アウトドアで星空や野鳥などの自然をしっかり観察したい時はもちろん、ライブやスポーツ観戦を心ゆくまで楽しみたい時には、双眼鏡を利用すると便利で快適です。しかし、数多くのモデルがあるので、選ぶ時に迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで、双眼鏡を選ぶ際のチェックポイントを、わかりやすく解説。利用シーンごとに、おすすめの製品もご紹介するのでぜひチェックしてみてください。
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倍率で選ぶ
双眼鏡は倍率6〜10倍のモデルが主流です。倍率が高すぎると、視界が狭くなるので、対象物を捉えにくくなります。そのほかにも、手ブレが発生しやすくなる、像が暗くなるといった点がデメリット。
双眼鏡を手持ちで使用するコンサートやスポーツ観戦などでは、手ブレが生じにくい6〜8倍ほどのモデルが使いやすいでしょう。
また、野鳥や星空など、小さなモノを遠くから観測する場合は、6〜10倍程度の望遠鏡が使いやすいと言えます。それ以上の倍率で見たい場合は、手ブレを軽減する手ブレ補正機構を備えたモデルが便利です。
口径で選ぶ
双眼鏡の明るさにおいて重要な役割を果たすのが、対物レンズの口径です。口径が大きい双眼鏡は集光力が高いので、像が明るくなります。ただし大きく重くなるため、携行性や使い勝手が悪くなりやすくなるのがデメリットです。
双眼鏡では、レンズ口径が20〜50mmほどのモデルが主流。ライブやスポーツ観戦、あるいは登山など、手持ちで使用する場合は、30mmほどの軽量コンパクトなモデルが使いやすいと言えます。手が疲れにくいとともに、手ブレの発生を抑えられるのがメリットです。
天体観測など暗い対象物を観察する場合は、50mmほどの口径で明るい双眼鏡を選ぶとよいでしょう。また、野鳥観察は、森や林の中で使用することも多いので、明るさと使い勝手を考慮して選ぶ必要があります。
実視界と見かけ視界で選ぶ
視界が広い双眼鏡は、目標のモノを捉えやすいのがメリットです。目標物が動いている場合でも、見逃すことなく追い続けられます。双眼鏡の視界の広さを表す指標が、「実視界」と「見かけ視界」です。
実視界は、双眼鏡を動かさずに見られる範囲を角度で表した指標。ただし、倍率が高い双眼鏡ほど実視界が狭くなります。そのため、倍率が異なる双眼鏡では単純に比較できませんが、実視界6.5°を目安とするとよいでしょう。
一方、見かけ視界は、実視界に倍率を掛けた数値。倍率の異なる双眼鏡間でも視界の広さを比較可能です。なお、見かけ視界60°以上の双眼鏡は「広視界型」と言われています。
マルチコートの有無で選ぶ
双眼鏡には複数のレンズやプリズムが使用されており、光がレンズやプリズムを通過すると、光の損失や反射が発生します。光の損失が多いと、双眼鏡の像が暗くなるので注意が必要です。また、双眼鏡内部で光が反射すると、ゴーストやフレアといった現象が発生。いずれも像を見づらくします。
光の損失や反射を防ぐためには、レンズやプリズム表面にコーティングを施すのが効果的です。コーティングを1層施すのが、シングルコート。1種類の色が損失したり反射したりするのを防ぎます。複数層のコーティングをするのがマルチコートです。複数色の光に対して有効なので、光の損失や反射を防ぐ性能はシングルコートより優れています。
明るくクリアな視界で観察したい方は、マルチコート仕様の双眼鏡を選ぶと安心です。できれば、すべてのレンズやプリズムがコーティングされたモデルがよいでしょう。
防水・防滴機能の有無で選ぶ
双眼鏡の内部に水滴が入り込んでしまうと、レンズが曇る、あるいはカビが発生してしまう、さらには使用できなくなるといった不具合が生じかねません。そのため、登山や野鳥観察などのアウトドアはもちろん、野外フェスなどで使用する双眼鏡は、防水・防滴機能を備えたモデルを選ぶのが基本です。防水仕様の双眼鏡は、内部に窒素ガスを充填することによって、防水性を高めています。
双眼鏡のおすすめモデル|コンサート用
ニコン(NIKON) アキュロンT01 8×21
195gと軽量で持ち運びしやすく、ライブやコンサート鑑賞に最適なニコンの双眼鏡。軽量でも倍率8倍を確保しており、アーティストの顔の表情をしっかり見られます。レンズはマルチコーティングされており、明るくクリアな像で鑑賞できるのが魅力です。
本体中央のピント合わせリングが大きいので、ピント合わせがしやすく操作性も優れています。デザインはシンプルで、カラーバリエーションもオレンジ・ブルー・ホワイトと豊富。実勢価格も3000円台と、ニコン製の中では安いので、気軽に購入できるのもポイントです。
ペンタックス(PENTAX) ポロプリズム式双眼鏡 タンクローR 8×21UCF
コンサートやスポーツ観戦用双眼鏡として評価が高い、ペンタックスの人気モデルです。プリズムに高屈折率ガラス「BaK4」を使用しているとともに、レンズにマルチコートを施してあるため、光の透過率が高く明るい双眼鏡。さらに、非球面レンズを採用しており、周辺部まで歪みの少ないクリアな像で見られるのがメリットです。
ボディはラバーコートを施してあるので、グリップしやすく耐衝撃性も良好。ペンタックス独自の連動2軸式眼幅調整を採用していることにより、眼幅調整も簡単な双眼鏡です。最短合焦距離が2.8mと短いので、美術館や博物館で利用する双眼鏡としてもおすすめします。
ペンタックス(PENTAX) Papilio II 6.5×21
初心者でも扱いやすい、倍率抑えめの6.5倍双眼鏡です。すべてのレンズとプリズムにマルチコーティングしており、ゴーストやフレアといった現象を軽減しています。
注目のポイントは「マクロ観察」機能。約50cmまで近づいて見られます。花や昆虫の観察、そして美術館の鑑賞などでも使いやすいのがメリット。また、アイレリーフが長いハイアイポイント仕様なので、メガネをかけていても見やすいのが特徴です。
重量は約290gと軽量。三脚に取り付けできるので、バードウォッチングなどのじっくり観察する用途にも使える双眼鏡です。
双眼鏡のおすすめモデル|スポーツ観戦用
ニコン(NIKON) スポーツスターEX 8×25D CF
リーズナブルな価格ながら、見かけ視界が59.7°とワイドなニコンのダハプリズム式双眼鏡です。倍率は、さまざまなシーンで利用しやすい8倍。レンズはマルチコーティングされているので、光の損失や反射を軽減しているのもメリットです。
サイズは高さ103×幅114×厚さ43mmとコンパクト。2軸折りたたみ式を採用しており、収納性や携帯性が優れています。内部に窒素ガスを充填した防水仕様なので、スポーツ観戦をはじめ、旅行やアウトドアでも使いやすいモデル。中央のピントリングを回すと、左右同時にピントが合います。ピント合わせも簡単な人気が高い双眼鏡です。
ビクセン(VIXEN) 8倍双眼鏡 アリーナ HD8×21WP
小口径21mmの対物レンズを搭載しており、サイズが高さ67×幅91×厚さ48mmと小型のビクセン8倍双眼鏡。重量も190gと軽いのがポイントです。使わない時は、左右を折りたためるのでバッグに入れても邪魔になりません。ボディは軽量で丈夫なアルミ合金製。防水仕様なので、スポーツ観戦はもちろん、アウトドアで使用しても安心です。
レンズ全面はマルチコーティングされており、光の透過率が高いのもポイント。また、見かけ視界も48°でコンサートや旅行などでも使いやすい双眼鏡です。
ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) ズーム式双眼鏡 ultraVIEW 7〜15×35
実勢価格1万円以内とリーズナブルながら、7〜15倍のズーム機能を搭載したケンコーのポロプリズム式双眼鏡。陸上のトラック競技やサッカーなど、広い競技場でおこなわれるスポーツ観戦で使いやすいのがポイントです。
重量は700gと重め。ただし、三脚に取り付け可能なので、重さが気になる場合は三脚を使用するとよいでしょう。
双眼鏡のおすすめモデル|バードウォッチング・アウトドア用
オリンパス(OLYMPUS) 防水・防曇双眼鏡 8×42 PRO
水深1mに5分間浸しても、水が入らない防水性の高さが魅力のオリンパス8倍双眼鏡。ボディ内に窒素ガスを充填してあるので、気温差が大きい時にもレンズが曇りにくいのがポイントです。さらに対物および接眼レンズには、はっ水・はつ油コーティング加工済。表面に水滴や汚れがついても、拭き取りやすい双眼鏡です。
すべてのレンズとプリズム表面にマルチコーティングが施してあるので、覗いた視界の明るさがメリット。42mmという大きめの対物レンズ口径とあいまって、薄暗い林でも明るい像で観察できます。また、最短合焦距離が1.5mと短いことも大きな特徴です。足元など、近くの場所にある植物にも簡単にピントを合わせられます。アウトドアで使いやすいオリンパスのハイエンド双眼鏡です。
ペンタックス(PENTAX) ZD 8×43 ED
色収差補正効果が高い特殊低分散(ED)ガラスを採用した、ペンタックスのハイエンドモデルです。色のにじみが少ないクリアな視界で観察できるのがメリット。見かけ視界は50.4°と広めです。
ボディにマグネシウムを採用しており、堅牢性および耐久性も優れています。防水性能はJIS保護等級6級相当の耐水型です。「いかなる方向から水の直接噴流を受けても内部に水が入らない」という、高い防水性がメリット。登山など過酷な自然条件下で使っても安心な双眼鏡です。
ビクセン(Vixen) アトレックライトBR 6×30WP ハイアイポイント
倍率を6倍と抑えており、視野が明るいビクセンの双眼鏡です。プリズムとレンズ前面には、マルチコートが施されています。そのため、明るくコントラストが高い像を得られるのがメリットです。
本体が防水仕様であることに加えて、レンズ表面には、はつ油コートを施してあります。レンズに汚れがつきにくく、汚れた場合でも簡単に落とせるのがポイントです。
アイレリーフが18.0mmと長いので、メガネをかけている方でも快適に使えます。また、最小眼幅は50mmと短いため、小さな子どもでも見やすいのが特徴。大人数でシェアしたい場面で有効なおすすめの双眼鏡です。
双眼鏡のおすすめモデル|天体観測用
ニコン(NIKON) 広視界双眼鏡 WX 10×50 IF
天体望遠鏡の光学技術を活かした接眼レンズを搭載したことにより、見かけ視界76.4°という圧倒的な広い視界を実現したニコンのハイクラス双眼鏡。一般的に60°以上の双眼鏡が広視界といわれることを勘案すると、本モデルの視界の広さが分かります。
レンズは、色にじみの原因である色収差の補正効果が高い、ED(特殊低分散)レンズを左右に各3枚搭載。高コントラストの像が見えるのがメリットです。また、すべてのレンズとプリズムはマルチコーティングされています。
さらに、「フィールドフラットナーレンズシステム」を採用しているのもポイント。視野周辺がぼやける像面湾曲を抑制しており、広い視界の周辺部までクリアな像で観察できます。星団などの星々一つ一つが、点像で見えるのがメリットです。
本体はマグネシウム合金製なので、堅牢性も良好。5mの水深に10分間浸かっても支障が出ない、高い防水性能を備えています。
キヤノン(CANON) 手ブレ補正機構搭載双眼鏡 14×32 IS
手ブレ補正機構(IS)を内蔵した、手ブレに強いキヤノンの高倍率14倍双眼鏡。2種類のISを備えているのがポイントです。細かく速い揺れに有効なのが「汎用IS」。一方、呼吸などによって身体がゆったり動いてしまう時には「パワードIS」で手ブレを補正します。
ISモードの切り替えはボタン操作で可能です。ボタンから指を離しても、約5分間補正するので、押し続ける必要がなく快適。単3形アルカリ乾電池2本で約10時間使用できる、省エネ性の高さもメリットです。
光学面では、「ダブレットフィールドフラットナーレンズ」を採用しているのが特徴。平らな面を見た時に、像の周辺部がぼやけてしまう「像面湾曲」を軽減しています。視野周辺までクリアに観察可能です。また、各レンズとプリズムには、マルチコート「スーパースペクトラコーティング」を施しており、幅広い波長域で光の反射を抑えています。見かけ視界も55.5°と広い双眼鏡です。
ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) ultraVIEW EX OP 10×32W DH II
実視界6.5°と広視野なケンコーの10倍双眼鏡。高倍率でありながら、対物レンズ口径を32mmとコンパクトにまとめられているので、重量470gと比較的軽いのがメリットです。星座などを手持ちで簡単に観測できます。
また、最短合焦距離が2.5mと短めなのもポイント。バードウォッチングの際に、近くの野鳥も観察できます。アイレリーフ14.8mmのハイアイポイント仕様なので、メガネをかけている方でも見やすいのがメリット。完全防水仕様のアウトドアで使っても安心できるおすすめの双眼鏡です。
性能や大きさそして価格など、双眼鏡はモデルによって大きく異なるのがポイント。そのため、目的や用途をはっきりさせておかないと、選ぶのがむずかしいアイテムと言えます。本記事を参考にして、目的に合った最適な1台を選んでください。