パルスオキシメーターは、酸素飽和度と脈拍数を手軽に測定できるアイテムです。スムーズに測定結果が得られるほか、本体サイズもコンパクトな機器のため、医療現場だけでなく家庭でも利用される機会もあります。
しかし、パルスオキシメーターは製品によって測定の精度や機能に違いがあるので、どれを選べばよいのかわからない方も多いはず。そこで今回は、パルスオキシメーターの選び方とおすすめアイテムについて解説します。
パルスオキシメーターとは?
パルスオキシメーターの仕組みと数値の見方

パルスオキシメーターとは、指に挟み込むことで、酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定できる装置のことです。表示された数値から、血液の酸素供給が正しく行われているかを判断できます。
酸素飽和度とは、心臓から全身に運ばれる血液に含まれている赤血球のヘモグロビンが、何%酸素と結合しているかを調べた値のことです。
酸素飽和度の値は、正常値で97~100%が目安。90%以下の場合は呼吸不全になっている可能性があるため、適切な対応が必要とされています。
パルスオキシメーターはどんな人に必要?

パルスオキシメーターは医療機器として、肺炎の重症度や患者の病状、バイタルサインチェックなどの用途で活用されています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、厚生労働省にて「重症度分類(医療従事者が評価する基準)」の指標として用いられています。
非医療分野では、スポーツ選手のコンディション管理や、登山時における健康管理などの用途が代表的です。
パルスオキシメーターの選び方
測定の精度をチェック

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パルスオキシメーターは、正しい健康状態を知るためにも、測定の精度が高いモノを選ぶのがおすすめです。精度の信頼性を確認したい場合は、医療機器認証を取得しているかをチェックしましょう。
医療機器認証を取得したパルスオキシメーターは、製品の品質がよく、測定の安全性や有効性があることを認証されているので、安心して利用できます。しかし、医療機器認証を受けているモデルは、本体価格が高い傾向にあることから、予算と相談して選ぶようにしましょう。
測定状態を確認できる「PI値表示」付きを選ぼう

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パルスオキシメーターは「PI値」を表示できるモノがおすすめです。PI値とは「灌流指数」のことで、測定状態が良好なのかを判断できる値です。
例えば、手が冷えているとPI値が低くなり、酸素飽和度の値を正確に測定しにくくなります。PI値が低い場合は、手指を温めてから測定してみてください。
より正確に計測したいなら「遮光ガード」付きを選ぼう

パルスオキシメーターは、外部の光の影響により、正しく測定できなくなる場合があるので、遮光ガード付きのモデルを選ぶのがおすすめです。
遮光ガードを搭載していると、明るい場所で測定しても、パルスオキシメーター内部に光が入り込みにくくなり、より正確な酸素飽和度を測定できるようになります。
ディスプレイの表示が見やすいモノを選ぼう

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パルスオキシメーターは、測定結果が簡単にチェックできるよう、ディスプレイの表示が見やすいモノを選びましょう。ディスプレイにLEDまたは有機ELを採用しているモデルは、文字がはっきり表示されるのでおすすめです。
ディスプレイが液晶タイプのモデルを選ぶ際は、暗い場所でも見やすく設計されているかを確認してみてください。
用途別に便利な機能もチェック
看護師や介護士なら「マルチアングル機能」付きがおすすめ

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パルスオキシメーターは、マルチアングル機能を搭載していると、患者の酸素飽和度を測定する際に便利です。マルチアングル機能は、測定結果を2方向や4方向に表示切り替えできる機能で、状況に応じて数値の向きを変えられます。
マルチアングル機能を搭載していないと、患者の健康状態を確認する際に測定結果が見にくく、本体の向きを変える手間がかかってしまいます。
小児・乳児用なら「インナーアジャスト」付きが便利

小児・乳児用としても使うのであれば、インナーアジャストを付属したパルスオキシメーターを選ぶのがおすすめです。
インナーアジャストはパルスオキシメーターの測定部分に差し込むアイテムで、指の小さい小児や乳児でも指をしっかりと固定でき、測定がしやすくなります。パルスオキシメーターは指がフィットしていない状態だと、正確な値を測定できないので注意が必要です。
持ち運びたいなら「ポーチ」や「ストラップ」付きを

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高山トレーニングや出先など、さまざまな場所でパルスオキシメーターを使うのであれば、持ち運びに便利なポーチやストラップ付きのモデルを選びましょう。パルスオキシメーター本体はコンパクトな大きさであるものの、小さい分、落としたり失くしたりしやすい点に注意しなければなりません。
パルスオキシメーターをポーチに入れていれば、本体がキズ付いたり、外部からの衝撃を軽減したりできるので、持ち運びの際におすすめです。なかには、外部からの衝撃を守るアイテムとして、シリコンケースを付属しているモデルもあります。
パルスオキシメーターのおすすめ
ダイキン(DAIKIN) パルスオキシメーター ライトテック DP1
大手メーカーかつ医療機器認証品の、酸素飽和度を測定できるパルスオキシメーターです。本製品は、指を入れるだけで測定を開始するため、機械の操作が苦手な方におすすめ。指を抜いたあと、しばらくすると自動で電源が切れる仕様で、バッテリーの消耗を軽減できるのもポイントです。
ディスプレイは有機ELを採用した、明るくて見やすい設計。4方向の表示切り替えに対応しているので、自分以外の健康状態を測定するのにも便利です。また、PI値を表示し、測定状況の確認にも対応。酸素飽和度の測定精度は、±2%のスペックです。
本体は持ち運びに便利なストラップを付属。本体のカラーは全4種類から選べます。
コニカミノルタ(KONICA MINOLTA) パルソックスネオ PULSOX-Neo
酸素飽和度・脈拍数・末梢血流状態を管理したい方や、耐久性を重視する方におすすめのパルスオキシメーターです。本製品は、PI値測定に対応したモデルで、末梢血流が悪くて上手く測定できないときでも、適切な指を確認できます。
また、本体清掃時の消毒薬品耐性や、開閉による耐久性を向上しているのもポイントです。ディスプレイはLCD表示で、文字と背景のコントラスト比により見やすい設計。本体に内蔵された加速度センサーにより、測定結果の表示方向を瞬時に切り替えられます。
測定値を忘れてしまった場合でも、ボタン1つで前回の値を表示可能。測定部分の形状は、日本人の指のサイズに合わせた設計のため、安定して測定を行えます。
日本精密測器(NISSEI) パルスフィット BO-650
機能性とデザイン性のよさが魅力のパルスオキシメーターです。本製品は指を自動検出し、電源とバックライトが自動でオンとオフに切り替わります。PI値の表示により、よりよい測定ができるのもポイントです。
クリップ部は二軸可動構造により、均一かつ優しく指にフィットします。画面は大きいLCDディスプレイを採用。明るいバックライト付きで、酸素飽和度や脈拍数などの情報をスムーズにチェックできます。
測定結果は、約8秒間のホールド機能により、メモしておく際に便利。本体は防滴IPX1や安全性適合規格品のため、耐久性も良好です。カラーは3色のバリエーションから選べます。
RABLISS パルスオキシメーター
低価格ながらも医療機器認定品のパルスオキシメーターです。本体は指に挟んでボタンを押すだけで、すぐに測定可能。指を抜くと自動で電源がオフになる仕様で、気軽に扱えます。
測定値は酸素飽和度・脈拍数・PI値を表示。PI値により正しく酸素飽和度を確認しやすいほか、見やすいディスプレイで測定がスムーズです。
本体はシリコンケース・ストラップ・収納ポーチを付属。登山やトレーニングなど、安全に持ち運びたい方におすすめです。
ドリテック(DRETEC) パルスオキシメーター
軽量性と視認性に優れたパルスオキシメーターです。本体重量は、電池なしの状態で23gと軽量。ストラップ付きで、手軽に持ち運べます。ディスプレイは測定値の確認がしやすい赤色LEDを採用。酸素飽和度・脈拍数・脈拍強さ・波形が1画面で表示されるため、確認がスムーズです。
本体の指ホルダー部分はゴムを搭載。指を挟んだ状態でも痛みが少なく、高齢者から子供まで幅広く使えます。測定は指に挟むだけで簡単。測定にかかる時間もスムーズなので、手軽にコンディション管理が行えます。
また、指を外すと自動で電源がオフになる機能も搭載し、無駄な消費電力を軽減できるのもポイントです。
ちゃいなび パルスオキシメーター JPD-500E
手軽にコンディション管理をしたい方におすすめの、家庭向けパルスオキシメーターです。測定項目は、酸素飽和度・脈拍数・灌流指標に対応。医療機器認証を取得した製品のため、安心して使えます。
ボタンは1つだけの簡単操作。クリップ部分を開いて指を入れ、ボタンを押すだけで測定が開始します。設定の変更や確認は、ボタンを長押しするだけ。ディスプレイはOLEDを採用しているほか、画面が大きくて測定結果をひと目で確認できます。
電源は無操作が10秒続くと自動でオフになるので、バッテリーの消耗を抑えることが可能です。本体重量は、約42.5gと軽量。ポーチとストラップ付きで、登山などへの持ち運びにも便利です。
富士メディカルサービス パルスオキシメーター POF-01
PI値表示機能付きで、よりよい測定結果を確認したい方におすすめのパルスオキシメーターです。乾電池が付属しているため、購入後すぐに計測が可能。ストラップも搭載しており、機器を持ち運びたい方にもぴったりです。
ディスプレイはサイズが大きいほか、LEDを採用しており見やすい設計。ワンタッチ操作で画面表示を4方向に回転できます。表示するデータは、酸素飽和度・脈拍数・脈拍波形グラフ・PI値の4つです。
電源は自動でオフになる仕様のため、無駄なバッテリーの消耗を抑えられます。
オムロン(OMRON) パルスオキシメータ HPO-300T
測定結果をデータで管理したい方におすすめのパルスオキシメーターです。本製品は、専用の健康管理アプリとの連携に対応し、測定結果をアプリに出力して管理できます。本体は30回分のメモリ機能を搭載しているので、複数回測定してからまとめてデータ転送することも可能です。
本体は、遮光ガード機能を有したデザインを採用。さまざまな環境下で本体内部に光が入り込みにくく、正確な測定をサポートします。ディスプレイは有機ELを採用しているため、暗い部屋で測定しても数値の読み取りが簡単です。表示する向きは、ボタン操作により180°回転させられます。
計測した酸素飽和度は、90%以上のときはブルーで表示、90%を下回った場合はオレンジで表示される設計です。
ピュアクリーン(PURECLEAN) メディパルエース
インナーアジャスト付きで、小さな子供から高齢の方まで対応したい方におすすめのパルスオキシメーターです。付属のインナーアジャストをパルスオキシメーターに差し込むことで、指の細い方でもフィットし、測定しやすくなります。
ディスプレイは赤色LEDを採用。数値も大きく表示されるため、測定結果の確認が簡単です。測定中にボタンを押せば、表示する向きを上下反転させられます。本体重量はバッテリーなしで約30gと軽量。付属のシリコンカバーを用いれば、落下による衝撃を軽減できます。
富士コンテック(Fuji Komtech) パルスオキシメータ FC-P01
1ボタン操作で、簡単に酸素飽和度と脈拍を測定できるパルスオキシメーターです。ディスプレイはLEDを採用。連続で使用してもバッテリーが長持ちしやすいエコ設計です。わかりやすい画面表示で、スムーズに日常の健康状態をチェックできます。
本体は手のひらサイズかつ軽量な作りで、持ち運びに便利。付属のシリコンカバーとストラップで安全に携帯できます。また、日本国内にて医療機器認証を取得しているほか、検品・検査も日本で行われているので安心です。カラーはホワイトをはじめとした計3色をラインナップしています。
カフベンテック パルスオキシメーター PC-60B1
アラーム機能やPI値測定を搭載したパルスオキシメーターです。本製品は、ボタンを長押しすると表示されるメニュー設定画面から、アラーム設定が可能。PI値の測定機能も搭載し、精度よく酸素飽和度を確認したい方におすすめです。
電源は自動オンオフ機能により、バッテリー消費を最小限に抑えます。連続使用時間は30時間のスペックです。本体はIPX2の防水規格に対応している点も安心。測定結果は、測定値の表示方向の切り替えに対応しています。
オキシム(OXiM) オキシシリーズ S-126
高い測定精度と見やすいディスプレイが魅力のパルスオキシメーターです。
ディスプレイは有機ELを採用。数値が白く表示されるので、暗い場所でも測定結果が明るく見えます。画面の明るさも10段階の調節が可能です。また、マルチアングル機能により、スイッチ操作で表示の向きを上下左右に切り替えられます。
本体は指を入れると測定を開始する設計。指を抜いたあとは、約8秒間経過後に自動で電源がオフになります。本体の重量はバッテリー込みで約55gと軽量です。
Yonker パルスオキシメータ YK-81A
老舗の医療機器の専門商社が取り扱うパルスオキシメーター。医療機器認証を取得しているほか、全ての機器を国内で検品しています。
本体はオートパワーオフ機能を搭載し、指を外してから約8秒経過すると、自動で電源がオフになる設計。落下防止のストラップを付属しているので、持ち運びの際の落下や紛失のリスクを軽減できます。
ディスプレイはOLEDを採用。ダブルカラーで暗い所でも測定結果を確認できます。ボタンを操作すれば、測定結果を上下左右4方向・全6タイプの画面に切り替えが可能です。
CONTEC パルスオキシメーター CMS50D
4歳以上の子供から年配の方まで幅広く使えるパルスオキシメーター。体重15~110kgまでの方が使用可能で、家族で使う場合や、さまざまな患者の体調管理をしたいときなどにおすすめです。
測定結果は、本体の向きを変えることで4方向の切り替えに対応。測定結果を見たい人の向きに合わせて表示を変更できます。画面の明るさは5段階の調節が可能。測定する環境に応じた明るさに設定できます。
本体はオートオフ機能付き。指がプローブから離れた状態が5秒続くと、自動で電源が切れる設計です。付属のストラップは、持ち運びの際の落下防止に便利。根本部分は、取り外し可能なクリップ式を採用しているので、スムーズに測定を始められます。
ケンツメディコ パルモニ KM-350
安心して測定したい方におすすめの、開発・製造・メンテナンスのすべてを日本国内で行っているパルスオキシメーターです。本製品は、JIS規格に適合したモデル。酸素飽和度の精度は±2%のスペックです。
ディスプレイはLCDを採用。明るい白色バックライトを搭載し、測定結果の視認性に優れています。ボタン1つで、表示向きを反転できるのもポイントです。測定は指を入れるだけの自動測定で簡単。測定部分は指にフィットしやすい構造で、小児から成人まで測定できます。
本体は、首に優しい太めのストラップを付属。カラーバリエーションが豊富で、好みのモデルを選べます。
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番外編|パルスオキシメーターの使い方と注意点

パルスオキシメーターは、指の爪を上に向けた状態で、指を本体の奥まで挿入してから測定を行います。詳細な測定の仕方は、各モデルによって異なるので、必ず取扱説明書を確認しておきましょう。
パルスオキシメーターを使ううえでの注意点は、安静な状態であること以外に、呼吸状態が安定してから測ることが大切です。装着してすぐの測定結果を見るのではなく、脈拍が安定する20~30秒後の数値を読むようにしてみてください。
また、手指が冷たくなっているときや、測定箇所に直射日光の当たる場合は、正しく測定ができません。ほかにも、マニキュアやつけ爪などをしていると、測定結果に影響を及ぼす場合があるため、装飾のない状態で測定しましょう。
パルスオキシメーターは、手軽に酸素飽和度を測定できる機器で、肺炎の重症度や患者の病状など、コンディションを確認するために使われています。酸素飽和度をなるべく正確に測定したい方は、PI値を表示できるモデルや、測定時に光が入り込みにくいモデルを選ぶのがおすすめです。