星空を見る際に使用すると、さらに楽しみが広がる「双眼鏡」。星座や天の川、月などは双眼鏡で楽しむのにおすすめの天体です。また、星空だけでなく、日中のアウトドアやコンサートなど、多くシーンで活躍するのも双眼鏡の魅力。
今回は双眼鏡のなかから天体観測におすすめのモデルをご紹介します。双眼鏡の選び方とおすすめのメーカーも併せて解説するので、チェックしてみてください。
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天体観測向け双眼鏡の選び方
双眼鏡の主要なタイプ
双眼鏡は、肉眼で見るのと異なり、像が上下逆転して見える「倒立像」を防ぐために、「正立プリズム」というパーツを搭載。プリズムの種類によって、「ポロプリズム式」と「ダハプリズム式」の2つのタイプに分けられます。
ポロプリズム式双眼鏡は、眼に合わせる側の「接眼レンズ」より対物レンズが外側に位置しているのが特徴です。比較的リーズナブルな価格で販売されています。
ダハプリズム式双眼鏡は、接眼レンズと対物レンズが一直線なので、コンパクトな仕様です。ただし、高い技術力を要するため、高価なモデルが多く見られます。
双眼鏡のスペックは何をチェックするの?
双眼鏡を選ぶときは、倍率・対物レンズ口径・実視界のスペックに注目しましょう。倍率と口径は一般的に、「7×50」のように表記されます。
双眼鏡の倍率は、一般的に6〜10倍程度が主流。あまり高倍率だと手ブレが発生しやすくなってしまい、手持ちでも気軽に観測できる双眼鏡のメリットが活かされにくくなります。
双眼鏡の口径は30〜50mmが一般的です。口径が大きいほど光を集める能力である「集光力」が大きくなり、明るく見えますが、代わりに本体が重くなってしまうのがデメリットなので留意しましょう。
実視界は、視界の広さを度(°)で表しています。視界が狭いと天体を捉えにくいので、5°以上の双眼鏡が主流。ビギナー向けのエントリーモデルは8°程度の双眼鏡がおすすめです。
メガネを掛けている方や女性には、ハイアイポイント双眼鏡がおすすめ
ハイアイポイントとは、双眼鏡の接眼部から15mm以上眼を離しても、すべての視野を見通せる機能のこと。「アイレリーフ」と呼ばれる数値でスペックが確認できます。
ハイアイポイント機能が搭載されたモデルは、メガネを掛けたままでも利用可能。接眼部に肌が触れることなく使えるため、アイメイクが崩れないか心配な方にもおすすめです。接眼レンズから目を離すことで、目が疲れにくくなるので、長時間の使用にも向いています。
天体観測向け双眼鏡のおすすめメーカー
ニコン(Nikon)
ニコンは国際的にも高い評価を受ける、日本を代表する光学機器メーカー。世界の報道カメラマンから圧倒的な支持されるなど、光学性能のみならず信頼性・耐久性の高いブランドです。
双眼鏡でもレンズのコーティングや窒素ガス充てんによる防水性の高さなど、アウトドアでのハードユースに耐えられる性能が魅力です。ニコン製品は高価なイメージがありますが、双眼鏡は手頃な価格のモデルもラインナップしています。
ビクセン(Vixen)
ビクセンは天体望遠鏡や双眼鏡、顕微鏡などコスパの高い光学製品を展開しているメーカー。双眼鏡ではアウトドア用品メーカーのコールマンとコラボしたモデルを製造するなど、ラインナップも豊富です。
天体観測やバードウォッチングをはじめとする自然を楽しむイベントを開催したり、天体現象の情報などを積極的に発信したりしています。
ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina)
ケンコー・トキナーは、カメラのレンズフィルターや三脚などの市場シェアが高いメーカーです。2011年に、コスパの高い交換レンズに定評のあるトキナーと合併して「ケンコー」から「ケンコー・トキナー」となりました。
システム化された望遠鏡やポータブル赤道儀といった天体観測機器をはじめ双眼鏡や顕微鏡なども数多くラインナップ。リーズナブルな価格が魅力です。
天体観測向け双眼鏡のおすすめ
ビクセン(Vixen) 双眼鏡 アトレックII HR8×42WP
アイレリーフが19mmある、ハイアイポイント仕様の双眼鏡です。メガネを掛けた方でも安心して使えるおすすめのモデル。7.5°の広い実視界を有しており、初心者でも扱いやすい設計が採用されています。
また、大口径の接眼レンズとツイストアップ見口を備えているので、裸眼、メガネ着用のどちらでものぞきやすさは良好です。
プリズムに多様なコーティングを施しているのも特徴。光量のロスが大幅に抑えられるため、天体観測など暗所で使用する際でも明るい視界を確保できます。
ビクセン(Vixen) 双眼鏡 アスコットZR7×50WP
手頃な価格で購入できるポロプリズム式の双眼鏡です。優れた防水性能を搭載しているのが特徴。水濡れを気にせず、安心してフィールドへ出かけられます。天候の急変により急に雨が降り出した場合でも、慌てず使えます。
外装に高分子エラストマー素材を採用しているのも本製品の特徴です。手にしっくりと馴染み滑りにくいほか、高い耐ショック性も備えています。アウトドアにおける、使い勝手のよさを重視する方におすすめのモデルです。
オプションのビノホルダーを利用すれば三脚への取り付けが可能。長時間におよぶ天体観測や野生動物の観察シーンで重宝します。
ビクセン(Vixen) 双眼鏡 SG2.1×42H
星空の見やすさを追求して設計された低倍率の双眼鏡です。倍率2.1倍・口径42mmで設計されており、ヌケのよい天体観測が可能。肉眼で見るよりも明るく星空を見渡せると謳われているのが魅力です。手軽に星座や天の川の観測をしたい方におすすめです。
筐体の収納用にEVA製のハードケースが付属しているのも特徴。チャックで開閉する仕様で、キャンプや登山など、荷物をまとめやすいのがメリットです。本体の重さは410gの軽量設計で、持ち運びやすいのもポイント。レンズは多層膜コーティングが施されており、明瞭感のある天体観測が楽しめます。
ニコン(Nikon) MONARCH M7 8×30
メガネを掛けたままでも使いやすいロングアイレリーフ仕様の双眼鏡です。レンズとプリズムすべてに多層膜コーティングが施されており、クリアで自然な色合いの視界を実現。ガラス素材に特殊低分散ガラスが使われているため、解像度の高い天体観測ができます。本体内部に窒素ガスを充てんすることで、寒冷地帯や温度変化の激しい場所でのレンズの曇りを防止。防水構造になっており、本格的なアウトドアシーンで天体観測する方におすすめです。
持ち手はラバーコート素材を採用。使用中に手から滑り落ちるのを防止します。ボディはポリカーボネイト樹脂素材を使うことで、長時間使用するための軽量化を実現。また、対物レンズと接眼レンズに撥水・撥油加工が施されているため、皮脂や指紋による汚れを拭きとりやすいのも嬉しいポイントです。
ニコン(Nikon) 双眼鏡 MONARCH 5 8×56
56mmの大口径対物レンズを搭載した、集光力の高い双眼鏡です。視界が明るいので天体観測をはじめ、野鳥・自然観察やスポーツ観戦など幅広い用途におすすめ。実視界が6.2°あるため、動く対象物を比較的楽に補足することが可能です。
また、ハイアイポイント仕様なので、メガネを装着している方でも快適に使えます。ED(特殊低分散)ガラスを採用しているのが特徴。色収差を補正するため、色にじみの少ないシャープな像が見られます。
防水・防曇構造で、マリンスポーツにもおすすめのモデルです。ただし、重量が1140gと重めなので、購入を検討している方はあらかじめ留意しておきましょう。
ニコン(Nikon) 双眼鏡 アクションEX 12×50 CF
12倍の倍率を備えたポロプリズム式の双眼鏡です。本体内部に窒素ガスを充てんしており、温度差のある環境でも曇りにくいのが特徴。あたたかい車内から冷え込みの厳しい車外に出て、天体観測をするようなシーンでも快適に使用できます。
優れた防水性能を有しているため、雨や夜露で濡れた場合でも使えます。接眼レンズに非球面レンズを採用しているのも本モデルの魅力。視野の隅々まで歪みの少ないはっきりとした像が見られます。
また、50mmの大口径対物レンズを搭載しており、集光性も良好です。ボディにはラバーコーティングを実施。手にしっかりと馴染みやすく、汗や雨で濡れても滑りにくいので重宝します。
ニコン(Nikon) 双眼鏡 7×50CF WP GLOBAL COMPASS
グローバルコンパスを内蔵した、ユニークな双眼鏡です。照明がついているため、夜間でも方位を簡単に把握することが可能。星座や惑星の位置を確認しやすく、天体観測シーンで重宝します。
さらに、北半球・南半球のどちらでも測位でき、使い勝手は良好です。アイレリーフが22.7mm確保されているため、メガネを装着したまま利用できます。
対象物までの距離や大きさが測れる、スケールを搭載しているのが特徴。アウトドアや海上でおこなう、さまざまな作業用途で活躍します。
ニコン(Nikon) 双眼鏡 WX 10×50 IF
高度な光学システムを備えたダハプリズム式の双眼鏡です。実視界が9°と非常に広い視野を有するのが特徴。天体観測時における視認性を重視する方におすすめのモデルです。星空の中を漂っているような高い没入感が得られます。
「フィールドフラットナーレンズシステム」を採用しているのも本モデルの魅力。収差による像面の湾曲を適正化するため、視界の隅々まで鮮明な像を確認することが可能です。
ボディ素材には堅牢なマグネシウム合金を採用しています。ただし、質量が2505gと重いので、購入を検討している方はあらかじめ留意しておきましょう。
ニコン(Nikon) MONARCH HG 10×42
堅牢性に優れたダハプリズム式の双眼鏡です。筐体にマグネシウム合金素材を採用しているのが特徴。防水・防曇構造になっており、標高5000m相当の低気圧環境においても、安定感のあるパフォーマンスを発揮すると謳われています。水深5m相当の水圧に耐えられるため、屋外で急な雨に見舞われた際も安心です。
アイレリーフは、メガネを付けたままでも見やすい17mmの設計。接眼目当ては回転繰り出し方式を採用しています。また、ロック機構付きの視度調整リングによって、快適な天体観測を実現できます。
本製品は、視界の隅々までクリアに解像する「フィールドフラットナーレンズシステム」を採用。レンズの像面湾曲による周辺部の視界のぼやけを防止します。レンズに特殊低分散ガラスを使うことで、色のにじみを抑制できるのもメリットです。自然なコントラストと明瞭感のある観測体験を求める方におすすめです。
ニコン(Nikon) EDG 7×42
ニコンの高品質な光学技術を搭載したフラッグシップモデルです。双眼鏡のプリズムに「高反射誘電体多層膜」と「位相差補正コート」を採用することで、メリハリのある高解像な視界を実現。実視界は初めての方でも見やすい8°で設計されており、広範囲を鮮明に見渡せるのがメリットです。
操作性にこだわって作られているのもポイント。視度調節ができるフォーカスリングを引き出す設計で、調整後に視度がずれにくい工夫が施されているのが魅力です。
筐体は785gの軽量化を実現。また、5mの水深に10分間浸かった場合に、内部光学系に影響が出にくい防水設計を採用しており、急な天候の変化にも対応できます。野鳥やマリンスポーツの観測でも使えるのがメリットです。使いやすさと高解像を両立させたモノを探している方におすすめです。
ケンコー・トキナー(Kenko・Tokina) 双眼鏡 Artos 7×50
堅牢性に優れた倍率7倍の双眼鏡です。IPX7の防水性能を有しているのが特徴。筐体は耐久性のあるアルミダイキャスト素材を採用し、自然環境で安定感のあるパフォーマンスを発揮します。天体観測時における夜露が気になる方も安心して使えます。
視度の調整がしやすい「クリック付視度調整リング」を搭載。接眼部はハイアイポイント設計を採用しており、メガネを掛けた状態でも見やすいのがメリットです。また、ピントリングを大型にすることで、操作性を高めています。レンズはマルチコート加工を施した仕様。観測環境に左右されにくいモノを探している方におすすめです。
ペンタックス(PENTAX) JUPITER 8×40
40mmと大口径な対物レンズを搭載したポロプリズム式の双眼鏡。シンプルなデザインながら高機能なのが特徴です。レンズにはマルチコーティングが施されているためフレアやゴーストが少なく、クリアな視界を確保できるのがメリット。光の反射もしにくい仕様です。
本製品は、メガネを掛けたままでも使えるロングアイレリーフタイプ。また、ピントの調整や本体の持ちやすさなど、全体のデザインにこだわっているのも便利なポイントです。
筐体は横幅188×高さ132×厚さ58mmで使いやすいサイズ。重量は約735gです。天体が明るくはっきりと見えるおすすめの双眼鏡です。
サイトロン(SIGHTRON) Comet Scan 18×80
スタイリッシュなデザインが魅力のポロプリズム式双眼鏡です。天体観測をしやすくするため、80mmの大口径の対物レンズを採用。レンズはフルマルチコートコーティングを施しているので、鮮明な視界が楽しめます。
プリズムは高品質なBaK4で作られているのがポイント。高いレンズ透過率を実現し、再現度の高い色表現が楽しめます。焦点調整機構はピントの調節がしやすいIF方式を採用。また、グリップはラバー加工が施されており、握りやすいデザインが魅力です。高性能で操作性に優れたモノを探している方におすすめの双眼鏡です。
キヤノン(Canon) 双眼鏡 10×42 L IS WP
優れた光学手ブレ補正機構が搭載されたキヤノンの双眼鏡です。視界の隅々まで鮮明に楽しめる「ダブレットフィールドフラットナーレンズ」を採用。天の川や星座など広範囲にわたって天体観測する際に便利です。最短合焦距離は2.5m。近場から遠くまで自由度の高い観測ができます。
日中の観測に配慮した設計も特徴。レンズに「スーパースペクトラコーティング」を施すことで、逆光環境の観測時にフレアやゴーストを防げます。
また、IPX7相当の防水設計が施されており、雨天で使えるのもメリットです。使用後は本体に付着した汚れを水洗いで落とせます。高品質でメンテナンスしやすいモノを探している方におすすめです。
ナシカ(NASHIKA) 双眼鏡 パノラマナイト7×35ZCF
口径35mmのポロプリズム式双眼鏡です。入射光率の高いBak4プリズムを採用することで、明るく鮮やかな視界を実現。倍率7倍で天体観測をはじめ、ライブやスポーツ観戦でも活躍します。
筐体は使いやすいデザイン設計を採用。持ち手部分には手に馴染みやすい三角形のグリップに加えて、滑り止めのゴムラバーが使われています。中央の焦点調整リングを回すことでピントをあわせられるため、初めて使用する方も簡単に操作できます。
付属品も充実。本体を収納するソフトケースと、観測中の落下防止を防ぐネックストラップが入っており、気軽に持ち運びできるのがポイントです。対物レンズと接眼レンズ用の保護カバーも付属しているため、安心して持ち運べます。
双眼鏡は、数千円から数十万円までさまざまな価格帯のモデルを数多くラインナップされています。天体観測だけでなくアウトドアやコンサートなど、双眼鏡があれば楽しみ方の広がるシーンはさまざま。また、大人も子供も一緒に楽しめる点が魅力です。予算と利用シーンに応じて適切なモノを選んでみてください。