ジントニックをはじめとする有名カクテルのベースとして人気の「ジン」。製品によってさまざまなボタニカルが使用されており、生産地域や造り手ごとに独自の香りや風味を楽しめる味わい深いお酒です。
今回は、定番のドライジンや個性豊かなクラフト・ジンなど、多彩に揃うジンのなかからおすすめの銘柄をピックアップ。選ぶ際のポイントも詳しくご紹介します。お気に入りのジンを見つけて、優雅なおうちバーを堪能しましょう。
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ジンとは?
ジンの歴史
「ジン」とは、大麦・ライ麦・トウモロコシなどの穀物を原料とした蒸留酒のことです。「ジュニパーベリー」をはじめとする、さまざまな香草や薬草成分を加えて香味づけされているのが特徴。
歴史が古く起源には諸説ありますが、1660年頃、オランダの医師がジュニパーベリーをベースに利尿・解熱効果のある甘口の薬酒を製造したことが普及のきっかけになったとされています。ジュニパーベリーのフランス語である「ジュニエーブル」の名で広く認知されるようになりました。
のちに、オランダの貴族がイングランド国王として即位したのを機にジュニエーブルがイギリスへ伝わり、「ジン」と短縮された名で爆発的な人気を獲得。19世紀頃には、雑味の少ない辛口の「ロンドン・ドライジン」へと洗練されていきました。
ジンの原料
ジンは、大麦・ライ麦・ジャガイモ・トウモロコシなどの穀物を原料としたグレーンスピリッツに、ボタニカルを加えて作られているお酒です。
「ボタニカル」とは、香草や薬草類の総称のこと。ジンにはジュニパーベリーをメインに数十種類の多彩なボタニカルが使われることもあり、製造地域やメーカーによって、独自の香りや味わいを楽しめるのが魅力です。
なお、「スピリッツ」とは醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めた蒸留酒のことで、ジンはウォッカ・テキーラ・ラムと並ぶ世界4大スピリッツのひとつに数えられています。
ジンの定義
2008年にEUで制定された法律「EU Spirit Drink Regulations」では、ジンの定義として、ジュニパーベリーをメインのフレーバーとして使用していること、アルコール度数が37.5%以上であることが定められています。
ちなみに、ジュニパーベリーとはセイヨウネズと呼ばれる針葉樹の実のこと。イチゴやラズベリーなどほかのベリー系のフルーツとは異なり、ハーバルでさわやかな香りにスパイシーさを備えているのが特徴で、ジンの個性的な風味を生み出しています。
ジンの度数はどのくらい?
ジンのアルコール度数は、一般的に40%前後。蒸留後にどのくらい水を足すかによって度合いが変わり、低いモノで40%未満、高いモノで50%を超えるなど銘柄によって幅広く設定されています。
なお、ビールは5%程度、日本酒やワインは15%程度、焼酎でも25%程度とほかのお酒と比べてアルコール度数が高いのも特徴です。
ジンの選び方
種類をチェック
ドライジン
現在スタンダードなのが、「ドライジン」です。ジンの定番銘柄はほとんどがドライジンに該当。イギリス・ロンドンで発祥したスタイルのため、「ロンドン・ドライジン」とも呼ばれています。
連続式蒸留機で製造した純度の高いスピリッツを使用しており、ジュニパーベリーや柑橘系のさわやかな香りにクセの少ないすっきりとした味わいが特徴。さまざまなカクテルのベースとして世界中で人気を博しています。
好みのアレンジを加えて、ジンを幅広く自由に楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。
ジュネヴァ
「ジュネヴァ」は、オランダで作られているジンの原型ともされるスピリッツ。オランダジンとも呼ばれるスタイルで、単式蒸留機を使用して数回蒸留し、ジュニパーベリーの蒸留液などをブレンドして仕上げているのが特徴です。
原料の風味がしっかりと残っており、麦芽の豊潤な香りに甘みとコクのある濃厚な味わいが魅力。カクテルのベースとしてはもちろん、ストレートでじっくりと香りを楽しみながら飲むのもおすすめです。
シュタインヘーガー
ドイツのシュタインハーゲン村で生まれた、「シュタインヘーガー」。生のジュニパーベリーを発酵して使用し、さらに単式蒸留器を用いて造られているのが特徴です。
味わいはドライジンとジュネヴァの中間に位置するともいわれており、甘い香りにマイルドな口当たりで飲みやすいのが魅力。本場ドイツでは、ショットグラスに注ぎストレートで飲むのが主流です。
オールド・トム・ジン
「オールド・トム・ジン」は、ドライジンよりも古い歴史を持つイギリス生まれの甘口ジンです。当時の技術で作られた蒸留酒は雑味が多かったため、砂糖を添加して飲みやすくしたことがはじまり。
現在は、ドライジンに2%程度の砂糖を加えたり、サトウキビ由来のスピリッツをブレンドしたりして仕上げられています。ほどよい甘みで飲みやすいため、ジン初心者の方やドライな味わいのお酒が苦手な方などにもおすすめ。甘いカクテルのベースとも好相性です。
使用されているボタニカルをチェック
ジンには、必須のジュニパーベリーをはじめ、レモンピール・オレンジピール・コリアンダーシード・カルダモンシード・アンジェリカルート・ジンジャー・シナモンなどさまざまなボタニカルが使用されています。
銘柄によって5~10種類程度のボタニカルを組み合わせており、独自のテイストを楽しめるのが魅力。ラベルなどに明記されているボタニカルも忘れずにチェックしてみてください。
個性の強い「クラフト・ジン」もおすすめ
最近、注目を集めているのが世界各国の小規模な醸造所で造られている「クラフト・ジン」。とくにボタニカルにこだわりを持つ作り手が多く、産地特有のハーブなどをふんだんに用いて個性豊かな味わいを生み出しています。
たとえば、日本のクラフト・ジンなら、玉露・柚子・山椒など日本古来のボタニカルを取り入れた、和テイストの味わいを楽しめるのが魅力。上質かつユニークなジンを堪能したい方におすすめです。
ジンのおすすめ銘柄|初心者向け
ビーフィーター(BEEFEATER) ジン 40度
1820年の創業以来、オリジナルレシピを忠実に受け継ぎ、現在でもロンドン市内で製造されている「ビーフィーター」のドライジン。ジュニパーベリーをはじめとする9種類の厳選ボタニカルを、約24時間じっくりと浸漬し蒸溜した、こだわりの1本です。
グラスに注ぐと立ち上がる、レモンピールとセビルオレンジピール由来のさわやかな柑橘香が魅力。雑味の少ない豊かでクリーンな風味は、定番のジントニックをはじめ、さまざまなカクテルのベースとして活躍します。
ラベルに描かれている、長年王宮を警護してきた近衛兵のイラストは、200余年にも渡って伝統を守り続けているまさに本銘柄の象徴。ロンドン・ドライジン王道の味わいを、ぜひ最初の1本に堪能してみてください。
ボンベイ・サファイア(BOMBAY SAPPHIRE) プレミアム・ジン
透き通るように美しいブルーボトルが目を引く、「ボンベイ・サファイア」のドライジンです。ボタニカルには、世界各国から集めた10種類を厳選使用。独自の「ヴェイパー・インフュージョン」製法にて雑味を抑え、豊かな香りを引き出した飲みやすい1本です。
ほのかな甘みと心地よい苦みが織りなす複雑でスムースな味わいは、ジントニックやマティーニなどのカクテルベースにぴったり。比較的リーズナブルなので、日々の晩酌のお供にもおすすめです。
ぜひ、スパイシーな料理やエスニック料理などに合わせて、芳醇な香味を爽快に楽しんでみてください。
タンカレー(Tanqueray) ロンドンドライジン
門外不出のレシピを創業以来190年以上に渡って守り続ける「タンカレー」のロンドン・ドライジンです。4回の蒸留により、キレのある洗練された味わいを引き出したプレミアムな銘柄。口に含めば、厳選ボタニカルの豊かで多彩な香味が余韻まで長く続きます。
すっきりとした辛口は万能性が高く、ロックにカクテルベースにと、好みや飲用シーンに合わせてさまざまな飲み方ができるのも魅力。比較的リーズナブルでコスパもよいため、ジン初心者の方の入門酒や、毎日気軽に飲めるモノを探している方などにおすすめです。
ボルス(BOLS) ジュネヴァ
1575年に創業した世界最古の名門スピリッツブランド「ボルス」が手がける、オランダ生まれの「ジュネヴァ」。1820年代のオリジナルレシピを忠実に再現した、トラディショナルな1本です。
連続式蒸溜器と単式蒸留機を組み合わせて3回蒸留したモルトワインに、ジュニパーベリーなどのボタニカル蒸留液を独自にブレンド。ウォッカのようにクリアな液色ながら、ウイスキーのような芳醇さと複雑さを備えたリッチな味わいに仕上げられています。
モルティでなめらかな口当たりは飲みやすく、オランダジン初心者の方にもぴったり。ストレートやロックはもちろん、オリジナルコリンズやジュネヴァトニックなど、19世紀のアメリカで人気を博したクラシックカクテルを楽しむのもおすすめです。
シュリヒテ(shlichte) シュタインヘーガー
ドイツの名門ジンブランド「シュリヒテ」が1776年のオリジナルレシピをベースに造る、ドイツ伝統の特産ジン「シュタインヘーガー」。原料の大麦に、イタリア・トスカーナ産のジュニパーベリーとスパイス類を独自にブレンドした風味豊かな銘柄です。
グラスに注ぐと立ち上がる甘いアロマに、口に含むと広がるマイルドでスムースな味わいが特徴。後味もすっきりとしていて飲みやすいため、シュタインヘーガーの入門酒にも適しています。
冷凍庫でキンキンに冷やし、まずはストレートで、芳しい香りとまろみのある風味をじっくりと堪能するのがおすすめ。ジントニックやマティーニなど、ジンベースのカクテルでも楽しめます。
ヘイマンズ(Haymans) オールドトム ジン
「ビーフィーター」を生み出した蒸留所をルーツとするジンブランド「ヘイマンズ」のオールド・トム・ジン。1800年代のレシピを再現して造る、トラディショナルな甘口ジンです。
伝統のポットスチル蒸留にて10種類のボタニカルの香味をバランスよく引き出し、サトウキビ由来のスピリッツをブレンドして仕上げているのが特徴。シトラスのさわやかな香りに、ほのかな甘みと上品なまろやかさを堪能できる上質な1本です。
ストレートやロックなどのシンプルなスタイルから、トムコリンズなどのカクテルベースまで、シーンに合わせて幅広い飲み方を楽しめるのも魅力。やわらかな口当たりは、ドライなお酒が苦手な方にもおすすめです。
ザ・ボタニスト(THE BOTANIST) アイラ ドライ ジン
アイラ島で初めて生まれ、そして唯一とされるドライジン。植物学者により、アイラ島産のボタニカルにこだわって製造された銘柄です。22種類のアイラ島内で採取されたボタニカルを含む、31種類ものボタニカルを組み合わせ、ゆっくりと丹念に蒸留を行い仕上げられています。
豊かで芳醇なアロマが広がる、深い味わいが特徴。アップルやミントなどの甘みを感じる繊細なニュアンスをはじめ、夏の草原を思わせる自然の香りも漂います。
多彩なフレーバーが絡み合う、心地よく華やかな飲み口を楽しみたい方におすすめのジンです。
ゴードン(GORDON’S) ロンドン ドライジン
ジントニックを世界に先駆けて生み出したとされるブランド「GORDON’S」のドライジン。1769年の創業以来、長きにわたり受け継がれてきた伝統のレシピを守り続け造られています。現在においても約180ヶ国で親しまれている、世界的な人気を博す銘柄です。
ジュニパーベリーをはじめとする、高品質な厳選のボタニカルを使って仕上げられており、力強く感じられるドライな味わいが特徴。組み合わせたボタニカルにより、バランスがよく豊かに広がる香りや爽快な余韻も楽しめます。
多くのバーテンダーに親しまれるだけではなく、世界的に有名な映画などの作品にも登場する人気銘柄の味わいを試してみたい方にもおすすめのジンです。
ジンのおすすめ銘柄|日本産
サントリー(SUNTORY) サントリージン 翠
日本人の食卓になじみ深い、柚子・緑茶・生姜の3つの和素材を中心に造られたジンです。清々しい香りとさわやかな味わいは、唐揚げや焼き鳥、ポテトサラダなどの定番居酒屋メニューとの相性もぴったり。ジンを食中酒として楽しみたい方に適しています。
翠と炭酸水を1:4で割った「翠ジンソーダ」は、メーカーも推奨する定番の飲み方です。風味のアクセントとして、すりおろし生姜や柚子果汁を加えるのもおすすめ。また、炭酸水の代わりに煎茶で割ってもおいしく楽しめます。
ボトルは六角形のフォルムが特徴で、青緑色のカラーで清涼感を表現。価格が比較的リーズナブルなので、ジンを初めて飲む方にもおすすめの1本です。
サントリー(SUNTORY) ジャパニーズクラフトジン ROKU
日本の豊かな四季が生み出した「サントリー」のプレミアムジンです。8種類の伝統的なボタニカルに、桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子と6種類の厳選和素材をブレンド。旬の時期に収穫し、新鮮なまま浸漬、蒸溜して仕上げた繊細な1本です。
グラスに注ぐと香り立つのは、桜や柚子の華やかなアロマ。口に含めば、ジュニパーベリーのドライなキレに、和素材の爽快感とやさしさが心地よく溶け込む表情豊かな味わいが広がります。
六角形のボトル表面に、和素材6種類の絵柄を彫り込んだ、高級感と重厚感あふれる佇まいも魅力的。飲み方は、ボタニカルそれぞれの香りと個性が際立つ、ジントニックやジンソーダがおすすめです。
紅桜蒸溜所 北海道自由ウヰスキー CraftGin9148
北海道初のジン蒸留所「紅桜蒸留所」によるジャパニーズジンです。ジュニパーベリーを効かせたドライジンに、日高昆布・切干大根・干し椎茸などの北海道産ボタニカルがやさしい旨味をプラス。ジンらしい爽快感とまろやかな甘みを纏ったコクのある1本です。
飲み方は、キンキンに冷やしたストレートやロック、またはジントニックやマティーニなどのカクテルがぴったり。食中酒として、和食とのマリアージュを楽しむのがおすすめです。
「9148」のユニークなネーミングは、ジンが所々に登場するジョージ・オーウェルの小説「1984」をオマージュしたモノ。飲用シーンをクールに彩る、どこかミステリアスでレトロフューチャーなボトルデザインも魅力です。
ニッカ(NIKKA) カフェジン
世界的に希少な連続式蒸留器「カフェスチル」を用いて造られた、こだわりのジャパニーズジン。原料である穀物由来の甘みとコクが活きた、膨らみのある味わいの1本です。
ボタニカルには、伝統的な素材に加え、柚子・甘夏・りんご・山椒などの和素材を厳選使用。カフェ蒸留液にじっくりと浸漬して、ジュニパーベリーにさわやかな柑橘香と山椒のスパイシーさが折り重なる、芳醇な香りを引き出しています。
飲み方は、個性豊かな風味が一層際立つ、シンプルなカクテルがぴったり。ロックやストレートで飲めば、芳しいアロマとやわらかな甘みを堪能できます。
サクラオブルワリーアンドディスティラリー(SAKURAO Brewery and Distillery) SAKURAO GIN ORIGINAL
広島県廿日市の老舗蔵元「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」が、広島産にこだわって造るジャパニーズジン。伝統的なジンの風味に、広島産柑橘類のフレッシュなアロマが心地よく溶け込んだ、香り高い銘柄です。
ボタニカルには、レモン・ネーブル・夏ミカン・柚子・橙・ヒノキ・緑茶・赤紫蘇・生姜の広島産素材を含む全14種類を採用。スティーピング方式とヴェイパー方式を同時に行うハイブリッドな製法にて、ボタニカルそれぞれの香味を存分に引き出しています。
世界的な酒類コンペでも数々の受賞歴を誇る実力派の1本。氷を入れたロックスタイル、またはジントニックやジンリッキーなどのシンプルなカクテルで、芳醇な香りを楽しみながら味わうのがおすすめです。
京都蒸溜所(Kyoto Distillery) 季の美 京都ドライジン
原料に和のエッセンスを積極的に取り入れたジンです。お米から造られたライススピリッツをベースに、ボタニカルには玉露や柚子をはじめ、赤松や山椒などの和素材をメインに使用。加えて、水は京都伏見のやわらかくきめ細やかな伏流水を使用しています。
すべてのボタニカルをまとめて蒸留する一般的なジンの製法とは異なり、計11種類のボタニカルを特性に応じて6つのグループに分け、別々に蒸留した後にブレンドする製法を採用。素材本来の香味がより際立った仕上がりが特徴です。
ジュニパーベリーの効いたロンドン・ドライジンスタイルに、和素材のアクセントを加えたクリーンな味わいは、さまざまな飲み方と好相性。ジントニックやマティーニなどのカクテルのほか、シンプルなロックやお湯割りで風味をじっくり楽しむのもおすすめです。
京都蒸溜所(Kyoto Distillery) 季の糖島 京都オールドトムジン
京都で誕生したやさしい甘さのオールド・トム・ジンです。玉露や柚子などの和素材を含む11種類のボタニカルを使用した人気銘柄「季の美」に、与那国島の黒糖をブレンド。豊富に含まれたミネラルが、繊細な甘みと、奥行きのある複雑な味わいを感じさせます。
まろやかな口当たりに、後口に残る、柚子ジャムのような甘くさわやかな余韻も魅力。飲みやすいので、ジン初心者の方の入門酒や、ホームパーティなどでのおもてなし酒にもおすすめです。
日本初のクラフト・ジン専門蒸溜所が手がけるプレミアムな味を、ぜひロックやストレート、トムコリンズをはじめとするカクテルなどで堪能してみてください。
養命酒製造 クラフトジン 香の森
日本古来の香木、クロモジをボタニカルのメインに使用したジンです。風味を際立てるために、100種類以上のボタニカルから18種類を厳選。これらをクロモジの細枝・葉・太枝と調合することで、重厚感あふれる香味とスパイスの甘い余韻を生み出しています。
飲み方はまずシンプルにロックがおすすめ。深く静寂な森にいるような清涼感と、幾重にも広がる複雑な風味をじっくりと味わえます。食中酒として飲む場合は、ジンソーダやジントニックも好相性。好みのスタイルで楽しめるのも魅力です。
ニッカ(NIKKA) ウヰルキンソン・ジン 47.5°
老舗メーカー「ニッカウヰスキー」により、長年にわたって培われてきた製造技術を受け継ぐジャパニーズジン。ボタニカルを10種類以上組み合わせて仕上げられており、際立つシトラス由来のニュアンスと、爽快な甘さや苦みを伴う複雑で深い味わいが特徴です。
さらに、重なり合い広がっていくハーブの香りや、なめらかで心地よい口当たりも魅力。軽快かつすっきりと後を引くフィニッシュも楽しめます。また、アルコール度数は47.5度と高く、骨格のある力強いスピリッツが感じられるのもポイントです。
なお、飲み方はストレートをはじめ、幅広い種類の割り材と合わせても相性は良好。ライムジュースとソーダで割ったジンリッキーや、レモンジュース・シロップ・ソーダで割ったトムコリンズなどのカクテルで味わうのにもおすすめのジンです。
エシカル・スピリッツ(The Ethical Spirits) エシカルジン LAST ELEGANT
本来であれば廃棄となるはずの酒粕を使用して造られたジャパニーズクラフトジン。そのほかにも、ジュニパーベリー・ハイビスカスティー・ピンクペッパーなど10種のボタニカルを組み合わせて仕上られています。
使われている材料に由来する華やかに広がる香りに、スパイシーなニュアンスが織りなすアロマが特徴。まるで「飲む香水」と謳われるようなフローラルなノートを楽しめるのが魅力です。アルコール度数は47%と高めで、しっかりとしたスピリッツとしての力強さも感じられます。
香水のような華やかな香りは、ロック・ソーダ割り・ジントニックなどで楽しむのがおすすめです。
・375ml
・700ml
ジンのおすすめ銘柄|クラフト・ジン
ウイリアムグラント&サンズ(William Grant&Sons) ヘンドリックス ジン
スコットランドにて少量生産されている、プレミアムなクラフト・ジンです。11種類のボタニカルに、バラの花びらとキュウリのエキスを加えたユニークな銘柄。グラスに注げば、香水のように華やかでフローラルなアロマが上品に立ち上がります。
味わいは、なめらかでスムース。ハーブや花のまろやかな甘みを、ジュニパーベリーやレモンピールなどのさわやかな香りがさっぱりと引き締めます。
ストレート・ロック・カクテルと飲用シーンに合わせてさまざまなスタイルを楽しめるのも魅力。カクテルにスライスキュウリを添えれば、奥行きのある味わいを一層引き立ちます。
モンキー 47(MONKEY 47) ドライジン
広大な自然を有するドイツ・ブラックフォレストの蒸留所から生まれた「モンキー47」。ブラックフォレストで手摘みされる高品質な47種類のボタニカルを蒸留し、ブラックフォレストのまろやかな天然湧き水でブレンドした、プレミアムなクラフト・ジンです。
クランベリーのビターな香りが効いた、「香水にもしてほしい香り」と称されるほどの華やかなアロマが魅力的。古い陶器を用いて約3ヶ月間熟成し、それぞれのボタニカルがバランスよく折り重なる、複雑で奥深い味わいを引き出しています。
飲み方は、トニック・スリング・マティーニ・ギムレットなど、ジン定番のシンプルなカクテルがおすすめ。個性豊かな風味は、とくにジン上級者の方におすすめです。
ジーヴァイン(G’Vine) ジン フロレゾン
フランス・コニャック産の白ブドウ「ユニ・ブラン種」を原料とした、斬新なクラフト・ジンです。白ブドウを蒸留してできたスピリッツに、9種類の厳選ボタニカルとユニ・ブランの花芽のエキスをブレンド。ブドウの花が繊細に香る、やさしい味わいが特徴です。
やわらかくスムースな口当たりで飲みやすいため、ジン初心者の方や、ジン特有のクセが苦手な方にもおすすめ。ぜひ、ロック・ストレート・ジントニックなどのシンプルなスタイルで、フローラルな香りを楽しみながら味わってみてください。
ボビーズ(BOBBY’S) スキーダム ドライジン
ジン発祥の地、オランダ・スキーダムの老舗蒸留所で造られているクラフト・ジンです。1950年代に考案されたオリジナルレシピをベースに、伝統的なボタニカルとインドネシアのスパイスをブレンド。オリエンタルな柑橘香が強く華やかに香る1本です。
口に含むと広がるのは、レモングラスとハーブの効いたさわやかな風味。後口に、シナモン・クローブ・キュベブペッパーなどのスパイシーな余韻が続きます。
「ワールドスピリッツアウォード2016」をはじめ、世界的な酒類コンペでも金賞を獲得している実力派。飲み方は、ライムの代わりにオレンジスライスとクローブを添えたボビーズジントニックがおすすめです。
山本酒造店 クラフトジン ナイトトラベラー
明治34年創業の老舗酒蔵「山本酒造店」が手掛ける、日本酒由来の味わいが楽しめるクラフト・ジン。アルコールのベースは蒸留した酒粕から生まれた焼酎で、地元秋田県産のキキョウ・カミツレ・檜山茶などをはじめ、30種類ものボタニカルを使用しています。
高品質な多種のボタニカルを用い、丁寧な蒸留と抽出を経て際立つアロマを引き出しているのが特徴。複雑に絡み合うアロマには、同酒蔵が製造する日本酒を想起させる、さわやかな吟醸香も感じられます。
重厚かつ複雑に広がる香りと味わいは、カクテルで楽しんでも本来の特徴を損ないにくいのも魅力。蔵元が「アロマのカオス」を表現したと謳う、個性的な味わいを体験してみたい方におすすめのクラフト・ジンです。
ジンのおすすめ銘柄|高級
フェルディナンズ(FERDINAND’S) ザール ドライジン
ドイツ有数の高級ワイン銘醸地、モーゼル地方ザール地区の「アバディス蒸留所」が手がけるクラフト・ジン。ドイツの権威あるワインガイド「Gault Millau Wine Guide」にてワインメーカーオブザイヤー2017に輝いた、高級白ワインを添加しているのが特徴です。
ボタニカルには、自家農園で栽培された果実やハーブを含む全33種類を使用。蒸留後にリースリング種の高級白ワインを添加する斬新な手法にて、上品で華やかな香りに、ワインを思わせる高貴な味わいを引き出しています。
ジントニックやマティーニなどの王道カクテルはもちろん、白ワインのようにしっかり冷やしてストレートで飲むのもおすすめ。コルク栓を用いた重厚感あふれる佇まいは、飲用シーンを一層優雅に盛り上げます。
ジェネラス(Generous) ジン
白い陶器瓶に草花をモダンにあしらった、フランス生まれのおしゃれなクラフト・ジン。ジュニパーベリーやシトラス、ジャスミンやエルダーフラワーなどの天然ボタニカルをふんだんに使用した、香水やワインのように香り高い上質な銘柄です。
グラスに注ぐと立ち上るのは、フレッシュな柑橘香に、フローラルフレーバーの華やかさとジュニパーベリーのさわやかさが織りなす芳醇なアロマ。口に含めば、フルーティーな味わいが広がり、レモン・ジャスミン・ペッパーがほのかな余韻を残します。
甘み・苦み・酸味のバランスがよいので、ジン特有のクセが苦手な方でも飲みやすいのがポイント。飲み方は、レモンジュースとジンジャエールを軽く混ぜ合わせた爽快なカクテル、ジンバックがおすすめです。
サイレントプール(SILENT POOL) ジン
イギリス・ロンドン南西のサリー州に位置する青く澄んだ湖、サイレントプール湖のほとりの蒸留所で造るロンドン・ドライジンです。小麦由来のスピリッツをベースに、24種類のボタニカルを調合。まるで香水を思わせるような、ロマンティックな香りが特徴です。
ジントニックやマティーニなど、さまざまなジンベースの定番カクテルと好相性。エメラルドグリーンのボトルは太陽の下で輝くサイレントプール湖を表現しており、高級感あふれるデザインはプレゼントにもおすすめです。
サイレントプール(SILENT POOL) ブラックジュニパー ジン
標高4000mのヒマラヤ高地でしか採れないとされる、ブラックジュニパーがメインに使われているジン。そのほかのボタニカルにも、沈香・クラウドティ・ジュンチャバリ茶園の紅茶といった貴重なモノが使われています。
香りは、ジュニパー由来のウッディでさわやかなニュアンスと、ぬくもりを感じるスパイスを伴うのが特徴。さらに、ほのかに漂うスモーキーな香りも感じられます。口当たりはなめらかでありながらも、スパイシーな味わいとキャラメルや紅茶の繊細な甘みやコク深さが引き立つ風味が楽しめるのも魅力です。
後味には、複雑でわずかに漂うスモークが余韻として長く残ります。1000mlのボトリングで、高級な味わいをたっぷりと堪能できるのもポイント。貴重な材料を使った高級な味わいは、お酒が好きな大切な方へのプレゼントにもおすすめです。
ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド(Berry Bros. & Rudd) No.3 ロンドン ドライジン
イギリス最古のワイン商「ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド」が造るロンドン・ドライジン。3種のフルーツと3種のスパイスの厳選ボタニカルをシンプルに使用し、ジュニパーベリーの香りを存分に引き立てた王道かつ高級な1本です。
ジュニパーベリーに、柑橘系フルーツのさわやかさと、カルダモンやコリアンダーのスパイシーさが心地よく重なる奥深い味わいが魅力。後口には、アンジェリカ由来のドライな余韻が続きます。
ちなみに、「No.3」の銘柄名はショップとオフィスを構える「セント・ジェームス3街番地」に由来。ショップ外装の深緑色をボトルカラーに、応接室の鍵をボトルのモチーフにあしらった、クラシカルな佇まいも魅力です。
骨格のある風味を、ぜひ、辛口カクテルのクラシック・ドライ・マティーニで堪能してみてください。
ネオブルーディステラリー(Neo Blue Distillery) ORGANIC GIN 青舞 OrB
山口県長門市初のジン蒸留所「ネオブルーディステラリー」が造る、国産のオーガニックジン。イギリスのスピリッツ専門雑誌が主催する伝統的な品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2021」にて銀賞を獲得した高級銘柄です。
主要ボタニカルには、長門市油谷で無農薬栽培された13種類のハーブに、高級香木「伽羅」や島根県産のオリジナルローズ「さ姫」を使用。グラスに注げば、凝縮されたハーブがさわやかに香り立ちます。
飲み方は、芳香をシンプルに楽しめる、ロックやジンライムなどがおすすめ。ボトルごと冷凍庫で凍らせれば、トロリとなめらかな口当たりも堪能できます。
ノールド ジェネヴァ 20年
昔ながらの製法にて1本1本職人が手造りしている、少量生産の高級ジン。20年の歳月をかけて熟成させた「ジェネヴァ 20年」は、モルトの香味に、ボタニカル由来のスパイシーな香りが心地よく溶け込んだ円熟味が魅力の銘柄です。
風格を醸し出す、ジュネヴァ伝統の茶色い粘土製ボトルも魅力的。上品でクラシカルな佇まいは、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。
スコッチウイスキーにも似た濃厚かつ重厚な風味を、ぜひ、ロックやストレートなどのシンプルなスタイルでじっくりと堪能してみてください。
番外編:ジンのおすすめの飲み方
ストレート
ジン本来の香りと味をシンプルに楽しみたい場合には、ストレートで飲むのがおすすめ。ボタニカルの個性豊かな風味をダイレクトに満喫できます。
ジンは温度によって香りや味わいが変わるお酒のひとつ。常温または少し冷やした状態で飲めばしっかりと香りが立ち、ボトルごと冷凍庫でキンキンに冷やせばトロミのあるマイルドな口当たりが増して飲みやすくなります。
ただし、非常にアルコール度数が高いため、お酒が得意でない方は無理をしないようにしましょう。チェイサーを忘れずに用意して、少しずつ飲んでみてください。しっかり冷やしてゆっくりと飲みながら、温度による香りと味の変化を堪能するのも一興です。
ロック
香りをしっかりと感じつつ、アルコールも抑えたい方にはロックが好相性。氷が少しずつ溶けて冷たさが増すたびに、風味の変化も堪能できます。
ロックで飲む場合のポイントは、間口の広いグラスを用意し、大きめの氷を使用すること。レモンやライムをひと絞りしたり、白ワインを数滴たらしたりすると、風味が増してさらに飲みやすくなります。
また、氷がグラスとぶつかって奏でる、カラカラという軽やかな音を楽しみながら飲めるのもロックの醍醐味。舌や鼻、耳に感触と五感を駆使してジンの魅力に触れてみてください。
ジントニック
ジントニックは、ジンをベースにしたポピュラーなカクテルのひとつ。イギリスの植民地で当時健康飲料として飲まれていたトニックウォーターにジンを加えたところ、非常においしかったことがジントニックのはじまりといわれています。
ジンに対して2~3倍程度のトニックウォーターを注ぎ、レモンやライムのスライスなど柑橘類を添えるのが一般的。好みやシーンに合わせて、濃くしたり薄くしたりと自由に調節もできます。
ジンのボタニカルな香りにトニックウォーターの甘み・苦み・酸味が絶妙に折り重なった、ドライで爽快な飲み口が特徴。使用するジンの銘柄によって異なる風味を楽しめるのも魅力です。シンプルながら奥深い味わいを、ぜひ堪能してみてください。
水割り
アルコールが得意でない方には、ジンに同量の水を加える水割りもおすすめです。「トワイスアップ」とも呼ばれており、加水によってアルコールが薄まり飲みやすくなるのが特徴。さらに、ジン本来の味と香りも感じやすくなるツウな飲み方です。
好みに合わせて水の量を調節し、風味の変化を楽しむのもおすすめ。使用するグラスは、香りを閉じ込めて逃がしにくい、間口の狭いタイプが適しています。
マティーニ
「マティーニ」もジントニックと並ぶ、ジンベースカクテルの代表格。作り方は、ドライジンにドライベルモットを加えて、オリーブを添えるだけといたってシンプルです。
ジンとベルモットの種類や割合によって300近いレシピがあるともいわれており、シンプルながら奥深い魅力も秘めています。ぜひ、好みの配合を見つけて、オリジナルマティーニを楽しんでみてください。
ギムレット
3:1の割合のドライジンとライムジュースに氷を加え、シェーカーで仕上げる「ギムレット」。19世紀後半、イギリス海軍の軍医ギムレット卿が健康維持のためジンをライムジュースで薄めるよう勧奨したのがはじまりとされるさわやかなカクテルです。
使用するライムジュースによって、味わいがガラリと変わるのも魅力のひとつ。糖分を添加したコーディアルライムを使用すれば甘口のデザートカクテルに、果汁100%のフレッシュライムジュースを使用すれば酸味の効いたパンチのある風味を楽しめます。
甘めに作ったギムレットを凍らせてシャーベットにしたり、ギムレットをさらに炭酸水で割ってギムレット・ハイボールにしたりとアレンジを加えるのもおすすめです。
トムコリンズ
レモンスカッシュのような清涼感が魅力の「トムコリンズ」。19世紀半ば、ロンドンのとあるバーでボーイ長を務めていたジョン・コリンズが、ジンの起源であるジュネヴァをベースに「ジョン・コリンズ」というカクテルを創作したのがはじまりとされています。
炭酸水以外の材料をシェイクし、氷を入れたグラスに注いで炭酸水を加えたら、軽く混ぜ合わせましょう。好みでスライスしたレモンとレッド・チェリーを添えれば完成。
現在はベースにドライジンを使用するのが主流ですが、オールド・トム・ジンで当時の味を再現するのもおすすめです。
カクテルのベースとしてはもちろん、ロック・ストレート・水割りと幅広く楽しめるジン。使用しているボタニカルによって異なる風味を堪能できるのも魅力です。定番のドライジンに個性派クラフト・ジンなど多彩なラインナップも人気。お気に入りのジンに好みのアレンジを加えて、おしゃれなおうちバーを満喫しましょう。