マジックを華麗に成功させるには、パートナーとなるトランプ選びも重要です。しかし、トランプにはさまざまな種類があり、使いやすさも異なります。

そこで今回は、初心者はもちろん上級者にもおすすめのトランプをピックアップ。すぐに始められる簡単トランプマジックもあわせてご紹介するので、ぜひチャレンジしてみてください。

マジック用トランプの選び方

サイズで選ぶ

一流マジシャンも多く愛用するポーカーサイズ

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トランプのサイズには大きく分けて2種類あり、トランプマジックにおすすめのサイズは63×89mmの「ポーカーサイズ」。横幅が広く大判なためマジックも大振りになり、見栄えがよいのがポイント。世界標準サイズなので流通量が多い大きさです。

また、マークや数字の視認性が高いのもマジックに向いている理由のひとつ。本場カジノのポーカーや、プロのマジシャンの多くがポーカーサイズを愛用しています。

マジック用トランプと言えばポーカーサイズが主流なので、仕掛けのあるカード、「ギミックカード」も多くはポーカーサイズに合わせられて作られています。初心者の方でサイズを迷っているなら、ポーカーサイズを選ぶとよいでしょう。

子供や女性でも簡単に扱えるブリッジサイズ

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もう一つは日本でおなじみのブリッジサイズと呼ばれる57×89mmサイズ。ポーカーサイズに比べ横幅が狭く、手札を多く持つトランプゲーム「ブリッジ」に向いているためこう呼ばれています。

マジックの上達にはとにかくトランプに触れている時間を長くすることが重要なので、はじめは取り扱いやすく自分の手にしっくりくるサイズを選ぶのがおすすめ。子供や手の小さい方はブリッジサイズが適しています。

素材は紙タイプがおすすめ

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素材は紙とプラスチックがあり、どちらにもメリット・デメリットがありますが、プラスチックは丈夫で耐久性が高く、日ごろ皆でトランプゲームをするのに向いています。万が一ジュースをこぼしてしまっても安心。曲がり癖も付きにくいので長く使用できます。

しかし、表面がツルツルしていると摩擦が強くトランプのすべりが悪いので本格的なマジック向きではありません。安価なものでは静電気が発生してトランプ同士がくっついてしまうというデメリットもあります。

一方、紙製トランプは耐久性においてはプラスチック製に劣りますが、凹凸のエンボス加工が施してあるものが多く、紙すべりが非常によいのが特徴です。テーブルでトランプを直線や扇状に等間隔で広げて見せる基本技術「スプレッド」は、紙製の方が美しく決まります。

また、マジックの種類によってはトランプにペンで名前を書き込んだり、破って見せたりするものもあり、紙タイプを選択すればマジックの幅も広がるのでおすすめです。

裏面の模様が上下対称で白い縁があるデザインを選ぶ

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トランプは表面に注目しがちですが、裏面の模様もしっかりチェックしましょう。トランプを見分けられタネに気づかれてしまうこともあるので、裏面の模様は上下対称であることが基本です。

ただし、マジシャン側にしか分からないようごくわずかに上下非対称なトランプもあります。マジックに詳しい相手だと気づかれてしまうデメリットはありますが、慣れないうちは目印になるので使用するシーンに合わせて選びましょう。

また、裏面が白く縁どられているものを選ぶのがおすすめ。縁なしトランプはデザイン的にはスタイリッシュですが、裏面にしたトランプ(リバースカード)を混ぜておくマジックではタネが相手にバレてしまいます。縁なしだとトランプの境目が分かりにくいのも難点です。

マジックにおすすめのトランプ

バイスクル(Bicycle) ライダーバック

バイスクルは世界トップクラスの売り上げを持つU.Sプレイング・カードが展開する中で、最も人気のトランプブランド。多くのプロマジシャンも使っており、マジック用のトランプと言えばまず候補に挙がるブランドです。仕掛け用カード、ギミックカードの多さもトップレベル。

本ブランドの製品は紙製のエンボス加工を採用しており、微細に凹凸があるのでトランプ同士がくっつくことなく非常にすべりがよいのが特徴です。

ライダーバックはバイスクルの中でも最もポピュラーな柄で、裏面には天使が自転車に乗っているポップなデザインが描かれています。ジョーカーは自転車に乗ったキングと、デザインの面白さもポイントです。

赤と青がありますが、室内でのマジックには視認性の高い赤がおすすめ。迷ったらまず選んでほしいベーシックなポーカーサイズのトランプです。

タリホー(Tally-ho) サークルバック

バイスクルと同じU.Sプレイング・カード社のトランプブランドのひとつ。紙製でエンボス加工付きなので扱いやすいのはもちろん、手に早くなじみやすいやわらかめな素材なのが特徴です。サイズもマジック向きのポーカーサイズで、バイスクルと並ぶほどの人気があります。

表面加工はタリホー独自のものなのでバイスクルよりもなめらか。カードのすべりがバイスクルほど強くないのも特徴です。プロの中にも多くの愛用者がおり、日本のマジシャン前田知洋氏もその1人。

タリホーには裏面のデザインが2種類ありますが、サークルバックがより人気。キツネ狩りでターゲットを発見した時の掛け声が「タリホー」であるため、ジョーカーは狩人のイラストが描かれています。

ビー(Bee) ダイヤモンドバック

ビーはU.Sプレイング・カード社による人気ブランドのひとつ。ダイヤモンドバックはハチの上に乗ったミニピエロがジョーカーに描かれているポーカーサイズのトランプです。バイスクル、タリホーと同じメーカーなので紙製&エンボス加工を採用しており、すべりがよく扱いやすいところはよく似ています。

しかし、ビーの特徴は、トランプの質が硬めであること。耐久性が高いので、やわらかめのタリホーが目の前の相手1人にじっくり見せるマジック向きに対し、本製品は派手なアクションをして大勢の観客に見せるマジックに向いています。

裏面は白い縁取りのないダイヤ柄。裏表がすぐ気づかれてしまい、使いこなすのがかなり難しいので上級者向けです。しかし、トランプの境目が分かりにくいため、1枚目を配ると見せかけ2枚目を配る「セカンドディール」が気づかれにくく、マジックの種類によっては有効に使えます。

バイスクル(Bicycle) ブリッジサイズ 

世界で最もユーザーの多いバイスクルの定番、ライダーバックのブリッジサイズバージョン。手の小さい方や子供でも扱いやすく、まずは手に馴染みやすいサイズで練習したい方におすすめです。

ライダーバックはすでに100年を超える歴史があり、マジック業界でも非常にメジャーなデザイン。ポーカーサイズがうまく扱えなくても、本製品を持っておけば上級者らしく演出できます。

セオリー11(theory11) タイクーン

とにかく見栄えのよいトランプを使いたい方やベーシックなトランプに飽きてしまった方におすすめのセレブなトランプ。富豪のみを客として迎える有名マジシャン、スティーブ・コーエンと、有名マジックショップセオリー11がプロデュースしたアイテムです。

精巧なつくりとシックなジョーカー&エースのデザインや黄金を思わせるアイボリーの色調が品の高さを感じさせます。トランプというより一つの美術品のようなので置いてあるだけでも非常にスタイリッシュ。ポーカーサイズの大きさなのでマジックも華麗に決まります。

名前の「Tycoon」は「大物」「実力者」を意味する言葉ですが、これはかつて外国人が徳川将軍を「大君(たいくん)」と呼んだことからきています。その名にふさわしい威風堂々としたトランプ、見せるだけで話題になることはもちろん、マジックも豪華さを演出できるのでおすすめです。

バイスクル(Bicycle) ガーディアン

バイスクルの中でも、最も怪奇的かつ幻想的なゴシックデザインが魅力のガーディアン。マジックショップ「セオリー11」がプロデュースしたデザインです。

本アイテムの質そのものはバイスクルの他のポーカーサイズトランプと同じなので、非常にマジック向き。それでいてモノトーンにまとめられた絵柄が魅力です。赤もベーシックな赤ではなく、ガーネットを思わせる深いクリムゾンレッドなのでハートやダイヤをより際立たせています。

ジョーカーと裏面のデザインはガーディアンエンジェル(守護天使)が描かれているのもポイントです。魅惑的な印象なのでマジックだけでなくトランプ占いにも最適。他のマジシャンと差をつけたい方や個性的なトランプを使いたい方におすすめです。

任天堂(Nintendo) トランプ 622

世界的ゲームメーカーである日本企業任天堂も、もとは京都で花札やトランプ作りから始まりました。今もなおトランプの販売を続けており、トランプ作りではかなりの老舗。トランプの質も高く、家族や友人とのカードゲームでも活躍するアイテムです。

任天堂のトランプは、手の小さい子供にもしっくりくる58×89mmのブリッジサイズ。プラスチック製なので本格的なマジック向きではありませんが、丈夫でへたれにくいため小学生のマジック練習に最適です。デザインもスタンダードで見やすく、マークや数字の見やすさはトップレベル。

スタンダードトランプの中にも600、800、1,000番台とシリーズが豊富ですが、トランプそのものやプリントの質はどれも同じです。1,000番台になるとケースに高級感が出て丈夫なのが特徴。柄もシリーズごとに豊富なので、好みの柄を選べます。

コパッグ(COPAG) ポーカーサイズ 赤

ラスベガス最高峰のポーカー選手権WSOP公式トランプ。プラスチック製を採用しており、何十回折り曲げても癖が付きにくい耐久性の高さが特徴です。

紙の10倍以上の耐久性ながら紙のような質感なのでマジック練習に最適なアイテム。表面に特殊な加工を施してあるため、まるで紙トランプのような手に馴染みやすい触り心地を実現しています。

また、安価なプラスチック製トランプとは違い、柔らかいのでよくしなり、あまり硬さを感じません。耐水性もあり、水がかかっても安心。マジック練習用の丈夫なトランプを探している初心者の方におすすめです。

番外編|トランプを使った手品のやり方・種明かし

リバースカード

相手の選んだトランプだけが束から表面で出てくるマジック。マジックを成功させるために、「ミスディレクション」を覚えましょう。言葉は難しいですが、「注意をそらす」ということ。タネから目を離させることで成功に導きます。

まず、トランプ束の一番下のみ裏面にしておきます。次にトランプを並べて相手にカードを選んでもらいましょう。よくカードを覚えるよう相手に声掛けをしながら、トランプ束の上下を逆にします。

先ほど裏にしたボトムカードが、一番上に来た状態です。仕掛けを見られないよう、選んだカードに注目させることが重要。マジシャンのトーク力にも関わってきます。

そして相手に任意の場所に選んだカードを戻してもらいましょう。その後再度トランプ束の上下を逆にします。あとは直線でも扇状でもよいので、カードをスプレッド(広げる)すれば相手のカードのみ表で登場し、マジック成功です。

エレベーターカード

指を鳴らすと、相手が選んだカードが真ん中から一番上に上がってくるマジック。アンビシャスカードとも呼ばれます。マジックを成功させるには「ティルト」を覚えましょう。

ティルトとはトップのトランプを傾けてトランプ束の厚みをごまかし、真ん中あたりにカードを入れたように見せかけること。真ん中に入れたように見せて、実はトップから2枚目に差し込んでいます。

まず相手にカードを1枚選んでもらいましょう。何のカードか確認してもらっている間にトップのカードを起こすように傾けます。相手からはトップの下にもトランプ束があるように見せるのがポイント。この状態のまま、選んでもらったカードをトップの下に滑り込ませる「ティルト」をします。

指を鳴らした後に2枚同時にカードを開くと、相手が選んだカードがトップに来ているように見えるというものです。2枚同時に開きますが、1枚のように見せかけるテクニックが必要。ティルトは人の錯視を使ったテクニックであり、トランプマジックの基本です。

ストップカード

相手が「ストップ」と言ったところで止めると、はじめに相手が選んだカードが出現するというマジック。マジックを成功させるには「ブレイク」を覚えましょう。ブレイクとはトランプマジックの技法として最も基本的なもので、トランプ束に隙間を作ることを指します。

まずはトランプ束から相手に好きなカードを選んでもらい、二つに分けたトランプ束の片方の上に戻してもらいます。その後もう片方のトランプ束で挟むようにしますが、この時相手が選んだカードの位置がわかるようブレイクを作っておきましょう。

次に、シャッフルするように見せかけながら相手の選んだカードを一番下に持っていきます。シャッフルのテクニックも重要です。最後にボトムの一枚上からカードを出していき、相手にストップと言ってもらいます。ストップと声がかかった時にボトムのカードを出せば、それが相手の選んだカードであり、手品は大成功です。