのようなねじ山は設けられていません。剛性が高く軽量なので、走行性能の向上や軽量化を図りたい方におすすめのタイプです。
ただし、さまざまな規格が存在しているため、バイクの仕様に合ったモデルかどうか慎重に確認したうえで購入しましょう。また、構造上頻繁な脱着の繰り返しにより、フレームとの間に隙間が生じやすく、異音が発生しやすい点にも留意が必要です。
ボトムブラケットのおすすめ
シマノ(SHIMANO) スクエアタイプ ボトムブラケット TOURNEY BB-UN300
シマノが手掛ける「TOURNEY」シリーズのボトムブラケットです。気軽にライディングを楽しみたい初心者の方におすすめのモデル。スクエアテーパー形状を採用しており、シェル幅68mmのフレームを搭載するMTBにピッタリです。手頃な価格ながらアダプター素材にアルミニウムを使用しているため、優れた耐久性を有しています。
チェーンラインスタビライザーを搭載することで、チェーンラインの安定性を高めているのも特徴。走行中にトラブルの発生する心配が少ないので、毎日の街乗りはもちろん、休日のサイクリングなどにも適しています。
シマノ(SHIMANO) ボトムブラケット ALVIO BB-ES300
普段使いなど、一般的なライディングスタイルの方におすすめのモデルです。気軽に購入できる手頃な価格が特徴のボトムブラケット。チェーンスタビライザーを採用しているため安定性も良好です。
8個のセレーションを備える「オクタリンク形状」を採用。シャフトとクランクがしっかりはめ込まれているので、高い強度を備えています。また、剛性が高いので、ペダリング時のパワーロスを最小限に抑えることが可能です。シェル幅が70mmのフレーム搭載車に適合します。
シマノ(SHIMANO) ボトムブラケット DULA-ACE BB-R9100
シマノが展開する自転車用コンポーネントのフラッグシップシリーズ「DULA-ACE」のボトムブラケットです。シェル幅70mmのITA規格フレームに適合します。
また、ホローテックllテクノロジーに対応しているのが特徴。同技術を搭載したクランクパーツとのセットアップにもおすすめのモデルです。シール構造が改良されているため、よりスムーズなペダリングがおこなえます。
ボールベアリングの径を小さくすることで、さらなる軽量化を実現しているのも嬉しいポイントです。愛車の走行性能向上を目的に、ボトムブラケットの交換を検討している方にも適しています。
剛性・強度・重量・回転性能の全てにおいて、バランスに優れているので、一度チェックしてみてください。
シマノ(SHIMANO) ボトムブラケット DULA-ACE SM-BB92-41B

プレスフィットタイプのボトムブラケット。小径のボールベアリングを採用しており、重さは54gと軽量に仕上げられています。軽くて剛性の高い製品を求める方におすすめのモデルです。フレームのシェル幅が86.5mmあるロードバイクに適しています。
改良型のシール構造を採用しているのが特徴。回転がスムーズなので、ペダリング時のフィーリングは良好です。ホローテックllテクノロジーに対応しています。シマノが販売する同技術対応クランクはもちろん、互換性のあるクランクを使っている方にもおすすめのモデルです。
シマノ(SHIMANO) ボトムブラケット TIAGRA BB-RS500

購入しやすい手頃な価格が特徴の製品です。エントリーユーザーにおすすめのモデル。気軽にボトムブラケットの交換がおこなえます。ホローテックll対応クランクの組み込みに使用することが可能です。
スレッドタイプを採用しているのもポイント。交換やメンテナンス目的で脱着を繰り返しても、不具合の発生する心配が少なく済むため、長期間安心して使用できます。
エフエスエー(FSA) ボトムブラケット Platinum BB 200-0998

ISIS形状のクランクに対応した、シェル幅68mmのボトムブラケットです。中空構造のクロモリシャフトを搭載。鍛造加工を施すことで、高い強度を実現しています。さらに、アルミ製のカップには冷間鍛加工を採用しており、高強度かつ高剛性の製品を求める方におすすめのモデルです。
大型のベアリングを内蔵しているため、ペダリングパワーの伝達ロスを軽減できます。高性能な防水シーリングを搭載しているのも特徴。走行の際に水や泥が侵入するのを防ぎやすいので、雨天のライディングはもちろんオフロードの走行にも適しています。
コンポジット素材を使用した防音スリーブを採用しており、軋み音がしにくいのも嬉しいポイントです。
エフエスエー(FSA) ボトムブラケット MEGA EXO BB-4000 200-1893

FSAのMEGAEXO OMEGAクランクを、シェル幅68mmのBSA規格フレームへ組み込むための製品です。シャフト長19mmのクランクに対応したボトムブラケット。カップ素材に鍛造アルミを使用しています。
表面にブラックのアルマイト処理が施されているため、耐摩耗性に優れているのはもちろんデザイン性も良好です。また、センタースリーブはシマノのDi2ケーブルに対応。シフティングシステムのアップデートを検討している方にもおすすめです。
重さが50gと非常に軽いので、高い強度と剛性を確保しつつ、ロードバイクの軽量化を実現できます。
ケーシーエヌシー(KCNC) ボトムブラケット BB30 ロード用 683181

BB30形状のボトムブラケットです。シェル幅68mmのロードバイク用フレームに対応しています。シマノの24mmアクスルクランクを組み付けたい方にもピッタリです。
ベアリングにはステンレス素材を採用。また、オプションのフランジを利用すれば、シェル幅73mmフレームへの対応やMTB用クランクへの変換も可能です。
本製品は、汎用性の高いボトムブラケットを探している方にもおすすめのモデル。PF30フレームにも対応しているので、気になる方はチェックしてみてください。
トーケン(TOKEN) ボトムブラケット スクエアテーパー TK868CT

本体素材にカーボンを採用した軸長113.5mmのボトムブラケット。スクエアテーパー式の軽量なモデルを探している方におすすめです。シャフトにはチタンを、カップにはアルミ素材を使用しています。
本ブランドの独自技術「プレミアムベアリング」を内蔵しているのもポイント。高炭素鋼を採用することで、一般的なベアリングに比べ高い耐久性を実現しています。
価格は高いものの、長期間快適なライディングを楽しみたい方にピッタリです。シマノと互換性のある、スクエア形状のクランクに対応しています。
トーケン(TOKEN) ボトムブラケット BB30 TK-BB30AR

シェル幅68mmのBB30フレームに装着するボトムブラケットです。ホローテックllテクノロジーに対応しているのが特徴。同規格に対応するシマノのクランクを組付けるのにおすすめのモデルです。
また、カップ部分にアルミ素材を採用しているほか、耐久性に優れたプレミアムベアリングを搭載しているため、長く快適に使用できます。
なお、交換作業やメンテナンスには、トルクレンチなど専用工具が必要です。指定の工具を使わずに不具合が発生した場合、保証を受けられない可能性があるので注意しましょう。
トーケン(TOKEN) ボトムブラケット ITA BB29ITA-TBT

トーケンを代表する技術「TBT(TIRAMIC BEARING TECHNOLOGY)」ベアリングを内蔵したボトムブラケット。グレード5のセラミックボールと、特別設計のデュアルリップシールを採用しています。丈夫なうえ平均重量が100gと非常に軽量です。
ベアリングのレース部分にチタンコーティングを施しているのが特徴。スチールレースの傷付きを防ぎやすく、回転のしやすさと優れた耐久性を両立しています。価格より性能を重視する方におすすめのモデルです。シェル幅70mmのイタリアン規格フレームに対応しています。
トライピーク(TRiPEAK) ボトムブラケット ツイストフィット BB386

プレスフィットタイプのボトムブラケットです。主に、シマノの軸径24mmクランクに対応しています。左右のカップをねじ切りにより連結することで、ボトムブラケット周りの剛性を向上させているのが特徴です。ペダリングパワーが効率的に伝えられるため、ダイレクト感のあるスポーティーな走りが楽しめます。
また、フレームとの間に隙間が生じにくく、異音の発生する心配が少ないのも嬉しいポイントです。プレスフィットの高い剛性を維持しつつ、使い勝手にもこだわりたい方はぜひチェックしてみてください。
ティーエヌアイ(TNI) ボトムブラケット エクスターナル セラミックBB

シェル幅70mmのイタリアン規格に対応したモデルです。シマノのホローテックll対応クランクとのセットアップにおすすめのボトムブラケット。ベアリングにグレード3のセラミックボールを採用しており、高い耐久性を有しています。
左右のカップに施された、鮮やかなレッドのカラーリングがおしゃれです。足元をさり気なくドレスアップしたい方にもピッタリなので、気になる方はチェックしてみてください。
タンゲセイキ(TANGE SEIKI) ボトムブラケット TECHNOGLID LN-7922

シェル幅68mmのフレームに対応したボトムブラケットです。ボディ素材にアルミ合金を使用しており、重さは比較的軽量。クロモリ製の中空シャフトを搭載しています。107mmから122.5mmまで、5サイズの軸長がラインナップされているのもポイントです。
また、シールドベアリングを採用しているのが特徴。走行中に水や泥などが侵入しにくいので、水分や異物混入によるトラブル発生の心配も少なくて済みます。
カンパニョーロ(CAMPAGNOLO) パワートルク用 ボトムブラケット IC15-PT386

カンパニョーロが手掛けるパワートルククランク用のボトムブラケットです。本体素材にアルミニウムを採用しており、重さは50gと軽量に仕上げられています。
左右のベアリングを離すよう設計されているのも特徴。ペダルを漕ぐ際のベアリングが受ける荷重を軽減できるため、シャフトの回転がスムーズになります。長期間使用しても、高いパフォーマンスを維持できるおすすめのモデルです。
カンパニョーロ(CAMPAGNOLO) ウルトラトルク用 ボトムブラケット

シェル幅が68mmある、BSC規格フレームに対応したモデルです。ウルトラトルククランクの組み付けにおすすめのボトムブラケット。カンパニョーロの電子式シフト「EPS(Electronic Power Shift)」に対応しています。
また、BSC規格フレームがセットアップされた自転車であれば、シフト操作を電動化できます。ただし、ケーブルガイドシリンダーは付属していないため、購入を検討している方は別途準備が必要です。
VP ボトムブラケット BC73

気軽に購入できる安い価格が魅力のボトムブラケットです。シェル幅68mmのフレームを搭載する自転車に対応しています。本体重量は約283gと若干重めですが、コスパを重視する方におすすめのモデルです。
本製品のシャフト長は118mm。所有している自転車に適合するか事前によく確認してから購入しましょう。
VGEBY1 自転車用ボトムブラケット プレスフィット BB386

プレスフィットタイプのモデルです。シマノ・FSA・Prowheelなどのクランクへの組み付けにおすすめのボトムブラケット。シャフトの径が24mmのクランクセットに対応しています。
本体素材にアルミ合金とプラスチックが採用されており、手頃な価格が特徴です。気軽に購入できる圧入式ボトムブラケットを探している方は、一度チェックしてみてください。
スギノ(Sugino) ボトムブラケット CBBF-103

スギノが展開するシャフト長103mmのボトムブラケットです。ボディにはスチール素材を使用しており、シェル幅68mmのフレームに対応しています。
スクエアテーパータイプですが、本ブランドの独自規格を採用しているのが特徴。ほかのスクエアテーパー規格とは互換性がなく、「SG Mightyテーパー」に対応したクランクとの組み合わせが必須です。交換を検討している方は、あらかじめ留意しておきましょう。
ACRZ ボトムブラケット Brompton用

折りたたみ式小径車用のボトムブラケットです。本体素材にチタン合金を採用しているスクエアテーパーモデル。重さが148gと比較的軽く仕上げられています。
所有しているバイクの軽量化を検討している方におすすめのモデルです。携帯性の向上が図れるため、よりアクティブに持ち運んでランディングを楽しめます。
ボトムブラケットの売れ筋ランキングをチェック
ボトムブラケットのランキングをチェックしたい方はこちら。
ボトムブラケットを購入する際には、シェル幅をはじめ形状や種類が所有している自転車にマッチしているか、事前によく確認することが大切です。チェックを怠ると最悪の場合、組み込めない可能性があるので注意が必要。本記事も参考に、自分の好みや自転車に合ったボトムブラケットを選んで快適に走ってみてください。